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第15話 Ωの男友達ができた件〜前編〜
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現在、我が校は体育の授業でΩの生徒にだけブルマ着用を義務づけている。
だがしかし、男子や教師からの性的対象化に戸惑いを覚えるΩの子たちがブルマ廃止を訴え、ジェンダー論者たちもそれを後押ししたが、伝統を重んじる保守的な校風で却下された。
運動着形状が性別によって違う事に合理的な理由は存在せず、体型が強調されるブルマを穿かされるたびに思春期のΩの生徒は憂鬱な気分に陥っていた。
今日のΩの体育はサッカーで僕たちは黙々とゴールに向かってボールを蹴り続ける練習をさせられた。
やがてチャイムが鳴り、生徒たちはグラウンドを去っていく。
運動が大の苦手で体育の成績は昔から1だった僕は息があがりっぱなしで、その場で立ち尽くしていた。
すると、同じクラスの処田 尾芽牙くんが歩み寄ってきた。
尾芽牙くんはきらめく蒼い瞳で僕を見つめる。ホワイトブロンドのふわふわな綺麗な髪をなびかせながら汗で湿った僕の肩にそっと手をまわしてきた。顎の線が細く、整った顔を僕の顔に近づけてくる。
「アオイくん、大丈夫? ボクが支えてあげるからね♡」
「ありがとう……でも、大汗掻いてるから」
僕は困惑して視線をそらし、消え入りそうな声でぽつりとつぶやく。しかし、ますます強く抱き寄せられてしまう。
「気にしなくていいよ。同じΩじゃない。それにアオイくんの汗なら、むしろご褒美だよ♡」
「え? 処田くん……」
「尾芽牙って、名前で呼んでよ♡」
耳に息を吹きかけるように囁かれると、背筋がゾクッとするような感覚が突き抜ける。身体から力が抜けそうになり、慌てて足に力を込めた。
「ほらほら、早く名前を呼んでよ。尾芽牙って♡」
「お……尾芽牙くん……」
僕は周囲に誰もいないことを確認すると、ためらいながらも掠れた声で名前を呼んだ。途端に顔がかっと熱くなってしまう。羞恥を誤魔化すようにうつむくが、顎を摘まれて顔をあげられた。
「あ……」
「ふふふ、やっぱりアオイくんって可愛いね♡」
尾芽牙くんが優しく微笑んでくる。
「実は前からアオイくんと2人っきりになれる機会を窺っててね。ボク、思うんだ。ΩはΩ同士で付き合うのがベストなんじゃないかってね♡」
「……え?」
僕は隙を突かれて、そっと唇を奪われた。唇の表面がほんの少し触れ合うだけの軽いキスだが、それだけで驚いてしまう。
「ちょっと、尾芽牙くん……いきなり何を……」
「そういうウブなところがホント可愛いよ♡ ますます好きになっちゃうなぁ」
「ンン……」
いったんは唇を離すが、すぐに肩を抱かれて再び唇を奪われた。
人気がないとはいえ、グラウンドでブルマ姿のΩ同士が口づけを交わしているのだ。誰かに見られでもしたら、大変な騒動になることは間違いない。
僕は何とか力を振り絞って唇を振りほどくと、濡れた瞳で懇願するように尾芽牙くんの整った顔を見つめた。
それでも尾芽牙くんは指を絡め合わせるように手を繋いできた。そして、有無を言わさず更衣室まで連れて行かれる。
皆、着替え終わったようで更衣室はもぬけの殻だった。
僕はブルマから剥き出しになっている内腿を擦り合わせながら心臓がドキドキするのを必死に抑える。
「アオイくんって、男が苦手でしょ?」
尾芽牙くんに自分が男性恐怖症であることを見抜かれしまった。
「図星だね。実はボクも昔、αの教師に身体を触られた挙句に男性器を見せつけられて扱くことを強要された暗い過去があってさ。それ以来、すっかり男嫌いになっちゃってね。生理的に受け付けなくて、話すのも苦痛になっちゃった。もう男とは一生関わらないつもりでいたんだけど、Ω同士なら苦悩を分かち合えるんじゃないかと思って、アオイくんに近づいたんだ。やっぱり、ボクたちなら上手くやっていけそうだね♡」
そう言うと、尾芽牙くんは僕を抱き竦める。
「あ……尾芽牙くん♡」
尾芽牙くんに対してシンパシーを覚えた僕はニッコリと微笑んだ。
「ブルマって自分が穿かされるのはストレスだけど、アオイくんが穿いてるのを見てると、すっごく可愛くて癒されるよ♡」
「はむンッ……」
今度は先ほどのような軽いキスではない。唇を割られて、ぬめる舌が入り込んでくる。僕の舌は途端に絡めとられて強く吸われた。
Ω同士のディープキスが理性を少しずつ蕩かしていく。口づけを交わしたまま、床にそっと横たえられた。
仰向けになった僕に、尾芽牙くんが添い寝するような格好だ。
火照った身体に床の冷たさが心地いい。唾液を啜り飲まれたと思ったら、今度は反対に口移しされる。
汗で湿った体操着の胸部に尾芽牙くんの手が伸びると、優しく揉みしだかれた。
だがしかし、男子や教師からの性的対象化に戸惑いを覚えるΩの子たちがブルマ廃止を訴え、ジェンダー論者たちもそれを後押ししたが、伝統を重んじる保守的な校風で却下された。
運動着形状が性別によって違う事に合理的な理由は存在せず、体型が強調されるブルマを穿かされるたびに思春期のΩの生徒は憂鬱な気分に陥っていた。
今日のΩの体育はサッカーで僕たちは黙々とゴールに向かってボールを蹴り続ける練習をさせられた。
やがてチャイムが鳴り、生徒たちはグラウンドを去っていく。
運動が大の苦手で体育の成績は昔から1だった僕は息があがりっぱなしで、その場で立ち尽くしていた。
すると、同じクラスの処田 尾芽牙くんが歩み寄ってきた。
尾芽牙くんはきらめく蒼い瞳で僕を見つめる。ホワイトブロンドのふわふわな綺麗な髪をなびかせながら汗で湿った僕の肩にそっと手をまわしてきた。顎の線が細く、整った顔を僕の顔に近づけてくる。
「アオイくん、大丈夫? ボクが支えてあげるからね♡」
「ありがとう……でも、大汗掻いてるから」
僕は困惑して視線をそらし、消え入りそうな声でぽつりとつぶやく。しかし、ますます強く抱き寄せられてしまう。
「気にしなくていいよ。同じΩじゃない。それにアオイくんの汗なら、むしろご褒美だよ♡」
「え? 処田くん……」
「尾芽牙って、名前で呼んでよ♡」
耳に息を吹きかけるように囁かれると、背筋がゾクッとするような感覚が突き抜ける。身体から力が抜けそうになり、慌てて足に力を込めた。
「ほらほら、早く名前を呼んでよ。尾芽牙って♡」
「お……尾芽牙くん……」
僕は周囲に誰もいないことを確認すると、ためらいながらも掠れた声で名前を呼んだ。途端に顔がかっと熱くなってしまう。羞恥を誤魔化すようにうつむくが、顎を摘まれて顔をあげられた。
「あ……」
「ふふふ、やっぱりアオイくんって可愛いね♡」
尾芽牙くんが優しく微笑んでくる。
「実は前からアオイくんと2人っきりになれる機会を窺っててね。ボク、思うんだ。ΩはΩ同士で付き合うのがベストなんじゃないかってね♡」
「……え?」
僕は隙を突かれて、そっと唇を奪われた。唇の表面がほんの少し触れ合うだけの軽いキスだが、それだけで驚いてしまう。
「ちょっと、尾芽牙くん……いきなり何を……」
「そういうウブなところがホント可愛いよ♡ ますます好きになっちゃうなぁ」
「ンン……」
いったんは唇を離すが、すぐに肩を抱かれて再び唇を奪われた。
人気がないとはいえ、グラウンドでブルマ姿のΩ同士が口づけを交わしているのだ。誰かに見られでもしたら、大変な騒動になることは間違いない。
僕は何とか力を振り絞って唇を振りほどくと、濡れた瞳で懇願するように尾芽牙くんの整った顔を見つめた。
それでも尾芽牙くんは指を絡め合わせるように手を繋いできた。そして、有無を言わさず更衣室まで連れて行かれる。
皆、着替え終わったようで更衣室はもぬけの殻だった。
僕はブルマから剥き出しになっている内腿を擦り合わせながら心臓がドキドキするのを必死に抑える。
「アオイくんって、男が苦手でしょ?」
尾芽牙くんに自分が男性恐怖症であることを見抜かれしまった。
「図星だね。実はボクも昔、αの教師に身体を触られた挙句に男性器を見せつけられて扱くことを強要された暗い過去があってさ。それ以来、すっかり男嫌いになっちゃってね。生理的に受け付けなくて、話すのも苦痛になっちゃった。もう男とは一生関わらないつもりでいたんだけど、Ω同士なら苦悩を分かち合えるんじゃないかと思って、アオイくんに近づいたんだ。やっぱり、ボクたちなら上手くやっていけそうだね♡」
そう言うと、尾芽牙くんは僕を抱き竦める。
「あ……尾芽牙くん♡」
尾芽牙くんに対してシンパシーを覚えた僕はニッコリと微笑んだ。
「ブルマって自分が穿かされるのはストレスだけど、アオイくんが穿いてるのを見てると、すっごく可愛くて癒されるよ♡」
「はむンッ……」
今度は先ほどのような軽いキスではない。唇を割られて、ぬめる舌が入り込んでくる。僕の舌は途端に絡めとられて強く吸われた。
Ω同士のディープキスが理性を少しずつ蕩かしていく。口づけを交わしたまま、床にそっと横たえられた。
仰向けになった僕に、尾芽牙くんが添い寝するような格好だ。
火照った身体に床の冷たさが心地いい。唾液を啜り飲まれたと思ったら、今度は反対に口移しされる。
汗で湿った体操着の胸部に尾芽牙くんの手が伸びると、優しく揉みしだかれた。
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