43 / 77
第43話 アンチΩ団に襲われた件〜前編〜
しおりを挟む
尾芽牙くん率いるΩ反逆同盟が勢力を拡大したことでΩの権利が無視できなくなり、少しずつΩの社会進出が進んでいった。
だかしかし、実社会はまだまだαを中心とした男社会であり、Ωの地位向上は遠い夢のまた夢だ。それなのにもかかわらず、男たちの間でバックラッシュが起こり、アンチΩ団と名乗るモテないβを中心とした組織が台頭し始めた。
彼らはΩ反逆同盟を『伝統的な家族観を破壊する売国奴である』と罵りながら、少子化問題の責任をΩに押し付けて、再びΩを男性支配社会の枠組みに組み込み、自由と権利を根こそぎ奪おうと画策している。
「Ω反逆同盟はΩばかりを不当に優遇し、βの男よりも圧倒的に劣るΩ共の社会進出を推し進めている! Ωという生き物は子供を産み出す以外に使い道がない二級市民の分際で権利だけは一丁前に主張する図々しい連中だ! ジェンダー平等はΩのワガママを正当化するだけで、社会的にはメリットがない! よってΩは再び大人しく家庭に収まるべきなのだ~ッ!」
アンチΩ団のリーダー格である喪手奈井 下太はルサンチマンを爆発させながら、暴力的なバックラッシュを行なっていた。彼らは鋼鉄製の支柱にΩの両手首を縛り上げて吊るし上げながら街中をデモ行進している。
「モテない男にΩを配給しろ~ッ!!!」
「Ωに学歴と経済力を持たせても国が傾くだけだぁ~!」
「Ωに生殖の自己決定権を与えるなぁ!」
アホなことを叫びながら、吊るされている全裸のΩたちのことを食い入るように見つめている。劣情を剥き出しにした無数の視線が、Ωたちの全身に突き刺さっていく。
Ωたちは逃れようと無駄な抵抗を続けている。だかもちろん、Ωの力で脱出できるはずがなかった。
そして、そうやってあがけばあがくほど、その懸命な姿をアンチΩ団に指差されて笑われてしまう。
「見ろよ、アイツ! ヘコヘコ腰を振ってやがるぜ! そんなにオレたちのチンポが欲しけりゃ、くれてやるぞ~ッ! うひゃひゃひゃひゃwww」
「だ、黙れ……。誰が、お前らなんかの……」
涙を流しながら怒りをあらわすΩに、アンチΩ団は手を叩いて喜んでいる。
男の醜悪さを凝縮したような者たちの放つ、負のオーラに間近で見ていた僕は圧倒されるばかりだった。
あんな風に自分も晒し者にされるんじゃないかという恐怖に怯えながらも、僕は我が国の現状にあらためて胸を痛めていた。
この歪んだ社会を正したい。それには男たちの意識改革を進めなければ到底実現不可能だ。だが、大多数の男という生き物は僕の予想を遥かに上回るほどのサイコパスであり、冗談抜きでΩを肉体的にも精神的にもボロボロに搾取して使い捨てることでしか生きる意味を見出せないらしい。
僕は通りを練り歩いていくアンチΩ団に暗澹たる思いを抱いていると、いきなり背後から襲われ、慌てふためいた。
「こいつもΩだぜ!」
「ああ、間違いねえ! Ωのフェロモンをムンムン出してやがるwww」
必死に逃げる僕を2人のアンチΩ団員が追ってくる。
僕は雑居ビルの階段を必死に駆け上がっていく。
しかし、追走する2人の男の足は速い。逃げる僕を追いつめて楽しんでいるふうだ。
僕の目前に、屋上へのドアが近づく。そこから屋上に出て叫べば、誰かが声を聞いてくれるはずだ。
ガッ!
屋上へとつづくドアのノブに手をかけてひねる。ところが、鍵がかかっていて動かない。
ガシャガシャと音を立ててノブを何度も何度もひねるが、ビクともしない。
「うひょ~、わざわざ自分から人気のない所まで案内してくれるとはご苦労だなぁwww」
「もしかしてオレらに犯されたくて、ここまで誘い込んでくれたんじゃね?」
2人の男が並んでゆっくりと近づいてきた。
「いや、来ないで~ッ!!!」
ドアをガンガン叩きながら、僕が叫ぶ。
「いやああん、とか言いつつ本音ではオレたちとヤリてえんだろwww」
相手が嫌がっていても、大多数の男は自分を誘っているんだと都合のいいように解釈してしまうほど病的に認知が歪んでいる。ストーカーに男が多いのも、それが原因だろう。
勘違い野郎が僕に飛びつき、ドアに身体を押し付けてきた。僕が悲鳴をあげようとしたところで、右手で素早く口を塞いでくる。
男の左手が制服の横のスリットに突っ込まれると、僕は呻きながら両手で必死に押し返そうと頑張る。だがしかし、Ωの力では敵うはずもなく難なく押しかえされてしまう。
もはや完全に抵抗する術は僕にない。
男の指が僕の太腿を滑る。太腿の一番敏感な部分で動く。男は僕の苦しそうな反応を楽しみながら、太腿のつけ根の窪みを指で愛撫する。
「ううう……」
僕は泣きそうになるのを必死で耐える。泣いてしまえば、男の加虐心が一層刺激されることを僕はよく知っていた。かつてレイプされた時もそうだった。男という生き物は自分よりも圧倒的に弱い存在をイジメ抜いて支配することに性的興奮を覚えるのだ。
どんなに力では勝てなくても、心だけは屈服してなるものかと強い意志を持って無言の抵抗を続ける。
「抵抗しなくなったぜ。やっぱり、こいつはオレたちのチンポが欲しくてしょうがねえらしい。よ~し、それならアンチΩ団員を全員ここに集めて皆んなで犯そうぜwww」
「そうだなぁ、こいつには男社会の秩序や安寧を乱すようなΩの個性や自由は許されないということをオレたちのチンポで教えてやるとするか。待ってろ、すぐに電話すっからwww」
2人の会話を聞いて、背筋が凍りついた僕はついに泣くのが我慢できなくなり、恐怖で号泣するのであった。
だかしかし、実社会はまだまだαを中心とした男社会であり、Ωの地位向上は遠い夢のまた夢だ。それなのにもかかわらず、男たちの間でバックラッシュが起こり、アンチΩ団と名乗るモテないβを中心とした組織が台頭し始めた。
彼らはΩ反逆同盟を『伝統的な家族観を破壊する売国奴である』と罵りながら、少子化問題の責任をΩに押し付けて、再びΩを男性支配社会の枠組みに組み込み、自由と権利を根こそぎ奪おうと画策している。
「Ω反逆同盟はΩばかりを不当に優遇し、βの男よりも圧倒的に劣るΩ共の社会進出を推し進めている! Ωという生き物は子供を産み出す以外に使い道がない二級市民の分際で権利だけは一丁前に主張する図々しい連中だ! ジェンダー平等はΩのワガママを正当化するだけで、社会的にはメリットがない! よってΩは再び大人しく家庭に収まるべきなのだ~ッ!」
アンチΩ団のリーダー格である喪手奈井 下太はルサンチマンを爆発させながら、暴力的なバックラッシュを行なっていた。彼らは鋼鉄製の支柱にΩの両手首を縛り上げて吊るし上げながら街中をデモ行進している。
「モテない男にΩを配給しろ~ッ!!!」
「Ωに学歴と経済力を持たせても国が傾くだけだぁ~!」
「Ωに生殖の自己決定権を与えるなぁ!」
アホなことを叫びながら、吊るされている全裸のΩたちのことを食い入るように見つめている。劣情を剥き出しにした無数の視線が、Ωたちの全身に突き刺さっていく。
Ωたちは逃れようと無駄な抵抗を続けている。だかもちろん、Ωの力で脱出できるはずがなかった。
そして、そうやってあがけばあがくほど、その懸命な姿をアンチΩ団に指差されて笑われてしまう。
「見ろよ、アイツ! ヘコヘコ腰を振ってやがるぜ! そんなにオレたちのチンポが欲しけりゃ、くれてやるぞ~ッ! うひゃひゃひゃひゃwww」
「だ、黙れ……。誰が、お前らなんかの……」
涙を流しながら怒りをあらわすΩに、アンチΩ団は手を叩いて喜んでいる。
男の醜悪さを凝縮したような者たちの放つ、負のオーラに間近で見ていた僕は圧倒されるばかりだった。
あんな風に自分も晒し者にされるんじゃないかという恐怖に怯えながらも、僕は我が国の現状にあらためて胸を痛めていた。
この歪んだ社会を正したい。それには男たちの意識改革を進めなければ到底実現不可能だ。だが、大多数の男という生き物は僕の予想を遥かに上回るほどのサイコパスであり、冗談抜きでΩを肉体的にも精神的にもボロボロに搾取して使い捨てることでしか生きる意味を見出せないらしい。
僕は通りを練り歩いていくアンチΩ団に暗澹たる思いを抱いていると、いきなり背後から襲われ、慌てふためいた。
「こいつもΩだぜ!」
「ああ、間違いねえ! Ωのフェロモンをムンムン出してやがるwww」
必死に逃げる僕を2人のアンチΩ団員が追ってくる。
僕は雑居ビルの階段を必死に駆け上がっていく。
しかし、追走する2人の男の足は速い。逃げる僕を追いつめて楽しんでいるふうだ。
僕の目前に、屋上へのドアが近づく。そこから屋上に出て叫べば、誰かが声を聞いてくれるはずだ。
ガッ!
屋上へとつづくドアのノブに手をかけてひねる。ところが、鍵がかかっていて動かない。
ガシャガシャと音を立ててノブを何度も何度もひねるが、ビクともしない。
「うひょ~、わざわざ自分から人気のない所まで案内してくれるとはご苦労だなぁwww」
「もしかしてオレらに犯されたくて、ここまで誘い込んでくれたんじゃね?」
2人の男が並んでゆっくりと近づいてきた。
「いや、来ないで~ッ!!!」
ドアをガンガン叩きながら、僕が叫ぶ。
「いやああん、とか言いつつ本音ではオレたちとヤリてえんだろwww」
相手が嫌がっていても、大多数の男は自分を誘っているんだと都合のいいように解釈してしまうほど病的に認知が歪んでいる。ストーカーに男が多いのも、それが原因だろう。
勘違い野郎が僕に飛びつき、ドアに身体を押し付けてきた。僕が悲鳴をあげようとしたところで、右手で素早く口を塞いでくる。
男の左手が制服の横のスリットに突っ込まれると、僕は呻きながら両手で必死に押し返そうと頑張る。だがしかし、Ωの力では敵うはずもなく難なく押しかえされてしまう。
もはや完全に抵抗する術は僕にない。
男の指が僕の太腿を滑る。太腿の一番敏感な部分で動く。男は僕の苦しそうな反応を楽しみながら、太腿のつけ根の窪みを指で愛撫する。
「ううう……」
僕は泣きそうになるのを必死で耐える。泣いてしまえば、男の加虐心が一層刺激されることを僕はよく知っていた。かつてレイプされた時もそうだった。男という生き物は自分よりも圧倒的に弱い存在をイジメ抜いて支配することに性的興奮を覚えるのだ。
どんなに力では勝てなくても、心だけは屈服してなるものかと強い意志を持って無言の抵抗を続ける。
「抵抗しなくなったぜ。やっぱり、こいつはオレたちのチンポが欲しくてしょうがねえらしい。よ~し、それならアンチΩ団員を全員ここに集めて皆んなで犯そうぜwww」
「そうだなぁ、こいつには男社会の秩序や安寧を乱すようなΩの個性や自由は許されないということをオレたちのチンポで教えてやるとするか。待ってろ、すぐに電話すっからwww」
2人の会話を聞いて、背筋が凍りついた僕はついに泣くのが我慢できなくなり、恐怖で号泣するのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる