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第一幕 ある時、沼津出身の学生二人が、
渡り鳥 01
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今年の春、夏生は東京に巣立った。沼津生まれ、沼津育ち、沼津で猛勉強をして、イースト高校という沼津の名門校に進学した。夜食に鯵の潮汁を飲むのも忘れずに、ね。
夜は、周りの人たちの人情、ほのかな明かりで読書をして、暇さえあれば「沼津について」なんていう、参考書とはかけ離れている本を読んだりしていた。
だからステレオタイプの両親は、(このまま、夏生は無事にいい学校にいけるのかしら)と、心配した。夏生がイースト高校合格の知らせを受けたとき、夏生に、同じく受かっていた第一志望校を蹴るようにいったのも、両親だった。
そんな夏生を育てたのは、両親だけではない。親友の慎也、彼の方が、もしや両親よりも、夏生をつくったのかもしれない。
夏生は十歳のとき、沼津に転校してきた。二歳の時まで、沼津で暮らしていて、七歳で、エギという古い村に転校したらしい。生まれたら九歳と三ヶ月たったある日、
「沼津が恋しいよ~!」
と泣き叫んで、久しぶりの沼津旅行を実施。(家出のことを、今でも慎也はそう呼んでいる。)
などを経て、親に言われた言葉——「仕方ないな……お前だけでも沼津にいってら!」というふうな経緯をへて、知り合いのオジに、慎也は育ててもらう。
オジは慎吾が十七のとき死んだ。そのころには、夏生と慎也はイースト高一のバディと呼ばれるまでになって……。
慎也は、沼津でファッション業を始めた。大学二年の夏のことだった。最初は売れっ子のサトというデザイナーの下で働かせてもらうことに決まった慎也だったが、慎也が就職した少しあと、海に出た日、慎也はこういった。「でも、二十になったら自分の店を持とうと思ってるんだ」
夜は、周りの人たちの人情、ほのかな明かりで読書をして、暇さえあれば「沼津について」なんていう、参考書とはかけ離れている本を読んだりしていた。
だからステレオタイプの両親は、(このまま、夏生は無事にいい学校にいけるのかしら)と、心配した。夏生がイースト高校合格の知らせを受けたとき、夏生に、同じく受かっていた第一志望校を蹴るようにいったのも、両親だった。
そんな夏生を育てたのは、両親だけではない。親友の慎也、彼の方が、もしや両親よりも、夏生をつくったのかもしれない。
夏生は十歳のとき、沼津に転校してきた。二歳の時まで、沼津で暮らしていて、七歳で、エギという古い村に転校したらしい。生まれたら九歳と三ヶ月たったある日、
「沼津が恋しいよ~!」
と泣き叫んで、久しぶりの沼津旅行を実施。(家出のことを、今でも慎也はそう呼んでいる。)
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