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第一幕 ある時、沼津出身の学生二人が、
渡り鳥 02
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大学卒業を間近に控えても、夏生の履歴書の希望職種の欄は、いまだに空欄だった。
「急がなきゃ、いけないのにな……」そこで慎也にきいたら、「最近猛勉強してるもんな、たまには息抜きしたらどうだ?」と答えられた。
「そうだな」
夏生はうなずいた。
というわけで今、夏生は仲見世通りを散策していた。レーンのようなものが三つくらいあって、左から一レーン目と二レーン目に、宝くじ売り場があった。
どちらも全く同じジャンボを宣伝していた。
「二卵性の双子かな」と夏生は呟いた。
気分転換気分転換、と慎也に肩を叩かれるかと思ったが、一向にその気配はなく、振り向いて確かめると、慎也はぼうっと見慣れた商店街を眺めていた。
「どうしたの」と、夏生はきいた。
「いやさ、」と慎也はいった。そして大きく伸びをして、「随分かわっちまったよな」大声を出した。
周りの人たちがびくっとする。夏生は慌てて慎也を制した。慎也はかわっちまったショックかなにかで、気違いになったらしかった。「この辺りは寿司屋がたくさんあるだろ? 寿司食べて落ち着けよ」と、夏生は慎也を寿司に誘った。無意識に、財布を揺らす。硬貨の音がいつもよりさみしい。ただし、1人2貫までな、とつぶやいた。そのとき、慎也の声がした。「手伝うよ。俺も割り勘やるわ」
大好物の話になるとキチガイでなくなる慎也は、普段の慎也とスシのよきのモードと2つの魂を持っているのだろうか。悪魔さーん、いらっしゃい。ここに慎也の二つの魂があるのだ。
「急がなきゃ、いけないのにな……」そこで慎也にきいたら、「最近猛勉強してるもんな、たまには息抜きしたらどうだ?」と答えられた。
「そうだな」
夏生はうなずいた。
というわけで今、夏生は仲見世通りを散策していた。レーンのようなものが三つくらいあって、左から一レーン目と二レーン目に、宝くじ売り場があった。
どちらも全く同じジャンボを宣伝していた。
「二卵性の双子かな」と夏生は呟いた。
気分転換気分転換、と慎也に肩を叩かれるかと思ったが、一向にその気配はなく、振り向いて確かめると、慎也はぼうっと見慣れた商店街を眺めていた。
「どうしたの」と、夏生はきいた。
「いやさ、」と慎也はいった。そして大きく伸びをして、「随分かわっちまったよな」大声を出した。
周りの人たちがびくっとする。夏生は慌てて慎也を制した。慎也はかわっちまったショックかなにかで、気違いになったらしかった。「この辺りは寿司屋がたくさんあるだろ? 寿司食べて落ち着けよ」と、夏生は慎也を寿司に誘った。無意識に、財布を揺らす。硬貨の音がいつもよりさみしい。ただし、1人2貫までな、とつぶやいた。そのとき、慎也の声がした。「手伝うよ。俺も割り勘やるわ」
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