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35闇の訓練
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楽しいひとときを終えて、次はスミレの闇属性の訓練を始める。
「今からぼくが、コハクの先生なんだからねっ」
「うん、よろしくね」
「それじゃ、ぼくの闇属性を披露するから見てなさい」
スミレが、綺麗な白い花を持っている。
歌を口ずさめば、術式が発動した。すると、綺麗な白い花は黒く染まって、魔素を含んだ黒い花へと変化した。
再びスミレが、先ほどとは違う歌を口ずさめば、魔素を含んだ黒い花から黒い色が消えていく。すると、元の綺麗な白い花の色に戻った。
「スミレは魔素の付与できて、吸収することも出来るんだね」
「そうよ」
「凄いっ」
「でしょっ」
スミレが鼻高々で自慢げな様子をみせる。
「ねぇねぇ、他には?」
「そっ、そうね……」
スミレが狼狽えるような様子をみせるだけで、次の技を披露しない。
「これ、だけ?」
「ち、違うわよ。錬った呪力を魔物にぶつけると、ぼくの呪力の方が強いから、中級の魔物なら消滅するわ。上級は……それなりに、打撃を与えられるから。あとは、あとは……」
スミレは慌てふためいて、しどろもどろになる。
「スミレ、落ち着きなさい」
ナデシコが、ゆっくりと優しい声でスミレに声をかけた。
「お、お姉様っ」
「スミレは夜の戦いでは活躍するわ」
「そ、そうね。暗闇は魔物が活発に動くの。闇属性のぼくは、魔物を感知する能力は誰よりも高いから、その動きを素早く察知できるわ。それを皆んなに教えてあげるの」
スミレは落ち着きを取り戻して、いつもの感じに戻った。
コハクは、何度か頷くように頭を振った。
「でも、これだけじゃあ。闇属性の特性が全然、生かされてないと思うんだけど……」
「何よ、それ。生意気なこと言って」
否定されたとスミレが不機嫌である。
「あのね。闇属性は精神攻撃が可能なんだ。だから、魔物を召還して使役が出来るんだよ」
「そうなの?」
「そうだよ」
「そんなの、知らない……」
「後は、精神攻撃で幻覚を見せたりね」
「なにそれっ、すごくないっ」
「すごいよね。他にも治療や浄化に似た事が出来るはずなんだけど……。自覚ないよね」
「闇属性よ。治療や浄化なんて出来るわけないじゃない」
シロガネから聞いていた話しと違うので、コハクは不思議に思う。
少し思考の整理をしたくて、うつむいた。
コハクが何かを考えて黙ったまま、何も言わない。その様子にスミレが、苛立つ、不貞腐れれた。とうとう痺れを切らして大声を上げた。
「なによ! 言いたいことがあるなら、ハッキリと言いなさいっ」
「ちょっと、待ってぇ!」
コハクは急かされて、語尾が強くなって怒った風になってしまう。
まさか、コハクが大きな声を出すなんて、思ってもいなかったスミレは驚いた。
それはコハクが怒ったのだと思って、スミレは体を震わせた。
強気な態度と言葉と裏腹に、スミレは打たれて弱い性格だった。
そんな自分を隠す為に、虚勢を張っていた。
スミレの様子に気がついたコハクは、慌てて謝った。
「スミレ、強い口調になって、怒ったみたいになってしまった。ごめんね。少し考えたいから……。時間を、ちょうだい」
コハクの気持ちがわかって、スミレは安心しながら大人しく頷いた。
二人の様子をナデシコは、何も言わずに見守った。
シロガネは、闇属性が光属性と同じ補佐が出来ると言っていた。
それは、スミレに闇属性の術式を教えたから、こその言葉のはずだ。
だというのに、何故、スミレは知らないのか。出来ないのか。
スミレの術式は、簡素なものばかりだ。
小さな傷なら、闇属性であっても初歩の回復で自分自身なら治せるはずだ。
でも、それすらもしたことない様子なのだ。
コハクが、スミレに確認するように尋ねていく。
「えっと。さっき、花の魔素を吸収したよね。花じゃなくて、魔素に侵されている人の場合ならば、その魔素を吸収すると、治療の一つにならないかな?」
「えっ、そうかも? そうだわぁ!」
「思いつかなかったんだね」
「だって、治療なら、お姉様がいるんですもの」
「それから、魔素に染まっている土壌や空間があって、そこにある魔素を吸収すれば、それは浄化の一つにならない?」
「うそっ、やだぁ! そうかもよ」
「考え付かなかったんだね」
「だって、浄化なら、お姉様がいるから……」
「今のままでは、吸収しているだけだよ。でも、闇属性でも難易度の高い術式を使えるようになると、治療や浄化と似た効果になるはずだよ」
「そんな知らない」
「考えた事ないの?」
「……ないわ」
「どうして?」
「だって、必要なかったもの……。難しいことはわからないし。教えてもらったけど覚えられないんだもん」
スミレが、哀しそうに落ち込んでる。
「シロガネは教えてくれたよね?」
「……そうよ。旦那様はいくつか教えてくれたわ。でも、難しくて、上手くいかなくて……、全然、わからなくて……覚えられなかったの」
スミレは、涙を溜めて訴える。
有能な光属性の姉がいたから、回復も浄化も必要がなかった。大好きなシロガネに教えてくれたというのに、理解できなくて覚えられなかった。そんな自分を恥じて、聞き直せなかった。そして、考えることを辞めたのだ。
これが原因で、自信のない心を隠すために、さらに強気な態度を出してしまう。
「それじゃあ、ボクが、シロガネの術式を教えてあげる」
「いいの……けど、覚えられる自信はないわ」
「一つずつ、ゆっくり、何度も練習すれば覚えられるよ」
「わからなくなったら、たくさん聞くわよ」
「いいよ、たくさん、何度でも聞いて」
「……ありがとう」
「ひとつ、提案。使役なんだけど、魅了にしてみたらどうかな?」
「何それ、やだぁ。魅了だなんて」
スミレが、恥ずかしそうな素振りを見せた。
「魅了の方が効果が高いんだ。呪力量は多くなるけど、魔素の吸収ができるスミレならば問題ないよ。なにより、上位の魔物も操られるかなって」
「やるわ、教えて」
俄然、やる気に満ちたスミレがいた。
そんな二人の様子をナデシコは、優しい眼差しで見つめて微笑んでいた。
「今からぼくが、コハクの先生なんだからねっ」
「うん、よろしくね」
「それじゃ、ぼくの闇属性を披露するから見てなさい」
スミレが、綺麗な白い花を持っている。
歌を口ずさめば、術式が発動した。すると、綺麗な白い花は黒く染まって、魔素を含んだ黒い花へと変化した。
再びスミレが、先ほどとは違う歌を口ずさめば、魔素を含んだ黒い花から黒い色が消えていく。すると、元の綺麗な白い花の色に戻った。
「スミレは魔素の付与できて、吸収することも出来るんだね」
「そうよ」
「凄いっ」
「でしょっ」
スミレが鼻高々で自慢げな様子をみせる。
「ねぇねぇ、他には?」
「そっ、そうね……」
スミレが狼狽えるような様子をみせるだけで、次の技を披露しない。
「これ、だけ?」
「ち、違うわよ。錬った呪力を魔物にぶつけると、ぼくの呪力の方が強いから、中級の魔物なら消滅するわ。上級は……それなりに、打撃を与えられるから。あとは、あとは……」
スミレは慌てふためいて、しどろもどろになる。
「スミレ、落ち着きなさい」
ナデシコが、ゆっくりと優しい声でスミレに声をかけた。
「お、お姉様っ」
「スミレは夜の戦いでは活躍するわ」
「そ、そうね。暗闇は魔物が活発に動くの。闇属性のぼくは、魔物を感知する能力は誰よりも高いから、その動きを素早く察知できるわ。それを皆んなに教えてあげるの」
スミレは落ち着きを取り戻して、いつもの感じに戻った。
コハクは、何度か頷くように頭を振った。
「でも、これだけじゃあ。闇属性の特性が全然、生かされてないと思うんだけど……」
「何よ、それ。生意気なこと言って」
否定されたとスミレが不機嫌である。
「あのね。闇属性は精神攻撃が可能なんだ。だから、魔物を召還して使役が出来るんだよ」
「そうなの?」
「そうだよ」
「そんなの、知らない……」
「後は、精神攻撃で幻覚を見せたりね」
「なにそれっ、すごくないっ」
「すごいよね。他にも治療や浄化に似た事が出来るはずなんだけど……。自覚ないよね」
「闇属性よ。治療や浄化なんて出来るわけないじゃない」
シロガネから聞いていた話しと違うので、コハクは不思議に思う。
少し思考の整理をしたくて、うつむいた。
コハクが何かを考えて黙ったまま、何も言わない。その様子にスミレが、苛立つ、不貞腐れれた。とうとう痺れを切らして大声を上げた。
「なによ! 言いたいことがあるなら、ハッキリと言いなさいっ」
「ちょっと、待ってぇ!」
コハクは急かされて、語尾が強くなって怒った風になってしまう。
まさか、コハクが大きな声を出すなんて、思ってもいなかったスミレは驚いた。
それはコハクが怒ったのだと思って、スミレは体を震わせた。
強気な態度と言葉と裏腹に、スミレは打たれて弱い性格だった。
そんな自分を隠す為に、虚勢を張っていた。
スミレの様子に気がついたコハクは、慌てて謝った。
「スミレ、強い口調になって、怒ったみたいになってしまった。ごめんね。少し考えたいから……。時間を、ちょうだい」
コハクの気持ちがわかって、スミレは安心しながら大人しく頷いた。
二人の様子をナデシコは、何も言わずに見守った。
シロガネは、闇属性が光属性と同じ補佐が出来ると言っていた。
それは、スミレに闇属性の術式を教えたから、こその言葉のはずだ。
だというのに、何故、スミレは知らないのか。出来ないのか。
スミレの術式は、簡素なものばかりだ。
小さな傷なら、闇属性であっても初歩の回復で自分自身なら治せるはずだ。
でも、それすらもしたことない様子なのだ。
コハクが、スミレに確認するように尋ねていく。
「えっと。さっき、花の魔素を吸収したよね。花じゃなくて、魔素に侵されている人の場合ならば、その魔素を吸収すると、治療の一つにならないかな?」
「えっ、そうかも? そうだわぁ!」
「思いつかなかったんだね」
「だって、治療なら、お姉様がいるんですもの」
「それから、魔素に染まっている土壌や空間があって、そこにある魔素を吸収すれば、それは浄化の一つにならない?」
「うそっ、やだぁ! そうかもよ」
「考え付かなかったんだね」
「だって、浄化なら、お姉様がいるから……」
「今のままでは、吸収しているだけだよ。でも、闇属性でも難易度の高い術式を使えるようになると、治療や浄化と似た効果になるはずだよ」
「そんな知らない」
「考えた事ないの?」
「……ないわ」
「どうして?」
「だって、必要なかったもの……。難しいことはわからないし。教えてもらったけど覚えられないんだもん」
スミレが、哀しそうに落ち込んでる。
「シロガネは教えてくれたよね?」
「……そうよ。旦那様はいくつか教えてくれたわ。でも、難しくて、上手くいかなくて……、全然、わからなくて……覚えられなかったの」
スミレは、涙を溜めて訴える。
有能な光属性の姉がいたから、回復も浄化も必要がなかった。大好きなシロガネに教えてくれたというのに、理解できなくて覚えられなかった。そんな自分を恥じて、聞き直せなかった。そして、考えることを辞めたのだ。
これが原因で、自信のない心を隠すために、さらに強気な態度を出してしまう。
「それじゃあ、ボクが、シロガネの術式を教えてあげる」
「いいの……けど、覚えられる自信はないわ」
「一つずつ、ゆっくり、何度も練習すれば覚えられるよ」
「わからなくなったら、たくさん聞くわよ」
「いいよ、たくさん、何度でも聞いて」
「……ありがとう」
「ひとつ、提案。使役なんだけど、魅了にしてみたらどうかな?」
「何それ、やだぁ。魅了だなんて」
スミレが、恥ずかしそうな素振りを見せた。
「魅了の方が効果が高いんだ。呪力量は多くなるけど、魔素の吸収ができるスミレならば問題ないよ。なにより、上位の魔物も操られるかなって」
「やるわ、教えて」
俄然、やる気に満ちたスミレがいた。
そんな二人の様子をナデシコは、優しい眼差しで見つめて微笑んでいた。
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