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57玄武の神域
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光の道を歩いて出ると、そこは草が繁り岩山がそびえる場所だった。
「コハクぅー」
カリンの声が響いた。少し先の大きな岩の前で手を振っている。
「カリンっ」
コハクも大きな声で、手を振って返した。
風が強く吹いてコハクの髪を揺らす。
空を見上げれば灰色の大きな雲が流れていた。
「さて、行こうか」
「うん」
シロガネに促されてコハクは歩き出す。
「主、コハク。ようこそ、いらっしゃい」
カリンが満面の笑みで迎えた。
その横でユリが静かに頭を下げた。
「招待してくれて、ありがとう。エレン、ユリ」
「あれぇ、なんでわかったのかなぁ」
「うーんとね。カリンはもっと大雑把だから」
シロガネもユリも声を出して笑った。
エレンは、頭をかいて誤魔化している。
その後、コハクはエレンと交代したカリンと話しをしながら目的地へ向かう。
岩の周りに沿って歩いていけば、目の前に聳え立つ岩の壁が広がる。
その壁の隙間を通って奥へと進んだ。
岩壁の高さにコハクは圧倒される。上を向いて岩壁を眺めれば、差し込む光が眩しかった。
「上ばかり見ていると転ぶよ」
目を細めてコハクが眩しそうに歩いているので、シロガネが声をかけた。
「うん。岩の壁がすごくて、びっくりだ」
「前から後ろから、万が一敵に襲われたら、普通は、ひとたまりもないだろうね」
突然シロガネが恐ろしい事を言った。
「そうだね。もしも外で、こんな場所を通らないといけない時は気をつけなきゃ」
隙間道を抜けると岩壁に囲まれている開けた場所が広がっていた。
その奥には大きな穴が、洞窟があった。
「ここだよぉー」
カリンが洞窟の中を指さす。
洞窟の中は暗くて冷んやりとしていた。
シロガネが呪を唱えると、洞窟の壁に設置されていた灯りか灯る。
それでも薄暗くて足元がおぼつかない。
「コハク」
シロガネが手を差し出すので、コハクは素直に手を乗せて合わせた。二人はしっかりと手を繋いで、奥に続くなだらかな坂道を進んだ。
ピタっピトっと洞窟の天井から水滴が落ちてくる。
「あそこ、もうすぐだよぉ」
少し先の明るく感じる方をカリンが指さした。
その先は階段になっている。下は広い岩場が広がって、その先には大きな地底湖がある。
地底湖は濃い藍と深い緑が混ざった色で美しく輝いている。
「すごいっ……きれい」
上から地底湖を眺めて、コハクは溜め息のような声で感嘆した。
「シロガネさまが、お越しになられましたわ。姿を現してくださいませ、玄武」
ユリが地底湖に向けて声をかけた。
ゴゴゴっと洞窟が揺れると地底湖の水が溢れた。
それは、地底湖の底が上に動いているからだった。
広い岩場と地底湖の境目はわからなくなる。溢れた水は流れていった。
そして、玄武の姿が顕になる。
コハクたちが立っている階段の上と同じ高さの大きさだ。
固く頑丈そうな、大きくて立派な甲羅は圧倒な存在感を見せる。
その甲羅から長い首が伸びている。また、甲羅に巻きつく大きく長い蛇が妖しく動めく。
二つの顔から四つの鋭い眼光が刺されば凍てつくような感覚は畏怖を抱くだろう。
「げんぶぅーー」
カリンが嬉しそうに、大きく手を振った。
「いつも元気で、良い子だね。カリン」
玄武が、おっとりと話した。
「うん、元気で良い子ぉー」
「そして、元気かい。エレン」
「はい元気です。お気遣いありがとうございます」
素早くカリンからエレンに入れ変わったようだ。エレンがきっちりと頭を下げた。
「ユリも、ご苦労さま。だね」
「ありがとうございます」
ユリが深々と頭を下げた。
「シロガネも、元気でなにより。だね」
「玄武こそ、変わりないな」
「そして、コハク。いつもカリンと、仲良くしてくれて。ありがとう」
「あっ、はい。いえ。こちらこそ、ありがとうございます」
コハクは慌てて挨拶をしたので、しどろもどろになった。
「いつも通り、カリンと話す。感じの、ままでいいから。ね」
「そうだよぉ」
「うん、わかった」
カリンの声かけもあり、コハクの緊張は解けてニッコリと笑った。
「コハクは、素直だから。カリンと、気が合うね。そして、ユリと、向き合える」
カリンだけでなくユリに対しても玄武が言及した。玄武の二人に対する接し方は、親が子を思うような感じがする。
「君たちは、似ている。ね」
「えっと、ボクとカリンとユリってこと?」
「そう、ね」
これには、コハクだけでなくカリンもユリも驚いている。シロガネは、コハクと目が合うと微笑んだ。
カリン、エレンの話もユリの話も本人たちから聞いて知っている。
それを踏まえて、コハクを除いても二人は似ているだろうか。
まして、玄武はコハクを含めている。
コハクやカリンにユリの戸惑いに玄武が応える。
「みんな、幼い頃に、寂しい思い、たくさん。したね」
カリンとユリに至っては確かにそうだ。
「ぼくはぜんぜん、寂しくないよ。玄武がいて、主がいて、コハクにユリに式神の皆んなと一緒だもん」
「わたくしも玄武の式神として、シロガネさまと一緒にいられますから、寂しくなどありませんわ」
「二人とも、よかった。コハクは、どうかなぁ」
カリンとユリが、はっきりと告げる。だけど、コハクは……。
「ボクは記憶がないから、子供の頃が寂しかったのか、わからないけど……。でも、今はシロガネと一緒にいて、式神の皆んながいる。寂しくないよ。この記憶を忘れない、忘れたくない。でも、ボクの、記憶が、戻ったらどうなるんだろう……」
コハクは、ずっと思っていた。
記憶が戻った後、今の記憶が引き継いだままなのか。
今のコハクという存在さえも、あやふやだ。
シロガネが大好きだという気持ちが消えてしまうかもと考えれば恐ろしかった。
今、その思いが露わになって、コハクは涙する。
瞳から頬に伝い流れる涙はとめどなく。次第に声が漏れて、感情が溢れる。
シロガネが、そっとコハクを抱きしめた。
「心配いらないよ。何があってもコハクはコハクだ。どんなコハクでも私は大好きだよ」
「でも、でも、忘れちゃうかもなんて、嫌だ」
「全部、私が覚えているから心配ないさ。教えてあげるよ」
「シロガネ、シロガネっ」
コハクはシロガネにしがみついた。
「ぼくだってぇ、覚えているからぁ、教えてあげるぅ」
カリンはコハクと共感して涙声だ。
「記憶が無くなるとは限りませんですわよ。杞憂ですわ。コハクさまが忘れても皆が忘れないならば、コハクさま存在しているのですよ」
「ユリ」
シロガネが、優しく微笑んでユリの名を呼んだ。
「そんな、嬉しそうな顔をされては困りますわ」
「繋いだ手の温もりを覚えている。心に刻まれた思いは消えはしない。コハクと共にいるよ」
シロガネの力強い思いが、コハクの憂いを晴らしていく。
「シロガネ、ありがとう」
静かに刻まれるは、途切れることのない命と心。今を動かし創るは、大切なものを守る為に紡いだ物語と記憶。忘れない、忘れられない。
「私の、素直で、優しい、良い子たちへ。さざれ石の巌となりて、魂に、刻めよ」
洞窟の岩壁がキラキラと蒼く光輝く。
まるで満天の星空のようだ。
この刻をここに集う石たちが見届けた。
幾歳幾万幾億の刻の流れに身を任せて見守り続けるだろう。
「コハクぅー」
カリンの声が響いた。少し先の大きな岩の前で手を振っている。
「カリンっ」
コハクも大きな声で、手を振って返した。
風が強く吹いてコハクの髪を揺らす。
空を見上げれば灰色の大きな雲が流れていた。
「さて、行こうか」
「うん」
シロガネに促されてコハクは歩き出す。
「主、コハク。ようこそ、いらっしゃい」
カリンが満面の笑みで迎えた。
その横でユリが静かに頭を下げた。
「招待してくれて、ありがとう。エレン、ユリ」
「あれぇ、なんでわかったのかなぁ」
「うーんとね。カリンはもっと大雑把だから」
シロガネもユリも声を出して笑った。
エレンは、頭をかいて誤魔化している。
その後、コハクはエレンと交代したカリンと話しをしながら目的地へ向かう。
岩の周りに沿って歩いていけば、目の前に聳え立つ岩の壁が広がる。
その壁の隙間を通って奥へと進んだ。
岩壁の高さにコハクは圧倒される。上を向いて岩壁を眺めれば、差し込む光が眩しかった。
「上ばかり見ていると転ぶよ」
目を細めてコハクが眩しそうに歩いているので、シロガネが声をかけた。
「うん。岩の壁がすごくて、びっくりだ」
「前から後ろから、万が一敵に襲われたら、普通は、ひとたまりもないだろうね」
突然シロガネが恐ろしい事を言った。
「そうだね。もしも外で、こんな場所を通らないといけない時は気をつけなきゃ」
隙間道を抜けると岩壁に囲まれている開けた場所が広がっていた。
その奥には大きな穴が、洞窟があった。
「ここだよぉー」
カリンが洞窟の中を指さす。
洞窟の中は暗くて冷んやりとしていた。
シロガネが呪を唱えると、洞窟の壁に設置されていた灯りか灯る。
それでも薄暗くて足元がおぼつかない。
「コハク」
シロガネが手を差し出すので、コハクは素直に手を乗せて合わせた。二人はしっかりと手を繋いで、奥に続くなだらかな坂道を進んだ。
ピタっピトっと洞窟の天井から水滴が落ちてくる。
「あそこ、もうすぐだよぉ」
少し先の明るく感じる方をカリンが指さした。
その先は階段になっている。下は広い岩場が広がって、その先には大きな地底湖がある。
地底湖は濃い藍と深い緑が混ざった色で美しく輝いている。
「すごいっ……きれい」
上から地底湖を眺めて、コハクは溜め息のような声で感嘆した。
「シロガネさまが、お越しになられましたわ。姿を現してくださいませ、玄武」
ユリが地底湖に向けて声をかけた。
ゴゴゴっと洞窟が揺れると地底湖の水が溢れた。
それは、地底湖の底が上に動いているからだった。
広い岩場と地底湖の境目はわからなくなる。溢れた水は流れていった。
そして、玄武の姿が顕になる。
コハクたちが立っている階段の上と同じ高さの大きさだ。
固く頑丈そうな、大きくて立派な甲羅は圧倒な存在感を見せる。
その甲羅から長い首が伸びている。また、甲羅に巻きつく大きく長い蛇が妖しく動めく。
二つの顔から四つの鋭い眼光が刺されば凍てつくような感覚は畏怖を抱くだろう。
「げんぶぅーー」
カリンが嬉しそうに、大きく手を振った。
「いつも元気で、良い子だね。カリン」
玄武が、おっとりと話した。
「うん、元気で良い子ぉー」
「そして、元気かい。エレン」
「はい元気です。お気遣いありがとうございます」
素早くカリンからエレンに入れ変わったようだ。エレンがきっちりと頭を下げた。
「ユリも、ご苦労さま。だね」
「ありがとうございます」
ユリが深々と頭を下げた。
「シロガネも、元気でなにより。だね」
「玄武こそ、変わりないな」
「そして、コハク。いつもカリンと、仲良くしてくれて。ありがとう」
「あっ、はい。いえ。こちらこそ、ありがとうございます」
コハクは慌てて挨拶をしたので、しどろもどろになった。
「いつも通り、カリンと話す。感じの、ままでいいから。ね」
「そうだよぉ」
「うん、わかった」
カリンの声かけもあり、コハクの緊張は解けてニッコリと笑った。
「コハクは、素直だから。カリンと、気が合うね。そして、ユリと、向き合える」
カリンだけでなくユリに対しても玄武が言及した。玄武の二人に対する接し方は、親が子を思うような感じがする。
「君たちは、似ている。ね」
「えっと、ボクとカリンとユリってこと?」
「そう、ね」
これには、コハクだけでなくカリンもユリも驚いている。シロガネは、コハクと目が合うと微笑んだ。
カリン、エレンの話もユリの話も本人たちから聞いて知っている。
それを踏まえて、コハクを除いても二人は似ているだろうか。
まして、玄武はコハクを含めている。
コハクやカリンにユリの戸惑いに玄武が応える。
「みんな、幼い頃に、寂しい思い、たくさん。したね」
カリンとユリに至っては確かにそうだ。
「ぼくはぜんぜん、寂しくないよ。玄武がいて、主がいて、コハクにユリに式神の皆んなと一緒だもん」
「わたくしも玄武の式神として、シロガネさまと一緒にいられますから、寂しくなどありませんわ」
「二人とも、よかった。コハクは、どうかなぁ」
カリンとユリが、はっきりと告げる。だけど、コハクは……。
「ボクは記憶がないから、子供の頃が寂しかったのか、わからないけど……。でも、今はシロガネと一緒にいて、式神の皆んながいる。寂しくないよ。この記憶を忘れない、忘れたくない。でも、ボクの、記憶が、戻ったらどうなるんだろう……」
コハクは、ずっと思っていた。
記憶が戻った後、今の記憶が引き継いだままなのか。
今のコハクという存在さえも、あやふやだ。
シロガネが大好きだという気持ちが消えてしまうかもと考えれば恐ろしかった。
今、その思いが露わになって、コハクは涙する。
瞳から頬に伝い流れる涙はとめどなく。次第に声が漏れて、感情が溢れる。
シロガネが、そっとコハクを抱きしめた。
「心配いらないよ。何があってもコハクはコハクだ。どんなコハクでも私は大好きだよ」
「でも、でも、忘れちゃうかもなんて、嫌だ」
「全部、私が覚えているから心配ないさ。教えてあげるよ」
「シロガネ、シロガネっ」
コハクはシロガネにしがみついた。
「ぼくだってぇ、覚えているからぁ、教えてあげるぅ」
カリンはコハクと共感して涙声だ。
「記憶が無くなるとは限りませんですわよ。杞憂ですわ。コハクさまが忘れても皆が忘れないならば、コハクさま存在しているのですよ」
「ユリ」
シロガネが、優しく微笑んでユリの名を呼んだ。
「そんな、嬉しそうな顔をされては困りますわ」
「繋いだ手の温もりを覚えている。心に刻まれた思いは消えはしない。コハクと共にいるよ」
シロガネの力強い思いが、コハクの憂いを晴らしていく。
「シロガネ、ありがとう」
静かに刻まれるは、途切れることのない命と心。今を動かし創るは、大切なものを守る為に紡いだ物語と記憶。忘れない、忘れられない。
「私の、素直で、優しい、良い子たちへ。さざれ石の巌となりて、魂に、刻めよ」
洞窟の岩壁がキラキラと蒼く光輝く。
まるで満天の星空のようだ。
この刻をここに集う石たちが見届けた。
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