職も住処もなくした私が訳ありアパートの管理人にスカウトされました。何やら事情があるようです。

ピヨピヨ

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調査業務解決編3

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 生霊の話はくどく。同じ話しをひたすら繰り返す。もう何度目かのその話にいい加減葵も眠くなってきていた。その結果

「いい人じゃないですか、翔太さん」

と、ついそんなことを言ってしまい美玖にぎろりとにらまれる。

「はあ? どこがよ!」

 部屋に日が差しているが、生霊には関係ないらしくて、弱ることなく睨みつけてくる美玖が怖い。

「あ、いえ、なんていうか、翔太さんはきちんと別れて、次のステップにふみだしたんですよね?」
「なんかその言いまわしむかつくわね」

 生霊美玖から怒られた。荒ぶる兆候は見られないが、やはり恐ろしい。

「いえ、あの……私、彼氏に二股かけられていたんです」

 ぽろりと言ってしまう。

「え?」
「ああ、もう元カレですけれど。本命じゃないって言われちゃって」

 そんな言葉がするすると紡がれる。苦しく誰かに話したかったのかもしれない。それとも徹夜明けのおかしなテンションなのか。

「ひどいですよね」

と同意を求める葵の言葉は美玖に切り捨てられた。

「あんた、ばっかじゃない? 他の女と付き合っているって気付かなかったの?」

 呆れたように言う。

「それがさっぱり気付かなくて。それに大好きだったし……」
「ふーん、それで、あんたはあっさり別れたの?」

 なぜか、立場が逆転する。

「別れたと言うか……。その前にお金を貸してたんです」
「は? もちろん、返しても貰ったんでしょうね?」

 葵は美玖のその言葉に、虚ろな表情を向ける。

「あの時は彼と結婚できるって信じてて、株に投資するからお金かしてっていわれて」
「え! あんたまさか!」

 美玖が驚愕に目を見開いた。
「はい、そのまさかなんです。結婚資金つくるっていうから」
「いくらよ!」
「その時は20万」
「その時はって、あんた他にもあるの? まあ、そっちはいいや。それで20万貸してどうなったの」
「株価が下落してすっちゃったって、結局お金帰って来なくて」
「そうじゃないでしょ! とり戻さなくちゃ!」

 ばんとテーブルを強く叩き美玖が前に乗り出す。

「それが信用取引っていうのだったらしくて」

それを聞いた美玖が驚いて目を剥く。

「あんたまさか! 補填してやったんじゃないでしょうね」
「そのまさかです。結婚資金を作るための投資だったから、別に返す必要もないだろうって。お前の為にやったことだと」
「ああ、もう、なにやってのよ。あんたそれ、もう純情通り越して、タダのばかでしょ! 典型的な結婚詐欺じゃん! まだそんなに若いのに詐欺られてどうすんのよ!」

 今思うと本当に馬鹿な真似をした。美玖の言う通りだ。父も母もいないから、ただただ家族が欲しくて「結婚」という言葉に縋ってしまった。
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