職も住処もなくした私が訳ありアパートの管理人にスカウトされました。何やら事情があるようです。

ピヨピヨ

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只今業務中2

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 スマホのライトがチカチカと点滅し始める。バッテリーは充電されているのに。電気系統は霊障の影響をもろに受ける。

「それが余計にこわくなるんじゃない。やめてよね……」

 
 おそるおそる風呂場のドアを開けると青い目の美しい少女と目が合った。しかしそれはとても小さくて……。
風呂場にポツンとたち、無表情に葵を見つめるビスクドール。

 怖い怖い怖い怖い怖い

 混乱しそうになる精神を何とか落ち着かせ。不規則に点滅するスマホを床にそっと置く。ビスクドールのガラス玉の青い目が妙に光を放っていたので、目印になる。まるで生きている人間のように少女の口角がゆっくりと上がる。

「ごめんさい。封じさせて!」

 葵はとびかかるようにビスクトールを掴むとビスクドールが暴れた。力が強く、まるで人のように温かで柔らかい。生命が宿っているようでぞっとする。


 お札を張り付けようとした瞬間右手の親指に痛みが走る。

「いたっ」

 ビスクトールの開いた口に白い歯列がならぶ。

(嘘でしょ! 噛まれた)

 葵は恐慌状態に陥った。

「やだやだやだやだ」

 悲鳴を上げる。

 それに呼応するようにビスクドールが小さい桜色の唇を開き、うめき声を上げる。

「ダガシー」

 人形の声など初めて聞いた。それはとても恐ろしい声なのに一瞬心を締め付けられるような切なさを感じた。

 この人形から手を離したいが、この部屋には頼るものなど誰もいない。人形はその間にもジタバタと暴れ、喚く。必死で、お札を張り付けると唐突に人形の動きが止まった。
 人肌の生々しい感触はきえ、青いガラス玉の瞳は力を失う。

 これで封印終了だ。

 葵はほっとしたが、床に転がしたビスクドールにもう一度触れる気にはなれない。
 ここからは社長の指示をあおぐだけだ。葵はスマホを取り出し、社長に電話をかけようとした。しかし、電話がかからない。

 スマホをもう一度見直すと圏外になっていた。そんな馬鹿なとも思うが、いったんベランダの外に出てかけなおすことにしようかと思った。

 するとカタカタカタカタッと風呂場から再び不審な音が聞こえてくる。嫌な予感がする。しかし、確認しないわけにはいかない。
 こわごわとの覗き込むとビスクドールが激しくと震え、お札が見えない力にひかれるようにびりびりと剥がれていく。

「うそ……」

 葵は恐怖に後じさる。
 むっくりと人形が体をおこし、闇のなかで青い双眸を光らせでケタケタを笑いだす。生きているかのように手足を動かし、葵の元へ向かってきた。

一瞬体は恐怖にこわばったが、無理矢理動かして逃げ出す。それから、ベランダにでて社長に電話をかけた。

 もう、やた!
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