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【第1話】氷のCEOは、夜の社長室で牙を剥く
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「――以上で、株式会社東都とのM&Aに関する最終合意書の確認を終わります。御堂社長、お疲れ様でした」
深夜零時を回った社長室。
分厚いファイルの束を閉じ、私は完璧な角度でお辞儀をした。
「氷の敏腕秘書」――社内でそう呼ばれる私、水瀬結衣(みなせ ゆい)の今日の業務は、これで無事に終了するはずだった。
「ああ。……よくやったな、結衣」
デスク越しに聞こえた声は、昼間の冷徹で隙のない『CEOの御堂蓮』のものではなかった。
ネクタイを苛立たしげに引き下げ、シャツの第一ボタンを外す彼。
その瞬間、空調の効いた室内に、ふわりと雄の熱と微かなアルコールの香りが漂う。
「社長、まだ社内です。私語と、その……だらしない格好はお控えください」
「もう誰も残ってない。それに、大きな山を越えたんだ。幼馴染の労いぐらい受け取れよ」
低い声とともに、革靴が絨毯を踏む音が近づいてくる。
立ち上がった蓮は、あっという間に私のパーソナルスペースを侵略した。
長身から見下ろされると、心臓が跳ねる。昼間のプレッシャーとは違う、本能的な焦燥感。
「れ、ん……近、い……っ」
「昼間はあんなに淀みなく喋るのに、俺が近づいただけで声が震えてるぞ。……可愛いな」
長い指が、私のきっちりと結い上げられた髪に触れる。
ピンが弾け飛び、封印されていた長い髪が肩に滑り落ちた。
「あっ……だめ、こんなの、ルール違反……っ!」
「ルール? 俺がこの会社のトップだ。俺のルールがすべてだろう?」
逃げようとした私の腰を、強い腕が引き寄せる。
スーツ越しでも伝わってくる、彼の熱くて硬い身体。
抗おうと胸板に両手を当てたが、その手はあっけなく片手で捕らえられ、背中の後ろでホールドされてしまった。
「んっ……!」
強引に奪われた唇。
最初は触れるだけの、確認するようなキス。だが、私がわずかに息を呑んで唇を開いた瞬間、それは容赦のない略奪へと変わった。
「ちゅ……んゅ……っ、ぁ、んっ……」
熱い舌が侵入し、私の口内を隅々まで蹂躙する。
甘く、深く、とろけるような粘膜の擦れ合い。頭の中が真っ白になり、足の力が抜けていく。
(だめ、これ以上は……私が、保たない……っ)
「……っ、ふぁ……れ、ん……やめっ……」
息継ぎのためにわずかに離れた唇から、銀色の糸が切なく引かれた。
涙目で彼を睨みつけるが、蓮の深い漆黒の瞳は、獲物を逃さない肉食獣のように細められていた。
「嘘をつくな。お前の身体は、こんなにも俺を歓迎してる」
蓮の大きな手が、私のタイトスカートの裾から滑り込む。
ストッキング越しに太ももを撫で上げるその指先は、まるで私の弱点をすべて知っているかのように的確だった。
「ひっ……! ぁ、そこ、は……だめぇっ……!」
「……昼間はあんなに隙のない『秘書』の顔をしてるのに。俺に触れられただけで、こんなに熱くなって、濡らして……本当に、愛おしいよ」
彼の指先が、ストッキングの奥、最も熱を帯びた秘所へと辿り着く。
ビクッと背筋が跳ね、口から甘い吐息が零れ落ちた。
「社長室のデスクで、俺の右腕がこんなにだらしなく鳴いているなんて……他の社員が見たらどう思うだろうな?」
耳元で囁かれる低く甘い声。
彼の意地悪な言葉と、裏腹なほど優しく熱い愛撫。
仕事への責任感と、彼に甘やかされる快感の狭間で、私の理性は音を立てて崩れ去ろうとしていた。
「もう……どうにでも、して……っ♡」
私はついに抗うことをやめ、彼の首に腕を回した。
M&Aの成功という大きな果実の裏で、私は彼と、決して解除できない『夜の専属契約』を結ぼうとしていた――。
【続く】
深夜零時を回った社長室。
分厚いファイルの束を閉じ、私は完璧な角度でお辞儀をした。
「氷の敏腕秘書」――社内でそう呼ばれる私、水瀬結衣(みなせ ゆい)の今日の業務は、これで無事に終了するはずだった。
「ああ。……よくやったな、結衣」
デスク越しに聞こえた声は、昼間の冷徹で隙のない『CEOの御堂蓮』のものではなかった。
ネクタイを苛立たしげに引き下げ、シャツの第一ボタンを外す彼。
その瞬間、空調の効いた室内に、ふわりと雄の熱と微かなアルコールの香りが漂う。
「社長、まだ社内です。私語と、その……だらしない格好はお控えください」
「もう誰も残ってない。それに、大きな山を越えたんだ。幼馴染の労いぐらい受け取れよ」
低い声とともに、革靴が絨毯を踏む音が近づいてくる。
立ち上がった蓮は、あっという間に私のパーソナルスペースを侵略した。
長身から見下ろされると、心臓が跳ねる。昼間のプレッシャーとは違う、本能的な焦燥感。
「れ、ん……近、い……っ」
「昼間はあんなに淀みなく喋るのに、俺が近づいただけで声が震えてるぞ。……可愛いな」
長い指が、私のきっちりと結い上げられた髪に触れる。
ピンが弾け飛び、封印されていた長い髪が肩に滑り落ちた。
「あっ……だめ、こんなの、ルール違反……っ!」
「ルール? 俺がこの会社のトップだ。俺のルールがすべてだろう?」
逃げようとした私の腰を、強い腕が引き寄せる。
スーツ越しでも伝わってくる、彼の熱くて硬い身体。
抗おうと胸板に両手を当てたが、その手はあっけなく片手で捕らえられ、背中の後ろでホールドされてしまった。
「んっ……!」
強引に奪われた唇。
最初は触れるだけの、確認するようなキス。だが、私がわずかに息を呑んで唇を開いた瞬間、それは容赦のない略奪へと変わった。
「ちゅ……んゅ……っ、ぁ、んっ……」
熱い舌が侵入し、私の口内を隅々まで蹂躙する。
甘く、深く、とろけるような粘膜の擦れ合い。頭の中が真っ白になり、足の力が抜けていく。
(だめ、これ以上は……私が、保たない……っ)
「……っ、ふぁ……れ、ん……やめっ……」
息継ぎのためにわずかに離れた唇から、銀色の糸が切なく引かれた。
涙目で彼を睨みつけるが、蓮の深い漆黒の瞳は、獲物を逃さない肉食獣のように細められていた。
「嘘をつくな。お前の身体は、こんなにも俺を歓迎してる」
蓮の大きな手が、私のタイトスカートの裾から滑り込む。
ストッキング越しに太ももを撫で上げるその指先は、まるで私の弱点をすべて知っているかのように的確だった。
「ひっ……! ぁ、そこ、は……だめぇっ……!」
「……昼間はあんなに隙のない『秘書』の顔をしてるのに。俺に触れられただけで、こんなに熱くなって、濡らして……本当に、愛おしいよ」
彼の指先が、ストッキングの奥、最も熱を帯びた秘所へと辿り着く。
ビクッと背筋が跳ね、口から甘い吐息が零れ落ちた。
「社長室のデスクで、俺の右腕がこんなにだらしなく鳴いているなんて……他の社員が見たらどう思うだろうな?」
耳元で囁かれる低く甘い声。
彼の意地悪な言葉と、裏腹なほど優しく熱い愛撫。
仕事への責任感と、彼に甘やかされる快感の狭間で、私の理性は音を立てて崩れ去ろうとしていた。
「もう……どうにでも、して……っ♡」
私はついに抗うことをやめ、彼の首に腕を回した。
M&Aの成功という大きな果実の裏で、私は彼と、決して解除できない『夜の専属契約』を結ぼうとしていた――。
【続く】
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