プロジェクト・ニッケルクロム ―銀色の方舟―

どえろん

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第7章:完璧という名の孤独

7-1:二度目の朝

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 翌朝6時。再び、けたたましい電子音が彼らを現実へと引きずり出した。
 身支度を済ませ、中央管制エリアへ向かう。
 点呼の列に並ぶと、やはり、一人足りなかった。工藤蓮だ。

 スタッフが、昨日と同じように、彼の不在を報告する。
 今回は、三笠博士が、静かに口を開いた。
「……燃料を拒否するエンジンは、飛ぶことができん。当然のことだ」
 その言葉は、誰に向けたものでもなかった。だが、その場にいた全員が、それが工藤蓮に向けられた、最後通告に近いものであることを理解した。彼の脱落は、もはや時間の問題だった。

 大地の胸が、チクリと痛んだ。
 昨夜、自分は彼に何もしてやれなかった。潤滑油などと、おこがましい。自分は、目の前の小さな問題を先延ばしにしただけだ。

 朝食の席で、大地はチーム・アルファのメンバーを見渡した。
 健吾は、誰とも目を合わせず、ひたすら食事を口に運んでいる。その姿は、まるでエネルギーを補給する機械のようだ。
 結実は、相変わらず行儀悪く椅子に座り、つまらなそうにスプーンを回している。
 しずくは、いつも通り、完璧なマナーで、完璧な速さで食事を終えようとしていた。
 そして、大山の前に座ると、彼は少しだけ、大地に向かって気まずそうに頷いた。それは、昨夜の栄養バーに対する、無言のメッセージだった。

 このチームは、まだバラバラだ。
 だが、昨日に比べれば、ほんの少しだけ、空気の澱みが晴れているような気がした。
 いや、そう思いたいだけなのかもしれない。
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