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第4話:聖女様の『訓練』は、密着しないと始まらない
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あの日以来、俺とセシリア様の訓練が日課となった。
それは、朝一番に中庭で、まず手を繋ぐことから始まる。
「……おはようございます、勇者」
「おはようございます、セシリア様」
ぎこちない挨拶を交わし、彼女が差し出す小さな手を、俺が握る。
もう何度も繰り返しているのに、柔らかくて少しひんやりした彼女の肌が俺の掌に触れるたび、心臓が跳ねるのを止められない。びりり、とマナの奔流が身体を駆け巡るこの感覚にも、まだ慣れそうになかった。
彼女も同じらしい。俺が手を握るたびに、いつもビクッと肩を震わせ、すぐに顔を背けてしまう。その頬がほんのり赤いことには、もう気づかないふりをしている。
訓練場の隅では、いつものように騎士団長アレクシスが、鞘に手をかけたまま仁王立ちでこちらを監視していた。あの視線、そろそろ背中に穴が開きそうだ。
「……勇者。力を解放するだけでは意味がありません。マナの流れを制御し、剣技として練り上げるのです」
「わ、分かってますけど……。これが、なかなか……」
俺は聖剣を振るうが、溢れ出す光の力はただ拡散するだけで、まったく狙いが定まらない。これでは魔王軍どころか、的当てすらおぼつかないだろう。
「はぁ……。あなたは、マナの流れを頭で理解しようとしすぎです。もっと、身体で感じないと」
セシリア様はため息をつくと、意を決したように俺の後ろに回り込んだ。
そして。
「――ひっ!?」
背中に、柔らかくて、控えめながらも確かな膨らみが、むにゅっと押し付けられた。
彼女の胸だ。
さらに、彼女の小さな手が俺の手に重ねられ、腰には彼女の細い腕が回される。完全に背後から抱きしめられるような密着体勢。首筋にかかる、甘い花の香りと温かい吐息に、俺の理性がぐらりと揺れた。
「こ、こうです……! 私のマナが、あなたの腕を伝って剣に流れていく……その循環を、肌で感じなさい……!」
セシリア様の声も、震えて上ずっている。背中に伝わる彼女の心臓の鼓動が、俺のと同じくらい速いのが分かってしまった。
駄目だ。意識が背中の感触に全部持っていかれて、訓練どころじゃない。
「あの、セシリア様……近すぎ、ませんかね……?」
「し、仕方ないでしょう! これが一番効率的なのですから! 文句を言うな! 邪念を捨てなさい、邪念を!」
邪念を捨てろと言われても、聖女様に背後から抱きしめられて平静でいられる男がいるものか。
俺と彼女の間に流れる、マナとは違う、甘くてむず痒い空気に、アレクシスの殺意のこもった咳払いが突き刺さった。
その日の午後。
訓練に行き詰まりを感じた俺たちは、気分転換も兼ねて、城の巨大な図書館を訪れていた。過去の勇者や聖剣に関する文献を探すためだ。
「すごいな……。本が天井までびっしりだ」
「王家の書庫ですから。……聖剣に関する記述は、あちらの古文書の棚に……」
二人きりの静かな図書館。高い棚にある本を取ろうと背伸びする彼女の姿や、真剣な顔でページをめくる横顔を見ていると、なんだか不思議な気分になる。彼女は聖女様で、俺は勇者だけど、こうしていると、ただの同い年の男女みたいだ。
やがて、彼女が一冊の古びた本を手に、目を見開いた。
「……ありました。初代勇者と聖女の繋がりについて記した、最古の文献です」
二人で革張りの本を覗き込む。そこに書かれていたのは、詩的で、そしてあまりにも官能的な一節だった。
『――闇を断つ究極の奥義に至るには、二つの魂は溶け合い、一つとなるべし。聖女はその聖杯たる器を捧げ、勇者はその光を注ぎ、満たすべし。器が二人の力で満ち溢れ、奇跡の子が生まれる時、真の聖剣は覚醒する――』
「「…………」」
聖杯たる器。光を注ぐ。奇跡の子。
……どう考えても、比喩とかじゃなく、そういうことだろう。
俺とセシリア様は、ばつが悪く顔を見合わせ、そして同時にカッと顔を赤くして、慌てて視線を逸らした。
気まずい沈黙が、俺たちの間に落ちる。
よりにもよって、聖剣のパワーアップ方法が、それかよ……。
気まずい雰囲気のまま図書館からの帰り道、廊下の曲がり角で、待ち構えていたかのようにアレクシスが立っていた。
「……勇者。少し、手合わせ願おうか」
「アレクシス! なんてことを!」
「お黙りください、セシリア様。……勇者よ。聖女様の隣に立つ者が、ただ手を繋いで力を得るだけの、ひ弱な男であっては断じてならん。俺の剣を、一撃でも受けきれたなら、認めてやろう」
有無を言わせぬ圧力。
セシリア様は反対したが、俺は首を横に振った。ここで逃げたら、男が廃る。
「……やります」
中庭で、俺とアレクシスは木剣を手に、対峙した。
セシリア様が、心配そうに俺の隣に立ち、そっと手を握る。温かいマナが流れ込んでくる。
「始め!」
開始の合図と同時に、アレクシスの姿が消えた。速い!
次の瞬間、俺の真横に現れた彼の剣が、嵐のような連撃となって襲いかかってきた。
「ぐっ……おぉっ!」
俺は聖剣の力任せに、なんとかそれを受け止める。だが、技術の差は歴然。じりじりと押し込まれ、体勢を崩された。
まずい、決められる――!
アレクシスの必殺の一撃が、俺の胴体を捉えようとした、その刹那。
俺の脳裏に、昼間の訓練の光景がフラッシュバックした。背中に感じた彼女の柔らかさ、首筋の吐息、そして、俺を導こうとしたマナの温かい流れ。
同時に、握り合った手を通じて、彼女の強い感情が流れ込んできた。
(――負けないで!)
その瞬間、俺の身体は意識よりも先に動いていた。
彼女に教わった通りに腰を捻り、足を踏み込む。俺と彼女のマナが、感情が、完全に一つに溶け合う感覚。
キィィィンッ!
聖剣が、これまでで最も眩い光を放った。
アレクシスの木剣を弾き飛ばし、逆に彼を数メートル後ろまで吹き飛ばしていた。
「なっ……!?」
呆然とするアレクシス。そして、俺とセシリア様も。
俺たちは、握り合った手を見つめた。ただの訓練じゃない。心が、感情が繋がった時、俺たちの力は、何倍にも増幅される。
セシリア様が、潤んだ瞳で俺を見上げ、かすかに震える声で呟いた。
「……今……あなたの心が、聞こえました……」
それは、俺たちの絆が、また一つ、深く、そして取り返しのつかない領域へと、足を踏み入れた瞬間だった。
【続く】
それは、朝一番に中庭で、まず手を繋ぐことから始まる。
「……おはようございます、勇者」
「おはようございます、セシリア様」
ぎこちない挨拶を交わし、彼女が差し出す小さな手を、俺が握る。
もう何度も繰り返しているのに、柔らかくて少しひんやりした彼女の肌が俺の掌に触れるたび、心臓が跳ねるのを止められない。びりり、とマナの奔流が身体を駆け巡るこの感覚にも、まだ慣れそうになかった。
彼女も同じらしい。俺が手を握るたびに、いつもビクッと肩を震わせ、すぐに顔を背けてしまう。その頬がほんのり赤いことには、もう気づかないふりをしている。
訓練場の隅では、いつものように騎士団長アレクシスが、鞘に手をかけたまま仁王立ちでこちらを監視していた。あの視線、そろそろ背中に穴が開きそうだ。
「……勇者。力を解放するだけでは意味がありません。マナの流れを制御し、剣技として練り上げるのです」
「わ、分かってますけど……。これが、なかなか……」
俺は聖剣を振るうが、溢れ出す光の力はただ拡散するだけで、まったく狙いが定まらない。これでは魔王軍どころか、的当てすらおぼつかないだろう。
「はぁ……。あなたは、マナの流れを頭で理解しようとしすぎです。もっと、身体で感じないと」
セシリア様はため息をつくと、意を決したように俺の後ろに回り込んだ。
そして。
「――ひっ!?」
背中に、柔らかくて、控えめながらも確かな膨らみが、むにゅっと押し付けられた。
彼女の胸だ。
さらに、彼女の小さな手が俺の手に重ねられ、腰には彼女の細い腕が回される。完全に背後から抱きしめられるような密着体勢。首筋にかかる、甘い花の香りと温かい吐息に、俺の理性がぐらりと揺れた。
「こ、こうです……! 私のマナが、あなたの腕を伝って剣に流れていく……その循環を、肌で感じなさい……!」
セシリア様の声も、震えて上ずっている。背中に伝わる彼女の心臓の鼓動が、俺のと同じくらい速いのが分かってしまった。
駄目だ。意識が背中の感触に全部持っていかれて、訓練どころじゃない。
「あの、セシリア様……近すぎ、ませんかね……?」
「し、仕方ないでしょう! これが一番効率的なのですから! 文句を言うな! 邪念を捨てなさい、邪念を!」
邪念を捨てろと言われても、聖女様に背後から抱きしめられて平静でいられる男がいるものか。
俺と彼女の間に流れる、マナとは違う、甘くてむず痒い空気に、アレクシスの殺意のこもった咳払いが突き刺さった。
その日の午後。
訓練に行き詰まりを感じた俺たちは、気分転換も兼ねて、城の巨大な図書館を訪れていた。過去の勇者や聖剣に関する文献を探すためだ。
「すごいな……。本が天井までびっしりだ」
「王家の書庫ですから。……聖剣に関する記述は、あちらの古文書の棚に……」
二人きりの静かな図書館。高い棚にある本を取ろうと背伸びする彼女の姿や、真剣な顔でページをめくる横顔を見ていると、なんだか不思議な気分になる。彼女は聖女様で、俺は勇者だけど、こうしていると、ただの同い年の男女みたいだ。
やがて、彼女が一冊の古びた本を手に、目を見開いた。
「……ありました。初代勇者と聖女の繋がりについて記した、最古の文献です」
二人で革張りの本を覗き込む。そこに書かれていたのは、詩的で、そしてあまりにも官能的な一節だった。
『――闇を断つ究極の奥義に至るには、二つの魂は溶け合い、一つとなるべし。聖女はその聖杯たる器を捧げ、勇者はその光を注ぎ、満たすべし。器が二人の力で満ち溢れ、奇跡の子が生まれる時、真の聖剣は覚醒する――』
「「…………」」
聖杯たる器。光を注ぐ。奇跡の子。
……どう考えても、比喩とかじゃなく、そういうことだろう。
俺とセシリア様は、ばつが悪く顔を見合わせ、そして同時にカッと顔を赤くして、慌てて視線を逸らした。
気まずい沈黙が、俺たちの間に落ちる。
よりにもよって、聖剣のパワーアップ方法が、それかよ……。
気まずい雰囲気のまま図書館からの帰り道、廊下の曲がり角で、待ち構えていたかのようにアレクシスが立っていた。
「……勇者。少し、手合わせ願おうか」
「アレクシス! なんてことを!」
「お黙りください、セシリア様。……勇者よ。聖女様の隣に立つ者が、ただ手を繋いで力を得るだけの、ひ弱な男であっては断じてならん。俺の剣を、一撃でも受けきれたなら、認めてやろう」
有無を言わせぬ圧力。
セシリア様は反対したが、俺は首を横に振った。ここで逃げたら、男が廃る。
「……やります」
中庭で、俺とアレクシスは木剣を手に、対峙した。
セシリア様が、心配そうに俺の隣に立ち、そっと手を握る。温かいマナが流れ込んでくる。
「始め!」
開始の合図と同時に、アレクシスの姿が消えた。速い!
次の瞬間、俺の真横に現れた彼の剣が、嵐のような連撃となって襲いかかってきた。
「ぐっ……おぉっ!」
俺は聖剣の力任せに、なんとかそれを受け止める。だが、技術の差は歴然。じりじりと押し込まれ、体勢を崩された。
まずい、決められる――!
アレクシスの必殺の一撃が、俺の胴体を捉えようとした、その刹那。
俺の脳裏に、昼間の訓練の光景がフラッシュバックした。背中に感じた彼女の柔らかさ、首筋の吐息、そして、俺を導こうとしたマナの温かい流れ。
同時に、握り合った手を通じて、彼女の強い感情が流れ込んできた。
(――負けないで!)
その瞬間、俺の身体は意識よりも先に動いていた。
彼女に教わった通りに腰を捻り、足を踏み込む。俺と彼女のマナが、感情が、完全に一つに溶け合う感覚。
キィィィンッ!
聖剣が、これまでで最も眩い光を放った。
アレクシスの木剣を弾き飛ばし、逆に彼を数メートル後ろまで吹き飛ばしていた。
「なっ……!?」
呆然とするアレクシス。そして、俺とセシリア様も。
俺たちは、握り合った手を見つめた。ただの訓練じゃない。心が、感情が繋がった時、俺たちの力は、何倍にも増幅される。
セシリア様が、潤んだ瞳で俺を見上げ、かすかに震える声で呟いた。
「……今……あなたの心が、聞こえました……」
それは、俺たちの絆が、また一つ、深く、そして取り返しのつかない領域へと、足を踏み入れた瞬間だった。
【続く】
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