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第10話:生涯契約の“調印式”と、新たなる戦いの序曲
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「……俺と、結婚してくれ」
静寂が戻った会議室に、俺のプロポーズの言葉が響き渡る。
それは、勝利の熱も、会社での立場も関係ない、ただの橘 蓮という男としての、魂からの願いだった。
雫は、俺の胸に顔をうずめたまま、小さく、小刻みに震えていた。
やがて、ゆっくりと顔を上げた彼女の瞳は、決壊したダムのように涙で溢れていた。
「……夢、なのでしょうか」
「夢じゃない」
「わたくしが、蓮さんの、奥様に……? 何も持たない、ただの秘書だったわたくしが……?」
まだ信じられない、と彼女の瞳が揺れる。
長年彼女を縛り付けてきた、“自分には何もない”という劣等感の呪い。
俺は、その呪いを、俺の愛で完全に解いてやりたかった。
「お前には、俺がいる。俺には、お前がいる。それ以上に、何か必要なものがあるか?」
俺は彼女の涙を親指で優しく拭うと、その唇に誓いのキスを落とした。
深く、長く、もう二度と離さないと魂に刻みつけるように。
唇が離れた時、彼女は嗚咽混じりの声で、しかしはっきりと、俺に告げた。
「……はい……っ♡ 喜んで……! 蓮さんの、お嫁さんに、してください……っ♡♡」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中で最後の理性のタガが弾け飛んだ。
勝利の興奮、愛する女が俺のものになるという歓喜、そして、これまでの全てが報われたという達成感。
それら全てが混じり合い、抑えきれないほどの激しい衝動となって、俺を突き動かした。
「……雫」
俺は、先程まで会社の運命を左右する書類が置かれていた、巨大なマホガニーの会議テーブルを手のひらで撫ぜた。
「ここで、俺たちの生涯契約の“調印式”を行う」
「え……? ここで……?」
戸惑う彼女を、俺は軽々と抱き上げる。
「ああ。ここは、俺たちが共に戦い、勝利を掴んだ場所だ。そして、これから始まる俺たちの人生の、最初の舞台にふさわしい」
俺は彼女をテーブルの中央にそっと座らせると、その前にひざまずいた。
そして、まるで聖なる儀式のように、彼女のスカートの裾に手をかける。
「ひゃっ……♡ れ、蓮さん……役員の皆さんが、ついさっきまでここに……」
「だから良いんだろう?」
俺は悪戯っぽく笑い、彼女のストッキング越しに、華奢な足首にキスを落とした。
そして、まるで極上のワインを味わうように、ゆっくりとその足を舐め上げていく。
「あ、あっ……♡♡ だめ、です……そんな、場所で……♡♡」
彼女の白い肌が、羞恥と興奮でみるみるうちに桜色に染まっていく。
俺はストッキングをゆっくりと引き下げると、露わになった彼女の秘裂に顔をうずめた。
「これは、契約前の最終確認だ。お前が、本当に俺だけのものになるという覚悟の証を……見せてみろ」
「あ“ぁああああーーーーーっっ♡♡♡」
雫は甲高い声を上げ、テーブルの縁を強く掴む。
俺の舌が、勝利の甘い蜜を貪るように、激しく彼女を求め始める。
古賀会長が座っていた椅子、役員たちが見つめていたモニター。その全てに見せつけるように、俺たちはこの神聖な場所を、二人だけの愛の祭壇へと変えていった。
「もう、むりぃ……♡ 蓮さん、の、せいで……わたくし、おかしくなっちゃう……っ♡♡」
何度も絶頂に達し、ぐったりと身体を震わせる彼女の上に、俺は静かに覆いかぶさった。
「これから、調印だ。……俺の全てで、お前の身体にサインする。もう二度と、消えないように」
熱く、硬い“調印”のペンが、彼女の最も柔らかな場所へとゆっくりと沈んでいく。
それは、今までで一番深く、一番確かな、魂の結合だった。
「愛してる、雫……!」
「わたくしも……っ♡ あなただけを、愛しています……蓮さんっ……!」
勝利の祝砲のように、肌と肌がぶつかる音が響く。
俺たちは、会社の未来も、世間の目も、何もかもを忘れ、ただ一つの存在として溶け合った。
永遠にも思えるほどの時間が過ぎ、俺たちが深い余韻の中で絡み合っていた、その時。
――ブブッ、ブブッ。
無粋な振動音が、静寂を破った。
俺のジャケットの内ポケットで、プライベート用の携帯が震えている。
無視しようとしたが、執拗に鳴り続けるそれに、俺は眉をひそめて画面を見た。
そこに表示されていた名前に、俺は息を呑んだ。
『橘 靜子』
……俺の、母親だった。
何年も連絡を取っていなかった、橘の本家からだった。
嫌な予感が、背筋を走る。
俺は雫の乱れた髪を優しく撫で、決意を固めて通話ボタンを押した。
「……もしもし」
『蓮さん、お久しぶり。……あなた、大変なことをしてくれたそうね』
電話の向こうから聞こえてきたのは、氷のように冷たい、しかしどこまでも気品のある母の声だった。
『あなたの個人的なスキャンダルは、橘家の恥です。……近々、一度、その“秘書”の方を連れて、実家へいらっしゃい。……お話があります』
それは、祝福の言葉ではなかった。
古賀会長との戦いが終わった今、俺たちの前には、もっと厄介で、もっと根深い、“家”という名の最後の敵が立ちはだかっていた。
俺は電話を切り、腕の中で不安そうに俺を見つめる雫を、強く抱きしめた。
「……どうやら、結婚式を挙げる前に、もう一つ、片付けなきゃいけない戦いがあるらしい」
俺の言葉に、雫は黙ってこくりと頷いた。
その瞳には、もう怯えの色はなかった。俺の隣で戦うと決めた、強い光が宿っていた。
【続く】
静寂が戻った会議室に、俺のプロポーズの言葉が響き渡る。
それは、勝利の熱も、会社での立場も関係ない、ただの橘 蓮という男としての、魂からの願いだった。
雫は、俺の胸に顔をうずめたまま、小さく、小刻みに震えていた。
やがて、ゆっくりと顔を上げた彼女の瞳は、決壊したダムのように涙で溢れていた。
「……夢、なのでしょうか」
「夢じゃない」
「わたくしが、蓮さんの、奥様に……? 何も持たない、ただの秘書だったわたくしが……?」
まだ信じられない、と彼女の瞳が揺れる。
長年彼女を縛り付けてきた、“自分には何もない”という劣等感の呪い。
俺は、その呪いを、俺の愛で完全に解いてやりたかった。
「お前には、俺がいる。俺には、お前がいる。それ以上に、何か必要なものがあるか?」
俺は彼女の涙を親指で優しく拭うと、その唇に誓いのキスを落とした。
深く、長く、もう二度と離さないと魂に刻みつけるように。
唇が離れた時、彼女は嗚咽混じりの声で、しかしはっきりと、俺に告げた。
「……はい……っ♡ 喜んで……! 蓮さんの、お嫁さんに、してください……っ♡♡」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中で最後の理性のタガが弾け飛んだ。
勝利の興奮、愛する女が俺のものになるという歓喜、そして、これまでの全てが報われたという達成感。
それら全てが混じり合い、抑えきれないほどの激しい衝動となって、俺を突き動かした。
「……雫」
俺は、先程まで会社の運命を左右する書類が置かれていた、巨大なマホガニーの会議テーブルを手のひらで撫ぜた。
「ここで、俺たちの生涯契約の“調印式”を行う」
「え……? ここで……?」
戸惑う彼女を、俺は軽々と抱き上げる。
「ああ。ここは、俺たちが共に戦い、勝利を掴んだ場所だ。そして、これから始まる俺たちの人生の、最初の舞台にふさわしい」
俺は彼女をテーブルの中央にそっと座らせると、その前にひざまずいた。
そして、まるで聖なる儀式のように、彼女のスカートの裾に手をかける。
「ひゃっ……♡ れ、蓮さん……役員の皆さんが、ついさっきまでここに……」
「だから良いんだろう?」
俺は悪戯っぽく笑い、彼女のストッキング越しに、華奢な足首にキスを落とした。
そして、まるで極上のワインを味わうように、ゆっくりとその足を舐め上げていく。
「あ、あっ……♡♡ だめ、です……そんな、場所で……♡♡」
彼女の白い肌が、羞恥と興奮でみるみるうちに桜色に染まっていく。
俺はストッキングをゆっくりと引き下げると、露わになった彼女の秘裂に顔をうずめた。
「これは、契約前の最終確認だ。お前が、本当に俺だけのものになるという覚悟の証を……見せてみろ」
「あ“ぁああああーーーーーっっ♡♡♡」
雫は甲高い声を上げ、テーブルの縁を強く掴む。
俺の舌が、勝利の甘い蜜を貪るように、激しく彼女を求め始める。
古賀会長が座っていた椅子、役員たちが見つめていたモニター。その全てに見せつけるように、俺たちはこの神聖な場所を、二人だけの愛の祭壇へと変えていった。
「もう、むりぃ……♡ 蓮さん、の、せいで……わたくし、おかしくなっちゃう……っ♡♡」
何度も絶頂に達し、ぐったりと身体を震わせる彼女の上に、俺は静かに覆いかぶさった。
「これから、調印だ。……俺の全てで、お前の身体にサインする。もう二度と、消えないように」
熱く、硬い“調印”のペンが、彼女の最も柔らかな場所へとゆっくりと沈んでいく。
それは、今までで一番深く、一番確かな、魂の結合だった。
「愛してる、雫……!」
「わたくしも……っ♡ あなただけを、愛しています……蓮さんっ……!」
勝利の祝砲のように、肌と肌がぶつかる音が響く。
俺たちは、会社の未来も、世間の目も、何もかもを忘れ、ただ一つの存在として溶け合った。
永遠にも思えるほどの時間が過ぎ、俺たちが深い余韻の中で絡み合っていた、その時。
――ブブッ、ブブッ。
無粋な振動音が、静寂を破った。
俺のジャケットの内ポケットで、プライベート用の携帯が震えている。
無視しようとしたが、執拗に鳴り続けるそれに、俺は眉をひそめて画面を見た。
そこに表示されていた名前に、俺は息を呑んだ。
『橘 靜子』
……俺の、母親だった。
何年も連絡を取っていなかった、橘の本家からだった。
嫌な予感が、背筋を走る。
俺は雫の乱れた髪を優しく撫で、決意を固めて通話ボタンを押した。
「……もしもし」
『蓮さん、お久しぶり。……あなた、大変なことをしてくれたそうね』
電話の向こうから聞こえてきたのは、氷のように冷たい、しかしどこまでも気品のある母の声だった。
『あなたの個人的なスキャンダルは、橘家の恥です。……近々、一度、その“秘書”の方を連れて、実家へいらっしゃい。……お話があります』
それは、祝福の言葉ではなかった。
古賀会長との戦いが終わった今、俺たちの前には、もっと厄介で、もっと根深い、“家”という名の最後の敵が立ちはだかっていた。
俺は電話を切り、腕の中で不安そうに俺を見つめる雫を、強く抱きしめた。
「……どうやら、結婚式を挙げる前に、もう一つ、片付けなきゃいけない戦いがあるらしい」
俺の言葉に、雫は黙ってこくりと頷いた。
その瞳には、もう怯えの色はなかった。俺の隣で戦うと決めた、強い光が宿っていた。
【続く】
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