要石の巫女と不屈と呼ばれた凡人

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第四章 自由な旅路

余計なお世話

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「主様、朝からもう王都に出発とは随分急いでいるようですが、何かあったんですか?」

「それがな、昨日アシェリが寝てからの話なんだが、俺の師匠アメノ爺さんから呼出コールがあってな」

 昨日アシェリが寝て、エディスさんが俺の部屋から出て行ったあとの事だ。



「『アメノじゃ。ヤナ殿かの?』」

「『ヤナだ。こんな時間に何の用だ、アメノ爺さん』」

 エディスさんに、おやすみも言えずに若干モヤモヤしていたが、そこは気持ちを切り替えてアメノ爺さんの話を聞く。

「『遅くにすまんのぉ。セアラ様がこの時間になるまで、儂等を中々解放してくれんもんでのぉ。誰かさんの力になりたいと、鬼気迫る勢じゃよ、フォッフォッフォ』」

「『おいおい、あんまり無理させるなよ。セアラが、脳筋になったらどうするんだ…((((;゜Д゜)))))))』」

「『……もう手遅れじゃ……』」

「『ん? なんだって?』」

 アメノ爺さんが、不穏な事を呟いたが、聞こえなかった事にした。

「『そんな事よりじゃ、今宵ヤナ殿に呼出コールしたのはの、王都周辺の異変についてじゃ。ヤナ殿は、王都を出発する前に、ギルドでアライにあったであろう?』」

「『あぁ、赤髪のアメノ爺さんみたいな格好した侍モドキだろ?』」

 侍モドキと聞いて、アメノ爺さんは笑っていた。どうやらアメノ爺さんもあの口調は、変だと思っているらしい。

「『フォッフォッフォ、あやつは儂の弟子でな。今はドルフィ伯爵の元で士官しておるが、将来的には儂の跡を継がせようかと思っておる程の奴よ』」

「『ほう、やっぱりか。目がアメノ爺さん似てたわ。正に師匠に似て脳筋って感じだったぞ。シーサイのギルドに紛れ込んでいた魔族に、まんまと騙されて厄介払いされていたがな。くっくっく』」

「『誰が脳筋じゃ、ったく……やはり彼奴アライシーサイ東の都を、離れたのは魔族の策じゃったか。その辺の頭を鍛えてくれれば、申し分ないんじゃがのぉ、はぁ……』」

 アメノ爺さんは、弟子が魔族にしてやられた事を知って、落胆している様子だった。

「『それでじゃ、彼奴アライがヤナ殿とギルドであった後、他の街のギルド支部に駆け回っての。今日またそっちにシーサイに戻る前に、儂の処に尋ねてきてな。王都周辺の様子を話していったのじゃ』」

 どうやらアライは、せっせと支部を駆け回り直接指定クエストを上級ランクの冒険者に受けて貰うように交渉していたようだ。

「『彼奴アライは、最短距離で街から街に移動しておったそうでな。その道中に『管理されていない迷宮』を王都周辺で幾つか見つけおったらしい』」

「『はぁ!? やばいだろそれ! それに迷宮ってのは、人目につくところにしか発生しないんじゃないのか?』」

「『うむ、これまで迷宮というのは、人がいる街や村の近くに分かりやすく発生しておった。だが、今回は人里離れた処で、しかもじゃ、発生した場所というのがどれも、手強い魔物がいる縄張りだったそうじゃ』」

「『王都支部の冒険者は、ランクがまだCランク以下が多いらしいからな。それでこれまで、採集や討伐クエストで冒険者にも発見されなかったのか』」

 おそらくCランク以下の冒険者が向かうような場所であれば、とっくに知られている筈だ。

「『ん? という事は、迷宮の規模もわからんという事か』」

「『そのようじゃの。じゃが、規模もそうじゃが一番恐ろしいのは魔物の大氾濫スタンピードじゃ。いつから管理されていないか、現状ではわからんからの』」

 迷宮は誰も中の魔物を間引きしないと、いずれ迷宮から魔物が溢れ出す現象が起きる。この時の魔物の数は大群というには生易しく、正に大氾濫スタンピードと表現するしかないそうだ。過去管理を怠り、滅びた街は数知れないらしく、今では冒険者ギルドと国が協力して管理している。

「『しかもじゃ、その発見した位置というのが、王都を中心に北、南、西と発見したらしい。この様子だと東にもある可能性が高いのぉ』」

「『は? よくアライは、そんな三つも見つけたな。街から街に最短距離で移動してただけだろ?』」

「『うむ、彼奴アライはのぉ……最短距離で進んでいたらしいのじゃが、手強そうな魔物の気配を感じるとついでに・・・・狩りながら走っておったらしいわ。それでその主のような魔物の近くに偶然見つけたらしくてな。流石に、迷宮探索は我慢したらしいがの』」

「『えっと……アライって、結構急ぎの用件で走り回ってたよな?』」

「『そうじゃのぉ』」

「『……まぁ、そのおかげで管理さていない迷宮が見つかった訳だが……今度会ったら、しっかり躾とけよ師匠として』」

「『うむ、中々結果だけ・・みれば上々じゃったがの……既にその話を聞いた今日、大説教したったわ』」

 既にアライは、アメノ爺さんにこってりしぼられたらしい。

「『それと、王都に戻ったら一度城にお忍び・・・できてくれんかの。ヤナ殿と一緒に旅をしたいという、冒険者志望者が一名おるのじゃが?』」

「『お! 結構早かったな。もう大丈夫なのか?』」

 俺と旅をしたい冒険者志望者とは、セアラの事だろう。まだ一ヶ月も経っていないというのに、城を出て旅をしても大丈夫な程に、この間までお姫様だった女の子が強くなったというのだろうか。

「『うむ……えげつない戦い方をする様になってしまったがの……』」

「『おい……何したんだよ……』」

「『……兎に角じゃ、王都に戻ったらすぐ城きて、セアラ様を早く引き取り・・・・に来るのじゃ! でないと、儂の刀達が……』」

 何やらアメノ爺さんが半べそかいてる気がしたが、まさかこの間までお姫様だった女の子に泣かされる様な事は無いだろうと、スルー無視した。

「『お……おう、分かった。すぐ行く』」

 アメノ爺さんは最後もう一度『必ずじゃぞぉ!』と謎の慟哭をしながら回線切断ハングアップした。

「なんだったんだ? だが、まぁいよいよセアラと一緒に冒険か」

 俺は、きっと今か今かと待っているだろうセアラを想像して少し笑った。そして、早く迎えに行ってやるかと決めて眠った。

 そして、翌朝になり、出発の日となった。

「エディスさんは、まだ起きてないかな?」

「主様……まだ夜明け前ですよ……」

「そらそうか。ならいつも通り走るか。あっ、そうそう帰りは寝るとき以外は俺たちは走りながら鍛錬な。倒れたら馬車の中で休憩して、回復したらまた鍛錬の繰り返しで王都まで行こうな?」

「……鬼ぃいいい!」

 まだ夜明け前の街に、アシェリの叫びが響いた。その為、周りの住人から怒られる前に二人で逃げ出した。



「分かりましたよ。こちらのギルドに王都へ戻る旨を伝えてから、出発しましょう」

 朝飯の時に、エディスさんと合流し昨日の通話の事を話した。王都に戻る旨をシーサイ支部に伝えておけば、もし王都支部から何かしら連絡があったとしても、王都へ向かっている事を伝えられるとの事だ。

 三人でシーサイ支部ギルドへ向かい、受付で王都に向かう旨を伝えた。エドリック支部長にも一言ぐらい言っておこうかと思ったが、朝から復旧作業やら活性化している海の魔物の掃討の指示を現場で出しているらしい。その為、王都に向かうことを言付けして貰いギルドを後にする事にした。

「勇者達は……まぁいっか、通話もあるし」

 勇者達は通話も登録してあるし、別に合わなくて良いだろうということで、街の外に向かった。

「……えぇ……酷くない? この男……」
「主様……それはちょっと……酷いですね」

 何が酷いか理解出来ないため、酷く失礼な事を言われてる気がするがスルー無視だ。あとで通話で誰か・・にでもすればいいんだろ? いいよな? 間違ってるの?

 若干の不安を感じながらも、少し歩き門から離れ人目のつかないところで『神火の馬車キャンピングカー』『神火の騎馬キャヴァリー』『 神火の神兵ソルジャー』を創りだし、全てに神出鬼没隠蔽/隠密/偽装で偽装を施した。勿論馬車の中には魔道具も配置済みだ。

「こうやって創ってたのね……改めて目の当たりにすると変態ね」

「はい、そもそも魔法の形を変えるとか、変態ですよね」

「……エディスさんも走っていくか? アシェリは寝るとき以外、休憩なしで鍛錬な?」

「ヤナ君って、かっこいいわ!」
「主様は、とても頭良さそうです!」

「よし! アシェリ、お前が普段俺をどう思ってるか今ので分かった……ほら、斬り合おうか?」

「なんで私だけぇええええ!」

「本当にエディスさん走らせたら、俺の頭が潰されるだろうがぁあああ!」

 俺は、正直に本音を叫んだ。

「主様のヘタレぇええええ!」
「うるせぇええええ!」

「二人とも五月蝿い」

 こうして賑やかに王都までの道中を進む一行であった。



 その日の夜にエディスは一人自分のベッドから起き上がり、馬車の窓から外を眺めていた。

「明日には、もう着いちゃうんだよね……」

 その呟きは、とても切なそうに、とても寂しそうで、それでいて愛おしさを含んでいた。

 移動中は常に死神の危険/気配慟哭自動感知を発動しているヤナは、エディスがベッドから起き上がった時点で、目を覚ましていた。

 しかし、エディスの儚げな表情を見て、寝たふりを続けた。

 そして、馬車は少しゆっくりに速度を落としたのであった。



 次の日の夜に、馬車は王都に到着した。

「ヤナ君、帰る時の方が大分時間かかったわね」

「ん? あぁ、帰りくらいゆっくりでいいだろ」

「その分……私の鍛錬が……伸びました……が……げふ」

 夜も遅くなったので、馬車内で食事を済ませた後に、城へは明日行くとセアラには伝えた。

「『明日ですね!? 朝ですよね! えぇ! 朝ですとも! 朝日が昇る前ですか? それとも明るくなる前ですか!』」

「『落ち着け! どっちもそれ一緒の意味だ! 深呼吸しろ!……そうだ……すーはーすーはー……よし、明日の朝飯食べたぐらいに、城へ行くからな』」

「『わかりました! ちゃんと勝負下着も履いて、準備してます!』」

「『どんな勝負で何の準備だよ……不安だ……とても……兎に角明日な、おやすみ』」

 俺たちは馬車で食事を済ませ、城門から少し離れたところで魔法の馬車を解除して、歩いて向かった。

「ギルドには明日、仲間と合流してから向かうわ」

「分かりましたよ。ガストフ支部長には今回のことは、先に報告しておきますから慌てなくていいですよ」

 そして、ギルドの前でエディスさんと別れ、宿屋向かおうと歩き出した。ふと振り返り、ギルドの扉を開けて中に入ろうとしたエディスさんに、声をかけた。

「エディスさん!」

 エディスさんは、振り返り俺を見た。

「また一緒に旅に出ような。Aランクの試験受ければ、またエディスさんが俺の評価者なんだろ?」

 それを聞いて、エディスさんは少し困ったような顔をした後に、微笑んだ。

「ふふ、なら早くAランクに上がれるように頑張って」

 それだけ言うと、エディスさんはギルドに入っていった。

 俺はその閉まったギルドの扉を、見ながらアシェリに話しかける。

「エディスさんは、何に縛られているんだろうな」

「主様?」

 今の俺の顔は、どんな顔をしているのだろう。

 あんなにも『外』に対して憧れと諦めの目をした人を、何も出来ずにまた俺は『中』へと送り届けた。

「余計なお世話……なんだろうな」

 俺は踵を返し、宿屋へ向かい予約しておいた部屋へと戻り、明日のセアラの事を考えながら目を閉じた。ただ意識の片隅に、去り際のエディスさんの微笑みが、寝るまで離れなかった。



 エディスはギルドに到着後、ガストフ支部長室に向かったが、報告は明日で良いと言われ自分の部屋へと戻った。

「明日、ヤナ君の担当から外してもらおう……」

 一人しかいない部屋で、エディスは頬に濡れるものを感じながら、そう呟いた。



 其々の想いを募らせ

 夜は更けていく

 災厄と絶望の歯車は

 狂り狂りと回り出す
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