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父、あけぼの荘に帰還す。
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死にゃしないだろう…
俺の拳を何だと思っているんだ。
「お父さんは顔面凶器なんだから…」
「オイ、顔面は関係ないだろう」
「あ、ごめん」
ふぅっと息を吐き出すと、クタクタと直也は床に倒れ込んだ。
「お、オイっ…直也!?」
「ごめん…本当はちゃんと俺たち二人揃って報告しようと思ってたんだ…でも、言い出せなくて…」
「そんなことはいい!具合、悪いのか?!」
「大丈夫。…お父さんはそんな人じゃないってわかってたんだけど…やっぱり俺たち男同士だし…」
「直也…」
「最悪…勘当されるかなって…」
「そんなことするわけねえだろ…おまえは俺の長男じゃねえか…」
「でもさ…俺、多分…」
「ん…?」
「秋津さんと…一生、一緒にいることになると思う…それでも許してくれる…?」
寝転がりながら、直也はまっすぐに俺を見上げてきた。
「理屈じゃわかってもらえても…どうしても本能的に駄目ってこともあるのは…俺、よくわかるから。だから…無理しないでもいい」
あんまりまっすぐに見上げてくるから、俺も正直に腹を割らないといけないと思った。
「…その…」
「ん?」
直也は体を起こして、俺の前に正座した。
「なんでも、聞いて?」
「ああ…」
それから、午前中いっぱい直也と話した。
秋津との出会いや、秋津自身の事。
それから、直也の考えていることや、これからのこと。
「誰にでも理解してもらえるような関係じゃないのはわかってる。だから、お父さんが出てけというなら、二人で出ていく覚悟はあるよ」
全部話し終わって、直也はそんなことを言った。
「俺自身の身体のこともある。この先、この体がどこまで保つかもわからないし…だから、俺…後悔だけはしたくないんだ…」
「何を勝手なこと言ってるんだ」
きゅっと口を引き結んで、直也はまた俺をまっすぐ見た。
「安心しろ。俺はおまえたちを軽蔑なんかしないし、恥にも思わない」
「お父さん…」
「それに、な…ちびたちのことではおまえたちに凄く負担を掛けてしまっている。俺はおまえに偉そうに意見なんか言える立場じゃない」
「な…何言ってんだよ!お母さんがあんなことになって、実の弟たちの面倒みるのなんて、当たり前じゃないか!」
「だから…そういう直也や優也の素直なところや優しい所に俺は、付け込んでるんだ」
「な、何言ってんだよっ!」
いきなり直也はちゃぶ台に拳を叩きつけた。
「家族なら、当たり前だろ!?」
ちゃぶ台の上の直也の拳が震えている。
ああ…激しいところも明希子そっくりだなあ…
その拳の上に手を重ねた。
「だったら…おまえたちのことも、俺は家族として、父として受け入れる」
「お父さん…」
「ただ、ちびたちが大学行けるくらいの金が貯まるまで、ここに留まっちゃくれねえか?今まで通り、秋津と優也とここを盛り立てていってくんねえか?」
明希子の生命保険の金は、実はあるんだ。
だけどそれは、ちびたちが結婚する時に渡してやりたいと思って、手を付けていない。
だいたい、四十も半ばを過ぎてから思いがけずできた子たちだ。
いつまで元気にあいつらの父親ができるかもわからないんだ。
できるだけ金は遺してやりたい。
だから…俺は船を降りることが、まだできないんだ。
「そんなの…こっちがお願いしたいのに…」
「なんだったら、おまえたちで正式に跡継ぐか?」
「えっ…!?」
「老後にでもここをやれればいいかと思っていたがなあ…そのころにゃ、身体もガタが来てるだろうしなあ…おまえたちがやっていってくれるなら、こんなに嬉しいことはない」
「いいの…?」
「まあ、あとは優也の話も聞かなきゃいけないがな。あいつだってここで働いているわけだし」
俺の拳を何だと思っているんだ。
「お父さんは顔面凶器なんだから…」
「オイ、顔面は関係ないだろう」
「あ、ごめん」
ふぅっと息を吐き出すと、クタクタと直也は床に倒れ込んだ。
「お、オイっ…直也!?」
「ごめん…本当はちゃんと俺たち二人揃って報告しようと思ってたんだ…でも、言い出せなくて…」
「そんなことはいい!具合、悪いのか?!」
「大丈夫。…お父さんはそんな人じゃないってわかってたんだけど…やっぱり俺たち男同士だし…」
「直也…」
「最悪…勘当されるかなって…」
「そんなことするわけねえだろ…おまえは俺の長男じゃねえか…」
「でもさ…俺、多分…」
「ん…?」
「秋津さんと…一生、一緒にいることになると思う…それでも許してくれる…?」
寝転がりながら、直也はまっすぐに俺を見上げてきた。
「理屈じゃわかってもらえても…どうしても本能的に駄目ってこともあるのは…俺、よくわかるから。だから…無理しないでもいい」
あんまりまっすぐに見上げてくるから、俺も正直に腹を割らないといけないと思った。
「…その…」
「ん?」
直也は体を起こして、俺の前に正座した。
「なんでも、聞いて?」
「ああ…」
それから、午前中いっぱい直也と話した。
秋津との出会いや、秋津自身の事。
それから、直也の考えていることや、これからのこと。
「誰にでも理解してもらえるような関係じゃないのはわかってる。だから、お父さんが出てけというなら、二人で出ていく覚悟はあるよ」
全部話し終わって、直也はそんなことを言った。
「俺自身の身体のこともある。この先、この体がどこまで保つかもわからないし…だから、俺…後悔だけはしたくないんだ…」
「何を勝手なこと言ってるんだ」
きゅっと口を引き結んで、直也はまた俺をまっすぐ見た。
「安心しろ。俺はおまえたちを軽蔑なんかしないし、恥にも思わない」
「お父さん…」
「それに、な…ちびたちのことではおまえたちに凄く負担を掛けてしまっている。俺はおまえに偉そうに意見なんか言える立場じゃない」
「な…何言ってんだよ!お母さんがあんなことになって、実の弟たちの面倒みるのなんて、当たり前じゃないか!」
「だから…そういう直也や優也の素直なところや優しい所に俺は、付け込んでるんだ」
「な、何言ってんだよっ!」
いきなり直也はちゃぶ台に拳を叩きつけた。
「家族なら、当たり前だろ!?」
ちゃぶ台の上の直也の拳が震えている。
ああ…激しいところも明希子そっくりだなあ…
その拳の上に手を重ねた。
「だったら…おまえたちのことも、俺は家族として、父として受け入れる」
「お父さん…」
「ただ、ちびたちが大学行けるくらいの金が貯まるまで、ここに留まっちゃくれねえか?今まで通り、秋津と優也とここを盛り立てていってくんねえか?」
明希子の生命保険の金は、実はあるんだ。
だけどそれは、ちびたちが結婚する時に渡してやりたいと思って、手を付けていない。
だいたい、四十も半ばを過ぎてから思いがけずできた子たちだ。
いつまで元気にあいつらの父親ができるかもわからないんだ。
できるだけ金は遺してやりたい。
だから…俺は船を降りることが、まだできないんだ。
「そんなの…こっちがお願いしたいのに…」
「なんだったら、おまえたちで正式に跡継ぐか?」
「えっ…!?」
「老後にでもここをやれればいいかと思っていたがなあ…そのころにゃ、身体もガタが来てるだろうしなあ…おまえたちがやっていってくれるなら、こんなに嬉しいことはない」
「いいの…?」
「まあ、あとは優也の話も聞かなきゃいけないがな。あいつだってここで働いているわけだし」
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