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終章 LASTBATTLE ON THE EARTH
DIGEST OF EPILOGUE①
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時空戦闘艇の帰界(消滅)を合図とするかのように四体の殲闘霊獣が庭に飛び出し、朔丸にはチェリオル、真護にはゲゼバ、ディラッドにはゼシラ、そして緑衣の剣者にはクレスサが襲いかかるが、主戦場たる異世界において現地における霊獣ともいうべき閃獣との対戦経験も豊富な、真護を除く三戦士は慌てることなくそれぞれの得意戦法──当代随一の烈拳士である朔丸は霊体をもあっさり切り裂く入神の突き・蹴りを繰り出し、“独楽型の人造戦士”ディラッドはボディの側面から飛び出した80センチ超のノコギリカッターで八つ裂きに、むろん剣者は長年命を預けてきた愛刀【静月の泪】を抜き、不気味な啼き声を轟かせる2本の頸を一瞬にして寸断してのける!
されど、戦力を大幅低下させている太鬼真護だけは得意の極玄覇嵐拳のポーズを取ったもののその真髄ともいうべきミニブラックホール=消滅波を発生させることが叶わず、やむを得ず朔丸に倣って拳をゲゼバに撃ち込むものの、ドルーザと並んで殲闘霊獣中最も堅牢なオレンジ色の巨大カブトガニの装甲にあっさりと弾き返されてしまうのであった…。
一方、宝麗仙宮内では神野優彦に促されたメラミオがバアルを呼び付け、帝界聖衛軍の臨時大使となった彼と極秘会談を持ったのだが、そこでおそるべき秘密が明かされた。
何と六大霊闘具を創造したのは聖闘防霊団の始祖ともいうべき“最強聖防霊”エグメドであり、その目的は時来たれば大宇宙の癌細胞ともいうべき負極界(特に第一惑星)を内部から崩壊させることであったのだが、同時にそれを行使する者を銀河系最凶の破壊者へと変貌させてしまうという致命的な欠点を有するため、霊的資質に富んだ第二惑星の星民たちからふさわしい存在が出るのを期待しつつ、異なる方策を模索した結果行き着いたのが〈封印者〉と〈雷の聖使〉という超人種の創造であったのだ!
もとより前者の至上命題は地球人類が本来交渉を持つべきでない危険な異世界と地上世界の通路を永遠に閉鎖させるというものであったが、それを成し遂げた後視点を負極界に転じ、その暴虐が外宇宙に拡散されるのを防ぎ止めるために躊躇なく介入し、一方の雷の聖使はエグメドに派遣された聖防霊と連携して地上防衛に徹するというのが当初の構想であったのである…。
されど状況は刻々と変化し、ガズムオルの狂学者が生み出した人間ベースの機械戦士がペトゥルナワスの一革命結社に過ぎなかった銀魔星を乗っ取って、負極界を足掛かりに宇宙侵攻をもくろむ大軍団に魔進化させてしまうという思わぬ展開を見せたため、遂に霊闘具の発動に至ったという訳なのだ──むろんそれはようやく正当な使用者が見出されたことによるのでもあったが。
つまり現在聖剣皇を名乗る封印者=四元蓮馬と六大霊闘具正統保持者である神野優彦はいわば聖闘防霊団の同門なのであり、少なくとも銀魔星と大教帝ババイヴ=ゴドゥエブンⅥ世亡き後の負極界において事実上の絶対者として君臨するイルージェ=カイツを葬り去るまでは共闘すべきであるというのだ。
この仰天情報を受け、太鬼真護の特抜力を奪取したことで著しく増強された【夢見ノ力】を早速駆使して遠く異世界にある聖剣皇と易々と連絡を取ることに成功した魔霊は早速お伺いを立ててみたのだが、既にエグメドからその事実を告知されていた蓮馬は申し入れを快諾したのであった。
こうして首尾よく交渉を成立させた優彦は、いわば自己の戦闘力のデモンストレーションともいうべき殲闘霊獣たちを一旦引っ込めることにしたのだが、不様にもゲゼバにのしかかられて身動きもできぬ真護を除く聖衛軍人たちは既に異形の敵の一時的消滅を成し遂げていた。
かくて多少の罪悪感に駆られながら庭に出たバアル=甲閃獣モーグがゲゼバを難なく追っ払うが、漆黒の鋼鬼に変身した怪少年が感謝する代わりに殺意の視線を向けてきたことはいうまでもない…。
そして午後8時ジャスト、D‐EYESが襲来したことで運命の決戦の火蓋が切られたのである!
オメガアポロン(旋堂凱輝)、シルバーインドラ(関 環太朗)、ブルースコーピオンⅢ(これは他の二人に比して控えめな性格で常に殿に甘んじる剣持巳嗣のゆかしさを表すと同時に、実は彼こそが3倍の戦闘力を秘めた最強者であることを意味している)は地球の技術力では感知不能な超ステルスモードにセットした特殊戦闘機から最新式特装戦甲を纏い、900メートルもの距離を降下してきた!
そして更にその500メートル上空には天才神霊闘術師・ニリーネが操縦桿を握る指揮官機が滞空し、部下たちの戦況を見守ると同時に“性的奴僕”である巳嗣に予め命じてある六大霊闘具の回収を心待ちにしているのであった…。
三戦士が携えているのはエルドが手にしていた熱光弾長銃の十倍もの破壊力を誇るスーパーライフルであったが、迎撃すべく待ち構えていた“殲闘霊獣三銃士”ともいうべき人面獅子、有翼魔鰐、愛勝幻蛇は何ら恐れる風もなく、新たな獲物を血に染まった毒牙にかけるべく突進する!
この異様な激突から十数メートル離れた地点に右手で剣を提げた緑衣の剣者が佇立し、その背後に浮遊する甲閃獣はいつでも霊獣に加勢する構えを維持しつつ、あっさりと帰界した女性陣の薄情さをしきりと詰っていた。
“あの責任感のカタマリのような森藤艇長がこんな仕打ちをカマしてくるはずはない…ということはあのブキミなテルテル坊主(ナハラム)とおっかないSM女王(高瀬花凛)が結託して、艇長を無抵抗状態に陥らせた上で逃げ出したんだナ…!
しかし神野氏は少なくとも現時点では敵じゃないんだから大人しく共闘すりゃいいものを…されど問題はそこじゃないか──つまり太鬼クン(というか彼の血統と母親)に対する花凛ちゃんの嫌悪と親父の命を奪った(そもそも仕掛けてきたのは向こうなんだけどネ)ボクへのナハラムの敵意…それが連中の根っこにあるからど~しても協力しかねるんだろうて…。
でもまあこの件に限らず何かと茉穂美サンには心労をかけるなあ…大体、全ては聖剣皇サマがいけないんだヨ…。
ホントは誰よりも深く参謀長を愛してて、いずれお妃に迎えることを決めてるクセに、ず~っと告白を先延ばしにして都合良くも向こうからしがみついて来るのを待ってるなんてサ…。
たしかに星渕時代はそのツンデレ作戦で上手くいったんだろうけど、あのド変態念術師が虎視眈々と参謀長の麗しい心とカラダを狙ってる今、このまま手を拱いてるといずれとんでもないしっぺ返しを食らうことになるんじゃないの…!?”
──その時、館内では神野優彦が聖剣皇の許可を得た上で、葵 朔丸と太鬼真護の〈洗脳〉に取りかかっていたのである!
されど、戦力を大幅低下させている太鬼真護だけは得意の極玄覇嵐拳のポーズを取ったもののその真髄ともいうべきミニブラックホール=消滅波を発生させることが叶わず、やむを得ず朔丸に倣って拳をゲゼバに撃ち込むものの、ドルーザと並んで殲闘霊獣中最も堅牢なオレンジ色の巨大カブトガニの装甲にあっさりと弾き返されてしまうのであった…。
一方、宝麗仙宮内では神野優彦に促されたメラミオがバアルを呼び付け、帝界聖衛軍の臨時大使となった彼と極秘会談を持ったのだが、そこでおそるべき秘密が明かされた。
何と六大霊闘具を創造したのは聖闘防霊団の始祖ともいうべき“最強聖防霊”エグメドであり、その目的は時来たれば大宇宙の癌細胞ともいうべき負極界(特に第一惑星)を内部から崩壊させることであったのだが、同時にそれを行使する者を銀河系最凶の破壊者へと変貌させてしまうという致命的な欠点を有するため、霊的資質に富んだ第二惑星の星民たちからふさわしい存在が出るのを期待しつつ、異なる方策を模索した結果行き着いたのが〈封印者〉と〈雷の聖使〉という超人種の創造であったのだ!
もとより前者の至上命題は地球人類が本来交渉を持つべきでない危険な異世界と地上世界の通路を永遠に閉鎖させるというものであったが、それを成し遂げた後視点を負極界に転じ、その暴虐が外宇宙に拡散されるのを防ぎ止めるために躊躇なく介入し、一方の雷の聖使はエグメドに派遣された聖防霊と連携して地上防衛に徹するというのが当初の構想であったのである…。
されど状況は刻々と変化し、ガズムオルの狂学者が生み出した人間ベースの機械戦士がペトゥルナワスの一革命結社に過ぎなかった銀魔星を乗っ取って、負極界を足掛かりに宇宙侵攻をもくろむ大軍団に魔進化させてしまうという思わぬ展開を見せたため、遂に霊闘具の発動に至ったという訳なのだ──むろんそれはようやく正当な使用者が見出されたことによるのでもあったが。
つまり現在聖剣皇を名乗る封印者=四元蓮馬と六大霊闘具正統保持者である神野優彦はいわば聖闘防霊団の同門なのであり、少なくとも銀魔星と大教帝ババイヴ=ゴドゥエブンⅥ世亡き後の負極界において事実上の絶対者として君臨するイルージェ=カイツを葬り去るまでは共闘すべきであるというのだ。
この仰天情報を受け、太鬼真護の特抜力を奪取したことで著しく増強された【夢見ノ力】を早速駆使して遠く異世界にある聖剣皇と易々と連絡を取ることに成功した魔霊は早速お伺いを立ててみたのだが、既にエグメドからその事実を告知されていた蓮馬は申し入れを快諾したのであった。
こうして首尾よく交渉を成立させた優彦は、いわば自己の戦闘力のデモンストレーションともいうべき殲闘霊獣たちを一旦引っ込めることにしたのだが、不様にもゲゼバにのしかかられて身動きもできぬ真護を除く聖衛軍人たちは既に異形の敵の一時的消滅を成し遂げていた。
かくて多少の罪悪感に駆られながら庭に出たバアル=甲閃獣モーグがゲゼバを難なく追っ払うが、漆黒の鋼鬼に変身した怪少年が感謝する代わりに殺意の視線を向けてきたことはいうまでもない…。
そして午後8時ジャスト、D‐EYESが襲来したことで運命の決戦の火蓋が切られたのである!
オメガアポロン(旋堂凱輝)、シルバーインドラ(関 環太朗)、ブルースコーピオンⅢ(これは他の二人に比して控えめな性格で常に殿に甘んじる剣持巳嗣のゆかしさを表すと同時に、実は彼こそが3倍の戦闘力を秘めた最強者であることを意味している)は地球の技術力では感知不能な超ステルスモードにセットした特殊戦闘機から最新式特装戦甲を纏い、900メートルもの距離を降下してきた!
そして更にその500メートル上空には天才神霊闘術師・ニリーネが操縦桿を握る指揮官機が滞空し、部下たちの戦況を見守ると同時に“性的奴僕”である巳嗣に予め命じてある六大霊闘具の回収を心待ちにしているのであった…。
三戦士が携えているのはエルドが手にしていた熱光弾長銃の十倍もの破壊力を誇るスーパーライフルであったが、迎撃すべく待ち構えていた“殲闘霊獣三銃士”ともいうべき人面獅子、有翼魔鰐、愛勝幻蛇は何ら恐れる風もなく、新たな獲物を血に染まった毒牙にかけるべく突進する!
この異様な激突から十数メートル離れた地点に右手で剣を提げた緑衣の剣者が佇立し、その背後に浮遊する甲閃獣はいつでも霊獣に加勢する構えを維持しつつ、あっさりと帰界した女性陣の薄情さをしきりと詰っていた。
“あの責任感のカタマリのような森藤艇長がこんな仕打ちをカマしてくるはずはない…ということはあのブキミなテルテル坊主(ナハラム)とおっかないSM女王(高瀬花凛)が結託して、艇長を無抵抗状態に陥らせた上で逃げ出したんだナ…!
しかし神野氏は少なくとも現時点では敵じゃないんだから大人しく共闘すりゃいいものを…されど問題はそこじゃないか──つまり太鬼クン(というか彼の血統と母親)に対する花凛ちゃんの嫌悪と親父の命を奪った(そもそも仕掛けてきたのは向こうなんだけどネ)ボクへのナハラムの敵意…それが連中の根っこにあるからど~しても協力しかねるんだろうて…。
でもまあこの件に限らず何かと茉穂美サンには心労をかけるなあ…大体、全ては聖剣皇サマがいけないんだヨ…。
ホントは誰よりも深く参謀長を愛してて、いずれお妃に迎えることを決めてるクセに、ず~っと告白を先延ばしにして都合良くも向こうからしがみついて来るのを待ってるなんてサ…。
たしかに星渕時代はそのツンデレ作戦で上手くいったんだろうけど、あのド変態念術師が虎視眈々と参謀長の麗しい心とカラダを狙ってる今、このまま手を拱いてるといずれとんでもないしっぺ返しを食らうことになるんじゃないの…!?”
──その時、館内では神野優彦が聖剣皇の許可を得た上で、葵 朔丸と太鬼真護の〈洗脳〉に取りかかっていたのである!
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