2 / 42
第一章 地上から来た教軍超兵
ボクは異世界遭難者②
しおりを挟む
0.1秒後、出現したのは“極彩色の怪物”であった!
形状こそ大柄な人型であるもののその他の全てがあまりにも常軌を逸しており、先程の大魔獣と共に異世界の存在者に相応しい異彩を放ってはいるがむろん対峙する身としては生きた心地もしない。
『な、何だよコイツは……真っ赤っ赤なミイラ男!?
しかも何の意味があるのか、全身がまるでネオンサインみてえにケバケバしく点滅してやがるし……。
さすがにこれが“ラージャーラの原住民”ってことはねえよな?
だとしたら、この異様な出で立ちがオレらの世界の鎧兜にあたるのか?』
脳内に特大の?マークを点滅させながら煩悶する亘だが、ここで意外なことに怪物は声質こそ下卑ているものの流暢な日本語によって話しかけてきた──たしかに出発間際、口数少ない冷厳な父・龍は「言葉については心配いらん」と簡潔な助言はしてくれていたものの、ここまでヴィヴィッドな母国語を期待していなかったがゆえに、遭難少年の脳裡に電光のごとくある確信めいた閃きが疾った──コイツ、ひょっとして……!?
「──オマエ、地上人……しかもどうやら日本人のようだな?
ということは……指月が寄越した〈素体〉だろうが、何故こんな所にいる?
キサマらが直行すべき目的地は総本陣以外にあり得ぬはずだろうが……!?」
怪物の語気は次第に怒気を帯び、比例して亘の恐怖のボルテージは際限なく上昇してゆくが、対話の糸口を掴んだ彼はここぞとばかりに弁明する。
「──そっ、そうですッ!
実は自分はその指月の者でして、父は私をエグメド空間に送り出す前に〈到着座標〉を【果原】(地球の極地にあたるラージャーラ無人地帯)のダロバスラ山に定めてくれたはずだったのですが、どうやら失敗したらしくて…」
常に抱いてきた実父への憎悪を今や殺意にまで高め、涙ながらに訴える哀れな少年を睨み据えながら赤い魔物は冷ややかに応じる。
「……どうやらウソではないらしいが、何ともマヌケな話だな。
しかし指月が〈搬送〉をミスったなどとは聞いたこともないが……。
まあそれはそれとして、臨戦態勢の我が軍としては何とも迷惑な話だぜ…ちょっと待ってろ、大刃獣に搭乗してここに侵攻してるはずの〈師匠〉と【念話】してみるからな…」
「……」
時々小さく頷きながら進められた教軍超兵同士のテレパシー?は1分間ほどで終わり、極彩色の点滅魔人は面倒臭そうにこう告げた。
「喜べ、師匠直々にキサマを偉大なる教聖の下へ移送して下さるそうだ。
それと親父の名誉のために言っとくが、今回の件はしくじりに非ず、教聖の御意向で最初からこのティリールカを目的地としていたものらしい……。
──その理由?バカかおまえ?
そんなもん、未来の兵士に実戦の厳しさと凄惨さを予め叩き込んどくために決まっとるだろうがッ!?
しかもどうやらお手本に選ばれたのがこの“神牙教軍最強戦士”煬赫様であろうとは、テメエもとんだ果報者だぜ……。
ま、こうなった以上はしゃーねえ、オレが教聖から直々に特任されたミッションを今回に限って見せてやるとするか──尤もこの煬赫様の超絶的な戦技の真髄がヒヨッコに理解できるはずもねえが、一生モノの財産にはなるはずだぜ……!」
「は、はあ……ありがとうございます」
身の安全のためとりあえず感謝の意だけは表明しておいたものの、亘としては一刻も早く〈師匠〉とやらにこのデンジャーゾーンから連れ去ってほしいのだったが、ここで飛び出した刃獣というワードによって深い疑惑に囚われるに至った。
『もしかして……やっぱさっき空を横切ったバケモンこそがザヌザとかいう刃獣だったんじゃ?
となるとオレの存在は確実にキャッチされてたはずなのに……拾ってくれなかったってことは、やっぱコイツの実戦とやらを間近で見なきゃならねえってことなのか?……それこそ迷惑な話だぜ……』
されど亘の不満に煬赫が気付いた気配はなく、むしろ承認欲求wを充足してもらってご満悦の体である……。
「──うむ。
ところで一つ忠告しといてやるがな、話が矛盾するようだがオレ様の戦闘を直視せん方が身のため…正確には眼のためだぞ。
というのもこの煬赫様の戦闘スタイルは目も眩まんばかりの【殺光術】をベースとした“悪魔的白兵戦”なんでな、至近距離で拝もうものなら常人の視神経など一瞬にして灼き切れてしまうのは必至。
従って観戦にあたってはあくまでも視覚に頼らず聴覚と心眼のみによって神技の片鱗のみでも汲み取ろうとする求道的姿勢が求められる…いいな?」
「はっ、はいッ!」
しおらしくそれっぽい返事はしたものの、あまりのバカらしさに指月 亘は半分キレかかっていた。
『──見るな、感じろってか?
ザケんなよ、この地獄のチンドン屋がッ!
全くアホかっての…ンなことならオレがその場にいる意味なんてどこにあるってんだよッ!?
しかもコイツ、随分尊大な口きいてるクセに手下の一人も連れてねえってことは単なる一兵卒に過ぎねえんじゃね?
一体どんだけ強えんだか知らねえけどよ、そんなボッチ野郎に任されるミッションなんざ所詮〈自爆テロ〉に行き着くのが関の山なんじゃねえのかよ?
だとしたら、どう考えてもこの雑魚怪人の近くにいるのはリスクでしかねえゾッッ!!』
形状こそ大柄な人型であるもののその他の全てがあまりにも常軌を逸しており、先程の大魔獣と共に異世界の存在者に相応しい異彩を放ってはいるがむろん対峙する身としては生きた心地もしない。
『な、何だよコイツは……真っ赤っ赤なミイラ男!?
しかも何の意味があるのか、全身がまるでネオンサインみてえにケバケバしく点滅してやがるし……。
さすがにこれが“ラージャーラの原住民”ってことはねえよな?
だとしたら、この異様な出で立ちがオレらの世界の鎧兜にあたるのか?』
脳内に特大の?マークを点滅させながら煩悶する亘だが、ここで意外なことに怪物は声質こそ下卑ているものの流暢な日本語によって話しかけてきた──たしかに出発間際、口数少ない冷厳な父・龍は「言葉については心配いらん」と簡潔な助言はしてくれていたものの、ここまでヴィヴィッドな母国語を期待していなかったがゆえに、遭難少年の脳裡に電光のごとくある確信めいた閃きが疾った──コイツ、ひょっとして……!?
「──オマエ、地上人……しかもどうやら日本人のようだな?
ということは……指月が寄越した〈素体〉だろうが、何故こんな所にいる?
キサマらが直行すべき目的地は総本陣以外にあり得ぬはずだろうが……!?」
怪物の語気は次第に怒気を帯び、比例して亘の恐怖のボルテージは際限なく上昇してゆくが、対話の糸口を掴んだ彼はここぞとばかりに弁明する。
「──そっ、そうですッ!
実は自分はその指月の者でして、父は私をエグメド空間に送り出す前に〈到着座標〉を【果原】(地球の極地にあたるラージャーラ無人地帯)のダロバスラ山に定めてくれたはずだったのですが、どうやら失敗したらしくて…」
常に抱いてきた実父への憎悪を今や殺意にまで高め、涙ながらに訴える哀れな少年を睨み据えながら赤い魔物は冷ややかに応じる。
「……どうやらウソではないらしいが、何ともマヌケな話だな。
しかし指月が〈搬送〉をミスったなどとは聞いたこともないが……。
まあそれはそれとして、臨戦態勢の我が軍としては何とも迷惑な話だぜ…ちょっと待ってろ、大刃獣に搭乗してここに侵攻してるはずの〈師匠〉と【念話】してみるからな…」
「……」
時々小さく頷きながら進められた教軍超兵同士のテレパシー?は1分間ほどで終わり、極彩色の点滅魔人は面倒臭そうにこう告げた。
「喜べ、師匠直々にキサマを偉大なる教聖の下へ移送して下さるそうだ。
それと親父の名誉のために言っとくが、今回の件はしくじりに非ず、教聖の御意向で最初からこのティリールカを目的地としていたものらしい……。
──その理由?バカかおまえ?
そんなもん、未来の兵士に実戦の厳しさと凄惨さを予め叩き込んどくために決まっとるだろうがッ!?
しかもどうやらお手本に選ばれたのがこの“神牙教軍最強戦士”煬赫様であろうとは、テメエもとんだ果報者だぜ……。
ま、こうなった以上はしゃーねえ、オレが教聖から直々に特任されたミッションを今回に限って見せてやるとするか──尤もこの煬赫様の超絶的な戦技の真髄がヒヨッコに理解できるはずもねえが、一生モノの財産にはなるはずだぜ……!」
「は、はあ……ありがとうございます」
身の安全のためとりあえず感謝の意だけは表明しておいたものの、亘としては一刻も早く〈師匠〉とやらにこのデンジャーゾーンから連れ去ってほしいのだったが、ここで飛び出した刃獣というワードによって深い疑惑に囚われるに至った。
『もしかして……やっぱさっき空を横切ったバケモンこそがザヌザとかいう刃獣だったんじゃ?
となるとオレの存在は確実にキャッチされてたはずなのに……拾ってくれなかったってことは、やっぱコイツの実戦とやらを間近で見なきゃならねえってことなのか?……それこそ迷惑な話だぜ……』
されど亘の不満に煬赫が気付いた気配はなく、むしろ承認欲求wを充足してもらってご満悦の体である……。
「──うむ。
ところで一つ忠告しといてやるがな、話が矛盾するようだがオレ様の戦闘を直視せん方が身のため…正確には眼のためだぞ。
というのもこの煬赫様の戦闘スタイルは目も眩まんばかりの【殺光術】をベースとした“悪魔的白兵戦”なんでな、至近距離で拝もうものなら常人の視神経など一瞬にして灼き切れてしまうのは必至。
従って観戦にあたってはあくまでも視覚に頼らず聴覚と心眼のみによって神技の片鱗のみでも汲み取ろうとする求道的姿勢が求められる…いいな?」
「はっ、はいッ!」
しおらしくそれっぽい返事はしたものの、あまりのバカらしさに指月 亘は半分キレかかっていた。
『──見るな、感じろってか?
ザケんなよ、この地獄のチンドン屋がッ!
全くアホかっての…ンなことならオレがその場にいる意味なんてどこにあるってんだよッ!?
しかもコイツ、随分尊大な口きいてるクセに手下の一人も連れてねえってことは単なる一兵卒に過ぎねえんじゃね?
一体どんだけ強えんだか知らねえけどよ、そんなボッチ野郎に任されるミッションなんざ所詮〈自爆テロ〉に行き着くのが関の山なんじゃねえのかよ?
だとしたら、どう考えてもこの雑魚怪人の近くにいるのはリスクでしかねえゾッッ!!』
2
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる