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プロローグ
同居
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弓弦さんは、親しくなってみると、ひどく繊細な人だった。
一人暮らしは、気楽な反面、寂しさもあった。だから、何度か招くうちに、僕は、弓弦さんが来るのを待ち望むようになっていた。それが弓弦さんの助けになったかどうか、わからない。が、とにかく、なぜだか、講座が終わる頃には、弓弦さんは、僕の部屋に転がりこんだような形になっていた。
僕は、その頃、築年数の経った2DKに住んでいた。だから、弓弦さんの寝室に充てる分の部屋はあったのだ。一人の時より、心強い気がしたから、弓弦さんは、転がり込んだことを、申し訳なさそうにしていたが、僕はありがたいとすら思った。いや、違う。他の人だったら、僕は確実に、うるさいと思っただろうし、許しはしなかった。そもそも部屋に招くことすら、しなかっただろう。僕は神経質なたちだから。でも、僕は、弓弦さんを放っておけなかった。そうじゃない。僕は、弓弦さんが憔悴しだす前から、弓弦さんに魅きつけられていた。
そのもっと前から、僕は、弓弦さんのような人を、待ち望んでいたのかもしれなかった。そうでないと、どうして、僕が、ここまで深く弓弦さんに関わるようになったのか自分に説明がつかなかった。
一人暮らしは、気楽な反面、寂しさもあった。だから、何度か招くうちに、僕は、弓弦さんが来るのを待ち望むようになっていた。それが弓弦さんの助けになったかどうか、わからない。が、とにかく、なぜだか、講座が終わる頃には、弓弦さんは、僕の部屋に転がりこんだような形になっていた。
僕は、その頃、築年数の経った2DKに住んでいた。だから、弓弦さんの寝室に充てる分の部屋はあったのだ。一人の時より、心強い気がしたから、弓弦さんは、転がり込んだことを、申し訳なさそうにしていたが、僕はありがたいとすら思った。いや、違う。他の人だったら、僕は確実に、うるさいと思っただろうし、許しはしなかった。そもそも部屋に招くことすら、しなかっただろう。僕は神経質なたちだから。でも、僕は、弓弦さんを放っておけなかった。そうじゃない。僕は、弓弦さんが憔悴しだす前から、弓弦さんに魅きつけられていた。
そのもっと前から、僕は、弓弦さんのような人を、待ち望んでいたのかもしれなかった。そうでないと、どうして、僕が、ここまで深く弓弦さんに関わるようになったのか自分に説明がつかなかった。
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