ジャン いきあたりばったり

リリーブルー

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美少年は大学生に誘われる

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「おごるよ」
と近づいてきた栗色の髪の青年は、小柄なジャンより、少し背が高かった。セツと名乗った青年は、育ちの良さそうな笑顔を浮かべた。
 セツはジャンの隣に座った。
  ジャンは皿にあったナッツをつまんだ。
「リスかウサギみたいだね」
セツは、そう言って笑った。
 ジャンが野菜スティックをポリポリかじっているのを、セツは嬉しそうに見ながら、
「君、いくつ? 僕は二十歳だけど」
と言って、ジャンの暗めの金髪に触れた。ジャンは一つサバを読んで、
「十八」
と答えた。十八歳以上の場だったので、当然だった。セツは信じたのかわからないが、
「そう、幼く見えるね」
とだけ言った。

   それから、家はどこ? 学生? などと、セツは聞いてきた。ジャンは全て適当なうそで答え、すぐに何と答えたか忘れた。
 セツは大学生だと言った。

 ジャンは首をめぐらせて、いっしょに来た仲間を目でさがした。セツが危なくない人間かどうか見定めてほしかったから。
 でも、友だちは、すでに相手を見つけてフロアで身体をくっつけあって踊っていた。
「どうしたの? 誰か探してるの?」
セツが、ジャンの視線の先を追って、聞いてきた。
「いっしょに来た友だち」
と、ジャンは答えた。
「ふうん、友達と来たんだ? それって、もしかして、彼氏?」
セツは、さぐるように聞いてきた。
「違うよ」
ジャンが答えると、
「なら、今夜はフリーなの?」
と、セツは聞いた。ジャンがそうだと答えると、
「よかった」
とセツは、ほっとしたように笑った。
「俺もフリーだよ。きみ、ここには、よく来るの?」
セツが聞いた。
「初めてじゃないけど」
と、ジャンは答えた。
「俺は、こういうところに来たのは、初めてなんだ」
セツは、にっこり笑った。
 「まだ時間ある? ここを出て、二人で、どこかでご飯食べない? おごるよ」
とセツは誘ってきたけれど、ジャンは、いっしょにきた友だちが気になって断った。
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