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第二十九章 麓戸の家で
見られた後で、抱かれる(激しめバージョン)
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ドアが閉まった音が、やけに静かに響いた。
外商スタッフたちは退出し、広いペントハウスには、麓戸と小坂愛出人――二人きりになった。
けれど、その空気にはまだ、さっきまでの視線の気配が残っていた。
撫でられた袖、整えられた髪、口紅の香り。
全身が、他人の手と目を覚えていた。
「……終わった、んですよね」
オデトの声は震えていた。
ヒールの高さに慣れず、まだ足元がふわふわと頼りない。
そのとき、背後から麓戸が近づいてきた。
いつのまにかネクタイをほどき、ジャケットも脱いでいる。
「そうだな。終わった。けど……お前はまだ、終わってないな」
「え……?」
言葉の意味がわからないまま振り返った瞬間、口の中に舌を差し込まれた。互いに奥まで絡ませ合う。
強く。深く。まるで奪うように。
つけたばかりのリップがとれないように麓戸が器用に舌を吸う音が、淫靡に耳の奥で響く。
「ん……っ!」
一瞬で腰が抜け、麓戸の腕に支えられる。
足元が覚束ない。ヒールのままの足のバランスが崩れ、背中が壁に押しつけられた。
「オデト、彼らに触られてる時、感じてただろ」
「っ……ちが、……っ、違う……!」
「違う? 何が? 唇が震えてた。腰、引けてた。
指先が触れるたび、目が潤んでただろ。……ああ、下、もうこんなに……。そう、何より、ここが明白に反応してたじゃないか。オデトが興奮していたことは、誰の目にも明らかだった。皆が、オデトのここに注目していたよ。『ああ、異装に興奮してるんだな。見られて興奮してる。この後、この姿のまま激しく抱かれるのかな。自分から、腰を振って、裾をめくって、ハイヒールの足で立って、ストッキングの脚を広げて、乱れて喘ぎ声をあげるのかな』皆もそう思っていただろう。オデトは気づかなかったかもしれないが、彼らもかなり興奮していたようだったよ。オデトも、補正下着の中で、敏感に立ち上がった乳首が、剥き出しにされて、両側から吸いつかれたいって思ってたんだろう? 順番に後ろをしてほしいって思ってたんだろう? 俺の見てる前で、触られて興奮したんだろう?」
麓戸の手が、ワンピースの裾からするりと入り込む。
補正下着の内側。細かく編み上げられたレースを、慣れた手つきでほどいていく。
「誰の指がよかった? 洋服担当? それとも、美容師の奴か?」
「……や、だ……そんなこと言わないで……」
「なら、言えよ。興奮してたのは、誰にじゃなく――“見られてる自分”にだろ?」
手のひらが、下腹部をなぞる。下着越しに敏感な場所を押さえられ、びくりと脚が跳ねた。
「ヒール、脱がせないからな。そのままでいい。
自分で立ってられないなら、支えてやる」
立ったまま愛撫が続く。
「……もう、だめ……立ってられない!」
そのまま、ソファに押し倒される。
ヒールのままの足が、ぴたりと麓戸の腰に絡まる。
「ハイヒールのままされることに、興奮しているんだろう? いやらしいな、オデト、靴も脱ぐ暇も惜しいくらいに欲しがって。ずっと我慢してたんだろう? 早くこういうことがしたくて、したくて、たまらなかったんだろう? みんなの前でもいいから、こういうことがしたくなってたんだろう?」
「や、……服……皺になっちゃう……」
「だったら皺にならないように、ゆっくり丁寧にしてやるよ」
背中のリボンを少しだけ緩め、スリップの裾をたくし上げる。
薄いレースの奥に隠されていた熱が、空気に晒される。
「ほら……お前、自分がどうなってるか、見てみろよ」
麓戸の手が、姿見を引き寄せ、真正面に置く。
鏡の中には、潤んだ目でうつむき、スリップの裾からあらわになった自分がいた。
女の服を着て、脚を開いて、男に抱かれようとしている、自分。
「やぁ、……やめて、見たくない……っ」
「ちゃんと見ろ。興奮してる自分を。俺に抱かれるとこ、誰かに見せる妄想でもしてたんだろ? 皆の前で、見られながらしたかったんじゃないか?」
声と動きが同時に落ちた。少しずつ、指が、下着をずらす。熱の芯に、ぬるりと触れた瞬間、オデトの喉がひくついた。
「ほら、もう……ここ、こんなに。スタッフ全員、今のお前見たら……どんな顔するかな。今度は、皆としようか。俺にされたがってるのもいたからな。もう店をやってないと言ったらがっかりしていたよ。今日は期待して来ただろうから、オデトのエッチな姿を見せてやって、みんな喜んでいただろうよ」
腰を押しつけられ、根元まで押し込まれた時、ヒールが床を叩いた音が、まるで濡れた音に聞こえた。
「んっ……あっ、や……ぁ……っ」
胸元にかすかに当たる麓戸の息が熱い。
唇が再び奪われ、耳元を舌がくすぐり、奥を突かれるたびに、体の中に“見られていた興奮”が再燃していく。
「俺だけが、お前を仕上げられる」
「っ……ぅ……うん……っ、うん……ぅ……!」
何度も揺られ、擦られ、泣き声のような吐息が漏れた。
自分が自分でいられなくなるまで、麓戸の中に溶かされていった。
外商スタッフたちは退出し、広いペントハウスには、麓戸と小坂愛出人――二人きりになった。
けれど、その空気にはまだ、さっきまでの視線の気配が残っていた。
撫でられた袖、整えられた髪、口紅の香り。
全身が、他人の手と目を覚えていた。
「……終わった、んですよね」
オデトの声は震えていた。
ヒールの高さに慣れず、まだ足元がふわふわと頼りない。
そのとき、背後から麓戸が近づいてきた。
いつのまにかネクタイをほどき、ジャケットも脱いでいる。
「そうだな。終わった。けど……お前はまだ、終わってないな」
「え……?」
言葉の意味がわからないまま振り返った瞬間、口の中に舌を差し込まれた。互いに奥まで絡ませ合う。
強く。深く。まるで奪うように。
つけたばかりのリップがとれないように麓戸が器用に舌を吸う音が、淫靡に耳の奥で響く。
「ん……っ!」
一瞬で腰が抜け、麓戸の腕に支えられる。
足元が覚束ない。ヒールのままの足のバランスが崩れ、背中が壁に押しつけられた。
「オデト、彼らに触られてる時、感じてただろ」
「っ……ちが、……っ、違う……!」
「違う? 何が? 唇が震えてた。腰、引けてた。
指先が触れるたび、目が潤んでただろ。……ああ、下、もうこんなに……。そう、何より、ここが明白に反応してたじゃないか。オデトが興奮していたことは、誰の目にも明らかだった。皆が、オデトのここに注目していたよ。『ああ、異装に興奮してるんだな。見られて興奮してる。この後、この姿のまま激しく抱かれるのかな。自分から、腰を振って、裾をめくって、ハイヒールの足で立って、ストッキングの脚を広げて、乱れて喘ぎ声をあげるのかな』皆もそう思っていただろう。オデトは気づかなかったかもしれないが、彼らもかなり興奮していたようだったよ。オデトも、補正下着の中で、敏感に立ち上がった乳首が、剥き出しにされて、両側から吸いつかれたいって思ってたんだろう? 順番に後ろをしてほしいって思ってたんだろう? 俺の見てる前で、触られて興奮したんだろう?」
麓戸の手が、ワンピースの裾からするりと入り込む。
補正下着の内側。細かく編み上げられたレースを、慣れた手つきでほどいていく。
「誰の指がよかった? 洋服担当? それとも、美容師の奴か?」
「……や、だ……そんなこと言わないで……」
「なら、言えよ。興奮してたのは、誰にじゃなく――“見られてる自分”にだろ?」
手のひらが、下腹部をなぞる。下着越しに敏感な場所を押さえられ、びくりと脚が跳ねた。
「ヒール、脱がせないからな。そのままでいい。
自分で立ってられないなら、支えてやる」
立ったまま愛撫が続く。
「……もう、だめ……立ってられない!」
そのまま、ソファに押し倒される。
ヒールのままの足が、ぴたりと麓戸の腰に絡まる。
「ハイヒールのままされることに、興奮しているんだろう? いやらしいな、オデト、靴も脱ぐ暇も惜しいくらいに欲しがって。ずっと我慢してたんだろう? 早くこういうことがしたくて、したくて、たまらなかったんだろう? みんなの前でもいいから、こういうことがしたくなってたんだろう?」
「や、……服……皺になっちゃう……」
「だったら皺にならないように、ゆっくり丁寧にしてやるよ」
背中のリボンを少しだけ緩め、スリップの裾をたくし上げる。
薄いレースの奥に隠されていた熱が、空気に晒される。
「ほら……お前、自分がどうなってるか、見てみろよ」
麓戸の手が、姿見を引き寄せ、真正面に置く。
鏡の中には、潤んだ目でうつむき、スリップの裾からあらわになった自分がいた。
女の服を着て、脚を開いて、男に抱かれようとしている、自分。
「やぁ、……やめて、見たくない……っ」
「ちゃんと見ろ。興奮してる自分を。俺に抱かれるとこ、誰かに見せる妄想でもしてたんだろ? 皆の前で、見られながらしたかったんじゃないか?」
声と動きが同時に落ちた。少しずつ、指が、下着をずらす。熱の芯に、ぬるりと触れた瞬間、オデトの喉がひくついた。
「ほら、もう……ここ、こんなに。スタッフ全員、今のお前見たら……どんな顔するかな。今度は、皆としようか。俺にされたがってるのもいたからな。もう店をやってないと言ったらがっかりしていたよ。今日は期待して来ただろうから、オデトのエッチな姿を見せてやって、みんな喜んでいただろうよ」
腰を押しつけられ、根元まで押し込まれた時、ヒールが床を叩いた音が、まるで濡れた音に聞こえた。
「んっ……あっ、や……ぁ……っ」
胸元にかすかに当たる麓戸の息が熱い。
唇が再び奪われ、耳元を舌がくすぐり、奥を突かれるたびに、体の中に“見られていた興奮”が再燃していく。
「俺だけが、お前を仕上げられる」
「っ……ぅ……うん……っ、うん……ぅ……!」
何度も揺られ、擦られ、泣き声のような吐息が漏れた。
自分が自分でいられなくなるまで、麓戸の中に溶かされていった。
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