イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第一章 校長編

イケメン教師、宮本に下着をプレゼントされる【挿絵写真】

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 その時、校長室のドアが鳴った。ソファに横たえられた小坂は、あわてて起き上がり、ずり下げられた下着とズボンを上げた。

 校長がドアを開けると、幼い声がした。
「小坂先生いらっしゃいますか?」

「君は誰だ」
校長は、うるさそうに答えた。

「小坂先生を探していたんです」
声は明瞭に小坂の名を呼んでいた。

「もう遅いから明日にして、さっさと帰りなさい」
校長は声の鼻先でドアを閉めた。

「邪魔が入ったな。せっかく、いいところだったのに。仕切り直しだ」
校長は言い、ソファの前に立ち上がっていた小坂の背中に腕をまわした。

「やめてください!」
小坂は、逃れようと身体をひねり、思いきり校長の頬を張った。

 校長は目を見開き、
「小坂君……」
と、張られた頬を押さえ、二の句が継げずにいた。

 小坂は、校長の顔をにらみつけたまま、一歩、二歩、と出口のドアの方へ後ずさった。そして、
「お先に失礼します」
と言うと、踵を返して、ドアノブをつかんだ。振り返ると、校長が、まだ頬を押さえたまま、部屋の真ん中で、突っ立っていた。

 小坂が振り返ったことで、我にかえったように、校長がドアまで追いかけてきて小坂の肩をつかんだ。そして、小坂の機嫌をとるように、
「小坂君……このことは、秘密にしておくから」
と言った。

 小坂は、校長の顔をにらんで言った。
「いえ、公にしてくださってけっこうです」
小坂はドアを開け、廊下に出て校長の鼻先でドアを閉めてやった。

 小坂は職員室に戻り、黒い革の通勤鞄の口を開け、机の上に積み重ねてあった未処理の書類やノートの束を何も考えずに機械的につめこんだ。手が震えた。息があがっていた。校長に、ビンタなんかしてしまった……。膝がガクガクした。
 小坂は、職員室をあとにした。


 職員用昇降口の下駄箱で黒い革靴に手をかけると、タイル貼りの薄暗い玄関の隅に人影があるのに気づいた。小坂はギクリとした。誰だ。
「宮本じゃないか……」
小坂のクラスの級長だった。
「どうした。こんな遅くまで」
小坂は、問うた。

「先生を探していたんです」
生徒は答えた。その声に聞き覚えがあった。さっき校長室のドアを叩いたのは宮本だったのか。
 探していた? 
 小坂が校長室から出てくるのをいつから待っていたというのか。
 まさか、校長室の声を聞かれたのではあるまいか。校長に抗ってビンタしたのを。その前にされていたことを。ソファに押し倒されたのを。あらぬ声を出して喘いでしまったのを。校長にされた数々の辱めを、その時の声を、まさか、聞いていたのか。小坂は血の気がひくのを感じた。小坂は宮本から顔を背け、くらっとして下駄箱の縁をつかんだ。
「あっ、先生」
宮本の声が遠くで聞こえた。
「大丈夫ですか?」

 細い宮本の腕が小坂の肩を支えていた。小坂は、うずくまって顔をふせたままつぶやいた。
「疲れている……のかもしれない……」

「先生、大丈夫ですか? あの、これ……」
小坂がさしだされた紙袋を受けとって中を見ると小さな物が折りたたまれてある。

 何だろうと袋に手を入れて取り出そうとすると、
「あ……」
と宮本が小さな声をあげて制止する。小坂はかまわず袋から取り出して広げてみると……下着のパンツだった。
「あの、先生に、プレゼントっていうか……ご、ごめんなさい……あの、深い意味はないんです……」
宮本は、恥ずかしさを通りこして泣きだしそうな顔をして言った。

 生徒から教師にプレゼントを渡すことなどは当然、禁止されていた。それでもバレンタインなどは、男子校にもかかわらず、小坂の下駄箱にはチョコがあふれた。普段の日でも、お土産だといって、キーホルダーや何かとともに、ラブレターじみた手紙をもらうことも多かった。
 いつもだったら断っていたかもしれない。だが、今日ばかりは、ありがたかった。
「ありがとう。本当は、だめだけど、いただいておくよ」
小坂が言うと、真面目な級長は、ホッとしたような顔をした。宮本だけに贔屓をしていると思われるのも後々めんどうだと思い、
「ちょうど履き替えたいと思っていたんだ」
などとつけたして、小坂は墓穴を掘った。
 宮本のきょとんとした顔を見て、よけいなことなど言わなければよかったと、小坂は悔いた。だが幸い、宮本は、それ以上、特に何も追及しなかった。
 今度は小坂のほっとする番だった。


 小坂はトイレに戻って、個室で下着を履きかえた。
 紙袋の中には、ラブレターのようなものが入っていた。
『小坂先生 いつもありがとうございます』
丁寧な字で、折りたたまれた白いレポート用紙に、シャープペンシルで、それだけ書かれてあった。『好きです』とは書かれていなかったが、物が物だけに、深い意味がないとは思えなかった。
 自分にも覚えがある。うまく表現できない伝えたい気持ち。
 
 ふいに旧部室棟のことが脳裏に浮かび、吐き気がこみあげてきた。小坂はうずくまって、便器に顔を近づけた。
 手を洗いながら、ふと見た鏡に映る自分の顔は、死人のように青ざめていた。
 小坂はフラフラしながら、個室を出た。


 職員用昇降口で、宮本がまだ小坂を待っていた。
「早速履いてみたよ」
と、小坂は告げた。

「え……ほんとですか」
と、宮本は恥ずかしそうに手を頬にあてた。

 革靴に履き替えて、職員用昇降口を出た小坂に、
「先生」
と宮本は声をかけてきた。
「さっき……」

「え?」
まさか、校長室で小坂が校長に何をされていたのか、生徒に気づかれてしまったか!? 小坂の心臓は早鳴った。

 宮本は言った。
「外の水道のところで先生に会ったときに……」
……あ。生徒に犯されて外の水道で顔を洗い口を漱いでいたときに姿を見られた生徒は……宮本だった。
「……渡せばよかったんですけど」
あんな姿を見られてしまった。乱れたワイシャツ。床に積み重なった土ぼこりで汚れた衣服。精液は髪や唇や顔についていなかっただろうか。何をされた後なのか、気づかれていないだろうか。

「ああ……」

「なんだか恥ずかしくて……渡せなくて……」
宮本は、もじもじしていた。あんな……あんな姿を、見られてしまった……。ことの重大性が、今さらながら小坂の胸を圧迫した。

「そうだったのか」
この生徒は、告げ口するだろうか? 言いふらすだろうか? その前に、気づいているのだろうか。

「はい……先生は受け取ってくれないに決まってるって思って。でも、ずっと迷ってて……」
宮本は、手で顔を覆った。いや、まだ気づいていない。気づかれていない。でも、いつかいろんなことが符合して、気づかれてしまったら?

「そうか」
この生徒は、黙っていてくれるだろうか。自分の味方になってくれるだろうか。それとも自分を弾劾するだろうか。自分を攻撃するだろうか。

「ほんと、変な意味じゃないんです」
宮本は、手で覆っていた顔を見せた。彼は、敵か味方か。小坂は生徒の顔をじっと見つめた。生徒は、小坂の視線を受けとめかねるように下を向いて、手や身体をもじもじさせて言った。
「ただ先生、独身だから、洗濯とか……」

「ははは」
小坂は笑った。そうか。この生徒は、まだ子どもなのだ。
「そうだな。うん。ありがとう。助かったよ」
小坂は、どぎまぎしている気の弱い幼い級長の肩を叩いた。

「送っていこうか?」
小坂は気安く言った。

「えっ、いいんですか?」
と宮本は、顔を輝かせた。

「うん。もう遅いから。送るよ」
小坂は少しだけ気持ちが軽くなっているのを感じた。

 小坂が通勤鞄から取り出した車のキーホルダーを見て、宮本が言った。
「それ、彼女さんからのプレゼントですか?」
かわいらしい熊のぬいぐるみがついていたからだろう。

「いや、彼女なんていないよ」
小坂は苦笑いして答えた。

「えー、信じられないです」
と宮本は疑った。

「ほんとだよ。これは、去年の担任の生徒からもらったんだ」
と小坂は答えた。

「そうなんですね……」
と宮本は急に寂しそうな顔になって言った。

「あ、いや……。これは、そうだ、ほら、今の生徒会長だよ、確か」
宮本のふさいだような顔にとまどって、小坂は慌てて言い訳すると、宮本の顔は、ますますくもった。

「生徒会長さんですか……」
宮本は下を向いて、しょんぼりと肩を落とした。小坂が自分以外からもプレゼントを受けとっていたことがそんなにショックなのだろうか。小坂は、そんな、か弱い級長を何と言って慰めたらいいのかわからなかった。自分にも覚えがある感情だけに、小坂の胸まで切なくなった。

 小坂は、後部座席に宮本を乗せ、エンジンをかけブレーキをはずして車を発車させた。
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