イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第五章 動きだす生徒たち

イケメン教師、校長室で生徒たちに弾劾される

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 小坂がドアノブに手をかけたとき、ドア板の裏側からノック音が聞こえた。
 小坂はドアノブにかけた手を引っこめ、数歩さがって振り返り、校長の判断を仰いだ。

 校長は、そ知らぬ顔で、「どうぞ」と言った。

 ドアが開き、生徒が立っていた。
 
 三年の生徒会長と、風紀委員長。それはわかる。生徒会行事の報告でもあるのだろう。だが、どういうことだろう。二人の後ろに、なぜか二年の宮本、小坂の担任する二年二組の級長、宮本が立っていたのだ。

「入りたまえ」
と煩わしそうに、さっさと用事をすませようとするかのような態度で、校長が生徒たちをうながした。
 
 生徒の三人は、室内に入り、ドアを閉めた。

 三年の生徒会長が、校長の前に歩を進め、
「生徒協議委員会の決議事項の報告書を、提出しに参りました」
と直立不動で宣言した。
 
 校長は、
「なんだね、わざわざ。君、そういうものは、生徒会の顧問に渡しなさい」
と、うるさそうに言った。
 生徒会長は、臆さなかった。
「直訴に参りました」
A4用紙にまとめられた書類を、校長に、つきつけた。
 校長は、しぶしぶ受け取った。
 ページを二、三枚めくって、校長の顔色が変わった。
 校長は、態度をあらためて、
「座りなさい」
と、生徒三人をうながした。

「失礼します」
生徒たちは、律儀に礼をして、ソファにかけた。

「どういうことだね?」
校長が生徒たちの向かい側に座って尋ねた。生徒会長が答えた。
「我々生徒会は、学校周辺にある好ましくない店の撤退を希望します。具体的に言うと……」

「ここに、書いてある通りだね」
校長は、生徒会長の言をさえぎって、ページをめくった。
「ふむ。その店ついては、私も常々、問題に思っている」
校長は顔をあげ、ことさらに物わかりの良さを示すように、生徒会長の顔を見てうなずいて見せた。
「風紀委員長より、以前から提出されていた問題です」
生徒会長は、横に座っている、眼鏡の風紀委員長を手で示し、補足した。

「ふむ」
校長は、風紀委員長に向かっても、うなずいて見せた。
「私も、それを問題視して、当初から対策を講じていた。そのような店については、そこにいらっしゃる、小坂先生に、見回りをしてもらっている」
校長は、自分の権威を強調するような言葉遣いと、ものものしい態度で、ソファの脇に立ったままの、小坂を振り返った。
 しかし、それらの仰々しい校長のパフォーマンスも功を奏さなかった。なぜなら、小坂にそそがれた生徒たちの目は、なぜか、ひどく、うろんげだったのだ。

それどころか、生徒会長は、校長に向き直り、
「本日、その小坂先生を弾劾する意見が提出されました」
高らかに、そう宣言したのだった。

「なんだって?」
校長は、あわてたように、書類を見直した。

「宮本君、どうぞ」
生徒会長が、横にいる宮本に言うと、宮本は、待ちかまえていたように、すっくと立ち上がった。
「はい、二年二組の級長の宮本です」
宮本は明瞭な声で名乗った。宮本は、確かに顔立ちがきれいで優しげで、成績も良かったが、級長にしては、大人しく、気弱で、控えめすぎだった。だから、宮本が、いつもと違う、堂々とした態度で陳述しだしたのには、小坂も、度肝を抜かれた。

「僕は、次の三点について小坂先生が教育者にふさわしくない非行をしているものとして、小坂先生を弾劾します。一つ。通学途上にある風紀上好ましくない店を小坂先生が利用していること。二つ。小坂先生が、校内外において生徒及びその保護者と個人的に好ましくない関係を持っていること。三つ。小坂先生が校長室でよからぬことをしていること」

「君、証拠はあるのかね」
校長が、騰々と述べる宮本を、これ以上の侮辱は我慢ならないというように、バンとテーブルを叩き、腰を浮かせて、身を乗り出して、さえぎった。
「あります」
宮本は、校長の威嚇にも臆さず答えた。

「ほほう。それは、今日の生徒協議委員会で発表したのかね」
校長は、何を考えているのかわからない不気味な笑みを浮かべながらも、鋭い目つきで宮本を見た。
「個人のプライバシーに関わることですし、名誉毀損の可能性もありますので、具体的には言っておりません」
宮本が答えた。
「具体的には、この三者で、話し合いました」
と生徒会長が説明した。
「小坂先生の名前も出していません。ある先生が非行をしているので弾劾したいと僕は意見しました」
宮本が補足した。

「なるほど。賢明だ。ありがとう」
校長が、ほっとしたように浮かせた腰を再びソファの座面に落とし、宮本をねぎらうと、宮本も、一仕事終えて満足したような、憎々しいほどすましかえった顔つきで、うなずいて、ソファに座った。

「この件については、真偽のほどを、私からも、調べておこう」
校長は、一人一人の顔を見て、うなずいた。
「ちなみに、このことは、顧問の先生は、知っているのかね?」
校長が生徒会長に聞いた。
「顧問の堂先生も、三者の話し合いには、立ち会っていません。報告書もお見せしていません」
顧問の堂は、ひょうげ者で、顧問といっても名ばかりだ。ほとんど仕事はしていない。いつも生徒会協議についてはノーチェックだ。忙しいので無理もないが。

「わかった。ありがとう」
校長と生徒たちは立ち上がった。

生徒会長たちといっしょに一礼して、立ち去りかけた宮本に、校長が声をかけて呼び止めた。
「宮本君は残りたまえ」
宮本が、不安げに、振り向いた。
「ぼくだけですか?」
宮本は、生徒会長たちと校長の顔を交互に見てから、聞き返した。

「一人で大丈夫か?」
生徒会長が、宮本に声をかけた。
「大丈夫……です」
宮本は、生徒会長を見て答えた。
「何かあったら、僕にすぐ連絡したまえ」
生徒会長は宮本に言った。
「わかりました。ありがとうございます」
宮本は答えた。
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