潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第九章 再び潤の部屋にて

鞭と指

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ピシッと叔父様のお仕置き鞭がとんだ。
「ああん」
「自分から誘うのか」
「違う。触られて、立っちゃって困るから、してもらうだけ」
「相手のも手でするんだな?」
「そうでもない。向こうが勝手にいっちゃうことが多いかも」
「潤のを、相手がつかんでるんだな?」
嫌に詳細に聞く。そんなのどうでもいいよ。まあ裁判でも弁護士や検察官や裁判官は細かいこときくけど。
「僕も、自分ですることのが多いかも。見せ合う感じ」
潤も、きかれた通りに答えている。
「多いって、そんなに頻繁に、学校でしてるのか?」
同意。潤の行動は観察していたはずなのに、そんなのわからなかった。叔父様に命じられ脱がされてさらされた下半身が、すーすーした。
「いやらしい子だ」
ピシャッ
「あっ、ああん。ごめんなさい。頻繁じゃないよ。今は、ほとんどない」
潤は、ごまかした。鞭は、ピタッ、ピタッと正確に肛門の辺りを打ってきた。
「あっ、あっ、いっちゃう」
「思い出して、そんなに興奮しているのか」
「違う、叔父様の鞭が……」
潤は、ぞくぞくするような声で言いかけた。
「鞭が好きなのか?」
「好きっ……」
ピシッ
「……あっ、ああんっ、叔父様、いいっ」
僕は、そっと自分の局部に触れた。気持ちいい。先端が、指先にヌルヌルした。鞭で叩かれるたびに、潤のお尻は、びくんっ、と跳ね上がった。
「イくっ、イクっ」
潤は、鞭で叩かれているだけなのに、イきそうになっていた。潤の叔父が、全裸で机上に四つん這いで尻を突き出した潤を、嬲るように責めた。
 潤の顔は、潤の部屋の玄関前の庭に面した、朝日の射し込む東側の窓に向けられていた。モスグリーンのビロードのカーテンが、両開きの縦長の窓を縁取り、深い陰影をつくっていた。
 美しい義理の息子を鞭打つことで、快楽を得る、歪んだ性癖の中年男。
 その男の顔は、疲れたように美しかった。男の顔は鞭打たれる少年の面影にどこか似ていた。彼らは叔父と甥でもあったからだ。自分の似姿を責めさいなむような異常な変態的な男の心理。男は、憑かれたように、裸の少年を責め、その尻を、しっとりとなめらかで、艶やかで、肌に吸い付くような革の鞭で愛撫した。
「ああ、潤……美しいよ」
男は、少年の尻を神聖な器物のようにうやうやしく黒い革手袋の手で包み頬ずりした。
「叔父様……お口にもちょうだい」
男は少年の口を黒革手袋をはめた手で、こじ開けた。指の二、三本が潤の柔らかな唇と口腔を蹂躙した。見ている僕の指の間から液体が、たらたらと流れた。
「お……」
叔父様の指先を舌で感じているのか、潤の先からも透明な液体が零れ落ちていた。ちゅぱっと指がはずされると、
「叔父さまの指ちょうだい、なまで舐めさせてくれなくちゃいや」
潤は苦しそうに顔をしかめ、犬のように、四つん這いで、はあはあと息を荒げた。叔父様が潤の胴を濡れた革手袋の指先で触ると、潤は、びくびくと身体を揺らしながら、
「……あっ……あぁ……」
と首をそらして天を向いて喘いだ。叔父様は潤のお尻を両手でつかんで、穴を確認するように顔を近づけた。
「は……あぁ」
潤のお尻は小刻みに震えた。
「こっちも、随分ほしがっているようだ。ぱっくり奥まで見えている」
「あ……」
潤の四つん這いの手足は、ブルブル震えていた。叔父様が息をふっと吹き込むと
「……あぁん」
と潤は泣いた。
「お願いぃ、指ちょうだい」
「こっちは、まだまだ、我慢できるんだな」
叔父様は、潤の赤くなったお尻を撫でた。
「こんなにもの欲しそうにしているのに」
叔父様は、鷲づかみにした両尻の間の、潤のすぼまりをさらして唇の両端をあげ白い歯を見せた。
「……我慢……するから、指舐めさせてください」
叔父様は両の親指で何度も肛門の近くの潤の皮膚を撫でた。
「……はぁ…は……」
潤の先は、しとどに濡れて、潤は気のふれた犬のようにだらしなく口を開け、うわごとのように繰り返した。
「なま指……舐めさせて……」



 淫靡な室内の雰囲気とは、うらはらに、高所からガラスの窓を通して射し込む、きらめく朝日は清々しく、清らかだった。その清らかな光が、潤を洗い上げて、清めてくださいますように。
 生贄の羊のように、台の上に捧げられた潤の身体に、清純な朝の光が降りそそいだ。潤の身体の起伏に、葉の影が映って揺れた。植物の影で飾られた、潤の裸身は、牧歌的なギリシャ神話の牧神のように、人間でない野生じみた生気を放った。獣のように四つ足で台の上に掲げられ、生贄に捧げられた少年。欲望の眼差しが彼を射る。それだけで、腰を蠢(うごめ)かし、感じ、快楽に導かれる、情欲に染められた、少年。生贄にされるために、生まれ、育てられ、飼いならされ、檻の中で美しく成長し、背徳の神に捧げられた少年。
 その手で長い時間かけて、淫蕩に育てあげた獲物を、愛おしそうに慈しむ飼い主の鞭。飼い主の鞭の先が、各所に触れるたび、潤の身体は、びくびくっと震え、反応した。
「長い間の調教で、鞭が触れるだけで、打たれるのと同様の感覚を得ているのだ」
中年の男は、下半身をむき出しにされてたたずんだ僕に、説明するように言った。
「そうだな? 潤」
叔父様は、ゆっくりと、はめていた革手袋を片方ずつはずし、机の上に投げ置いた。一つの革手袋は机の上に四つん這いにさせられている潤の鼻先に落ちた。潤は、それを犬のようにくんくんと嗅いで、顔をすりつけ、舌で舐めた。
 大洗氏は、片手で潤の髪をつかみ、後ろに仰け反らせた。
「ぁあー」
もはや、人間でなくなったかのような、獣の呻き声だった。理性のたががはずれ、自ら、両の手首と足首、そして首に枷をつけ、戒めてくれと言わんばかりの少年。調教になれ、さらなる調教を望む、欲望にまみれた、滑らかな皮膚が、革の愛撫を期待して、ひくひくと動き、紅潮していた。新鮮な朝日を受けて、オレンジがかった暖かなピンク色に染まる、潤の息づく肌。
 あの肌は、内側から、熱を帯びて、熱く燃えているのだろう。想像するだけで、僕の身体も熱くなった。触れたい、あの熱い肌に触れたい。火傷するように熱かった、昨夜の潤の身体が思い起こされた。潤の熱い身体を、全身に感じたい。愛撫して、蕩けさせたい。喘がせたい。
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