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船上の事件
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「……でっけえ」
これから通う学園の、真新しい制服に身を包んだギルバートは、ぽかんと口を開けてその船を見上げた。
聖ウィンザンド学園へは、それぞれの港より豪華な大型客船で出発する。王国民はもちろん、近郊の国の面々も乗船する。
この船に乗らない場合は、各々の手段で出発する訳だが、検問も厳しいためほとんどはの生徒や教師、都市の管理者なども乗り合わせる。
1泊2日の船旅である。天候に恵まれた、暖かい4月の陽気の中での出発は、とても晴れやかである。なにも、事件など起こらないのであれば。
「いよいよこの日がやってきたわね……」
「気合い入ってますねえ」
「貴方はのんびりしすぎだわ」
マーガレットは傍らに立つギルバートを見上げた。元々高めだった身長だが、4年間でさらに伸びている。マーガレットとて女子としては高めであるのに、なお見上げるほど差がついてしまっている。
「予習はしっかりしてきたでしょうね?」
「まぁ、一読はしておきましたよ」
マーガレットにノートを差し出しながら、ふぁ、と欠伸をする呑気なギルバート。この船を前に緊張のきの字もない。
「おさらいしますわよ」
マーガレットは思い出せる限り、ハンナの物語の記述をまとめてきたのだった。
まだ出発まで時間はある。マーガレットは改めてノートを開いた。
***
大きな船の前で、私はとても緊張をしている。周りは名だたる貴族ばかりの中、平民の自分があまりにも場違いに思えた。
オロオロするばかりの私の手を、優しく取ってくれたのは育ての親でもあるシスターだった。
「大丈夫よハンナ。あなたのその力で多くの人を助けられるよう、たくさん学んでいらっしゃい」
優しくシスターが言うから私はボロボロと泣いてしまって、そうしたらシスターも泣き出してしまった。
後見人の司祭様が、私を促した。だから最後にシスターとハグをして、しばしのお別れを告げた。
私は三等船室に案内される。もっといい部屋を用意してあげたかったけれど、平民である以上は仕方がなかったと司祭様が言う。
部屋には二段ベットがあったけど、私ひとりで使っていいみたいだった。司祭様が気を使ってくれたのだろう。
修道院にいた頃は自分の部屋なんてなかったし、なんだかとても贅沢に思えた。
***
「……これ、ハンナさんとやらの状況やら内面描写まで再現する必要あったんですかね」
「ありますわよ! ハンナがどれだけ健気で、良い子なのか、あなたにも共有しなければ」
「わかりました。これからも読み飛ばしますね」
「ほんっとに、可愛げのないやつですわ! 書くの大変でしたのに……」
とは言いつつ、事件の下りまでページをめくる。
***
「ハンナ、ハンナ! いるかい?」
ドアの外。焦った声で司祭様の声がした。
「何かありましたか?」
ドアを開けると、すぐ来てくれと司祭様に手を引かれた。
連れていかれた先は一等船室。たくさんの人だかりができていた。私と同じ生徒たちもたくさんいて、みんな不安そうな顔をして、なかには泣き出している子もいた。
人混みをかき分けつつ、司祭様は私を連れてある部屋へ導く。
ドアは開け放たれていて、教員らしき人達が生徒に中を見せないように立ち塞がっている。
「いいかい? ハンナ。この中で副学長が殺された」
「えっ」
恐ろしい言葉に、思わず口を押えた。
「できるかい?」
でも、そう。私が呼ばれた理由はすぐにわかった。恐ろしいけれど、お役に立てるなら。
「やります!」
ゴクリと唾を飲んで、部屋に踏み入れた。
部屋の中には男性が、うつ伏せに倒れていた。手に何か持っている。
背中に刃物が深々と刺さり、血が流れている。痛々しい姿を見て、早く助けなければ、と思った。
「すみません、この刃物を抜いていただけますか?」
周りの大人に頼むと、何人かが狼狽えつつも従ってくれた。
私は、いつものように神様に祈る。
「偉大なるクロノス様。どうかこの方の体を、生在る時までお戻し下さい」
刃物が抜かれ余計に流れていた血液は、みるみるうちに体に戻り、傷は塞がる。
――そして、先程まで倒れていた副学長は、何事も無かったかのように起き上がる。
「おお……奇跡の力だ」
どよめきが起こる。私はほっとして力が抜けた。
「君が助けてくれたんだね? ありがとう……ありがとう」
震える手で、副学長は私の手をつかむ。私はびっくりして、何も答えられなかった。その後は色んな人に囲まれてしまって、考える余裕がなかった。
***
「蘇生の力なんて、本当にあるんですかね」
「事実よ。わたくしもこの場にはおりましたもの。……それで、この後」
「死体だった人が握っていたのは、お嬢様のブローチだったと判明する、と」
「それはハンナが主観でそう聞いただけで、正しくはルークラフトの紋章の入ったブローチね。わたくしには見覚えもない、勝手に作られた代物よ」
「まぁ、制服にはブローチなんかつけてませんしね」
「お陰でわたくしはつるし上げられましたの。もちろん身に覚えはありませんから、全力で否認いたしましたわ。けれど言うに事欠いて、あの小太り副学長ったら、わたくしによく似た女に襲われたと抜かしやがりましたのよ!」
当時を思い出したマーガレットは、ムキーッと地団駄を踏む。
「けど、よく投獄されなかったですね。権力でも使いましたか」
「もちろん使ったわ。けれど、それだけじゃなくてよ。……ハンナ視点では詳しいことは知らず、描写が薄かったので省きましたけれど」
「省いた? 何をですか」
「密室よ」
「密室?」
「この部屋、鍵がかかっておりましたのよ。内側から」
どうだ驚いたか、とばかりに指を立てるマーガレット。しかしギルバートは呆れたように大きくため息をついた。
「……お嬢様。なんでそんな大事なこと、直前で言うんですか」
「ギルバートが驚いた顔が見たくって」
「重要なことは先に教えてくれって、前も言いましたよね?」
「だから今、言ってるじゃない」
「……呑気なのは俺じゃなくて、お嬢様の方みたいですね」
珍しく苛立ったような様子で頭を搔くギルバート。
「怒ってるの? ギル」
「そりゃ怒ります、俺だって」
「そう。まあいいわ。とにかく、この密室のおかげでわたくしは救われますのよ」
ギルバートを怒らせたことはスルーしつつ、マーガレットは話を続けた。なんだかんだ、彼がマーガレットに甘いことをよく知っているのだ。
「救われた?」
「わたくしが犯人だとして、どうやって鍵のかかった部屋に侵入できたのか。それは立証されませんでしたの。だから、疑わしきは罰せず、といったところね。わたくしが殺人鬼令嬢という噂はバッチリ流れてしまいましたけれど」
「変ですねそれ」
「そう思いますわよね」
2人が同時に考え込んだ時、不意に後ろから声をかけられた。
「マーガレット? それに、ギルバート。こんな所にいたのか」
振り向くと、護衛とともにアレクサンダーが立っていた。背が伸びて体格もしっかりしてきて、精悍さも身につけた彼はさらに格好よくなっている。女生徒たちだけでなく、職員と見られる女性たちの視線も集めているようだ。
「お久しぶりですわ。でもこれからは同じ学び舎で顔を合わせますのね」
マーガレットがスカートを持ち上げて挨拶をすると、ギルバートも丁寧に頭を下げた。
「あっちでは僕もいち生徒だ。堅苦しいのはここまでにしてくれよ。ギルバート、君もね」
「それは難しいです」
キラキラした笑顔を向けられてなお、憮然とした表情のまま即答するギルバート。
「はは、君はそれが自然体なんだな」
対してアレクサンダーがものすごく寛容だ。とても爽やかである。以前はここまでフランクではなかった気がすると、マーガレットは思う。
「どうだ、船に入ったら僕の部屋に来ないか? 一番いい部屋を用意したと父が張り切っていてね」
「それは是非、拝見したいですわ。……でもわたくし、先に会いたいお友達がおりますの」
「おっと、先約があるのか。なら仕方がない。時間ができたらきっと訪ねてくれ。……じゃあ、お先に」
残念そうに告げて、護衛たちに促されながら、乗客を乗せ始めた船に向かう。
「あれ。てっきり王子殿下とアリバイ作りの密会でもするものかと」
そう。先手を打てるのだから、事件の時のアリバイの確保は必須である。
前回のマーガレットはその時間部屋に着くなり強烈な眠気に襲われ、眠りについてしまったのだ。おそらく部屋で飲んだ紅茶にでもなにか盛られたのだろう。その時に同行させたメイドは今回連れてきていない。身の回りの事は一人でやるからと断ったのだ。だがティーポット、カップ、茶葉など怪しいものはいくらでもある。
今回は事件が起きるまで部屋の飲み物などには手をつけない。
さらにアリバイ確保には大変自信があった。しかし。
「嫌な言い方はしないで頂戴」
むす、とマーガレットは眉をひそめる。あくまでそういう関係では無いのだ。アレクサンダーとは。
「王子とは今の所関係良好ですし、婚約者候補ですもの。アリバイの証言者としては、弱いですわ」
「なら、人の多いラウンジで過ごすとかですか?」
「いいえ。それではずっと姿を確認できる人がいるかはわかりませんし」
「じゃあ、誰のところに。そんなに親しい友達、お嬢様にいましたかね」
「失礼ね! 友達くらい……少しはおりますけど。もっと適任の方がいますのよ」
「誰です?」
「決まっておりますわ。ハンナさんよ!」
今日はハンナと初対面になるだろう。推しに会えるとばかり、少しウキウキしているのだ。
確かにギルバートよりも能天気と言えるマーガレットなのである。
これから通う学園の、真新しい制服に身を包んだギルバートは、ぽかんと口を開けてその船を見上げた。
聖ウィンザンド学園へは、それぞれの港より豪華な大型客船で出発する。王国民はもちろん、近郊の国の面々も乗船する。
この船に乗らない場合は、各々の手段で出発する訳だが、検問も厳しいためほとんどはの生徒や教師、都市の管理者なども乗り合わせる。
1泊2日の船旅である。天候に恵まれた、暖かい4月の陽気の中での出発は、とても晴れやかである。なにも、事件など起こらないのであれば。
「いよいよこの日がやってきたわね……」
「気合い入ってますねえ」
「貴方はのんびりしすぎだわ」
マーガレットは傍らに立つギルバートを見上げた。元々高めだった身長だが、4年間でさらに伸びている。マーガレットとて女子としては高めであるのに、なお見上げるほど差がついてしまっている。
「予習はしっかりしてきたでしょうね?」
「まぁ、一読はしておきましたよ」
マーガレットにノートを差し出しながら、ふぁ、と欠伸をする呑気なギルバート。この船を前に緊張のきの字もない。
「おさらいしますわよ」
マーガレットは思い出せる限り、ハンナの物語の記述をまとめてきたのだった。
まだ出発まで時間はある。マーガレットは改めてノートを開いた。
***
大きな船の前で、私はとても緊張をしている。周りは名だたる貴族ばかりの中、平民の自分があまりにも場違いに思えた。
オロオロするばかりの私の手を、優しく取ってくれたのは育ての親でもあるシスターだった。
「大丈夫よハンナ。あなたのその力で多くの人を助けられるよう、たくさん学んでいらっしゃい」
優しくシスターが言うから私はボロボロと泣いてしまって、そうしたらシスターも泣き出してしまった。
後見人の司祭様が、私を促した。だから最後にシスターとハグをして、しばしのお別れを告げた。
私は三等船室に案内される。もっといい部屋を用意してあげたかったけれど、平民である以上は仕方がなかったと司祭様が言う。
部屋には二段ベットがあったけど、私ひとりで使っていいみたいだった。司祭様が気を使ってくれたのだろう。
修道院にいた頃は自分の部屋なんてなかったし、なんだかとても贅沢に思えた。
***
「……これ、ハンナさんとやらの状況やら内面描写まで再現する必要あったんですかね」
「ありますわよ! ハンナがどれだけ健気で、良い子なのか、あなたにも共有しなければ」
「わかりました。これからも読み飛ばしますね」
「ほんっとに、可愛げのないやつですわ! 書くの大変でしたのに……」
とは言いつつ、事件の下りまでページをめくる。
***
「ハンナ、ハンナ! いるかい?」
ドアの外。焦った声で司祭様の声がした。
「何かありましたか?」
ドアを開けると、すぐ来てくれと司祭様に手を引かれた。
連れていかれた先は一等船室。たくさんの人だかりができていた。私と同じ生徒たちもたくさんいて、みんな不安そうな顔をして、なかには泣き出している子もいた。
人混みをかき分けつつ、司祭様は私を連れてある部屋へ導く。
ドアは開け放たれていて、教員らしき人達が生徒に中を見せないように立ち塞がっている。
「いいかい? ハンナ。この中で副学長が殺された」
「えっ」
恐ろしい言葉に、思わず口を押えた。
「できるかい?」
でも、そう。私が呼ばれた理由はすぐにわかった。恐ろしいけれど、お役に立てるなら。
「やります!」
ゴクリと唾を飲んで、部屋に踏み入れた。
部屋の中には男性が、うつ伏せに倒れていた。手に何か持っている。
背中に刃物が深々と刺さり、血が流れている。痛々しい姿を見て、早く助けなければ、と思った。
「すみません、この刃物を抜いていただけますか?」
周りの大人に頼むと、何人かが狼狽えつつも従ってくれた。
私は、いつものように神様に祈る。
「偉大なるクロノス様。どうかこの方の体を、生在る時までお戻し下さい」
刃物が抜かれ余計に流れていた血液は、みるみるうちに体に戻り、傷は塞がる。
――そして、先程まで倒れていた副学長は、何事も無かったかのように起き上がる。
「おお……奇跡の力だ」
どよめきが起こる。私はほっとして力が抜けた。
「君が助けてくれたんだね? ありがとう……ありがとう」
震える手で、副学長は私の手をつかむ。私はびっくりして、何も答えられなかった。その後は色んな人に囲まれてしまって、考える余裕がなかった。
***
「蘇生の力なんて、本当にあるんですかね」
「事実よ。わたくしもこの場にはおりましたもの。……それで、この後」
「死体だった人が握っていたのは、お嬢様のブローチだったと判明する、と」
「それはハンナが主観でそう聞いただけで、正しくはルークラフトの紋章の入ったブローチね。わたくしには見覚えもない、勝手に作られた代物よ」
「まぁ、制服にはブローチなんかつけてませんしね」
「お陰でわたくしはつるし上げられましたの。もちろん身に覚えはありませんから、全力で否認いたしましたわ。けれど言うに事欠いて、あの小太り副学長ったら、わたくしによく似た女に襲われたと抜かしやがりましたのよ!」
当時を思い出したマーガレットは、ムキーッと地団駄を踏む。
「けど、よく投獄されなかったですね。権力でも使いましたか」
「もちろん使ったわ。けれど、それだけじゃなくてよ。……ハンナ視点では詳しいことは知らず、描写が薄かったので省きましたけれど」
「省いた? 何をですか」
「密室よ」
「密室?」
「この部屋、鍵がかかっておりましたのよ。内側から」
どうだ驚いたか、とばかりに指を立てるマーガレット。しかしギルバートは呆れたように大きくため息をついた。
「……お嬢様。なんでそんな大事なこと、直前で言うんですか」
「ギルバートが驚いた顔が見たくって」
「重要なことは先に教えてくれって、前も言いましたよね?」
「だから今、言ってるじゃない」
「……呑気なのは俺じゃなくて、お嬢様の方みたいですね」
珍しく苛立ったような様子で頭を搔くギルバート。
「怒ってるの? ギル」
「そりゃ怒ります、俺だって」
「そう。まあいいわ。とにかく、この密室のおかげでわたくしは救われますのよ」
ギルバートを怒らせたことはスルーしつつ、マーガレットは話を続けた。なんだかんだ、彼がマーガレットに甘いことをよく知っているのだ。
「救われた?」
「わたくしが犯人だとして、どうやって鍵のかかった部屋に侵入できたのか。それは立証されませんでしたの。だから、疑わしきは罰せず、といったところね。わたくしが殺人鬼令嬢という噂はバッチリ流れてしまいましたけれど」
「変ですねそれ」
「そう思いますわよね」
2人が同時に考え込んだ時、不意に後ろから声をかけられた。
「マーガレット? それに、ギルバート。こんな所にいたのか」
振り向くと、護衛とともにアレクサンダーが立っていた。背が伸びて体格もしっかりしてきて、精悍さも身につけた彼はさらに格好よくなっている。女生徒たちだけでなく、職員と見られる女性たちの視線も集めているようだ。
「お久しぶりですわ。でもこれからは同じ学び舎で顔を合わせますのね」
マーガレットがスカートを持ち上げて挨拶をすると、ギルバートも丁寧に頭を下げた。
「あっちでは僕もいち生徒だ。堅苦しいのはここまでにしてくれよ。ギルバート、君もね」
「それは難しいです」
キラキラした笑顔を向けられてなお、憮然とした表情のまま即答するギルバート。
「はは、君はそれが自然体なんだな」
対してアレクサンダーがものすごく寛容だ。とても爽やかである。以前はここまでフランクではなかった気がすると、マーガレットは思う。
「どうだ、船に入ったら僕の部屋に来ないか? 一番いい部屋を用意したと父が張り切っていてね」
「それは是非、拝見したいですわ。……でもわたくし、先に会いたいお友達がおりますの」
「おっと、先約があるのか。なら仕方がない。時間ができたらきっと訪ねてくれ。……じゃあ、お先に」
残念そうに告げて、護衛たちに促されながら、乗客を乗せ始めた船に向かう。
「あれ。てっきり王子殿下とアリバイ作りの密会でもするものかと」
そう。先手を打てるのだから、事件の時のアリバイの確保は必須である。
前回のマーガレットはその時間部屋に着くなり強烈な眠気に襲われ、眠りについてしまったのだ。おそらく部屋で飲んだ紅茶にでもなにか盛られたのだろう。その時に同行させたメイドは今回連れてきていない。身の回りの事は一人でやるからと断ったのだ。だがティーポット、カップ、茶葉など怪しいものはいくらでもある。
今回は事件が起きるまで部屋の飲み物などには手をつけない。
さらにアリバイ確保には大変自信があった。しかし。
「嫌な言い方はしないで頂戴」
むす、とマーガレットは眉をひそめる。あくまでそういう関係では無いのだ。アレクサンダーとは。
「王子とは今の所関係良好ですし、婚約者候補ですもの。アリバイの証言者としては、弱いですわ」
「なら、人の多いラウンジで過ごすとかですか?」
「いいえ。それではずっと姿を確認できる人がいるかはわかりませんし」
「じゃあ、誰のところに。そんなに親しい友達、お嬢様にいましたかね」
「失礼ね! 友達くらい……少しはおりますけど。もっと適任の方がいますのよ」
「誰です?」
「決まっておりますわ。ハンナさんよ!」
今日はハンナと初対面になるだろう。推しに会えるとばかり、少しウキウキしているのだ。
確かにギルバートよりも能天気と言えるマーガレットなのである。
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