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怪盗シャーマナイト
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「わ、忘れてはいませんわ……。でも、殿下はわたくしじゃなくて、他に相応しい子がまだまだいるかもしれません。我がルークラフト家はたしかに大きいですが、個人に焦点を当てれば……」
「僕は君ほど聡明で勇敢で、心優しい子を知らないよ。君は柔軟で賢いだけでなく、理不尽に疑われても凛として立ち向かっていたし、ハンナのような出自の子にも分け隔てなく接している。学園に来て色々な子を目にしたけど、君ほど国の上に立つのに相応しい子はいないと僕は思う」
「ほ、褒めすぎではないかしら……?」
マーガレットは大いに慌てた。きっと学園でハンナに出会ったら、アレクサンダーは無条件で彼女に恋をするものと思い込んでいた。
しかしそれは、マーガレットというお邪魔虫がいた上で、事件を2人で乗り越えてきたからに急速に仲が良くなったのだと言える。まだ時間がかかることは分かっていたけれど、その間にマーガレットの好感度が上がっていることは計算に入っていなかった。
マーガレットはつい、ギルバートの方を横目で見る。彼は気づいているのかいないのか、素知らぬ顔でハンナとステップを踏んでいる。
アレクサンダーはその様子を見て、マーガレットの手を握った。
「たまには僕の方にも目を向けてくれないかな」
「えっ、あの、殿下」
「アレクって呼んで欲しい」
「え、でも……」
「学園にいる間だけで良い。君とは親睦を深めたいんだ。良き友人としても」
友人、と言われたら断る理由は特にない。手を握られてさえいなければ、戸惑うことなく快諾したかもしれない。
「僕もメグと呼ばせてもらいたいんだ」
「メ、メグですの!?」
マーガレットは懐かしい名で呼ばれてつい驚いた。しかし直ぐに思い至る。マーガレットの愛称は、メグなのだ。
「僕は対等に名を呼び合えるものが極端に少ないんだ。だから憧れてもいるんだが……駄目だろうか?」
下がり眉でそんな風に問われると、断る気にはなれない。そもそも王太子殿下の申し出を断れる訳もないのだが。
「もちろん、光栄ですわ。アレク」
少し気恥しい気持になりながらも、アレクサンダーの愛称を呼ぶマーガレット。
それを聞いて彼は嬉しそうに微笑んだ。
「メグ。もしかしたら、君には誰か思う人がいるのかもしれない。でも、僕はきっと、彼よりも君に相応しい男になろうと思う」
「いえ、そんな。わたくしは、その」
アレクサンダーの真っ直ぐ見てくる綺麗な瞳に、目を逸らすことが出来ないマーガレット。
「舞踏会が無事終わったら、改めて婚約を申し込むよ。君もそのつもりでいてくれ」
そう言って爽やかに笑うと、マーガレットの手を離した。
ドキドキしっぱなしのマーガレットであったが、深呼吸をして心を落ち着かせる。王妃の資質を問われているだけ。恋愛感情で言われているとは限らないと心に言い聞かせる。
「あ、あの。アレク。今は良き友人として、お願いごとがありますの。聞いていただけるかしら……? えっと、誰にも内緒にしたいんですの」
マーガレットは声を潜めた。
「誰にも? ギルにもか?」
「ええ、もちろん」
「君の望みなら、なんでも聞くよ」
「このお部屋の鍵を、わたくしにも貸して貰えないかしら? ずっとでなくとも構いませんの。ほんの数日でも」
「そんな事でいいのか? 一体何に使うんだ?」
「えっと、その……ピアノの練習がしたくて……」
「それなら音楽室でも良いのではないか?」
「その、実はわたくし、音楽の才能があまり……。ルークラフト家の教育を受けた者として、恥ずかしいレベルなんですの……」
「君は努力家なんだな」
下手な思いつきの言い訳でさらに好感度が上がってしまったようで、居た堪れない気持ちになるマーガレット。
「いいさ。君に預けるよ。スペアもあるしね」
アレクサンダーはこっそりとマーガレットに鍵を手渡す。マーガレットは誰にも見られぬうちに、それをハンカチに包んで制服のポケットに入れた。
盗み見るとギルバートはハンナとステップの確認をしているところだ。彼に見られてさえいなければ問題ない。
「さて、名残惜しいがそろそろ時間だな」
アレクサンダーが立ち上がり、音楽の合間を縫って声をかける。
「ギルもハンナも、踊れそうじゃないか」
「あ、はい。ギルバート様のリードがお上手でしたので」
「そうだな。君は他人に合わせるのが得意なようだ。剣技だって僕のを受け流してばかりだからな」
アレクサンダーが皮肉を言うように片眉を上げた。
「受け流すので精一杯ですよ。殿下の剣なんて」
ギルバートが苦笑する。
「僕たちは先に引き上げるから、メグとハンナは少しゆっくりするといい。メイドを残すよ。お茶の一杯でも飲んで行くといい。ライナス、ギル、君たちは剣闘場に付き合ってくれ」
「俺は踊り疲れてるんですが」
「僕がまだ動き足りないんだ」
王太子殿下の命令にも遠慮なく返すギルバートにすっかり慣れたのか、アレクサンダーも有無を言わさない。彼は立場上押しに弱いから、強引に言えば言うことを聞くのだ。
見送りながら、アレクサンダーと仲良くなっているギルバートを微笑ましく思う反面、自分だけの彼ではなくなっている気がして少し寂しい気分になるマーガレットである。
「メグ、と呼ばれてましたね」
「えぇ。愛称で呼び会う提案をされましたわ。良き友人として」
どっと疲れが出て、椅子に腰かけるマーガレット。ハンナも正面に座る。
「……ハンナもそう呼ぶ?」
何か聞きたいことがありそうにニコニコしているハンナに、マーガレットが問いかける。
「いえ! そんな……。お呼びしたいのは山々ですが……」
「良いですわよ。呼んで欲しいんですの。あなたにも」
「では……メグ様、と……! えへへ」
はにかむ様に名を呼ぶハンナはえらく可愛らしい。殿下も早く好きになればいいのにと、しみじみ思ってしまう。
「本当は、もっと気軽に呼び捨てにして欲しいところですけれど」
「いえ、流石にそれは……!」
ハンナと仲良しに慣れたことは嬉しい。アレクサンダーと良き友人になれたことも喜ぶべきことだ。
しかし、この2人はどうやったら惹かれ合うのか。手心を加えてしまったマーガレットは、それを導いてあげる必要があるのかもしれない。
マーガレットはアレクサンダーの想いをまだ受け止めきれてはいない。以前に信用して貰えなかった心の傷は、案外深いのかもしれなかった。
それは転ずれば恋心に変わり得ることにも、マーガレットはまだ気づかない。
***
「君は実際、どうなんだ」
剣闘場に向かう間に、アレクサンダーがギルバートに問いかける。
「何がですか」
「メグの事だよ。ただの従者とは言えないだろう、君は」
「ただの従者ですよ。あえて言うなら腐れ縁程度です」
「でも、君は憎からず、彼女を想っているだろう?」
「……その質問に意味はあるんですかね」
アレクサンダーの直球の質問に、ギルバートは頭をかいた。
「どういう事だ?」
「たとえそれが是であったとして、そう答えること自体が殿下への不敬となります。故に俺の答えは否であるとしか言えません」
「……その回りくどい答えこそが肯定じゃないのか」
「どう捉えてもらっても結構ですよ。ただ俺は、殿下が名実共に素晴らしい人物と思っていますよ。あなたはお嬢様にすら、相応しいと」
「君も結構言うもんだな。ベタ惚れなんじゃないか」
「変な気を起こすつもりは無いと言いたいだけです」
「それでも、牽制はするんだな」
「してますかね」
「剣技と同じだな。最初から隠し通せば良いものを」
そう言われてギルバートは、何かに気づいたように一瞬眉を上げて、その後苦虫を噛み潰したような表情になる。
「気づいていなかったな。君は僕に対抗心を燃やしているに違いないよ」
アレクサンダーは愉快そうに笑う。
「いつでも受けて立つさ。正々堂々とね」
「遠慮しておきます」
「そうか。なら君は僕の妹を貰ってくれないか。オリビアと来たら、手紙に君のことばかり書いてくるんだ」
「勘弁してください。姫様なんて、お嬢様以上に恐れ多い」
「つまり、君が気にしているのは身分ということだな。ルークラフトは確かに王族に連なる大貴族の家系だが、メグの方は気にしないかもしれないだろ。現に君やハンナと仲が良い」
「俺は弁えてます」
「……成程。その気概では、譲れんな」
アレクサンダーは呟くように言って、つまらなそうに前を向いた。
「僕は君ほど聡明で勇敢で、心優しい子を知らないよ。君は柔軟で賢いだけでなく、理不尽に疑われても凛として立ち向かっていたし、ハンナのような出自の子にも分け隔てなく接している。学園に来て色々な子を目にしたけど、君ほど国の上に立つのに相応しい子はいないと僕は思う」
「ほ、褒めすぎではないかしら……?」
マーガレットは大いに慌てた。きっと学園でハンナに出会ったら、アレクサンダーは無条件で彼女に恋をするものと思い込んでいた。
しかしそれは、マーガレットというお邪魔虫がいた上で、事件を2人で乗り越えてきたからに急速に仲が良くなったのだと言える。まだ時間がかかることは分かっていたけれど、その間にマーガレットの好感度が上がっていることは計算に入っていなかった。
マーガレットはつい、ギルバートの方を横目で見る。彼は気づいているのかいないのか、素知らぬ顔でハンナとステップを踏んでいる。
アレクサンダーはその様子を見て、マーガレットの手を握った。
「たまには僕の方にも目を向けてくれないかな」
「えっ、あの、殿下」
「アレクって呼んで欲しい」
「え、でも……」
「学園にいる間だけで良い。君とは親睦を深めたいんだ。良き友人としても」
友人、と言われたら断る理由は特にない。手を握られてさえいなければ、戸惑うことなく快諾したかもしれない。
「僕もメグと呼ばせてもらいたいんだ」
「メ、メグですの!?」
マーガレットは懐かしい名で呼ばれてつい驚いた。しかし直ぐに思い至る。マーガレットの愛称は、メグなのだ。
「僕は対等に名を呼び合えるものが極端に少ないんだ。だから憧れてもいるんだが……駄目だろうか?」
下がり眉でそんな風に問われると、断る気にはなれない。そもそも王太子殿下の申し出を断れる訳もないのだが。
「もちろん、光栄ですわ。アレク」
少し気恥しい気持になりながらも、アレクサンダーの愛称を呼ぶマーガレット。
それを聞いて彼は嬉しそうに微笑んだ。
「メグ。もしかしたら、君には誰か思う人がいるのかもしれない。でも、僕はきっと、彼よりも君に相応しい男になろうと思う」
「いえ、そんな。わたくしは、その」
アレクサンダーの真っ直ぐ見てくる綺麗な瞳に、目を逸らすことが出来ないマーガレット。
「舞踏会が無事終わったら、改めて婚約を申し込むよ。君もそのつもりでいてくれ」
そう言って爽やかに笑うと、マーガレットの手を離した。
ドキドキしっぱなしのマーガレットであったが、深呼吸をして心を落ち着かせる。王妃の資質を問われているだけ。恋愛感情で言われているとは限らないと心に言い聞かせる。
「あ、あの。アレク。今は良き友人として、お願いごとがありますの。聞いていただけるかしら……? えっと、誰にも内緒にしたいんですの」
マーガレットは声を潜めた。
「誰にも? ギルにもか?」
「ええ、もちろん」
「君の望みなら、なんでも聞くよ」
「このお部屋の鍵を、わたくしにも貸して貰えないかしら? ずっとでなくとも構いませんの。ほんの数日でも」
「そんな事でいいのか? 一体何に使うんだ?」
「えっと、その……ピアノの練習がしたくて……」
「それなら音楽室でも良いのではないか?」
「その、実はわたくし、音楽の才能があまり……。ルークラフト家の教育を受けた者として、恥ずかしいレベルなんですの……」
「君は努力家なんだな」
下手な思いつきの言い訳でさらに好感度が上がってしまったようで、居た堪れない気持ちになるマーガレット。
「いいさ。君に預けるよ。スペアもあるしね」
アレクサンダーはこっそりとマーガレットに鍵を手渡す。マーガレットは誰にも見られぬうちに、それをハンカチに包んで制服のポケットに入れた。
盗み見るとギルバートはハンナとステップの確認をしているところだ。彼に見られてさえいなければ問題ない。
「さて、名残惜しいがそろそろ時間だな」
アレクサンダーが立ち上がり、音楽の合間を縫って声をかける。
「ギルもハンナも、踊れそうじゃないか」
「あ、はい。ギルバート様のリードがお上手でしたので」
「そうだな。君は他人に合わせるのが得意なようだ。剣技だって僕のを受け流してばかりだからな」
アレクサンダーが皮肉を言うように片眉を上げた。
「受け流すので精一杯ですよ。殿下の剣なんて」
ギルバートが苦笑する。
「僕たちは先に引き上げるから、メグとハンナは少しゆっくりするといい。メイドを残すよ。お茶の一杯でも飲んで行くといい。ライナス、ギル、君たちは剣闘場に付き合ってくれ」
「俺は踊り疲れてるんですが」
「僕がまだ動き足りないんだ」
王太子殿下の命令にも遠慮なく返すギルバートにすっかり慣れたのか、アレクサンダーも有無を言わさない。彼は立場上押しに弱いから、強引に言えば言うことを聞くのだ。
見送りながら、アレクサンダーと仲良くなっているギルバートを微笑ましく思う反面、自分だけの彼ではなくなっている気がして少し寂しい気分になるマーガレットである。
「メグ、と呼ばれてましたね」
「えぇ。愛称で呼び会う提案をされましたわ。良き友人として」
どっと疲れが出て、椅子に腰かけるマーガレット。ハンナも正面に座る。
「……ハンナもそう呼ぶ?」
何か聞きたいことがありそうにニコニコしているハンナに、マーガレットが問いかける。
「いえ! そんな……。お呼びしたいのは山々ですが……」
「良いですわよ。呼んで欲しいんですの。あなたにも」
「では……メグ様、と……! えへへ」
はにかむ様に名を呼ぶハンナはえらく可愛らしい。殿下も早く好きになればいいのにと、しみじみ思ってしまう。
「本当は、もっと気軽に呼び捨てにして欲しいところですけれど」
「いえ、流石にそれは……!」
ハンナと仲良しに慣れたことは嬉しい。アレクサンダーと良き友人になれたことも喜ぶべきことだ。
しかし、この2人はどうやったら惹かれ合うのか。手心を加えてしまったマーガレットは、それを導いてあげる必要があるのかもしれない。
マーガレットはアレクサンダーの想いをまだ受け止めきれてはいない。以前に信用して貰えなかった心の傷は、案外深いのかもしれなかった。
それは転ずれば恋心に変わり得ることにも、マーガレットはまだ気づかない。
***
「君は実際、どうなんだ」
剣闘場に向かう間に、アレクサンダーがギルバートに問いかける。
「何がですか」
「メグの事だよ。ただの従者とは言えないだろう、君は」
「ただの従者ですよ。あえて言うなら腐れ縁程度です」
「でも、君は憎からず、彼女を想っているだろう?」
「……その質問に意味はあるんですかね」
アレクサンダーの直球の質問に、ギルバートは頭をかいた。
「どういう事だ?」
「たとえそれが是であったとして、そう答えること自体が殿下への不敬となります。故に俺の答えは否であるとしか言えません」
「……その回りくどい答えこそが肯定じゃないのか」
「どう捉えてもらっても結構ですよ。ただ俺は、殿下が名実共に素晴らしい人物と思っていますよ。あなたはお嬢様にすら、相応しいと」
「君も結構言うもんだな。ベタ惚れなんじゃないか」
「変な気を起こすつもりは無いと言いたいだけです」
「それでも、牽制はするんだな」
「してますかね」
「剣技と同じだな。最初から隠し通せば良いものを」
そう言われてギルバートは、何かに気づいたように一瞬眉を上げて、その後苦虫を噛み潰したような表情になる。
「気づいていなかったな。君は僕に対抗心を燃やしているに違いないよ」
アレクサンダーは愉快そうに笑う。
「いつでも受けて立つさ。正々堂々とね」
「遠慮しておきます」
「そうか。なら君は僕の妹を貰ってくれないか。オリビアと来たら、手紙に君のことばかり書いてくるんだ」
「勘弁してください。姫様なんて、お嬢様以上に恐れ多い」
「つまり、君が気にしているのは身分ということだな。ルークラフトは確かに王族に連なる大貴族の家系だが、メグの方は気にしないかもしれないだろ。現に君やハンナと仲が良い」
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