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第二十一話 その道を選ぶ
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謎の魔石は国の研究機関での調査が必要と判断し、タストラの件の当事者である僕が、王都へ運ぶことになった。
ユトスの冒険者ギルド長、ヨハンも可能であれば僕にという意見だったらしく、既に謎の魔石の運送依頼書が準備されていた。
メルビアから王都へ行くには、一般的にユトスを経由することになる。メルビアからユトス、ユトスから王都の全行程の運送費を、ユトスの冒険者ギルドからの依頼ということで報酬を出してくれるそうだ。なんという太っ腹。
それはそれとして、他に気になることがある。
ベルハイトだ。
「ベルハイトさんはどうします?今回はどれくらいで帰れるか分かりませんから、ここに残りますか?」
王都行きが決まり、同行するかを尋ねた時、彼は迷っているようだった。僕に同行することではなく、王都へ行くことを。
「……行きます」
ベルハイトは自分の意思で王都へ行くことを決めたが、その表情は迷いと、何かに対する恐れが拭いきれていなかった。
「ダイアーさんから伝言預かってるんだった!」
そう大声を上げて、カインがシェリーに叩かれたのは、冒険者ギルドでの話を終えて、僕とベルハイトと[風の剣]の四人で、夕食を摂っている時だった。
「食事中に大きな声出さないでって、いつも言ってるでしょ!」
「お前のほうが声デカいっての!つーか今日、殴り過ぎだろ!」
「どっちもうるさい」
「ほら、早く食べよう?せっかくのお料理が冷めちゃうよ」
互いに睨み合う二人をヒューゴとアネットが慣れた様子で宥める。おそらく、いつもの事なのだろう。
「ダイアーさんからの伝言って…」
ベルハイトが微妙に警戒している。
「伝言っていうか、「俺が渡した餞別、ちゃんと使ったか?」って訊いてこいって」
カインの言葉に、ベルハイトは手にしていたフォークを取り落としかけた。
ベルハイトは少し間を置き、
「カイン、その……。餞別の中身については聞いてない、よな…?」
「訊いたんですけど、「お前にはまだ早い」って、教えてくれなくて」
「そうか、それならいいんだ。…あー、ダイアーさんには俺が直接話すから。うん」
カインを含め、[風の剣]の面々はきょとんとしているが、僕はベルハイトの反応から、その“餞別”が良からぬものであると直感した。
「ユトスで待ってるから!ぜっったい!手合わせしような!!」
そう言って食事を終えたカイン達と、食事処の前で別れた。彼らは今晩はメルビアに宿を取り、明日の明け方にはユトスへ戻るそうだ。
カインは食事中、「飯食ったら、手合わせしようぜ!」と僕に絡み、本日四発目の張り手を貰っていた。
手合わせの話はそれで終わったと思っていたのだが、どうやらユトスで待ち構えるつもりらしい。……回避する手はないだろうか。
僕とベルハイトは旅支度などを済ませ、明日の午前中に、カイン達より少し遅れて発つ予定だ。
一緒に行こうと誘われたが、そうすると[無限保存庫]を使いづらいという問題がでてくるので、丁重にお断りした。
そして今、僕達が何をしているのかというと。
「――というわけで、ユトス経由で王都へ行ってきます」
「……………………」
鋭い目を更に細め、無言でメンチを切るヘディと相対していた。
長期間メルビアから離れるため、さすがにヘディに黙っているわけにもいかず、僕とベルハイトは運送ギルドへ寄って、事の次第を説明した。
つまり。芋づる式に、タストラ魔窟に潜ったことなどを自分で吐くことになった。世の中上手くいかないものだ。
ヘディさんは長く重い溜め息をついた。
「というわけで、じゃないわよ。なにガッツリ面倒事背負い込んできてんのよ」
「荷物を運ぶのが運び屋の仕事なので」
開き直ってそれっぽく言ってみたのだが、
「上手くないからな?」
片手で両頬を力いっぱい挟まれた。……前回より強いな?
「ふみまへん。へも、ほうしゅーは」
「だから待てっての。何?」
ヘディが手を離す。
「すみません。でも報酬は彈んでくれるそうです」
「それを先に言いなさい」
ヘディの目の色が変わった。やはりギルド長である。
シェリーから渡された今回の仕事の依頼書を渡すと、ヘディは無言で目を通していく。しばらくして、
「ベルハイト」
「ひ…っ、…はい…?」
完全に油断していた同行者を呼んだ。
突然呼ばれたベルハイトはびくりと跳ね、恐る恐るヘディの顔を見る。それにしても怯え過ぎではないか?僕の知らないところで何かあったのだろうか。
ヘディは依頼書から視線を上げる。
「ユトスのギルド長、ヨハンさんだったかしら?話の分かる人は好きよ。今後ともよろしくと伝えてちょうだい」
どうやら、ヘディの満足する内容だったらしい。彼がただの一つもダメ出しをしないのは珍しいことだ。
「へ、あ、はい。了解です……」
何を言われるのかと怯えていたベルハイトは、肩透かしをくらったようだが、ヨハンのおかげでヘディの機嫌が上向きなので、タストラの件を怒られずに済みそうだ。
そう安心していると、ヘディは僕を見て釘を刺す。
「さっさと行って、用事が済み次第すぐ帰ってきなさい。また背負い込んでくるんじゃないわよ?」
「善処します」
僕とて面倒事はお断りだ。しかし面倒事と、自分がやれる事、やるべき事は別問題だ。必要なら首を突っ込む所存。
それが分かっているので、ヘディもこれ以上は何も言わない。
と、思ったのも束の間。
「アタシがすぐ帰れって言ったからって、山越えするんじゃないわよ?」
……なぜバレた。
隣でベルハイトが首を傾げる。
「山越え?」
「ユトスを経由せずに、ここから西の山岳地帯を越えて王都に行くことよ」
ベルハイトの疑問に答えるヘディ。しかし、ベルハイトはさらに首を傾げる。
「え、いや…、確かに直線距離で言えば、そのほうが近いですけど…。険しいうえに獣も魔物も出る過酷な場所ですよ?そんなところわざわざ……」
言いながらこちらを見たベルハイトから、僕はそっと視線を逸らした。
ベルハイトは信じられないといった様相で息を呑む。
「通ったことあるんですね……?」
「…………」
一年前のことだから時効だと思う。
ベルハイトは息をついてから僕をじっと見据えた。
「今回は駄目ですからね?そりゃあ、貴方なら本当に最短距離で突っ切るんでしょうけど!普通に歩くと迂回するより、ずーーーっと大変ですから!」
「しませんよ。ユトスを経由して行くって、言ったじゃないですか」
経由して行きますとも。
「それ絶対、行きの話ですよね?帰りはユトスを経由する気無いでしょ?山、越えてやろうって思ってるでしょ?」
読心術か?
僕はベルハイトを正面から見据え、
「そんなことは」
「ないですか?本当に?」
「…………」
逆に詰め寄られた。
言えない。隙あらば帰りは山を越えようと思っていたなんて、どうしてこの場で言えよう。
僕はぐっと握り拳を作って見せる。
「ベルハイトさん。たまには挑戦すべきです」
「その挑戦はハードルが高すぎるうえに命がけなんですよ。知ってます?危険は避けるもので突っ込むものじゃないって」
ベルハイトなら大丈夫だと思って言っているのだが、なかなか伝わらない。
するとヘディが、
「そうよ、言ってやりなさい!アンタは俺の骨を拾いたいのか?って!」
「それ不吉すぎません?!」
……ここ最近、僕の周囲の人が、僕が知らないうちにベルハイトと仲良くなっている気がする。
なんだか少し……モヤモヤする。
いや、今はその話は置いておこう。今回は僕にも譲れない、山越えの理由があるのだ。
僕はキッとベルハイトを見上げる。
「知ってますか、ベルハイトさん」
「っ、なんですか…いきなり」
僕が本気だと伝わるよう、真っ直ぐその目から逸らさない。
「ドラナト山には、レッドモメントがあるんです」
「………………はい?」
なんで生返事なんだ。
レッドモメントとは見た目は小さなリンゴだが、果肉は桃のように柔らかい果物で、その名の通り、真っ赤な色をしている。
一年前、たまたまドラナト山を突っ切った際に見つけ、初めて食べた。それ以来、また実るこの時期を楽しみにしていたのだ。
「幻の果物と呼ばれるレッドモメントです。すごく美味しいんです。この時期に実がなるので、次は一年後なんです。自生している場所が少ないうえに栽培の成功例はなく、傷むのが早いので、市場には出回らないんです」
一息に説明したせいか、ベルハイトはぽかんとしている。ちゃんと聞いていたのだろうか。
僕はぐっとベルハイトとの距離を詰めた。
「食べたいんです」
「…………っ」
これでも伝わらないのか。これ以上、どう説得しろと言うのか。
…………もう、置いていってやろうか。
そう本気で思った時、
「………………。はぁ……。分かりました」
「!」
「ただし、帰りですからね!行きはユトス経由!それから……穫り過ぎないこと!」
僕はこくこくと頷く。もちろん大量に穫ったりしない。節度は弁える。
「ありがとうございますっ」
「……っ」
お礼を言ったら何故か妙な顔をされた。しかしそんなことよりも、ベルハイトが了承してくれたことが、僕はとても嬉しくて。
「大丈夫。ベルハイトさんの剣の腕なら、問題ないです。万が一危なくなっても、僕が守りますから」
心からの本心だ。だというのに、
「~~~っ、……あーもぉっ!!」
ベルハイトはテーブルに突っ伏してしまった。なぜ。
「……アンタ達、アタシがいること忘れてない?」
それを見ていたヘディの呆れ果てた声に、ベルハイトはハッと我に返り、僕は「ヘディさんの分も穫ってきます」と言って、渾身のでこピンをくらった。
ユトスの冒険者ギルド長、ヨハンも可能であれば僕にという意見だったらしく、既に謎の魔石の運送依頼書が準備されていた。
メルビアから王都へ行くには、一般的にユトスを経由することになる。メルビアからユトス、ユトスから王都の全行程の運送費を、ユトスの冒険者ギルドからの依頼ということで報酬を出してくれるそうだ。なんという太っ腹。
それはそれとして、他に気になることがある。
ベルハイトだ。
「ベルハイトさんはどうします?今回はどれくらいで帰れるか分かりませんから、ここに残りますか?」
王都行きが決まり、同行するかを尋ねた時、彼は迷っているようだった。僕に同行することではなく、王都へ行くことを。
「……行きます」
ベルハイトは自分の意思で王都へ行くことを決めたが、その表情は迷いと、何かに対する恐れが拭いきれていなかった。
「ダイアーさんから伝言預かってるんだった!」
そう大声を上げて、カインがシェリーに叩かれたのは、冒険者ギルドでの話を終えて、僕とベルハイトと[風の剣]の四人で、夕食を摂っている時だった。
「食事中に大きな声出さないでって、いつも言ってるでしょ!」
「お前のほうが声デカいっての!つーか今日、殴り過ぎだろ!」
「どっちもうるさい」
「ほら、早く食べよう?せっかくのお料理が冷めちゃうよ」
互いに睨み合う二人をヒューゴとアネットが慣れた様子で宥める。おそらく、いつもの事なのだろう。
「ダイアーさんからの伝言って…」
ベルハイトが微妙に警戒している。
「伝言っていうか、「俺が渡した餞別、ちゃんと使ったか?」って訊いてこいって」
カインの言葉に、ベルハイトは手にしていたフォークを取り落としかけた。
ベルハイトは少し間を置き、
「カイン、その……。餞別の中身については聞いてない、よな…?」
「訊いたんですけど、「お前にはまだ早い」って、教えてくれなくて」
「そうか、それならいいんだ。…あー、ダイアーさんには俺が直接話すから。うん」
カインを含め、[風の剣]の面々はきょとんとしているが、僕はベルハイトの反応から、その“餞別”が良からぬものであると直感した。
「ユトスで待ってるから!ぜっったい!手合わせしような!!」
そう言って食事を終えたカイン達と、食事処の前で別れた。彼らは今晩はメルビアに宿を取り、明日の明け方にはユトスへ戻るそうだ。
カインは食事中、「飯食ったら、手合わせしようぜ!」と僕に絡み、本日四発目の張り手を貰っていた。
手合わせの話はそれで終わったと思っていたのだが、どうやらユトスで待ち構えるつもりらしい。……回避する手はないだろうか。
僕とベルハイトは旅支度などを済ませ、明日の午前中に、カイン達より少し遅れて発つ予定だ。
一緒に行こうと誘われたが、そうすると[無限保存庫]を使いづらいという問題がでてくるので、丁重にお断りした。
そして今、僕達が何をしているのかというと。
「――というわけで、ユトス経由で王都へ行ってきます」
「……………………」
鋭い目を更に細め、無言でメンチを切るヘディと相対していた。
長期間メルビアから離れるため、さすがにヘディに黙っているわけにもいかず、僕とベルハイトは運送ギルドへ寄って、事の次第を説明した。
つまり。芋づる式に、タストラ魔窟に潜ったことなどを自分で吐くことになった。世の中上手くいかないものだ。
ヘディさんは長く重い溜め息をついた。
「というわけで、じゃないわよ。なにガッツリ面倒事背負い込んできてんのよ」
「荷物を運ぶのが運び屋の仕事なので」
開き直ってそれっぽく言ってみたのだが、
「上手くないからな?」
片手で両頬を力いっぱい挟まれた。……前回より強いな?
「ふみまへん。へも、ほうしゅーは」
「だから待てっての。何?」
ヘディが手を離す。
「すみません。でも報酬は彈んでくれるそうです」
「それを先に言いなさい」
ヘディの目の色が変わった。やはりギルド長である。
シェリーから渡された今回の仕事の依頼書を渡すと、ヘディは無言で目を通していく。しばらくして、
「ベルハイト」
「ひ…っ、…はい…?」
完全に油断していた同行者を呼んだ。
突然呼ばれたベルハイトはびくりと跳ね、恐る恐るヘディの顔を見る。それにしても怯え過ぎではないか?僕の知らないところで何かあったのだろうか。
ヘディは依頼書から視線を上げる。
「ユトスのギルド長、ヨハンさんだったかしら?話の分かる人は好きよ。今後ともよろしくと伝えてちょうだい」
どうやら、ヘディの満足する内容だったらしい。彼がただの一つもダメ出しをしないのは珍しいことだ。
「へ、あ、はい。了解です……」
何を言われるのかと怯えていたベルハイトは、肩透かしをくらったようだが、ヨハンのおかげでヘディの機嫌が上向きなので、タストラの件を怒られずに済みそうだ。
そう安心していると、ヘディは僕を見て釘を刺す。
「さっさと行って、用事が済み次第すぐ帰ってきなさい。また背負い込んでくるんじゃないわよ?」
「善処します」
僕とて面倒事はお断りだ。しかし面倒事と、自分がやれる事、やるべき事は別問題だ。必要なら首を突っ込む所存。
それが分かっているので、ヘディもこれ以上は何も言わない。
と、思ったのも束の間。
「アタシがすぐ帰れって言ったからって、山越えするんじゃないわよ?」
……なぜバレた。
隣でベルハイトが首を傾げる。
「山越え?」
「ユトスを経由せずに、ここから西の山岳地帯を越えて王都に行くことよ」
ベルハイトの疑問に答えるヘディ。しかし、ベルハイトはさらに首を傾げる。
「え、いや…、確かに直線距離で言えば、そのほうが近いですけど…。険しいうえに獣も魔物も出る過酷な場所ですよ?そんなところわざわざ……」
言いながらこちらを見たベルハイトから、僕はそっと視線を逸らした。
ベルハイトは信じられないといった様相で息を呑む。
「通ったことあるんですね……?」
「…………」
一年前のことだから時効だと思う。
ベルハイトは息をついてから僕をじっと見据えた。
「今回は駄目ですからね?そりゃあ、貴方なら本当に最短距離で突っ切るんでしょうけど!普通に歩くと迂回するより、ずーーーっと大変ですから!」
「しませんよ。ユトスを経由して行くって、言ったじゃないですか」
経由して行きますとも。
「それ絶対、行きの話ですよね?帰りはユトスを経由する気無いでしょ?山、越えてやろうって思ってるでしょ?」
読心術か?
僕はベルハイトを正面から見据え、
「そんなことは」
「ないですか?本当に?」
「…………」
逆に詰め寄られた。
言えない。隙あらば帰りは山を越えようと思っていたなんて、どうしてこの場で言えよう。
僕はぐっと握り拳を作って見せる。
「ベルハイトさん。たまには挑戦すべきです」
「その挑戦はハードルが高すぎるうえに命がけなんですよ。知ってます?危険は避けるもので突っ込むものじゃないって」
ベルハイトなら大丈夫だと思って言っているのだが、なかなか伝わらない。
するとヘディが、
「そうよ、言ってやりなさい!アンタは俺の骨を拾いたいのか?って!」
「それ不吉すぎません?!」
……ここ最近、僕の周囲の人が、僕が知らないうちにベルハイトと仲良くなっている気がする。
なんだか少し……モヤモヤする。
いや、今はその話は置いておこう。今回は僕にも譲れない、山越えの理由があるのだ。
僕はキッとベルハイトを見上げる。
「知ってますか、ベルハイトさん」
「っ、なんですか…いきなり」
僕が本気だと伝わるよう、真っ直ぐその目から逸らさない。
「ドラナト山には、レッドモメントがあるんです」
「………………はい?」
なんで生返事なんだ。
レッドモメントとは見た目は小さなリンゴだが、果肉は桃のように柔らかい果物で、その名の通り、真っ赤な色をしている。
一年前、たまたまドラナト山を突っ切った際に見つけ、初めて食べた。それ以来、また実るこの時期を楽しみにしていたのだ。
「幻の果物と呼ばれるレッドモメントです。すごく美味しいんです。この時期に実がなるので、次は一年後なんです。自生している場所が少ないうえに栽培の成功例はなく、傷むのが早いので、市場には出回らないんです」
一息に説明したせいか、ベルハイトはぽかんとしている。ちゃんと聞いていたのだろうか。
僕はぐっとベルハイトとの距離を詰めた。
「食べたいんです」
「…………っ」
これでも伝わらないのか。これ以上、どう説得しろと言うのか。
…………もう、置いていってやろうか。
そう本気で思った時、
「………………。はぁ……。分かりました」
「!」
「ただし、帰りですからね!行きはユトス経由!それから……穫り過ぎないこと!」
僕はこくこくと頷く。もちろん大量に穫ったりしない。節度は弁える。
「ありがとうございますっ」
「……っ」
お礼を言ったら何故か妙な顔をされた。しかしそんなことよりも、ベルハイトが了承してくれたことが、僕はとても嬉しくて。
「大丈夫。ベルハイトさんの剣の腕なら、問題ないです。万が一危なくなっても、僕が守りますから」
心からの本心だ。だというのに、
「~~~っ、……あーもぉっ!!」
ベルハイトはテーブルに突っ伏してしまった。なぜ。
「……アンタ達、アタシがいること忘れてない?」
それを見ていたヘディの呆れ果てた声に、ベルハイトはハッと我に返り、僕は「ヘディさんの分も穫ってきます」と言って、渾身のでこピンをくらった。
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