どうしよう、俺の公子様がXXに。

小夜時雨

文字の大きさ
106 / 229

ルフスは語る 7 ※男娼時代のことと、今と。助けて。

しおりを挟む
 「はぁ……」

 艶っぽく出た声は、エロ道具によって散々に犯されたためだ。
身体中が汗まみれで不自由な拘束によって身動きが取れず、無理やり高められた衝動から逃れるのが精一杯で、どうにか棒状のおもちゃから解放された時にはすっかり疲弊していた。
 (しばらくぶりの閨事は疲れる……)
 大きく広げられた股関節が痛い。というか、体の節々が辛い。
 あとはさっさと中に興奮した角度あるブツを挿入させて生臭いものを出させて終わり、なのだが、ガチャガチャ、とズボンをおろす動きをしてみせる男の、どうにも情けない姿を寝転びつつ見上げていると、心底、嫌気がさした。

 自由、を得たはずなのに、なぜこんな輩に自分の体を蹂躙させてやらねばならないのか。

それに尽きる。

 (嫌だ……)

 嫌悪感が募っていく。
 何度もこんな目には遭ってきたし、我慢してきたというのに、この時ばかりは不思議と、ご主人様の顔ばかりが浮かんでは消えてはくれない。むしろ漂い、ルフスのそばでじっとしている。
 
 「リヒト様……」

 小さい呟きは、かつて抗うということすら許されなかった過去の選択を思い起こされる。

 男が出してきた赤黒いそれはいかにも生臭そうで、辟易とするむっとした臭いがした。
興奮する男の声もまたさらに気色悪さを誘引し、昔のルフスの背筋を凍らせた。
 
 何度も、何度も、嫌だ、嫌だと痛いと告げても、か細い手足をまるでおもちゃのように伸ばして、しっかりと見せつけるかのように二度目は、両足の足首を柔らかく寝台に押し付け、体重ごと乗せて挿入してきたあの過去を蘇らせる。柔らかかった体は、やすやすと男の魔の手にかかり、叫ぶと男は喜んだ。

「おお、随分と入る、入る」と言っていたな、そういえば。
でんぐり返しの姿勢で、上下する男の淫棒が自分の肛門に何度も出入りする姿を見せつけられ、当時のルフスは胃液を吐いた。涙を流しながら、手ひどく嬲られた過去は、時々、こうして顔を覗かせてはルフスを再び汚す。みたくもないというのに、みせつけてくる。

 (……ひと思いに……して、やればよかった)
 そうすれば、すっきりしたことだろう。
今は大人なのだ。こんな昔のことに囚われる必要はない。
 ないというのに、出されたそれは、過去と、この時ばかりは同調してしまった。

 「……う……」

 何もかもをなくしてしまった過去、男娼のときのほうが、もしかしたら強かったのかもしれない。
でも、今は失いたくないものが少しばかり増えたせいか、弱ってしまった。
 唇が、わなないているのをルフスは自覚する。
後悔、なのだろうか……この身を支配し、怖がらせているのは……。
 それとも、今の自分は身綺麗になったとでも勘違いしているからこその、恐怖なのだろうか。
上塗りされる、恐れを抱いているのだろうか。
 大人しくさえしていれば、そう傷つくこともない。
勝手に体が、敏感になっていた部分を思い出し、少しはマシになるだろう。だが、それは、先送り、という名の……手に入れたはずの、綺麗な自由を失うような気がして、意識が。
 
 「ん? おい、おま……」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

同性愛者であると言った兄の為(?)の家族会議

海林檎
BL
兄が同性愛者だと家族の前でカミングアウトした。 家族会議の内容がおかしい

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。

誉コウ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。 その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。 胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。 それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。 運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

届かない「ただいま」

AzureHaru
BL
いつも通りの変わらない日常のはずだった。 「行ってきます。」と言って出て行った貴方。1日が終わる頃に「ただいま。」と「おかえり。」を笑顔で交わすはずだった。でも、その言葉はもう貴方には届かない。 これは「優しさが奪った日常」の物語。

処理中です...