どうしよう、俺の公子様がXXに。

小夜時雨

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そもそもの話、なぜ僕に?

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 「王の椅子、ってことは……」

 ぐるりと見回し、座席の配置や、フリードのつんとした鼻筋の高いところを見返しながら、なるほど、と僕は納得した。

 「まるで決まっているかのような配置なんだね」
 「そう。だからこそ、王に連なるものたちだけしか、
  解放されない場所なのだ」

 固いフリードの声だが、ずいぶんとこの場所には響く。
大気の音も篭ってしまっている。

 「……でも、僕に開示しちゃっていいの?
  かなり……大事なものなのでは」

 一応、こんな僕でも貴族ではあるとはいえ、さすがに王族にとって大事な場所を教えちゃっていいものなんだろうか。ましてや僕は夜の関係者だし。ハーフだけどさ。

 「君は……リヒトは、
  俺にとって大事な人だから……。
  知って欲しかった」
 
 じ、と長いまつ毛に縁取られたエメラルドの瞳を見つめ続けると、彼の頬はじわじわ赤くなる。

 「……ごほん。
  その、王族に連なる者の嫁なのだから……、
  ……夜は、俺が……嫁だけど……」
 
 今、そこでそれを言う必要はないだろうと本人も自覚しているのか、さらに頬は赤くなった。
ぎゅう、と僕の腹回りに回されている腕からの圧力が強くなっていく。
 
 「……夜の王、それら、かの人の、君は……、
  そこにも関わる者だから、
  こうなったのも、必然だったのかもしれない」
 「そう、だね……」

 (といっても、僕にその自覚はまったくないが)
 僕の襟口にまで、フリードはぎゅううう、と突っ込んでその麗しい顔を隠し切っているが、恥ずかしさは隠しきれていないようだ。耳までも赤くなっている。白い肌だから、余計に目立つがそこは自覚していてもどうにもならないのだろう、ちょっとだけ唸っている。さらさらとしたフリードの髪が僕の首やら肩にざんばらにかかっていて、よほど、この塔塔は、重要なものなのかも、と僕は悔い改めた。ごめん、タワー・タワーとか言っちゃって。
 (いや、タワー塔か)
 見たところ、特に電波やら赤外線やら、何やら怪しい電波は飛ばしていない黄金の像が点在しているだけだというのに、妙に嫌な感じがするところである。
 (……聖なる力、でもありそうだ)
 僕の唯一の弱点ともいうべきものだ。
光、朝の光、太陽。
 (僕を燃やし尽くす、苦手なエネルギー)
 ハーフである僕でさえ、ちょとニガテー、と言える程度ではあるものの、それなりに苦手意識はあるので、僕の父とやらはもっと、深く、仄暗いところに潜んでいるのかもしれなかった。今も。
 (……まあ、朝の散歩は絶対にしてないだろうな)
 僕でさえ朝は苦手であるのだから。
 
 「けど、最後の椅子にフリードなんだ」
 
 順番的にそうだ。
フリードも、そのことについては懸念している言葉を吐く。

 「ああ。
  この王の椅子は、順番が回ってくるという意味でもあり……、
  予言でもあるんだ」
 「予言?」
 「……昔から、王家に伝わる話だ。
  王は巡る、と」
 「王は、巡る……」
 「口伝だったが、それを本当に作ったものがいたらしい。
  ……誰が作ったのかは不明だが、王の種族が変われば、
  習いとして像を椅子に置くことになった。
  ……最後に俺が座る場所があるということが、
  一体どういうことなのか。
  わからないが、天は終わるのではないか、と、
  王家は危惧をしている」
 
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