どうしよう、俺の公子様がXXに。

小夜時雨

文字の大きさ
129 / 229

加害者Fの調査報告書4

しおりを挟む
 加害者F、まだ名はない。

……と、いいたいところだけれども、一応、貴族らしい品の良い名前がある。
 覚える気がないので、住所しかあいにく記憶してないけど(それと侵入しやすい経路)概ね、箸にも棒にもかからない貴族、といったらいいレベルのどうでもいい……そういった存在であると僕は認識している。加害者Fの地位的にもぶっちゃけ強気でいられるほどのものでもなく、よく大貴族に喧嘩売る真似したな、と思う。
 
 (もしフリードが権力を翳したならば、
  やつは一網打尽どころか一族が揃って飛ぶ)

 何が?
とはいわないのがお約束。グロくなるし。
 ……一応、他のお仲間、取り巻きもいるにはいるがそこまで脅威でもない、王家に連なるフリードと顔を合わせる自体が奇跡といってもいい程度のもの。

 (僕もどちらかというと、ランク的にそこ)
闇の覇者とか、闇の王とか、どこぞの厨二病みたいな名前もちの父の家系がなければ……。くっ。

 いすれにせよ、まずは加害者Fをボコっといて、次に本命もボコらねば……。
僕の拳は温めることを是とするのだ、さて、準備万端、モブに変身、っと……。

 「うっし!」

 決行は本日。
善は急げ。





 月もない夜に、僕はひっそりと加害者Fのおうちにドキドキ、お宅訪問を決行することと相なった。
服装は普段着。隠蔽能力を駆使するので基本的に普段着なのだ。
整った庭園がかわいそうな、加害者Fのご自宅。庭にはそれなりにお金をかけているが、Fん家をまるで隠すかのような造りをしているので悪いことをしやすそうな家だなあ、とゲスい考えをしてしまう。具体的にいうと、木立が多い。周囲は木々でかこっていて、中が見えづらくしている。塀という立派なプライベート空間を演出してくれる壁があるというのに、さらに隠すというのか……僕は不信感を抱いた。

 (さてっと……ではでは)

 今回、僕は侵入作戦を行うに至り、おちょくる方針でいくことを決めた。
もちろんかき集めた情報を精査した結果だけど、こいつは大いにゲスっていいやつだ、と思い直したからである。鳩氏からの情報提供により、難易度が一気に低下したのが大きい。

 (うむむ……こういった変装は初めてかも)

 隠蔽能力を使いつつ、さらに隠蔽の上掛け。
なかなか面倒にも手間暇もかけてるけど、これが一番相手に効く、と僕は判断したのでこの作戦を決行したのだ。

 名付けて、「本日のお遊び相手は? ドキっ、お姉さん、じゃなかったモブおじさん!」だ。
とてつもなく無駄な作業だけど、相手をボコっておきたいし精神的にメタメタにしたいので……。
 
 (お金だけじゃ解決できない難題)

 を、相手にぶつけたくて、こんな努力をしているわけである。腹いせもあるけど。
ちら、と後方をみやると、僕と同じくマントをかぶっている人物がいる。複数いて、いわゆる協力者だ。鳩提供の。
 さらには……。

 「ふふ、緊張しますね……ぼっちゃま」

 ルフスさんも参加しているのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

同性愛者であると言った兄の為(?)の家族会議

海林檎
BL
兄が同性愛者だと家族の前でカミングアウトした。 家族会議の内容がおかしい

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。

誉コウ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。 その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。 胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。 それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。 運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

異世界転移した先は陰間茶屋でした

四季織
BL
気が付いたら、見たこともない部屋にいた。そこは和洋折衷の異世界で、俺を拾ってくれたのは陰間茶屋のオーナーだった。以来、俺は陰間として働いている。全くお客がつかない人気のない陰間だけど。 ※「異世界に来た俺の話」と同じ世界です。 ※謎解き要素はありません。 ※ミステリー小説のネタバレのようなものがありますので、ご注意ください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...