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あまり気にしなかったけど、この鳩、だるい先輩である。
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鳩氏の成績はこうみえて悪くないらしく、上からかぞえたほうが早い程度の成績を修めて卒業、定職につかずに実家の太さと彼女(あるいは彼氏)頼みでプラプラと生き残っている。野鳩かな。いや、血統書つきのヒモか。
いずれにせよ、
「こんなんが先輩って嫌だなぁ……」
「そんなマジマジと言わんでもいいじゃないすか、リヒト様」
人生楽しくいきましょい! みたいな根っからの軽い感じのせいか、僕相手でも態度をすっかり手軽にしてしまうあたり、本当に獣人の性格を見抜く、というか。さすがは情報屋、というべきか。
「あの貴族学校の校長はまだ変化はなしっすか?」
「名前も一緒だし、顔も同じだから変化はないかな」
「ヒュー! 年齢不詳!」
「それ、絶対に言っちゃダメだよローラン先輩」
「わかってますって! リヒト様、いくらなんでも女相手に言うバカはいませんて」
「えっ、あの校長先生、女性だったんだ……」
「そこぉ!?」
これぞまさしくリア獣人、の見本ともいうべき鳩である。
なんでも知っている。茶菓子はなくなったので、今度はロル茶を所望し始めているし。
「懐かしいわ~もう一度学生時代に戻りたいか?
と言われると、まあ……たくさん青春したし……」
ただでさえ狭い貴族社会の縮図であるので、鳩の時代は余計に密度は高かったものらしい。
(僕には何もなかったけど)
ぼっちで無事卒業できそうですらある。
(いいんだ、モテたのがフリードリヒっていう……、
一途な? 猫ちゃんだから……)
大型の猛獣だけど……。
「うへへ……まぁ、たくさん楽しんだよ俺は」
「……どうぞ、ロル茶です」
「うほぉ、可愛い子ちゃんてずから、のお茶は
とっても嬉し……って、めっちゃ少なっ」
「飲め」
「ええええ、客人に対して非道!」
「帰れ」
ぷい、とルフスさんはご機嫌斜めである。
さもありなん。
(後輩、の子を引き取ったくせして、
たいして面倒見にいってなかったし)
そりゃルフスさんは鳩氏に不機嫌になるというものである。
鳩氏もそれを察しているらしく、渋々、数センチ、しか入っていないお茶をちびちび飲んでいる。
……意外とローラン・グアランも負けん気が強いな。
(絶対に帰るもんか、という強い意思を感じる)
むしろ嫌がらせの域。
(火花が出てるな……)
目に見えない火花が。
二人の間に。
「……ぐふふ、俺は帰らんぜよ」
「……ふふふ、鳩鍋にしたいですね、今日は」
「ふふふ」
「ぬふふ」
(逆に仲が良いのかな……)
「と、こんなことしてる場合じゃなかったわ」
鳩氏はだらだらとしてた時間をまるで取り戻すかのように跳ね上がり、応接室の窓を開けると、たちまちに本性である鳩に変化した。情報を取り扱う彼は、鳩の姿の方で行動する時間が多いらしい。そのほうが便利だから、とか。まあ確かに鳩の方が、獣人は油断するだろう。格下だから。圧倒的な物理であれば、そりゃあ、貴族階級は獰猛なのが多いので、庭に生えてる樹木に鳥が一羽、いたとしても気にも留めないことだろう。
「んじゃ、偵察してくるわ」
いずれにせよ、
「こんなんが先輩って嫌だなぁ……」
「そんなマジマジと言わんでもいいじゃないすか、リヒト様」
人生楽しくいきましょい! みたいな根っからの軽い感じのせいか、僕相手でも態度をすっかり手軽にしてしまうあたり、本当に獣人の性格を見抜く、というか。さすがは情報屋、というべきか。
「あの貴族学校の校長はまだ変化はなしっすか?」
「名前も一緒だし、顔も同じだから変化はないかな」
「ヒュー! 年齢不詳!」
「それ、絶対に言っちゃダメだよローラン先輩」
「わかってますって! リヒト様、いくらなんでも女相手に言うバカはいませんて」
「えっ、あの校長先生、女性だったんだ……」
「そこぉ!?」
これぞまさしくリア獣人、の見本ともいうべき鳩である。
なんでも知っている。茶菓子はなくなったので、今度はロル茶を所望し始めているし。
「懐かしいわ~もう一度学生時代に戻りたいか?
と言われると、まあ……たくさん青春したし……」
ただでさえ狭い貴族社会の縮図であるので、鳩の時代は余計に密度は高かったものらしい。
(僕には何もなかったけど)
ぼっちで無事卒業できそうですらある。
(いいんだ、モテたのがフリードリヒっていう……、
一途な? 猫ちゃんだから……)
大型の猛獣だけど……。
「うへへ……まぁ、たくさん楽しんだよ俺は」
「……どうぞ、ロル茶です」
「うほぉ、可愛い子ちゃんてずから、のお茶は
とっても嬉し……って、めっちゃ少なっ」
「飲め」
「ええええ、客人に対して非道!」
「帰れ」
ぷい、とルフスさんはご機嫌斜めである。
さもありなん。
(後輩、の子を引き取ったくせして、
たいして面倒見にいってなかったし)
そりゃルフスさんは鳩氏に不機嫌になるというものである。
鳩氏もそれを察しているらしく、渋々、数センチ、しか入っていないお茶をちびちび飲んでいる。
……意外とローラン・グアランも負けん気が強いな。
(絶対に帰るもんか、という強い意思を感じる)
むしろ嫌がらせの域。
(火花が出てるな……)
目に見えない火花が。
二人の間に。
「……ぐふふ、俺は帰らんぜよ」
「……ふふふ、鳩鍋にしたいですね、今日は」
「ふふふ」
「ぬふふ」
(逆に仲が良いのかな……)
「と、こんなことしてる場合じゃなかったわ」
鳩氏はだらだらとしてた時間をまるで取り戻すかのように跳ね上がり、応接室の窓を開けると、たちまちに本性である鳩に変化した。情報を取り扱う彼は、鳩の姿の方で行動する時間が多いらしい。そのほうが便利だから、とか。まあ確かに鳩の方が、獣人は油断するだろう。格下だから。圧倒的な物理であれば、そりゃあ、貴族階級は獰猛なのが多いので、庭に生えてる樹木に鳥が一羽、いたとしても気にも留めないことだろう。
「んじゃ、偵察してくるわ」
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