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第3部 電脳機神兵の花嫁になんてならない!
第17章 アリーシャ、ダンジョンでバトルする
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ダンジョンという場所である以上、どんなに慎重に進んでも、敵との遭遇は避けられない。
私とブルーも、天空牢獄に入って十数分後には敵に出くわしてしまった。
「ヘッヘッヘ……こんな無法地帯にノコノコやって来るとはな……。イイ獲物と出会えてラッキーだぜェ」
天空牢獄に出る "敵" は大きく分けて3種類。
ひとつはコウモリや怪鳥など、飛行系のモンスター。
もうひとつが、天空牢獄に棲みつく、こういった "無法者" たちだ。
「姫さん、下がってな。ここは俺が……」
「大丈夫です。相手が悪人なら…… "洗練された何か" !」
私はポケットからセイクリッド・シザーを取り出し、無法者目がけて光属性最強攻撃魔法を放つ。
光属性の魔法は、心を悪に染めた人間相手だと、効果が高いのだ。
「……は?姫さん、あんた今、何を……?」
ブルーが唖然として振り返る。
無法者は、さっきの一撃で完全ダウンして床にノビていた。
このゲームの戦闘終了は《○○を倒した!》だから、べつに命を奪っているとは限らないのだ。
「この聖剣の力で、悪い人たちと普通のモンスターなら、ある程度は何とかできます。ただ、光属性魔法は機械には効かないんで……」
そう言っている間にも、新手の敵が現れた。
その姿に、私は思わず「げっ」と呟いてしまう。
そこにいたのは、カニに形が似た……しかし、その材質はどう見ても金属な、銀色のロボットだった。
天空牢獄に出没する3種の敵のうち、最後の1種が機械系……。
光属性や闇属性が全く効かず、風火水土の四大属性も効果を減らされてしまう難敵なのだ。
「安心しな。メカなら俺の得意分野だ!」
ブルーは不敵に微笑って敵に突っ込んでいく。
「マイスター・スキルその漆『塗装』!」
ブルーはカニ型ロボの "眼" にスプレーを吹きかける。
透明なレンズ状だった "眼" はパールホワイトに塗装され、カニ型ロボは視界を奪われたようだった。
「マイスター・スキルその伍『熔接』!」
カニ型ロボがハサミを閉じた瞬間を狙い、ブルーがスキルを発動させる。
激しく火花が散った後、カニのハサミは閉じた形のまま固定され、開くことができなくなっていた。
「マイスター・スキルその壱『分解』!」
敵の視界と攻撃力を奪った上で、ブルーは悠々と攻撃を繰り出す。
カニ型ロボは、前に見たゾクのバイクのように、バラバラの部品となって崩れ落ちた。
その流れるような一連の動作に、私は思わず感嘆の声を上げ、拍手していた。
「お見事!さすがS級マイスターですね!」
だがブルーは何とも言えない顔で私を見、苦笑する。
「やっぱ姫さん、変わってんだな。『キャー恐かったー』とか『もう帰りたい』とか言わないんだな」
「あぁ……。不謹慎でしたかね?危機感も抱かずバトルに見入ってるなんて……。平和ボケした現代人の感覚でしたかね?」
「いや、そういう意味で言ったわけじゃねぇんだが……。と言うか、マジで変わってるな。俺も、変わり者には相当会ってきたが……あんたみてぇなのは初めてだ」
「……まぁ、他の子と違うって自覚はありますけど……」
この世界だけでなく元の世界でも、私は他の子と違っていた。
それは環境によるもので、どうしようもないことではあったのだが……。
……まぁ創君は『いや、ソレ環境のせいとかじゃ絶対ないから!お前自身がヘンなだけだから!』とか、失礼なことを言っていたが。
「話に聞いてた限りじゃ、アクアに似てんのかと思ってたが、全然違うな」
「は!? そりゃそうですよ!あんな、スタイル良くて、手先も器用で、コミュ力も高いアクアちゃんと、私が似てるわけないじゃないですか!」
アクアちゃんは、ジェラルディンちゃんとはまた別の意味で、私の憧れなのだ。
ジェラルディンちゃんが "理想のヒロイン" なら、アクアちゃんは "理想の友達" だ。
この天空牢獄の探索も、できればアクアと一緒にワーワーキャーキャー言いながら冒険してみたかった……。
……まぁ、ブルーと比べたら、全く戦力にならないんだろうけど……。
「いや、本っ当、おもしれぇわ。見た目と中身のギャップが、何つーか、クセになるな」
まぁ、(ブルーから見た)"見た目" は世界一の美姫で、"中身" は私だもんね。面白がられて当然か……。
ブルーはフッと笑った後、初めて見るもののように、まじまじと私の顔を眺めてきた。
「ユースに聞いた時にゃ、軽い興味程度だったんだがな……。マジで興味が湧いてきた」
その声には何だか "男の色気" のようなものが漂っていて、一瞬ドキッとしたが、それよりも言われた内容の方が問題だった。
「は!? 創……ユース、あなたに何言ったんですか!?」
まったく、油断もスキも無いな。どうせ、私の言動をディスるか愚痴るかしてたんだろうけど。
……って言うか創君、そんなマイナス情報を暴露するなんて……本気で王女をブルーとくっつける気、あるんだろうか……?
私とブルーも、天空牢獄に入って十数分後には敵に出くわしてしまった。
「ヘッヘッヘ……こんな無法地帯にノコノコやって来るとはな……。イイ獲物と出会えてラッキーだぜェ」
天空牢獄に出る "敵" は大きく分けて3種類。
ひとつはコウモリや怪鳥など、飛行系のモンスター。
もうひとつが、天空牢獄に棲みつく、こういった "無法者" たちだ。
「姫さん、下がってな。ここは俺が……」
「大丈夫です。相手が悪人なら…… "洗練された何か" !」
私はポケットからセイクリッド・シザーを取り出し、無法者目がけて光属性最強攻撃魔法を放つ。
光属性の魔法は、心を悪に染めた人間相手だと、効果が高いのだ。
「……は?姫さん、あんた今、何を……?」
ブルーが唖然として振り返る。
無法者は、さっきの一撃で完全ダウンして床にノビていた。
このゲームの戦闘終了は《○○を倒した!》だから、べつに命を奪っているとは限らないのだ。
「この聖剣の力で、悪い人たちと普通のモンスターなら、ある程度は何とかできます。ただ、光属性魔法は機械には効かないんで……」
そう言っている間にも、新手の敵が現れた。
その姿に、私は思わず「げっ」と呟いてしまう。
そこにいたのは、カニに形が似た……しかし、その材質はどう見ても金属な、銀色のロボットだった。
天空牢獄に出没する3種の敵のうち、最後の1種が機械系……。
光属性や闇属性が全く効かず、風火水土の四大属性も効果を減らされてしまう難敵なのだ。
「安心しな。メカなら俺の得意分野だ!」
ブルーは不敵に微笑って敵に突っ込んでいく。
「マイスター・スキルその漆『塗装』!」
ブルーはカニ型ロボの "眼" にスプレーを吹きかける。
透明なレンズ状だった "眼" はパールホワイトに塗装され、カニ型ロボは視界を奪われたようだった。
「マイスター・スキルその伍『熔接』!」
カニ型ロボがハサミを閉じた瞬間を狙い、ブルーがスキルを発動させる。
激しく火花が散った後、カニのハサミは閉じた形のまま固定され、開くことができなくなっていた。
「マイスター・スキルその壱『分解』!」
敵の視界と攻撃力を奪った上で、ブルーは悠々と攻撃を繰り出す。
カニ型ロボは、前に見たゾクのバイクのように、バラバラの部品となって崩れ落ちた。
その流れるような一連の動作に、私は思わず感嘆の声を上げ、拍手していた。
「お見事!さすがS級マイスターですね!」
だがブルーは何とも言えない顔で私を見、苦笑する。
「やっぱ姫さん、変わってんだな。『キャー恐かったー』とか『もう帰りたい』とか言わないんだな」
「あぁ……。不謹慎でしたかね?危機感も抱かずバトルに見入ってるなんて……。平和ボケした現代人の感覚でしたかね?」
「いや、そういう意味で言ったわけじゃねぇんだが……。と言うか、マジで変わってるな。俺も、変わり者には相当会ってきたが……あんたみてぇなのは初めてだ」
「……まぁ、他の子と違うって自覚はありますけど……」
この世界だけでなく元の世界でも、私は他の子と違っていた。
それは環境によるもので、どうしようもないことではあったのだが……。
……まぁ創君は『いや、ソレ環境のせいとかじゃ絶対ないから!お前自身がヘンなだけだから!』とか、失礼なことを言っていたが。
「話に聞いてた限りじゃ、アクアに似てんのかと思ってたが、全然違うな」
「は!? そりゃそうですよ!あんな、スタイル良くて、手先も器用で、コミュ力も高いアクアちゃんと、私が似てるわけないじゃないですか!」
アクアちゃんは、ジェラルディンちゃんとはまた別の意味で、私の憧れなのだ。
ジェラルディンちゃんが "理想のヒロイン" なら、アクアちゃんは "理想の友達" だ。
この天空牢獄の探索も、できればアクアと一緒にワーワーキャーキャー言いながら冒険してみたかった……。
……まぁ、ブルーと比べたら、全く戦力にならないんだろうけど……。
「いや、本っ当、おもしれぇわ。見た目と中身のギャップが、何つーか、クセになるな」
まぁ、(ブルーから見た)"見た目" は世界一の美姫で、"中身" は私だもんね。面白がられて当然か……。
ブルーはフッと笑った後、初めて見るもののように、まじまじと私の顔を眺めてきた。
「ユースに聞いた時にゃ、軽い興味程度だったんだがな……。マジで興味が湧いてきた」
その声には何だか "男の色気" のようなものが漂っていて、一瞬ドキッとしたが、それよりも言われた内容の方が問題だった。
「は!? 創……ユース、あなたに何言ったんですか!?」
まったく、油断もスキも無いな。どうせ、私の言動をディスるか愚痴るかしてたんだろうけど。
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