囚われの姫は嫌なので、ちょっと暴走させてもらいます!~自作RPG転生~

津籠睦月

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第3部 電脳機神兵の花嫁になんてならない!

第24章 創治、キャラ設定に後悔する

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 アリーシャが穴に落ちて裏牢獄へ行ってしまったのは想定外だったが、何とかヴァルキュリエ・ソードを回収される前に電脳機神兵にさらわせることができた。
 アレは現時点で入手されると、ゲームバランスがくずれかねないチート級の武器だからな……。
 
「あとは、アニキ……ブルーにアリーシャを救わせれば、万事ばんじめでたし、か……」
 
 アリーシャを見失ったブルーには、とらえた委員Kの案内で電神会のアジトへ行ってもらい、そこでアリーシャの行方を知ってもらうことにした。
 
 アジトは暴走した電脳機神兵に壁を破壊され、委員会メンバーが右往左往している。
 
『あンのエセ紳士、ニセ情報をつかませやがったね!? SHIROはちっとも完成してないじゃないか!』
 
 ヒステリー気味にマウリシオをののしるキャメロッティの肩を、ブルーが後ろからポンとたたく。
 
『お取り込み中のトコすまねぇが、アンタらの所のモニターで、姫さんの居所いどころを調べられねぇか?』
 
『ひ……ッ、あんたは……ブラウルート王子……っ』
『そういうアンタは、スカイん所の研究員だな?あそこは給料も良いだろうに、何でまた、こんな悪の組織に?』
 
『金なんか二の次だよ!アタシはね、アタシの能力を認めなかったガルトブルグの連中に、目に物見せてやりたいだけなんだよ!アイツらがどんなに肉体をきたえたところで、アタシの造った電脳機神兵にかないっこないんだからね!』
 
『あー……アンタにも事情があったってのは分かったが、人を殺す可能性のあるロボを勝手に造るのはマズいだろうが。だがまぁ、ソレは今は後回しだ。まずは姫さんがドコにいるのか、機械系モンスターの眼球カメラで探し出してくれ』
 
『お姫様の居場所なら分かりますよー。今は鳥籠とりかごの間のおりの中です。どうやら電脳機神兵に囚われているようですね。電脳機神兵、暴走時に "アリーシャ・シェリーローズ王女を私の花嫁にしなければならない" って口走ってましたし』
 
 委員会メンバーの一人が、アリーシャの映るモニターを指し示し、説明する。
 
『姫さんを花嫁に!? 何がどうしてそうなるんだ!?』
 
『私にかれましても……。それより、早く助けに行かれた方が良いのでは?……まぁ、行けば電脳機神兵と戦うことになるでしょうが』
 
『……望むところだ。巨悪を倒して美姫を救うなんて、男の浪漫ロマンじゃねぇか』
 
 ブルーは不敵に微笑わらい、一人、鳥籠の間へ向かう。
 
 
 途中で何度も敵に遭遇しながら、何とか辿たどり着いたボス戦のステージ。
 
 外壁にはいくつも穴が開き、そこからスポットライトのように光がし込んでいる。
 他のフロアよりだいぶ高い天井からは、無数の鳥籠がぶら下がり、らせん階段が上へ上へと伸びている。
 
 そしてフロアの中央には、機械兵器の不気味な後ろ姿。
 静まり返ったその場所には、不気味に金属がきしむ音だけが響い…………て、いない、な。何か、人の声が聞こえてくる。
 
『……ん?何だ?誰の声だ?』
 
 この場所にいる人間は、ブルー以外にはアリーシャだけだ。アイツ、何をしゃべってるんだ?
 
 
『"猫ちぐら"』《"らいかんすろーぷ"》『ぷ!? 難しいな……。えっと……"プフ"』《"ふぃなんしぇ"》『"エキゾチックショートヘア"』
 
 
 …………えっと、これは……しりとり、だろうか?
 
『えっと……姫さん……?』
 
 ブルーが信じられないものを見るようにアリーシャたちを見上げ、呆然ぼうぜんつぶやく。
 それはそうだろう。囚われの姫が、ヒマを持て余してボスとしりとりやってるなんて……。
 
『あれ?ブルー王子!助けに来てくれたんですか?でも、一人で?インディさんと合流しなかったんですか?』
 
『は?何で姫さんがあの人のことを……ってか、それどころじゃねぇだろ!待ってな、今、ソイツを倒して、その檻から出してやるからな!』
 
《警告シマス。コノ国ノ安全ヲ守ルタメ、私ハ一人前ニナラネバナリマセン。ソレヲ妨害ボウガイスルナラバ、国家ノ安全ヲオビヤカス者トシテ排除シマス》
 
 電脳機神兵がブルーに背を向けたまま "警告" を発する。
 
『上等だ!こっちだって次期国王として、お前みたいな危険な兵器を放置することはできない!』
 
 ブルーは素早すばやく工具を取り出し、電脳機神兵に宣戦布告する。
 
《妨害ノ意思ヲ確認シマシタ。ヨッテ、コレヨリ排除行動ニ移リマス》
 
 相変わらずの無感情な声でそう告げ、電脳機神兵はゆっくりと振り向いていく。
 ブルーは眼光鋭くにらえ、油断なく工具を手にかまえていた……が、突然その場にうずくまり、プルプルとふるえだした。
 
『えっ!? ブルー王子?どうしたんですか?もう何か攻撃を受けたんですか?』
 
 アリーシャが問うが、ブルーは答えられない。
 その口からこぼれ出したのは、言葉ではなく、意味を成さない爆笑だった。
 
『ヒ……ッ、ヒ……ッ、クククク……クハッ!』
 
 それどころではないと分かっているのか、必死に笑いをみ殺そうとするが、殺しきれていない。
 
 電脳機神兵の顔を指差し、目尻に涙を浮かべ、ブルーは笑い続ける。
 
『ハ……ハハハハ……ッ!な……何で……っ、何で、顔にラクガキされてんだよ、お前ッ!』
 
 ……しまった。
 ブルーにはギャップ萌え要素として、"笑い上戸じょうご" という設定を組んでおいたんだった……。
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