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東の森
しおりを挟む「そういえばこの町で一回も迷ってないなー」
町にある二つの門、『東の門』と『西の門』をつなぐ、街の真ん中を通る大通りを歩きながら私は考えていた。
迷うって言っても神殿とギルドにしかまだ行ってないんだけどね
この町は、真ん中に大通りがあってそこにお店が集まっているらしい。
まだ大通りしか見れてないもんなー。
この街の構造を簡単に説明すると、東門から見て大通りより右側、北のエリアには様々なお店と住宅街がある。神殿とギルドもこっち側だ。東門から見て大通りより左側、南のエリアにはこの街を管理している町長さんのお屋敷が三分の一を占めているらしい。あとはたくさんの屋台が並ぶ通りや大きな公園があるそうだ。お金をもらったら屋台巡りしたいなーー。じゅるっ。
おっといけない。まあザックリとした感じはこんなもんかな?
お、西門が見えてきたね。東の森へはあとすこしかな。
ここが東の森。薄暗いな…
森は、しょっちゅう人が出入りしているようで、楽に歩けるようにしっかりと道があった。整備されているわけではないが、これならば奥まで行かなければ迷う事は無さそうだ。
さー、さっそく探しますか。
ノースフレイの特徴は、《今の時期ピンクか白の小指の爪くらいの大きさの小さな花が咲いている。薄暗い森の中では淡い水色に発光しているから、森の中で見つけるととてもきれい。》だったかな。発光か…楽しみだなぁ。そんなきれいな薬草の採集がEランクの仕事にもあるんだー。もしかして私すっごいいい依頼ゲットしちゃった?いや、報酬も他のに比べて高めだったしなにかあるのかもしれなんな。気をつけて探そう。
っ!!!!
「あった…。本当にきれいだな。しかもたくさんある。群生地か?」
カメラが欲しいな。うん。カメラが欲しい。旅に出るんだしカメラでいろんな景色をとりたいよね。自分の記憶の中に大事に残しておくってのも素敵だと思うけれど、形として思い出を残しておけると言う点では写真もとても魅力的だし、やはり写真を撮るというのは楽しい。カメラ…欲しい…。神様に頼むってゆうのはずるいかな?神様なぜか私にあまあまな気がするし頼めばくれると思うんだけど、ほかの神様に怒られたりしないのかな?この世界にはカメラなんて無さそうだしなー。
ま、とりあえず今回は諦めてさっさと採集して帰ろう。
私は、必要な分だけ採集して元の道を引き返していった。
がさっ
歩いていると、背後から何かが襲いかかってきた。大きな角の生えた熊らしきものだ。その熊らしきものは、襲い掛かろうとした…が、そこにはもう澪の姿は無かった。混乱して辺りを見回していると、頭に大きな衝撃をくらい、熊らしきものはそのまま気を失って倒れてしまった。
「ふぅー」
その衝撃は、澪が思いっきり頭を蹴ったことによるものだった。急に消えたのは、ただ単に上に飛んだだけだった。それは、普通の女子高生ができる動きではなかった。
ちょっとなまったかなー。旅に出るなら少しずつ鍛えなおして行かないとだな。
この熊?売れるのかな?一回ギルドに持ちかえって聞いてみるか。
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