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第209話 生粋の妹
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「んー…、優羽花、ちょっと苦しい…
もうすこし力をゆるめてくれるとたすかる…」
「ああー、ごめんねヒカリちゃーん!」
「おい、優羽花。
ヒカリがお前の理想の妹だというのはわかった。
だけどそんなにもがっつくな。
もっと優しく、ガラス細工を触るようにだなあ…」
「あーうっさい、お兄!
わ、わかっているわよ…」
俺は以前、巫女服を纏った静里菜相手にがっついて、
全力で抱きしめてしまい彼女を困らせてしまったことがあった。
だから俺はその失敗の経験から優羽花を諫めたという訳である。
静里菜は妹ではあるが器が大きく包容力がある。
だから俺を許してくれた。
だがヒカリはこの世界エゾン・レイギスの上位存在”光の精霊”とはいえ、
幼い少女の姿をしている。
優羽花は16歳、その身体だけならヒカリよりも確実に年上。
それで強く抱きしめようものなら、
幼女の身体であるヒカリには大きな負担になってしまうであろう。
「はぁー、はぁー…
ふぅー、ふぅー…」
優羽花は呼吸を整えた。
彼女の昂ぶった心が落ち着いて来たことは俺にも伝わって来た。
よし、これならもう大丈夫だろう。
「んー、優羽花。
これぐらいの力ならわたしの身体もだいじょうぶ、もんだいない」
「良かったあ…。
それじゃあヒカリちゃん。
これぐらいの力でなら、
あたしこれからも時々で良いから…
ヒカリちゃんを抱きしめてもいい?」
「べつにかまわない」
「…やったあ!
ありがとうヒカリちゃん!
それじゃあもうひとつお願いしても良いかな?
ヒカリちゃん、お兄のこと”おにいちゃん”って呼ぶじゃない?
それだったら…あたしのことも…
”おねえちゃん”って呼んで欲しいな…」
「それはむり」
「ええっー!?
なんでなのヒカリちゃん?」
「優羽花は生粋の妹たる存在。
姉とは正反対の存在。
優羽花をおねえちゃんと呼ぶことはセカイの摂理に反する。
もし無理に”おねえちゃん”と呼ぼうとすれば…
セカイの摂理を崩壊させ、
ゲシュタルト崩壊を発生させ、
この大宇宙すら滅ぼすきっかけになりかねない可能性がある。
わたしはこの世界エゾン・レイギスの安定を望む精霊の一柱、『光の精霊』。
セカイを滅ぼすきっかけを生み出すことは許されない」
「???」
優羽花は、きょとんとした顔をした。
いきなり難しい話をどっとされて、
頭の理解が追い付いていない表情である。
俺も凄くスケールの大きな話をされて驚いている。
えっ…宇宙の崩壊すらありえるの?
まあ確かに優羽花が生粋の妹キャラであるということは、
彼女の兄歴16年を務めて来た俺の目からも完全に同意である。
もうすこし力をゆるめてくれるとたすかる…」
「ああー、ごめんねヒカリちゃーん!」
「おい、優羽花。
ヒカリがお前の理想の妹だというのはわかった。
だけどそんなにもがっつくな。
もっと優しく、ガラス細工を触るようにだなあ…」
「あーうっさい、お兄!
わ、わかっているわよ…」
俺は以前、巫女服を纏った静里菜相手にがっついて、
全力で抱きしめてしまい彼女を困らせてしまったことがあった。
だから俺はその失敗の経験から優羽花を諫めたという訳である。
静里菜は妹ではあるが器が大きく包容力がある。
だから俺を許してくれた。
だがヒカリはこの世界エゾン・レイギスの上位存在”光の精霊”とはいえ、
幼い少女の姿をしている。
優羽花は16歳、その身体だけならヒカリよりも確実に年上。
それで強く抱きしめようものなら、
幼女の身体であるヒカリには大きな負担になってしまうであろう。
「はぁー、はぁー…
ふぅー、ふぅー…」
優羽花は呼吸を整えた。
彼女の昂ぶった心が落ち着いて来たことは俺にも伝わって来た。
よし、これならもう大丈夫だろう。
「んー、優羽花。
これぐらいの力ならわたしの身体もだいじょうぶ、もんだいない」
「良かったあ…。
それじゃあヒカリちゃん。
これぐらいの力でなら、
あたしこれからも時々で良いから…
ヒカリちゃんを抱きしめてもいい?」
「べつにかまわない」
「…やったあ!
ありがとうヒカリちゃん!
それじゃあもうひとつお願いしても良いかな?
ヒカリちゃん、お兄のこと”おにいちゃん”って呼ぶじゃない?
それだったら…あたしのことも…
”おねえちゃん”って呼んで欲しいな…」
「それはむり」
「ええっー!?
なんでなのヒカリちゃん?」
「優羽花は生粋の妹たる存在。
姉とは正反対の存在。
優羽花をおねえちゃんと呼ぶことはセカイの摂理に反する。
もし無理に”おねえちゃん”と呼ぼうとすれば…
セカイの摂理を崩壊させ、
ゲシュタルト崩壊を発生させ、
この大宇宙すら滅ぼすきっかけになりかねない可能性がある。
わたしはこの世界エゾン・レイギスの安定を望む精霊の一柱、『光の精霊』。
セカイを滅ぼすきっかけを生み出すことは許されない」
「???」
優羽花は、きょとんとした顔をした。
いきなり難しい話をどっとされて、
頭の理解が追い付いていない表情である。
俺も凄くスケールの大きな話をされて驚いている。
えっ…宇宙の崩壊すらありえるの?
まあ確かに優羽花が生粋の妹キャラであるということは、
彼女の兄歴16年を務めて来た俺の目からも完全に同意である。
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