526 / 579
526話 時が惜しい
しおりを挟む
「それはそうとして…シノブ、
ケイガお兄様のお姿が見えないのですけれど…?
てっきり貴女と一緒にグリンジスでの出来事を
わたくしに報告に来て頂けるとばかり…
一体どうなされたのです?」
「ケイガ兄様は帰国して直ぐに、
ディラム殿と組手鍛錬に入りました。
何でも…
今よりも倍は強くなる必要があるらしく、
少しでも時間は惜しいので
グリンジスの報告は私に一任されました。
姫様にはそう宜しくとの兄様の言付けです」
「え…えっ…えええっーー!?」
********
「はああっー!!」
俺は右手に収束した気を解き放った。
気功波がディラムに向かって突き進む。
本来なら気功波は気士術を繰り出して放つ大技である。
だが今の俺は日本に居た頃とは比較にならない程に
気が大きく向上して強くなっている。
気士としての段階が、
数段上になったと言っても良いだろう。
つまり、
気を溜めて放つということが…
力を込めて拳や蹴りを見舞うことと同様に、
難なく出来る様になったということなのである。
「はっ!」
魔騎士ディラムはその手に握った剣を横一線、
俺の気功波を切り裂いて霧散させた。
俺は構わずそのままディラムに肉迫、
両拳に気を纏わせて
電光石火の如く拳の連撃を見舞った。
「はあああああ!」
だが俺の拳の悉くは
ディラムの音速の剣撃に阻まれた。
俺とディラムは一進一退の攻防を続ける。
互いの実力はほぼ互角である。
つまり体力が続く限り、
何時までも戦い合うことが出来るという訳だ。
組手稽古は大きく力を伸ばすことができる鍛錬方法である。
だがこの方法は実力が伯仲した相手が必須である。
相手が強すぎても弱すぎてもいけないのである。
俺は元居た世界、
地球の日本では組手の相手は師匠しかいなかった。
だが師匠とは大きく実力差があったため、
組手稽古自体が有用な鍛錬方法では無かったのである。
だがこの異世界エゾン・レイギスで俺は…
魔騎士ディラムという名の、
組手稽古の理想というべき実力が拮抗した相手と巡り合った。
これなら俺は更に強くなることが出来る!
「だが悪いなディラム!
帰って来て早々に、
俺との修行に突き合わせてしまってな!」
「構わぬ、貴様が強くなることは
我が主ガルヴァーヴ様が望みしこと。
その為には我は喜んで協力しよう…それに」
「…それに?」
「我も貴様との修業を望んでいる、
我自身もより強くなるために!」
「…よおし良く言ったディラム!
今日は互いに力尽きるまでとことん戦り合おうぜ!」
「了解した…
それではゆくぞケイガ!」
ケイガお兄様のお姿が見えないのですけれど…?
てっきり貴女と一緒にグリンジスでの出来事を
わたくしに報告に来て頂けるとばかり…
一体どうなされたのです?」
「ケイガ兄様は帰国して直ぐに、
ディラム殿と組手鍛錬に入りました。
何でも…
今よりも倍は強くなる必要があるらしく、
少しでも時間は惜しいので
グリンジスの報告は私に一任されました。
姫様にはそう宜しくとの兄様の言付けです」
「え…えっ…えええっーー!?」
********
「はああっー!!」
俺は右手に収束した気を解き放った。
気功波がディラムに向かって突き進む。
本来なら気功波は気士術を繰り出して放つ大技である。
だが今の俺は日本に居た頃とは比較にならない程に
気が大きく向上して強くなっている。
気士としての段階が、
数段上になったと言っても良いだろう。
つまり、
気を溜めて放つということが…
力を込めて拳や蹴りを見舞うことと同様に、
難なく出来る様になったということなのである。
「はっ!」
魔騎士ディラムはその手に握った剣を横一線、
俺の気功波を切り裂いて霧散させた。
俺は構わずそのままディラムに肉迫、
両拳に気を纏わせて
電光石火の如く拳の連撃を見舞った。
「はあああああ!」
だが俺の拳の悉くは
ディラムの音速の剣撃に阻まれた。
俺とディラムは一進一退の攻防を続ける。
互いの実力はほぼ互角である。
つまり体力が続く限り、
何時までも戦い合うことが出来るという訳だ。
組手稽古は大きく力を伸ばすことができる鍛錬方法である。
だがこの方法は実力が伯仲した相手が必須である。
相手が強すぎても弱すぎてもいけないのである。
俺は元居た世界、
地球の日本では組手の相手は師匠しかいなかった。
だが師匠とは大きく実力差があったため、
組手稽古自体が有用な鍛錬方法では無かったのである。
だがこの異世界エゾン・レイギスで俺は…
魔騎士ディラムという名の、
組手稽古の理想というべき実力が拮抗した相手と巡り合った。
これなら俺は更に強くなることが出来る!
「だが悪いなディラム!
帰って来て早々に、
俺との修行に突き合わせてしまってな!」
「構わぬ、貴様が強くなることは
我が主ガルヴァーヴ様が望みしこと。
その為には我は喜んで協力しよう…それに」
「…それに?」
「我も貴様との修業を望んでいる、
我自身もより強くなるために!」
「…よおし良く言ったディラム!
今日は互いに力尽きるまでとことん戦り合おうぜ!」
「了解した…
それではゆくぞケイガ!」
0
あなたにおすすめの小説
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
勇者パーティを追放されてしまったおっさん冒険者37歳……実はパーティメンバーにヤバいほど慕われていた
秋月静流
ファンタジー
勇者パーティを追放されたおっさん冒険者ガリウス・ノーザン37歳。
しかし彼を追放した筈のメンバーは実はヤバいほど彼を慕っていて……
テンプレ的な展開を逆手に取ったコメディーファンタジーの連載版です。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる