田舎生まれの聖気士譚

尾山塩之進

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第二十四話 アーマー乗りたちの戦歌

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 この惑星イザナミにおける人間の主流兵器、汎用人型機動兵器サイドアーマー乗りの冒険者チームとして各地でその名を馳せる”黒機甲団”。
カミオン=アシュナイドを団長とする5人の男達で構成され、彼らの乗るサイドアーマーは全機黒く塗りつぶされているのが特徴である。
黒機甲団が使用する機体は軍事主要三社の一角、ベルチック社製の形式番号B-HM-05製品名ヘヴィメタル。ガイル団の機体と同じ型のものであり、汎用型の機体である。
アーマー乗りの冒険者の間では好んでよく使われている頑強さに定評のあるアーマーである。

「みなさん、ガイル団の皆が来ますよ、三の防御陣形で迎撃準備!」

「はっ、団長!」

 黒機甲団の団員は団長カミオンの的確な指示で陣形を組み替えて迎撃態勢を整える。

「行くぞ野郎どもお!うらああーー!!」

 ガイル団の団長、ガイル=アースガルフが駆るサイドアーマー、ヘヴィメタルはその背と両足の裏のジェットホバーを全力稼働させ高速で黒機甲団に突っ込んでいく。
続くガイル団4機のヘヴィメタルは散開して黒機甲団を囲い込むように展開した。
ガイルの機体はそのままカミオンの機体に突貫、カミオンの機体はその手に持ったアーマー専用ランスでガイルのアーマー専用ボールアックスの一撃を受け止める。

「真っ先に私の首を取りに来ましたか、流石ガイル殿、相変わらず思い切りが良い!」

「西軍のアーマー乗りで一番強いのは間違いなくお前さんだろお?なら大将首を狙うのは常道ってもんさなあ!」

 カミオンの機体とがっぷり四つになったガイルの機体を黒機甲団の別の機体がライフルで狙う。
だが散開したガイル団の機体が黒機甲団をライフルで牽制、それを回避行動する為にガイル機にライフルの照準が定められない。

「行くぞおカシロ!」

「良いぜいヘンデル!」

 ガイル団のヘンデルとカシロはガイル団の中でも特に息の合った連携攻撃を得意としている。
お互いの機体を隣同士に並べてまるで合体した様になって、一心同体の動きをしがら黒機甲団の機体に攻撃をしかけ、相手から攻撃を受ければすかさず分離してこれをかわし、また合体する。
その見事な連携攻撃で黒機甲団の機体を翻弄する。

「よし良いぞ!絶好のカモだぜ!」

 ガイル団で最も射撃の腕に優れるビンセントの乗った機体がヘンデルとカシロの一心同体攻撃に翻弄される黒機甲団の機体にピンポイントでライフル射撃を仕掛ける。
黒機甲団はビンセントの射撃を辛うじて躱すが動きが牽制されて自由に動けない。
それならばと黒機甲団の機体はヘンデルとカシロの機体からビンセントの機体に狙いを移して攻撃を仕掛ける。

「おっとさせねえぜえ!」

 ビンセントの機体に襲い来る黒機甲団の機体の前にエドガンの機体が割って入り黒機甲団の攻撃を弾き返して退ける。
エドガンの機体は盾を左腕にはめ込んで一体化させ、全身の装甲も強化してあるガイル団の中でも特に防御に優れたものであり、ガイル団の盾役を担当する。

 ガイルとカミオンの決闘を中心にガイル団と黒機甲団の機体もそれぞれがぶつかり合って互いにその場から動けなくなった。

「ふむ、やはり拮抗する実力のアーマー乗り同士がぶつかり合えば、この様に膠着状態になるのは必然ですね。
…それではまずは一番戦力の弱い所からやらせて頂きましょうか」

 カミオン機が合図を送ると黒機甲団とは別の西軍のサイドアーマーが5機、急行してきた。
しかしその増援のアーマーはガイル団をスルーして、ガイル団から離れた所に待機していたアベルの機体に襲い掛かった。

「アベル君、幼い君を倒すのは心苦しいのですが、まずは確実にアースガルフの戦力を減らさせてもらいますよ!」

 カミオンが呼んだ西軍の増援のサイドアーマーはガイル団、黒機甲団と同じ型の機体であるヘヴィメタルが5機。
対してアベルの機体は軍事主要三社の一角、ブックエンジン社製 形式番号BE-GO-02製品名ゴケニンである。
汎用型であり高機動よりの機体。特に近接戦での速度に優れる。斬ることに特化したアーマー専用カタナが装備されているのが特徴の機体である。

 西軍の機体の1機がアベルの機体にアーマー専用の大剣を振り下ろす。
だがアベルは機体をジェットホバーで横滑りさせてその一撃をぎりぎりで回避、そしてすかさずホバーを逆噴射させて敵機体に肉薄するとその鋼鉄の腰をアーマー専用カタナで両断した。
コックピットを外しているために操縦者は生きているが、機体の上下を斬り離されてしまっては完全に戦闘不能である。この機体は今回のクレシェント・ウォーで初の脱落者となった。

「なっ…このアベルとかいう小僧の機体…強ええぞ!皆、油断するな!」

 残った4機の西軍の機体はライフルを斉射する。
だがアベルは機体を限界までかがめて人がスライディングをするような姿勢にすると、
機体をジェットホバーで滑らせて西軍の機体のライフル斉射をかわし切り、そのままの勢いで西軍のアーマー隊の中に突貫し、自身の機体の右手に握ったアーマー専用カタナを振るう。
西軍のアーマー隊のうち2機のアーマーの腕が手に持ったライフルごと切り裂かれて宙を舞った。
アベルは自身の機体を180度回転させながら機体後ろ腰にあるウェポンハンガーからライフルを引き抜くと、西軍の無傷の残り2機の背後から各種センサーが集中する頭部を狙い撃って破壊した。
頭部を失い何も見えなくなった2機はそのまま腕を斬り飛ばされた機体と衝突してその場に倒れ伏した。
アベルは倒れた機体の足にすかさずライフルを撃ち込んで4機のアーマーを全て戦闘不能の状態にした。

「何!?瞬く間に我等西軍のアーマーを5機も…アベル君、君は一体?」

「言ったろおう!アベル坊はアースガルフとガイル団の期待の新人だってよおお!!」

 ガイルの機体が振るうボールアックスが鉄の暴風となってカミオンの機体を襲う。
カミオン機はランスを振るい防御に回る。

「だがしかし、彼はアーマー乗りとしては新人も良い所の筈では!?このクレシェントウォーに参加しているアーマー乗りは全員がそれ相応の腕前の筈、それが新人のアベル君にあんなに容易くやられるなどとは!」

「ワシは前に言っただろう!アベル坊はもう少し鍛えてやればお前さんたち黒機甲団も決してひけはとらねえだろうとよお!
アイツは凄えぜえ、ワシらは眠れる獅子を起こしちまったのかもなあ…全く先行きが楽しみな坊主だぜえ。
よし!アベル坊!行けえええーー!!敵の本陣を取って来おいーー!!」


「うん、団長!僕、行きます!
そして東軍のアーマー乗りのみなさん、よろしくお願いします!」

「よっしゃあ小僧!任せておけー!」

「我等東軍はアベルの機体に続けえ!」

「うおおーー!!!」

「行くぞおおーー!!」

 アベルの機体が西軍の本陣に向けて高速で移動を開始する。そして東軍の機体が次々と続いていく。

「なに!?これは…まさか!アベル君が本陣への切り込み隊長をだったとは!そして彼に東軍のアーマー乗り達があんなに大勢付き従うとは!」

「まあそこは開戦前にワシらが説得して実際にアベルのアーマー乗りとしての腕を東軍の参加者全員に見て貰ったからなあ、ワシらアーマー乗りには口で言うより見てもらったほうが早いわなあ、論より証拠って奴ってことよお!そりゃあアベルのあのアーマー乗りとしての凄え腕前には大概のアーマー乗りは目を見張ってその実力を認めるもんさあ!」

「つまり、今回の戦いは…ガイル殿たちガイル団は我等、黒機甲団を食い止めるための陽動、そして本命の攻めの本隊がアベル君が率いる部隊だったということですね、これは…完全にしてやられましたね」

「ガハハ!なんなら今からアベル坊を追ってもいいんだぜ!お前さん達、黒機甲団全員でかかれば止められるとは思うぜえ」

「そうしたいのはやまやまですが、あなたたちガイル団がそうはさせてはくれないのでしょう?」

「ガハハ!まあ、そうなるなあ!」

「ならば、西軍本陣は西軍の他のアーマー乗りの方々にお任せして、我々は此処であなたたちガイル団との雌雄を決することに集中しましょう!」

「へええ、カミオン今回は随分と熱いんじゃねえか?
いつもだったらワシらとの全力戦闘は避けるお前さんがそういうことを言うんなんてなあ…。
なら、とことんやろうやあ!」

「ふふ、私も新たな若い力が現れたことに興奮しているのかも知れませんね、それでは行きますよガイル殿!」

「よっしゃああ、こちとらも全力で行くぜえ!カミオン!」

 ガイルの機体が繰り出すボールアックスの一撃とカミオンの機体が繰り出すランスの一撃が互いに激突、重い金属同士のぶつかり合いが火花を散らす。

「うらあああーーー!!!」

「はああーー!!」

 互いに一歩も譲らないアーマー乗りの冒険者チームの団長同士の一騎打ち。
そしてその周囲ではそれぞれの団員同士が近接武器であるいはライフルの射撃でぶつかりあう。
ベテランの猛者として名が知れたアーマー乗りの冒険者チーム、ガイル団と黒機甲団の真正面からの対決は、稀に見る強さのアーマー乗りの集団同士の大戦闘として激しさを増していった。




「見えた!あれが西軍の本陣!」

 アベルは自分の乗る機体を加速させる。
両足裏と背部のジェットホバーがごおうと音を立て、機体全体が地上から少しに浮き上がって高速で飛行する。
目指すは西軍の本陣である旧市街の西の丘、奪取すべきは丘の上に立っている西軍の旗、これを取ればクレシェント・ウォーは東軍の勝利である。
迎え撃つ西軍の本陣を守るアーマー隊がアベル機に向かってライフルを連射してくる。

 アベルは団長のガイルの言葉を思い出していた。

「アベル坊、サイドアーマーの操作を自分の身体以上に自由自在に身軽に扱うことが出来るお前さんの特性を生かしてひとつ戦法を教えるぜえ。
ワシは相手の裏を突くために使っている手なんだが、アベル坊なら戦い方のメインとしても使えるかもなあ。
名付けて”ウシワカ戦法”!これはすげえ昔に重武装の軍隊相手にその頭を踏みつけて跳び回りながら攪乱する戦法を好んだウシワカマルって言うサムライに倣った戦い方さあ」

 アベルはジェットホバーを巧みに操って機体を少しづつ反らして西軍のアーマー隊が放つ鋼の弾丸の雨をかわす。
絶え間ない西軍のアーマー隊のライフル斉射をアベル機は機体を右斜めに左斜めに傾げて減速することなくかわし切る。
アベルはとにかく相手の攻撃をかわすことに集中する。凄まじい高速機動でこちらの攻撃をかわし切っていく東軍の機体に西軍のアーマー乗り達は注目し集中攻撃を浴びせる。
アベル機は地を這うように駆け、あるいは大きく跳躍しながらその攻撃をかわす。西軍のアーマー隊は物理的に囲んでその動きを封じようと集まって来た。

 アベルはもうひとつのガイルの言葉を思い出す。

「そうさなあ、あと大切なことをひとつ教えておくぜえ。
アベル坊はアーマー乗りとしての素質は素晴らしいものがある。
はっきりいって並のアーマー乗りじゃあお前さんには敵わないだろう。
だがそれでも一人だけじゃあいくら強くってもやれることにはあ限界ってもんがある。
特に相手の数が多いってときはなあ。
そういう時はなあ、ちゃんと仲間を頼ってみるんだぜえ。
アーマー乗りの冒険者ってのはなあ、いや冒険者全体ににも言えるんだがよお、何よりも実力がものを言うセカイだ。
中にはアベル坊がまだ子供だからとかいう奴もいるかも知れねえけど、
お前さんの実力を見れば納得してくれるだろうし、頭を下げて助けを求めればちゃんと力を貸してくれる筈だぜえ。
つまりワシが言いたいのはなあ、アベル坊お前さんは強い、そして訓練すればもっと強くなれる、でもそれに奢ることなく、独りよがりになることなく、仲間のみんなを頼って欲しいってことなんだぜえ。
まあ年長者の助言って奴だなあ、そう言ってもワシはまだまだ若いモンに負ける気はさらさらねえけどなあ!ガハハ!」

 そして西軍のアーマー隊がアベル機に集まって来たところを、アベル機の背後の東軍のアーマー隊がライフルを撃ち込んで西軍のアーマーを次々と撃破していく。
アベル機はこちらを誘い込む罠ということかと西軍のアーマー隊が気付いて攻撃目標を東軍のアーマー隊に変えて反撃をしようとしたところを、アベル機が西軍のアーマー隊の中に突貫して自身の機体が握るカタナを振るい、あるいはライフルを握って鋼の弾を見舞って撃破する。
これはアベル機を矢面にして敵を誘い込みつつも背後のアーマー隊と互いにサポートしあう戦法であった。西軍の本陣は崩れつつあった。

 アベルは自分の乗る機体を更に加速させて突き進む。
彼の前に丘が見えてきた。その丘の上には西軍の旗が風に吹かれてはためいている。
しかし丘の周囲から突如5機のサイドアーマーが現れてアベル機を取り囲んだ。

「これは我等、大鉄団がカミオン殿から預かった大事な西軍旗、そう簡単に渡すわけにはいかん!」

 カミオンより西軍本陣の旗の最終防衛を託されていたアーマー乗りの冒険者チーム、大鉄団がアベルの前に立ち塞がった。
大鉄団は全員が軍事主要三社の一角、ウェルポン社製の形式番号WP-RN-04製品名ラウンドナイトを駆る5人のチームである。
ラウンドナイトは機動性は低いが堅牢な盾を装備し、全身の装甲も厚く防御まわりに定評のある機体。
機動性重視のゴケニンからすると相性はあまり良くは無い。

「やああーー!」

 アベル機はその手に握ったカタナをラウンドナイトに振るうが、その大きく頑丈な盾に斬撃を弾かれた。
続きざまにライフルを射撃するがラウンドナイトはそのまま盾を構えてライフルの弾を防ぎながら両足裏と背部のジェットホバーを吹かせると剣を構えて突っ込んでくる。
装甲の厚さでアベル機のライフルに耐えつつそのまま突進しその勢いでアベル機を討ち取ろうとする魂胆である。
アベルは機体を90度左回転させジェットホバーを逆噴射させ機体を急後退させるとラウンドナイトのその突進の一撃を回避、
そしてがら空きとなった背部にすかさずカタナで斬り付けて背部のジェットホバーノズルを破壊した。
アベルは背部のジェットホバーを失い動きが鈍くなったラウンドナイトの足部関節に続けざまにライフルを撃ち込んで行動不能に至らしめる。

 残った4機のラウンドナイトはアベル機を取り囲もうとする。
だがアベル機は両足裏のジェットホバーを急噴射してジャンプ、その囲みから脱出しながら飛び越えざまにラウンドナイトの1機の頭にライフルを撃ち込んで視覚不能の状態にする。
何も見えなくなったラウンドナイトはアベルに追随する東軍のアーマー隊がライフルで狙い撃って撃破、続いて更にもう1機のラウンドナイトも撃破された。

 西軍の旗を中心に旋回行動を取るアベル機と西軍の2機のラウンドナイト。
たとえ旗を取られてもそのアーマーを即撃破すれば敗北にはならない。
即ちアベル機はこの2機を倒し旗を取る必要がある。
ラウンドナイトは1機が盾を左手に持ち右手にライフル、もう1機が盾を左手に右手に剣を構えた。
遠距離攻撃と近接攻撃を分担してアベル機を迎え撃つ戦法を取ったのである。
他の東軍の機体は西軍の本陣の防衛に集まって来た増援の西軍の機体と交戦中になり、アベル機への支援は期待できない。
アベル機はカタナを構えるとジェットホバーを加速させて剣を構えるラウンドナイトに突貫する。
ラウンドナイトは盾を正面に構えてその一撃を防ごうとする。
アベル機はラウンドナイトに衝突寸前にカタナを引き、その盾にむかって思いっきり蹴りを見舞った。
ラウンドナイトは予想外の重い一撃にそのまま後ろへ吹き飛んだ。
そして剣を構えた機体の背後でアベル機を迎え撃つべくライフルを構えていたラウンドナイトにそのまま衝突して2機一緒にまとめて地に倒れ伏した。
アベル機は倒れた2機の脚部と武器を持った腕に間髪入れずライフルを撃ち込んで戦闘継続不可能の状態にした。

 西軍の旗を守る機体はいなくなった。
アベルは自身が乗る機体の右手に握ったカタナを後ろ腰のウェポンハンガーに収めると、空いた右手の五指、マニピュレーターを地面に突き刺さった西軍の旗の柄に掴ませておもむろに引き抜いた。

「やったー!東軍のみんなー!アースガルフのみんなー!やったよーー!!」

 アベル機は西軍の旗を右手に握ってそれを天高く掲げた。

 西軍の機体でアベル機の近くに動けるものは誰一機もいなかった。

 西軍の旗を高く掲げるアベル機を討ち取れる西軍の機体は誰もいなかった。

 東軍の勝利の確定の瞬間である。

 大地を響かせるような終戦のサイレンが戦場区に鳴り響いた。

「東軍のアベル=グリンドが見事、西軍旗を奪取しました!
よって、今回のクレシェント・ウォーは東軍の勝利です!」

 実行委員会のカイシラが勝利の最大貢献者と勝利した軍を宣言して、ここに疑似戦争クレシェント・ーウォーは終戦した。
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