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第1章
【閑話】民はオリンポスの神を敬うてはおらぬようじゃ
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オリンポスの神殿は平和な時間が流れていた……テーブルにはエラーダ料理のムサカが並べられ神々はネクタルを飲みながらムサカを口にしていた。
「そう言えば、ナニサカではムサカに似た料理をオタク焼きと呼んでおったな」
「そうです、50年前の勇者と聖女が伝えたそうです」
「ユーミー様はおばんざいでムサカに似た料理を民には伝えられなかったのでしょうか?」
「多分伝えておったと思うぞ」
「そうじゃな、機会があればアギオスとジェネオスに作らせてみるかのう」
「恐れながら申し上げます、テオス・システムの情報によりますと、オカロダ町に滞在中のジェネオスとアギオスを偽物呼ばわりしました」
「恐れながら申し上げます、テオス・システムの情報によりますと、イワト市民は弁財天と称してサラスバティーを祀り崇めております」
「何じゃ、この女神は」
「レートよ、イワトの民はヘーラの偽女神を祀っておるのか?」
「恐れながら、我等の力不足です」
直ちに神々の緊急会議が開かれ、大画面に映された女神は手が4本で弦楽器を持っていた。側に孔雀が描かれ、ゼウスは首を傾げた。ミーミルとソフィアが呼ばれサラスバティーについて聞かれたのだった。
「サラスバティーはイポニアでは金を生む女神として祀られていますが、元々はコンンビーラ神と同じボリウッドの神であります」
「それから、イワト発祥のヤートコ踊りが市民の間で流行っており、既に歌詞を変えてタートル市、ウズシオ市、ナニサカ市南部に伝播しておるのです」
「どうやら民は我々オリンポスの神を敬うてはおらぬようじゃ」
「此度のオカロダ町のジェネオスとアギオスを偽物呼ばわりした件も教会がしっかりと民を教育しておればこのような騒ぎにはならなかったのじゃ」
ゼウスはテオス・システムが導いた情報を吟味して自分なりの答えを導いた。
「ゼウス様、ヘーラー様、恐れながら申し上げます。イポニアの民は『妬みが強い民族』のように感じます」
「ミーミル、ソフィア、よくぞ申した」
「イポニアの民全てでは無いが、妬みが強いのは1000年前に流れ着いたエブライコス民族の集まりからじゃ」
「故に余所者を偽勇者、偽聖女呼ばわりする輩が多くいるのも確かじゃ」
「「はっ」」
「ゼウス様、ヘーラー様、恐れながら申し上げます。教会の神官たちがオリンポスの神を祀らずに独自に土地神を祀って怠けておるのです」
「これもテオス・システムが稼働し、全国47の地域の状況が見ることが出来るようになって分かった結果です」
「確かにそうじゃ、民の幸福指数が上がる条件はジェネオスとアギオスが活躍し平和になっていけば民の幸福度は上がっていくが、イポニアの場合は既に平和な土台の上に建国されたので300年間民の幸福指数が下がり続けておるのじゃ」
「それにしても困ったことじゃ」
「申し上げます、ナニサカのジェネオスとアギオスが移住した、ロキシアではジェネオスとアギオスが作った魔道具が魔法学園に還元され、民の幸福指数が著しく上がってきております」
「また、アギオス二人が作ったポーションが広く行き渡りロキシア国民の健康に役立っております」
「申し上げます、ガリア国に於いても、アンギリア国に移住したジェネオスとアギオスが飛空石を見つけてからは産業が急速に発展しました」
「それによって、交易が盛んになって民の幸福指数が著しく上がってきております」
「プリアーポス、ボナデア、前へ」
「ソタイン村に転生したジェネオスとアギオスのタブレットに真実を伝えるのじゃ」
「「はっ、仰せのままに」」
ヒロシとミサエ、サブローとダリナのタブレットの更新プログラムに今までのジェネオスとアギオスが移住した理由を詳しく知らせる命令が追加されたのだった。また、イポニアからオリンポスの神々が離れて行くことも追加されたのだった。
オリンポスの神々はエラーダ国に引っ越しを決定したので、イポニアに建てられた神殿は神気が無くなってしまった。神官たちは独自の神を祀ってお布施を集めることに心血を注いでいたのでオリンポスの神々がいなくなった事に誰も気づかなかった。
こうして神々から見放されたイポニアは独自文化を発展させて世界から孤立していくのだが、その事については後ほど書くことにしよう
(話終わり)
「そう言えば、ナニサカではムサカに似た料理をオタク焼きと呼んでおったな」
「そうです、50年前の勇者と聖女が伝えたそうです」
「ユーミー様はおばんざいでムサカに似た料理を民には伝えられなかったのでしょうか?」
「多分伝えておったと思うぞ」
「そうじゃな、機会があればアギオスとジェネオスに作らせてみるかのう」
「恐れながら申し上げます、テオス・システムの情報によりますと、オカロダ町に滞在中のジェネオスとアギオスを偽物呼ばわりしました」
「恐れながら申し上げます、テオス・システムの情報によりますと、イワト市民は弁財天と称してサラスバティーを祀り崇めております」
「何じゃ、この女神は」
「レートよ、イワトの民はヘーラの偽女神を祀っておるのか?」
「恐れながら、我等の力不足です」
直ちに神々の緊急会議が開かれ、大画面に映された女神は手が4本で弦楽器を持っていた。側に孔雀が描かれ、ゼウスは首を傾げた。ミーミルとソフィアが呼ばれサラスバティーについて聞かれたのだった。
「サラスバティーはイポニアでは金を生む女神として祀られていますが、元々はコンンビーラ神と同じボリウッドの神であります」
「それから、イワト発祥のヤートコ踊りが市民の間で流行っており、既に歌詞を変えてタートル市、ウズシオ市、ナニサカ市南部に伝播しておるのです」
「どうやら民は我々オリンポスの神を敬うてはおらぬようじゃ」
「此度のオカロダ町のジェネオスとアギオスを偽物呼ばわりした件も教会がしっかりと民を教育しておればこのような騒ぎにはならなかったのじゃ」
ゼウスはテオス・システムが導いた情報を吟味して自分なりの答えを導いた。
「ゼウス様、ヘーラー様、恐れながら申し上げます。イポニアの民は『妬みが強い民族』のように感じます」
「ミーミル、ソフィア、よくぞ申した」
「イポニアの民全てでは無いが、妬みが強いのは1000年前に流れ着いたエブライコス民族の集まりからじゃ」
「故に余所者を偽勇者、偽聖女呼ばわりする輩が多くいるのも確かじゃ」
「「はっ」」
「ゼウス様、ヘーラー様、恐れながら申し上げます。教会の神官たちがオリンポスの神を祀らずに独自に土地神を祀って怠けておるのです」
「これもテオス・システムが稼働し、全国47の地域の状況が見ることが出来るようになって分かった結果です」
「確かにそうじゃ、民の幸福指数が上がる条件はジェネオスとアギオスが活躍し平和になっていけば民の幸福度は上がっていくが、イポニアの場合は既に平和な土台の上に建国されたので300年間民の幸福指数が下がり続けておるのじゃ」
「それにしても困ったことじゃ」
「申し上げます、ナニサカのジェネオスとアギオスが移住した、ロキシアではジェネオスとアギオスが作った魔道具が魔法学園に還元され、民の幸福指数が著しく上がってきております」
「また、アギオス二人が作ったポーションが広く行き渡りロキシア国民の健康に役立っております」
「申し上げます、ガリア国に於いても、アンギリア国に移住したジェネオスとアギオスが飛空石を見つけてからは産業が急速に発展しました」
「それによって、交易が盛んになって民の幸福指数が著しく上がってきております」
「プリアーポス、ボナデア、前へ」
「ソタイン村に転生したジェネオスとアギオスのタブレットに真実を伝えるのじゃ」
「「はっ、仰せのままに」」
ヒロシとミサエ、サブローとダリナのタブレットの更新プログラムに今までのジェネオスとアギオスが移住した理由を詳しく知らせる命令が追加されたのだった。また、イポニアからオリンポスの神々が離れて行くことも追加されたのだった。
オリンポスの神々はエラーダ国に引っ越しを決定したので、イポニアに建てられた神殿は神気が無くなってしまった。神官たちは独自の神を祀ってお布施を集めることに心血を注いでいたのでオリンポスの神々がいなくなった事に誰も気づかなかった。
こうして神々から見放されたイポニアは独自文化を発展させて世界から孤立していくのだが、その事については後ほど書くことにしよう
(話終わり)
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