53 / 65
第5章
5-10 海の怪物モビュラ2
しおりを挟む
翌朝……
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ラファエルは昨日と同じで朝6時にアラームをセットしていた。
「ラファエル、おはよう」
「ヒロシさん、ミサエさん、おはようございます」
「今日は朝食後にソノブイを128本作ってもらいます」
「ラファエル、分かったよ、サブローとダリナは起きてきたか?」
「もうすぐ起きてきます」
ミサエさんはダリナが起きてきたので朝食の準備に取り掛かった。
「ダリナ、今朝はラクダチーズバーガーにしましょう」
「ミサエさん、アレですね」
「それとパイナップルのスムージーとタピオカティよ」
「はい」
ダリナはホットプレートでラクダバーガーを焼いたのだった。ミサエさんも同じようにホットプレートでパンズを人数分焼いていた。合間にタピオカティとパイナップルのスムージーを準備していた。付け合せに新鮮なレタスとミニトマトを用意した。
「うっま、ダリナさん朝から最高っす」
「サブロー、そんなに慌てて食べなくてもバーガーは逃げていかないよ。それからスムージーも飲んでね」
「ミサエさん、は~い」
「サブローは本当に肉が好きだね」
「ミサエさん、今朝はどうしてハンバーガーなの?」
「たまには朝からガッツリでもいいでしょ」
「そうだね」
ミサエさんはラクダバーガーで験を担いだつもりだったが……鈍感なヒロシには分からなかった。
朝食後……
ラファエルが、サブローのタブレットにソノブイの画像を転送したのでヒロシとサブローは手分けして全部で128本のソノブイが出来上がった。
「ヒロシさん、パラチ島を中心に半径50キロの海域を網羅する予定です」
ソノブイからの信号はタブレットに4画面で画面表示され、海域は東西南北に4つの区画に分かれていた。
2台のタブレットの画面には、128のマス目に区切られていた。どのポイントにソノブイを落とすか簡単に把握出来るようになっていた。
「サブロー、ダリナ、キャンピングカーに乗って、西と北の海域に順番にソノブイを落としてくれ」
「俺とミサエさんは東と南の海域を受け持つよ」
「了解です、テイクオフ」
「ミサエさん、俺たちも出発しよう」
「テイクオフ」
ヒロシは東の海域に到着したのでデッキの前でソノブイを持って投下準備をしていた。
「ヒロシさん、投下して」
ミサエさんがタブレットの画面を見ながら指示を出してくれたのでソノブイは海面に投下した。
「その次を投下して」
「は~い」
ラファエルが自動飛行するキャンピングカーは海面10メートルの高度で飛行していた。速度は控えめの時速30キロ程度でホバリングと飛行を繰り返していた。ソノブイはヒロシとサブローが手分けして128本を全てを投下し終えた。一つの海域には32本投下した。ミサエさんとダリナはタブレットの画面を注視していた。
(ヒロシさん、ソナー感あり。西の海域に赤い点が光っています)
サブローから念話が入った。
(サブロー、俺たちも急行するよ)
(ヒロシさん、魔物は水深30メートルを泳いでいます)
(このままでは攻撃が出来ません)
(サブロー、高度10メートルをキープして海面の様子を見てくれ)
(了解)
ヒロシは懸念していたモビュラは滅多に海面に姿を表さない魔物だと気がついた。そのためにサブローのキャンピングカーを海面から10メートルの高度で囮にしたら出てくるだろうと考えたのだった。
(ヒロシさん、黒いエイのような物体が浮かび上がってきました)
(サブロー、爆裂魔法だ)
「爆裂魔法」
バシューン、サブローが放った爆裂魔法はモビュラの腹に大穴を開けて海面に漂っていた。
「サブロー、モビュラに当たったね」
「ダリナさん、やったー」
(ヒロシさん、モビュラをやっつけました)
サブローはモビュラ収納したのだった。
サブローが討伐したモビュラとは元の世界で言っていたマンタのような大型のエイの化け物だった。
「ヒロシさん、今の戦い方ではキャンピングカーがモビュラに飲み込まれるわよ」
「ミサエさんの言うとおりだね」
(サブロー、ダリナ、一先ず海の家に帰って、安全な戦い方を考えようよ)
((は~い))
「ヒロシさん、西の海で水柱が上がりましたが、魔物をやっつけたのですか?」
「はい、モビュラを仕留めてました」
「直ぐに漁業ギルドに報告に行きましょう」
サミール司祭はヒロシたちを急かせた。
漁業ギルドの倉庫には西の海の水柱を見て既に大勢の漁師が待機していた。サブローは収納から全長30メートルのモビュラを出した。
「おお~、これが海の魔物なのか?」
「そうです。サブローが空中から爆裂魔法で仕留めたのです」
「皆の衆、明日からは漁に出られそうじゃな」
「皆さん、待ってください、漁に出るのは危険です」
「魔女様、どうしてじゃ」
「はい、先程、神様からのお告げが入り、モビュラはあと4体生息していると言われました」
「魔女様、本当ですか?」
「皆の衆、魔女様がおっしゃることは本当じゃ。ポセイドン様も同じ神託を言われた」
「サミール司祭が言われるなら海に出るのは危険じゃ」
「「「「「あと4匹も化け物がいるのか~~~~」」」」」
「「「「「うわ~どうしたらいいのじゃ~」」」」」
「皆さん、落ち着いてください」
「モビュラは海中から急に姿を表して襲いかかってきたのです」
サブローはモビュラをやっつけた時の状況をかいつまんで漁師たちに話した。
「サブローさん、海中の魔物を大きな餌でおびき出すのはどうかのう」
「そうか、大きな魚を囮にすれば魔物が喰い付くな」
「「「「「そうだ、そうだ」」」」」
トノスとはマグロのことで別名ジャイアントフィッシュとも呼ばれていた。
「皆さん、俺たちだけで囮のトノスを釣ってきます」
「ヒロシさん、どうかお願いするよ」
ヒロシはとりあえずは囮のトノスを準備するのに1日とモビュラ退治に4日の計5日間をもらった。
漁師たちには申し訳なかったが皆んなで話し合って安全を考えた結果だった。
◇ ◇ ◇ ◇
ヒロシたち4人は直ぐに海の家に戻った。ラファエルの手伝いも有ってトノス用のトローリング竿2本は直ぐに具現化が出来た。
ヒロシは考えていた囮作戦を3人に伝えた。
「いいかい、モビュラの大きさは30メーターだけど、先ずは4輪バギーで少し沖に出て、囮になるトノスを何匹か釣ろうよ」
「釣ったトノスを囮にしてゴーレムをATVに乗せてトローリングでモビュラを海面に誘き寄せるんだ。 そして、海中からモビュラがトノスに喰いついたところで、上空のキャンピングカーから対魔物ミサイルをぶち込む作戦さ」
「ヒロシさん、爆裂魔法は使わないのですか?」
「今回はロケットランチャーを作ろうと思っているよ」
「ああ、なるほど、それなら、確実にモビュラをやっつけられそうですね」
「ラファエル、ロケットランチャーを教えてくれ」
「ヒロシさん、M202型ロケットランチャーを提案します」
「ヒロシさん、4連でカッコイイですね」
「サブロー、早く作って」
サブローはダリナに急かされてM202型ロケットランチャーを2丁作った。
ヒロシとサブローは2台のATVに分乗してでパラチ島の沖合1キロの海上へトノス釣りに出かけた。トローリングの速度は4ノットから7ノットで疑似餌を引くのだとラファエルが教えてくれた。
「ダリナさん、トノスの凄い引きです」
「サブロー、海に落ちないでね」
今回は運転手が逆でお互いは背中合わせに乗り、ダリナとミサエさんがATVの運転を担当していた。もっとも自動運転と絶対防御魔法を発動しているので海上に落ちることは無かった。
「ミサエさん、俺の竿にもトノスがかかった」
「ヒロシさん、一応固定されているけど海に落ちないでね」
それから、2時間後……
「ダリナ、サブロー、トノスは全部で8匹釣れたので充分だろう」
「一旦、海の家に戻るよ」
◇ ◇ ◇ ◇
「ヒロシさん、サブローさん、キャンピングカーにヒッチキャリアを取り付けましょう」
ラファエルはロケットランチャーを撃つための銃座をキャンピングカーの前後に確保してくれたのだった。
ヒロシは具現化で前後2セットのヒッチキャリアを作ったのだった。
「サブローもヒッチキャリアを作ってくれ」
「了解です」
「じゃあ、キャンピングカーに今からヒッチキャリアを取り付けるよ」
「「インストール・ヒッチキャリア」」
(話終わり)
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ラファエルは昨日と同じで朝6時にアラームをセットしていた。
「ラファエル、おはよう」
「ヒロシさん、ミサエさん、おはようございます」
「今日は朝食後にソノブイを128本作ってもらいます」
「ラファエル、分かったよ、サブローとダリナは起きてきたか?」
「もうすぐ起きてきます」
ミサエさんはダリナが起きてきたので朝食の準備に取り掛かった。
「ダリナ、今朝はラクダチーズバーガーにしましょう」
「ミサエさん、アレですね」
「それとパイナップルのスムージーとタピオカティよ」
「はい」
ダリナはホットプレートでラクダバーガーを焼いたのだった。ミサエさんも同じようにホットプレートでパンズを人数分焼いていた。合間にタピオカティとパイナップルのスムージーを準備していた。付け合せに新鮮なレタスとミニトマトを用意した。
「うっま、ダリナさん朝から最高っす」
「サブロー、そんなに慌てて食べなくてもバーガーは逃げていかないよ。それからスムージーも飲んでね」
「ミサエさん、は~い」
「サブローは本当に肉が好きだね」
「ミサエさん、今朝はどうしてハンバーガーなの?」
「たまには朝からガッツリでもいいでしょ」
「そうだね」
ミサエさんはラクダバーガーで験を担いだつもりだったが……鈍感なヒロシには分からなかった。
朝食後……
ラファエルが、サブローのタブレットにソノブイの画像を転送したのでヒロシとサブローは手分けして全部で128本のソノブイが出来上がった。
「ヒロシさん、パラチ島を中心に半径50キロの海域を網羅する予定です」
ソノブイからの信号はタブレットに4画面で画面表示され、海域は東西南北に4つの区画に分かれていた。
2台のタブレットの画面には、128のマス目に区切られていた。どのポイントにソノブイを落とすか簡単に把握出来るようになっていた。
「サブロー、ダリナ、キャンピングカーに乗って、西と北の海域に順番にソノブイを落としてくれ」
「俺とミサエさんは東と南の海域を受け持つよ」
「了解です、テイクオフ」
「ミサエさん、俺たちも出発しよう」
「テイクオフ」
ヒロシは東の海域に到着したのでデッキの前でソノブイを持って投下準備をしていた。
「ヒロシさん、投下して」
ミサエさんがタブレットの画面を見ながら指示を出してくれたのでソノブイは海面に投下した。
「その次を投下して」
「は~い」
ラファエルが自動飛行するキャンピングカーは海面10メートルの高度で飛行していた。速度は控えめの時速30キロ程度でホバリングと飛行を繰り返していた。ソノブイはヒロシとサブローが手分けして128本を全てを投下し終えた。一つの海域には32本投下した。ミサエさんとダリナはタブレットの画面を注視していた。
(ヒロシさん、ソナー感あり。西の海域に赤い点が光っています)
サブローから念話が入った。
(サブロー、俺たちも急行するよ)
(ヒロシさん、魔物は水深30メートルを泳いでいます)
(このままでは攻撃が出来ません)
(サブロー、高度10メートルをキープして海面の様子を見てくれ)
(了解)
ヒロシは懸念していたモビュラは滅多に海面に姿を表さない魔物だと気がついた。そのためにサブローのキャンピングカーを海面から10メートルの高度で囮にしたら出てくるだろうと考えたのだった。
(ヒロシさん、黒いエイのような物体が浮かび上がってきました)
(サブロー、爆裂魔法だ)
「爆裂魔法」
バシューン、サブローが放った爆裂魔法はモビュラの腹に大穴を開けて海面に漂っていた。
「サブロー、モビュラに当たったね」
「ダリナさん、やったー」
(ヒロシさん、モビュラをやっつけました)
サブローはモビュラ収納したのだった。
サブローが討伐したモビュラとは元の世界で言っていたマンタのような大型のエイの化け物だった。
「ヒロシさん、今の戦い方ではキャンピングカーがモビュラに飲み込まれるわよ」
「ミサエさんの言うとおりだね」
(サブロー、ダリナ、一先ず海の家に帰って、安全な戦い方を考えようよ)
((は~い))
「ヒロシさん、西の海で水柱が上がりましたが、魔物をやっつけたのですか?」
「はい、モビュラを仕留めてました」
「直ぐに漁業ギルドに報告に行きましょう」
サミール司祭はヒロシたちを急かせた。
漁業ギルドの倉庫には西の海の水柱を見て既に大勢の漁師が待機していた。サブローは収納から全長30メートルのモビュラを出した。
「おお~、これが海の魔物なのか?」
「そうです。サブローが空中から爆裂魔法で仕留めたのです」
「皆の衆、明日からは漁に出られそうじゃな」
「皆さん、待ってください、漁に出るのは危険です」
「魔女様、どうしてじゃ」
「はい、先程、神様からのお告げが入り、モビュラはあと4体生息していると言われました」
「魔女様、本当ですか?」
「皆の衆、魔女様がおっしゃることは本当じゃ。ポセイドン様も同じ神託を言われた」
「サミール司祭が言われるなら海に出るのは危険じゃ」
「「「「「あと4匹も化け物がいるのか~~~~」」」」」
「「「「「うわ~どうしたらいいのじゃ~」」」」」
「皆さん、落ち着いてください」
「モビュラは海中から急に姿を表して襲いかかってきたのです」
サブローはモビュラをやっつけた時の状況をかいつまんで漁師たちに話した。
「サブローさん、海中の魔物を大きな餌でおびき出すのはどうかのう」
「そうか、大きな魚を囮にすれば魔物が喰い付くな」
「「「「「そうだ、そうだ」」」」」
トノスとはマグロのことで別名ジャイアントフィッシュとも呼ばれていた。
「皆さん、俺たちだけで囮のトノスを釣ってきます」
「ヒロシさん、どうかお願いするよ」
ヒロシはとりあえずは囮のトノスを準備するのに1日とモビュラ退治に4日の計5日間をもらった。
漁師たちには申し訳なかったが皆んなで話し合って安全を考えた結果だった。
◇ ◇ ◇ ◇
ヒロシたち4人は直ぐに海の家に戻った。ラファエルの手伝いも有ってトノス用のトローリング竿2本は直ぐに具現化が出来た。
ヒロシは考えていた囮作戦を3人に伝えた。
「いいかい、モビュラの大きさは30メーターだけど、先ずは4輪バギーで少し沖に出て、囮になるトノスを何匹か釣ろうよ」
「釣ったトノスを囮にしてゴーレムをATVに乗せてトローリングでモビュラを海面に誘き寄せるんだ。 そして、海中からモビュラがトノスに喰いついたところで、上空のキャンピングカーから対魔物ミサイルをぶち込む作戦さ」
「ヒロシさん、爆裂魔法は使わないのですか?」
「今回はロケットランチャーを作ろうと思っているよ」
「ああ、なるほど、それなら、確実にモビュラをやっつけられそうですね」
「ラファエル、ロケットランチャーを教えてくれ」
「ヒロシさん、M202型ロケットランチャーを提案します」
「ヒロシさん、4連でカッコイイですね」
「サブロー、早く作って」
サブローはダリナに急かされてM202型ロケットランチャーを2丁作った。
ヒロシとサブローは2台のATVに分乗してでパラチ島の沖合1キロの海上へトノス釣りに出かけた。トローリングの速度は4ノットから7ノットで疑似餌を引くのだとラファエルが教えてくれた。
「ダリナさん、トノスの凄い引きです」
「サブロー、海に落ちないでね」
今回は運転手が逆でお互いは背中合わせに乗り、ダリナとミサエさんがATVの運転を担当していた。もっとも自動運転と絶対防御魔法を発動しているので海上に落ちることは無かった。
「ミサエさん、俺の竿にもトノスがかかった」
「ヒロシさん、一応固定されているけど海に落ちないでね」
それから、2時間後……
「ダリナ、サブロー、トノスは全部で8匹釣れたので充分だろう」
「一旦、海の家に戻るよ」
◇ ◇ ◇ ◇
「ヒロシさん、サブローさん、キャンピングカーにヒッチキャリアを取り付けましょう」
ラファエルはロケットランチャーを撃つための銃座をキャンピングカーの前後に確保してくれたのだった。
ヒロシは具現化で前後2セットのヒッチキャリアを作ったのだった。
「サブローもヒッチキャリアを作ってくれ」
「了解です」
「じゃあ、キャンピングカーに今からヒッチキャリアを取り付けるよ」
「「インストール・ヒッチキャリア」」
(話終わり)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる