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第5章
サキヒコとカナエ《前編》 レベル1の転生者
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コーヘーとチハールがハリマヤマナカ市に旅立って……シローとスミレさんはハカトン市の海洋ダンジョンの先深部を攻略していた。素材はミカエルのアドバイスに従いしっかりと収納してきた。コーヘーとチハールと別れて3日後、2人がハリマヤナカ市のドマティオ岬でクラーケンを倒したとミカエルが教えてくれた。
次の日の早朝……
「シロー……さん、シローさん……」
スミレさんはベッドでぐっすり寝ているシローを大きく揺すった。夜が明ける前なので夜中の3時ぐらいだろうか?
「スミレさん、おはよう」
「あれ~、どうかしたの?」
「シローさん、大変よ、ログハウスが空を飛んでるよ」、
シローとスミレのログハウスは大空に向かって上昇を開始していた。シローは身支度を整えてリビングの画面に向かって朝の挨拶をしていた。
「ミカエル、おはよう、急に上昇して、何処に向かうの?」
「たった今、天界から緊急連絡が入って、次の目的地はキビピーチ市に決定しました」
「キビピーチ市って、神様も何だか安易な名前を付けた気がするね」
「シロー、そう文句を言うでない、神々も知恵を絞って名前をつけておるのじゃ」
「それから、他の市はタブレットの画面で確認をするのじゃ」
キビピーチ市 イアペトス クリュメネ
カープ市
キタロー市
モイズ市
「今は大変革の時期なのじゃ」
「ミカエル、フライト時間は?」
「約20分です」
ログハウスは順調に海の上を飛んでいた。キビピーチ市とは元の世界で言う岡山市の事だろうとシローは思ったが、神様たちが吉備団子と桃の語呂合わせから都市の名前をを付けたのだろうと思ったのだ。
ポーン、ポーン、
「まもなく、着陸態勢に入ります」
「ミカエル、いつもの様に海側から侵入して港の倉庫の裏に着陸してくれ」
「了解しました。港からは冒険者ギルドまでは遠いので、プロイ川の堤防に着陸します」
「了解、着陸地は任せるよ」
「ミカエル、夜が明けるまで少し寝かしてくれ」
「了解しました。では、朝の8時ころにタイマーをセットしておきます」
「お願いするよ」
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ミカエルは8時にアラームでシローとスミレさんを起こしてきた。
プロイ川の堤防からキビピーチ市の中心部までは少し距離があったのでキャンピングカーを出して移動した。
「スミレさん、キビピーチ市に到着しましたね」
「ええ、今回は会う人が決まっていないね」
「そうだね、とりあえず、教会が出来ていれば行きたいけど」
「シローさん、この先に教会があるよ」
「本当だ、入ってみようよ」
「ようこそ、お参り下さいました。こちらの教会は、キビピーチ市の守護神イアペトス様、クリュメネ様をお祀りしているのです」
シローとスレさんは、神像の前に金貨1枚をそっと差し出した。
「お二人にイアペトス様、クリュメネ様のご加護がありますように」
司祭様は、丁寧にお祈りをしてくださった。
「信心深き清き者たちよ」
タブレットが光ってゼウス様とヘーラー様が現れた。
「シロー、スミレ、此度の件は大義であった、残すはキビピーチ市の勇者サキヒコと聖女カナエであるが、1週間前に転生させたが、転生時の基礎レベルが全く足りていないのじゃ」
「ゼウス様、俺達と同じようにAIクリスタル脳は移植されたのですか?」
「イアペトス、クリュメネ、ジェネオスとアギオスにAIクリスタル脳を移植するのじゃ」
「「はっ、仰せのままに」」
「どうやら、我らの手違いでジェネオスとアギオスにAIクリスタル脳の移植を忘れておったようじゃ」
「そうだったのですか」
「ジェネオスとアギオスに魔導ペンダントを渡して魔力の底上げは可能でしょうか?」
「早いのは、実戦での魔物退治じゃがもちろん行ってくれるな」
「ハイ、分かりました、オーガ退治ですよね」
「そうじゃ、オーガ退治の詳細は冒険者ギルドで聞くと良いのじゃ」
「そう言うことじゃな、今夜はゆっくりと休んで、明日の朝早くに冒険者ギルドに行くのじゃ」
「分かりました」
教会の外に出ると、酒屋には特産のピーチワインが売っていたので買ってみた。途中の弁当屋でオーク肉のカツ弁当を二つ買って帰り、プロイ川の堤防下に転移魔法で戻り、スミレさんと一緒にピーチワインを飲んだのだった。
「スミレさん、ピーチワインはかなり甘いね」
「そのようね、飲みすぎると足をとられて後が大変よ」
「そうだね、程々にしておこうよ」
二人はピーチワインの口当たりが良いので飲みすぎないように程々にしておいた。明日の朝は二人で冒険者ギルドに行ってみようと思った。
◇ ◇ ◇ ◇
サキヒコとカナエは1週間前に異世界に転生してきたばかりで、魔物の狩り方も何も知らないままキビピーチ市の宿屋で引きこもっていた。サキヒコは生前にラノベ本を読んだ知識で、ここが異世界だと直ぐに分かったが、神様にもらった僅かなお金で宿屋で寝泊まりしているだけで、冒険者になるつもりなど端から無かった。
転生した翌日、カナエは、宿屋の女将に請われて昼間の時間に客室の掃除を手伝い始めた。サキヒコは相変わらず部屋から出ようとしなかったのでカナエと宿屋の女将はサキヒコをそのままにしておいたのだった。
夜になると、サキヒコは性欲が異常に高まりカナエの体を貪るように求めたが、カナエはサキヒコが勝手に始める”身勝手なおせっせ”が嫌だった。心で嫌と思っても、カナエの体はサキヒコの愛撫に反応して、二人は愛欲に溺れる生活を続けていたのだった。
「信心深き者たちよ」
「我らはこのキビピーチ市を統べる、イアペトスとクリュメネなり」
突然部屋が金色に輝いて神様たちが現れた。
「汝らは勇者と聖女に選ばれこの世界に転生はさせたが、余りにもレベルが低すぎて自助努力をする姿勢が全く足りぬのじゃ」
「明日の朝早くに冒険者ギルドに行き、シローとスミレに会ってジェネオスとアギオスに一日も早くなれるよう基礎から鍛え直してもらうのじゃ」
「なお、汝らが神との約束を勝手に破棄した場合は何処かの星に飛ばされ重い罰則が待っておるので覚悟するのじゃ」
イアペトス様とクリュメネ様はこれだけ言われると消えていった。
(AIクリスタル脳正常作動、バイタル異常なし)
(AIクリスタル脳・リブート完了、世界辞書のインストール完了、禁欲プログラム発動)
「カナエ、今度は真面目にやってみるよ。神様に言われてから、俺何だかやる気が出てきた」
「サキヒコ、本当なの? 私、サキヒコを応援するから」
サキヒコは冒険者になるのは面倒だと思ったが、神様との約束だけは絶対に守ろうと心に誓ったのだった。
(クリュメネ、どうやら、AIクリスタル脳の移植は成功のようじゃな)
(ええ、ヘーラ様に言われた時は焦りましたよ)
(そうじゃった)
イアペトス神とクリュメネ神は神界の泉でサキヒコがやる気になったことを確認して宮に戻っていった。
(話終わり)
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次の日の早朝……
「シロー……さん、シローさん……」
スミレさんはベッドでぐっすり寝ているシローを大きく揺すった。夜が明ける前なので夜中の3時ぐらいだろうか?
「スミレさん、おはよう」
「あれ~、どうかしたの?」
「シローさん、大変よ、ログハウスが空を飛んでるよ」、
シローとスミレのログハウスは大空に向かって上昇を開始していた。シローは身支度を整えてリビングの画面に向かって朝の挨拶をしていた。
「ミカエル、おはよう、急に上昇して、何処に向かうの?」
「たった今、天界から緊急連絡が入って、次の目的地はキビピーチ市に決定しました」
「キビピーチ市って、神様も何だか安易な名前を付けた気がするね」
「シロー、そう文句を言うでない、神々も知恵を絞って名前をつけておるのじゃ」
「それから、他の市はタブレットの画面で確認をするのじゃ」
キビピーチ市 イアペトス クリュメネ
カープ市
キタロー市
モイズ市
「今は大変革の時期なのじゃ」
「ミカエル、フライト時間は?」
「約20分です」
ログハウスは順調に海の上を飛んでいた。キビピーチ市とは元の世界で言う岡山市の事だろうとシローは思ったが、神様たちが吉備団子と桃の語呂合わせから都市の名前をを付けたのだろうと思ったのだ。
ポーン、ポーン、
「まもなく、着陸態勢に入ります」
「ミカエル、いつもの様に海側から侵入して港の倉庫の裏に着陸してくれ」
「了解しました。港からは冒険者ギルドまでは遠いので、プロイ川の堤防に着陸します」
「了解、着陸地は任せるよ」
「ミカエル、夜が明けるまで少し寝かしてくれ」
「了解しました。では、朝の8時ころにタイマーをセットしておきます」
「お願いするよ」
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ミカエルは8時にアラームでシローとスミレさんを起こしてきた。
プロイ川の堤防からキビピーチ市の中心部までは少し距離があったのでキャンピングカーを出して移動した。
「スミレさん、キビピーチ市に到着しましたね」
「ええ、今回は会う人が決まっていないね」
「そうだね、とりあえず、教会が出来ていれば行きたいけど」
「シローさん、この先に教会があるよ」
「本当だ、入ってみようよ」
「ようこそ、お参り下さいました。こちらの教会は、キビピーチ市の守護神イアペトス様、クリュメネ様をお祀りしているのです」
シローとスレさんは、神像の前に金貨1枚をそっと差し出した。
「お二人にイアペトス様、クリュメネ様のご加護がありますように」
司祭様は、丁寧にお祈りをしてくださった。
「信心深き清き者たちよ」
タブレットが光ってゼウス様とヘーラー様が現れた。
「シロー、スミレ、此度の件は大義であった、残すはキビピーチ市の勇者サキヒコと聖女カナエであるが、1週間前に転生させたが、転生時の基礎レベルが全く足りていないのじゃ」
「ゼウス様、俺達と同じようにAIクリスタル脳は移植されたのですか?」
「イアペトス、クリュメネ、ジェネオスとアギオスにAIクリスタル脳を移植するのじゃ」
「「はっ、仰せのままに」」
「どうやら、我らの手違いでジェネオスとアギオスにAIクリスタル脳の移植を忘れておったようじゃ」
「そうだったのですか」
「ジェネオスとアギオスに魔導ペンダントを渡して魔力の底上げは可能でしょうか?」
「早いのは、実戦での魔物退治じゃがもちろん行ってくれるな」
「ハイ、分かりました、オーガ退治ですよね」
「そうじゃ、オーガ退治の詳細は冒険者ギルドで聞くと良いのじゃ」
「そう言うことじゃな、今夜はゆっくりと休んで、明日の朝早くに冒険者ギルドに行くのじゃ」
「分かりました」
教会の外に出ると、酒屋には特産のピーチワインが売っていたので買ってみた。途中の弁当屋でオーク肉のカツ弁当を二つ買って帰り、プロイ川の堤防下に転移魔法で戻り、スミレさんと一緒にピーチワインを飲んだのだった。
「スミレさん、ピーチワインはかなり甘いね」
「そのようね、飲みすぎると足をとられて後が大変よ」
「そうだね、程々にしておこうよ」
二人はピーチワインの口当たりが良いので飲みすぎないように程々にしておいた。明日の朝は二人で冒険者ギルドに行ってみようと思った。
◇ ◇ ◇ ◇
サキヒコとカナエは1週間前に異世界に転生してきたばかりで、魔物の狩り方も何も知らないままキビピーチ市の宿屋で引きこもっていた。サキヒコは生前にラノベ本を読んだ知識で、ここが異世界だと直ぐに分かったが、神様にもらった僅かなお金で宿屋で寝泊まりしているだけで、冒険者になるつもりなど端から無かった。
転生した翌日、カナエは、宿屋の女将に請われて昼間の時間に客室の掃除を手伝い始めた。サキヒコは相変わらず部屋から出ようとしなかったのでカナエと宿屋の女将はサキヒコをそのままにしておいたのだった。
夜になると、サキヒコは性欲が異常に高まりカナエの体を貪るように求めたが、カナエはサキヒコが勝手に始める”身勝手なおせっせ”が嫌だった。心で嫌と思っても、カナエの体はサキヒコの愛撫に反応して、二人は愛欲に溺れる生活を続けていたのだった。
「信心深き者たちよ」
「我らはこのキビピーチ市を統べる、イアペトスとクリュメネなり」
突然部屋が金色に輝いて神様たちが現れた。
「汝らは勇者と聖女に選ばれこの世界に転生はさせたが、余りにもレベルが低すぎて自助努力をする姿勢が全く足りぬのじゃ」
「明日の朝早くに冒険者ギルドに行き、シローとスミレに会ってジェネオスとアギオスに一日も早くなれるよう基礎から鍛え直してもらうのじゃ」
「なお、汝らが神との約束を勝手に破棄した場合は何処かの星に飛ばされ重い罰則が待っておるので覚悟するのじゃ」
イアペトス様とクリュメネ様はこれだけ言われると消えていった。
(AIクリスタル脳正常作動、バイタル異常なし)
(AIクリスタル脳・リブート完了、世界辞書のインストール完了、禁欲プログラム発動)
「カナエ、今度は真面目にやってみるよ。神様に言われてから、俺何だかやる気が出てきた」
「サキヒコ、本当なの? 私、サキヒコを応援するから」
サキヒコは冒険者になるのは面倒だと思ったが、神様との約束だけは絶対に守ろうと心に誓ったのだった。
(クリュメネ、どうやら、AIクリスタル脳の移植は成功のようじゃな)
(ええ、ヘーラ様に言われた時は焦りましたよ)
(そうじゃった)
イアペトス神とクリュメネ神は神界の泉でサキヒコがやる気になったことを確認して宮に戻っていった。
(話終わり)
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