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第1章
二日続けて講習を受けてみた
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冒険者講習の二日目……
「スミレさんおはよう」
「シローさん、おはよう」
シローはあえて口には出さなかったが、スミレさんのボディラインは転生前よりもかなり良くなっていた。顔の作りもシローが好きだった異世界アニメの聖女のイメージに本当に似てきたと思ったのだ。
スミレさんはシローがいきなりポリネシアン式瞑想をやると言い出した時は少女のようにドキドキした。
お互いに向かい合っているだけでシローをもっと好きになったのも確かっただった。
シローの顔が転生前に押していた韓流ドラマのイケメン俳優と重なって見えるのだが、スミレさんはあえて口には出さなかった
「やっぱり疲れが残っていないね」
「そうね、若いって素敵だわ」
シローとスミレさんはギルドの受付で講習料の銀貨4枚を払って別館の講習室に来ていた。冒険者中級講習の受講生はシローとスミレさんの二人だけらしく講習室は静かだった。
「それでは冒険者中級講習を始めます」
「私は講師を務めるソフィーです」
「「ソフィー先生よろしくお願いします」」
ソフィー先生の挨拶で午前中の授業が始まった。冒険者中級講習とは初級講習の上位バージョンで、午前中は主にダンジョンに潜る場合の生活方法などについての座学で講師のソフィー先生から教わった。
午前中の講習が終わり昼休みになったので冒険者ギルド併設の食堂に移動した。日替わりランチはオーク肉のステーキだったが、味は普通に豚肉のステーキと変わらなかった。
「スミレさん、このステーキは美味しいね」
「うん、美味しいね」
午後からは屋外で戦闘魔法の実践訓練で、ここで不合格になってしまった場合は薬草採取等の簡単な仕事しか受けれないそうだ。
シローとスミレさんの二人は、ソフィー先生から体内で魔力を意識しながら循環する魔力を練る練習から始めた。この世界では魔力は誰でも持っていることを最初に教わった。一般人の魔力量は多くても1000程度で上級魔導師の魔力量は一般人の10倍で10000程度だと教えてもらった。
ソフィー先生に魔力量を見てもらったところ。シローとスミレさんの魔力量は既に上級魔導師と肩を並べるくらい多いそうなので訓練次第でもっと魔力量が増えると言われた。
魔力を練る練習の結果、シローは土属性と雷属性の二種類が使える事が分かったのだった。スミレさんは風俗性と聖属性に適正があるようで、ソフィー先生はスミレさんに回復魔法が直ぐに使えると言っていた。
シローはまだ自分の剣を持っていなかったので冒険者ギルドで刃渡り60センチほどの短剣を借りた。
スミレさんも2センチほどの水晶球がはめられた両手杖を借りた。
シローとスミレさんの攻撃魔法の実践訓練は続いていた。魔物に見立てた案山子に向かって剣に雷魔法を付与して雷弾と風刀を放出するのだが、魔力を持っていかれるので休みなしの連続攻撃はきつかった。
「では、最後の攻撃よ、最大魔力で行きましょう」
「シロー、スミレ、全力で攻撃よ」
「雷弾」
「風刀」
バシーン、バシューン、青白い稲妻と鋭い風が攻撃案山子に当たって、点数は370点を表示していた。
「シロー、スミレ、合格よ、二人共よく頑張ったわね」
「二人とも魔力切れは起きてないようね」
「はい、ここに来る前に魔力ペンダントを買って付けていたからです」
「それでも普通の人の魔力量よりも多いわ」
「貴方たち、明日から依頼を受けるなら、薬草採取か粘土の採取にしておきなさい」
「まだ武器を買っていないから魔物との戦闘は無理よ」
「武器を揃えてからでないと、いきなり森に入るとコカトリスの餌食になるわよ」
「「ソフィー先生、ありがとうございます」」
「はい、さようなら」
◇ ◇ ◇ ◇
夕食後……
「消音魔法」
異世界はテレビなどの娯楽が全く無いのどうしても早めの就寝になるのが常だった。
「スミレさん、今日は頑張ったね」
「シローさんも頑張ったね」
「スミレさん、今夜も同じように腹式呼吸からだよ」
「シローさん、早く始めましょ」
シローはスミレさんと向い合せになってあぐらをかいた。腹式呼吸をゆっくり続け、瞑想に持っていく。
「シローさん、私、さっきからお腹がぽかぽかしっぱなしよ」
「スミレさん、俺も元気ハツラツが止まらないよ」
ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、 ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン
(LV45を確認、MP45000を確認)
「スミレさん、ようやく治まったよ」
「シローさん、私もポカポカが治まったわ」
「「オール・クリーン」」
「「ボデイ・クリーン」」
寝る前に二人で部屋全体に清掃魔法をかけた。部屋は何事も無かったように元通りの綺麗なシーツの状態になったのだった。
「シローさん、おやすみなさい」
「スミレさん、おやすみ」
二人は幸せを感じながら深い眠りについた。三日目の夜も静かに更けていった。
(話終わり)
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「スミレさんおはよう」
「シローさん、おはよう」
シローはあえて口には出さなかったが、スミレさんのボディラインは転生前よりもかなり良くなっていた。顔の作りもシローが好きだった異世界アニメの聖女のイメージに本当に似てきたと思ったのだ。
スミレさんはシローがいきなりポリネシアン式瞑想をやると言い出した時は少女のようにドキドキした。
お互いに向かい合っているだけでシローをもっと好きになったのも確かっただった。
シローの顔が転生前に押していた韓流ドラマのイケメン俳優と重なって見えるのだが、スミレさんはあえて口には出さなかった
「やっぱり疲れが残っていないね」
「そうね、若いって素敵だわ」
シローとスミレさんはギルドの受付で講習料の銀貨4枚を払って別館の講習室に来ていた。冒険者中級講習の受講生はシローとスミレさんの二人だけらしく講習室は静かだった。
「それでは冒険者中級講習を始めます」
「私は講師を務めるソフィーです」
「「ソフィー先生よろしくお願いします」」
ソフィー先生の挨拶で午前中の授業が始まった。冒険者中級講習とは初級講習の上位バージョンで、午前中は主にダンジョンに潜る場合の生活方法などについての座学で講師のソフィー先生から教わった。
午前中の講習が終わり昼休みになったので冒険者ギルド併設の食堂に移動した。日替わりランチはオーク肉のステーキだったが、味は普通に豚肉のステーキと変わらなかった。
「スミレさん、このステーキは美味しいね」
「うん、美味しいね」
午後からは屋外で戦闘魔法の実践訓練で、ここで不合格になってしまった場合は薬草採取等の簡単な仕事しか受けれないそうだ。
シローとスミレさんの二人は、ソフィー先生から体内で魔力を意識しながら循環する魔力を練る練習から始めた。この世界では魔力は誰でも持っていることを最初に教わった。一般人の魔力量は多くても1000程度で上級魔導師の魔力量は一般人の10倍で10000程度だと教えてもらった。
ソフィー先生に魔力量を見てもらったところ。シローとスミレさんの魔力量は既に上級魔導師と肩を並べるくらい多いそうなので訓練次第でもっと魔力量が増えると言われた。
魔力を練る練習の結果、シローは土属性と雷属性の二種類が使える事が分かったのだった。スミレさんは風俗性と聖属性に適正があるようで、ソフィー先生はスミレさんに回復魔法が直ぐに使えると言っていた。
シローはまだ自分の剣を持っていなかったので冒険者ギルドで刃渡り60センチほどの短剣を借りた。
スミレさんも2センチほどの水晶球がはめられた両手杖を借りた。
シローとスミレさんの攻撃魔法の実践訓練は続いていた。魔物に見立てた案山子に向かって剣に雷魔法を付与して雷弾と風刀を放出するのだが、魔力を持っていかれるので休みなしの連続攻撃はきつかった。
「では、最後の攻撃よ、最大魔力で行きましょう」
「シロー、スミレ、全力で攻撃よ」
「雷弾」
「風刀」
バシーン、バシューン、青白い稲妻と鋭い風が攻撃案山子に当たって、点数は370点を表示していた。
「シロー、スミレ、合格よ、二人共よく頑張ったわね」
「二人とも魔力切れは起きてないようね」
「はい、ここに来る前に魔力ペンダントを買って付けていたからです」
「それでも普通の人の魔力量よりも多いわ」
「貴方たち、明日から依頼を受けるなら、薬草採取か粘土の採取にしておきなさい」
「まだ武器を買っていないから魔物との戦闘は無理よ」
「武器を揃えてからでないと、いきなり森に入るとコカトリスの餌食になるわよ」
「「ソフィー先生、ありがとうございます」」
「はい、さようなら」
◇ ◇ ◇ ◇
夕食後……
「消音魔法」
異世界はテレビなどの娯楽が全く無いのどうしても早めの就寝になるのが常だった。
「スミレさん、今日は頑張ったね」
「シローさんも頑張ったね」
「スミレさん、今夜も同じように腹式呼吸からだよ」
「シローさん、早く始めましょ」
シローはスミレさんと向い合せになってあぐらをかいた。腹式呼吸をゆっくり続け、瞑想に持っていく。
「シローさん、私、さっきからお腹がぽかぽかしっぱなしよ」
「スミレさん、俺も元気ハツラツが止まらないよ」
ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、 ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン
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「スミレさん、ようやく治まったよ」
「シローさん、私もポカポカが治まったわ」
「「オール・クリーン」」
「「ボデイ・クリーン」」
寝る前に二人で部屋全体に清掃魔法をかけた。部屋は何事も無かったように元通りの綺麗なシーツの状態になったのだった。
「シローさん、おやすみなさい」
「スミレさん、おやすみ」
二人は幸せを感じながら深い眠りについた。三日目の夜も静かに更けていった。
(話終わり)
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