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十四話 【おっお】
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「おっお、驚かせた様だな、すまんすまん、
でも俺は悪い奴じゃないぞ、一応此処の教員だ」
体が半透明でごっつい巨人は驚くことに教員の様だ。
驚くなって言われも驚かない方が無理だろう。
幽霊が教員なんて見かけで人を判断してはいけない
というのが良くわかる。
「ところで、お前らは新入生だろ?
なんでこんなところにいるんだ?」
「っ!」
「えっと――」
未だに幽霊教員に驚き声を出せない二人を見て
ウルエは率先して先生に事情を説明した。
「おっお、なるほどな、
しかしお前があのフェルの弟か……
さぞかしお前も馬鹿げた力を持ってるんだろうな」
事情を聞いた先生はそんなことを言ってきた。
まぁ、そう思われるのも仕方がない事だろう。
魔王と大魔王の娘のお姉ちゃんは間違いなく最強。
そしてその弟も最強と思われるだろう。
だが――
「残念ながら本当の姉弟ではないんです……」
隠すようなことでもないと思ったウルエは
そう暴露すると皆が驚き一瞬だけ凍り付いた。
「えぇ、そうなのかよ……」
「私もびっくり……」
「フェルとそっくりの白髪なのに
本当の姉弟ではないというのか……興味深い」
確かにこの先生の言う通り、
ウルエの髪の色は真っ白だ。
血も繋がっていなければ、無論遺伝でもない。
初めに鏡を見たときは自分でも驚いたし不思議だった。
だが、その原因は何となくだが予想出来ている。
恐らく、命の恩人である彼女の影響だろう。
彼女も真っ白の髪であり、彼女に助けられた際に
何だかの影響を受けたのだろう。
「たまたまです」
流石に彼女の事まで教える訳には行かない。
エミが言うには彼女は『心の無い殺人鬼』なのだから、
もし教員がその事をしっていれば
ウルエの平和が間違いなく崩れ果てるだろう。
「おっお、そうか。
まぁ良い、お前らの事情はよく分かった。
今からアヌブを呼んで来るから
お前らは先に戻るんだ」
(さっきから気になってるんだけどその、おっお、って何なのだろうか、
口癖なのだろうか、面白い。おっお」
「いや、実は俺達迷子なんです、
できれば道案内してくれれば助かるなって」
(ゲウヌってちゃんと喋れたのか、驚き)
「おっお、そうなのか、
任しとけ俺が一瞬で転移させてやるから」
「え!?」
「おっお、行くぞ!」
一瞬で目の前が歪み、
気が付けば室内グラウンドに立っていた。
クラスメイト達の目線が杭付けになり、
ものすごく気まずい。
ウルエは適当に苦笑いをして
先生が戻って来るのを待った。
直ぐにクラスメイト達の目線は四年生の方を向いたが、
そわそわとしていて意識は完全にウルエ達三人、
主にウルエ一人に向けられている。
初日から色々と悪目立ちし過ぎてしまい、
これからの学園生活が思いやられる。
重度のブラコンの姉とシスコンのウルエと言う感じで
落ち着いてくれるのが一番良いのだが、
目付けられて体育館裏とかに連れていかれて
ボコボコにされたり……考えただけで身震いする。
そうなら無い様にと心の中で強く願っていると、
先生が室内グラウンドに入ってきた。
一瞬アヌブ先生が帰って来てくれたのかと思ったが、
室内グラウンドに入ってきたのは、
スキンヘッドでは無く髪が確りと生えている方だった。
サラサラと揺れる肩に掛からないギリギリの長さの
目に優しいクリーム色の髪の毛。
優しい目つきで顔立ちもスッキリとしている。
「皆さんこんにちは、アヌブさんに代わりまして、
僕、アル=コーデヌアが君たちのクラスの担任になりました。
どうぞ、よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げながら挨拶するアル先生を見て、
ウルエは心の中でガッツポーズをした。
熱血アヌブ先生とは違い爽やかイケメン先生が担任になり、
他のクラスメイト達の顔も笑顔になり嬉しそうだ。
「先生、アヌブ先生はどうしたんですか?」
クラスメイトの一人がそう質問した。
実のところウルエも気になっていた事だ。
先ほどの巨人の幽霊教員がアヌブ先生の事を呼びに行く
と言っていたが、実際に来たのは全くの別人。
「アヌブさんはどうしても外せない急用が
出来てしまったらしく長期休暇を取られました。
こっそりと聞いたのですが新たな命が生まれるそうですよ」
「そうなんですか、おめでたいですね」
「はい、そうですね」
アル先生はそう言っていたが、
その目線は確りとウルエの事を捉えており、
ニコリと笑顔を向けてきた。
優しい笑顔だが逆にその優しさがウルエには怖く、
思わず一歩後退った。
「どうした、ウルエ」
「あ、いや、何でもないよ」
「もしかして疲れちゃった?」
「いや、大丈夫だよ」
こんな小さな事でも心配して
声を掛けてくれる友達を二人を持てて
改めてウルエは幸せだなと認識した。
「さて、四年生の邪魔にならない様に
僕たちも始めましょうか」
四年生の邪魔にならない様に
室内グラウンドの端の方に行き
先生はこれからやる事の内容を教えてくれた。
一番自分が得意な魔法を使い、
先生にそれを評価してもらうという
実にシンプルで簡単なものだった。
「では、一番初めにやりたい方はいますか?」
「はい!」
物凄く綺麗に手をズバっと天に向けたのは
腰まである綺麗な黒髪、眼鏡を掛けていて
物凄く真面目そうで委員長って感じの子だ。
「髪邪魔じゃないのかな……」
「こらこら、ウルエ。
女にとって髪の毛は命みたいなものなのよ」
「そうなんだ」
言葉が漏れ出してしまい、
ミアがそれに反応し答えてくれた。
「まず自己紹介してくれるかな?」
「はい、私の名前はアンジェ=ルマヌエ、
クラスメイト全員と仲良くして良ければ良いと思ってます」
「アンジェさん、一番得意な魔法を使ってみてください」
「はい!」
委員長さんはすこし距離を取り、
誰もいない方向に手のひらを向けた。
「―――、―――!!」
何を言っているのか分からないが、
手のひらからは巨大な炎の塊が飛び出し、
火花を散らしながら室内グラウンドの壁に激突し、
壁に吸収される様に消えていった。
「凄いですね、かなりの威力を持ったファイアですね
これならAです」
「ありがとうございます!」
(流石、委員長候補だ。ファイア、この魔法は始めた見た。
似た魔法ならお義父さんたちから教わったが、
やはりファイアの方がカッコいい。
何時かは自分で使ってみたいものだ)
「君はBだね」
それから次々とクラスメイト達が
率先して手を挙げ次々とクラスが分けられていった。
主にBとCに分けられる人が多い。
Aは、ほんの数人だ。
ちなみにまだDの人は誰一人もいない。
見てるだけで様々な魔法を知る事が出来て
ウルエは正直に言って学園に来て満足している。
魔王城の中に引き籠っていては
絶対に見ることの出来なかったであろう
魔法が沢山間近で見る事が出来て、
振動などを実際に肌で感じることが出来る。
唯一気掛かりな事がある。
それは皆魔法を使う時に
『――!』とか『――、――!』
などウルエには理解出来ない言語を口にするのだ。
一度お義母さんもその言語を口にした事があったが、
それから一度も使わなかった為、
一体何の言語なのか聞きそびれてしまった。
周りを見るに、
皆この謎の言語の事は理解できているらしい。
誰一人として不思議がっている様な表情は浮かべておらず、
皆興味深々で楽しそうに他の人の魔法を見ていた。
少し自分が遅れているのでは無いかと
不安になったが、魔法を使う際に問題は無いので
そこまでは困らないだろうと自分に言い聞かせた。
もし、魔法を使う際の伝統的な儀式だとしても、
田舎に住んでいて知らなかったとか言って
色々と言い訳出来る。
「次は誰かな?」
「それじゃ、俺が行こうかなっと」
そんな事を考えている内に
ゲウヌが手を挙げた。
先ほども言っていたが余程自信があるのだろう、
物凄いどや顔をしながら先生の下へ向かった。
「ゲウヌ=ポッポリだ。
絶賛彼女募集中だぜ!」
「……はい、ゲウヌくん、
早速得意な魔法を見せてくれるかな?」
「おう」
流石はゲウヌだ。
皆の前で何の恥じらいも無く
あんな事を言ってしまうなんて。
しかも先生にも若干引かれているのに
全然気にしてない様だ。
距離を取ったゲウヌは目を瞑り、
聞き取れない程小さな声で何かを呟いた。
すると、ゲウヌの体が光に包まれ、
光が消滅したと思えば、次はゲウヌの体がふわりと浮いていた。
「おぉ、凄いですね、これなら――」
「おっと、先生、俺が得意なのはこれからだぜ」
そういうと、ゲウヌの体はどんどん上昇していき、
凄い高さまで行くと気持ちよさそうに
空中を泳ぐように移動し始めた。
「なんと、浮遊ではなく飛行でしたか、
これなら文句なしのAですね」
空中でどや顔をしながら
此方を見てくるゲウヌ、
物凄くウザいが憎めない。
地上に降り立ち、
ウルエのところまで来ると
「余裕だったぜ、へっへ」
と言ってきた。
物凄くウザい……だけど憎めない。
ぐぬぬ
「いてっ!」
そんなことを思っていると、
ミアが気持ちが良いほどのチョップとかましてくれた。
相当痛かったのだろうゲウヌはのたうち回っている。
「全く、ウザいったらありゃしないわね」
「ははは」
女子とは思えないチョップと
遠慮の無さに思わず苦笑い。
「ウルエ、次、私行こうと思うんだけど
先に行きたい?」
「いや、いいよ。いってらっしゃい」
実は残りはミアとウルエしかいなく、
何方かが最後になるしかないのだ。
本当は一番最後なんて嫌だけど、
此処は少しでも男らしく強がる。
「次、私行きます」
「はい」
「私はミア=フェウリ、
好きなの子は可愛い子、嫌いな子はチャラ男」
「そうなんですか、先生と少し違いますね。
では、得意な魔法をお願いします」
距離を取ったかと思うと、
ミアは他の誰よりも遠くに行った。
ウルエを含めみんながその行動を不思議に思っていると。
ミアが突然此方に向かって手を振り出した。
そして、手を下ろすと同時に、
ミアの体が疾風の如く、
物凄いスピードで先生の前まで移動した。
あまりの速さに先生の髪がぼさぼさになり、
目をまん丸にしていた。
「す、凄いですね、今のは身体強化ですか?」
「いいえ、違います。
私が使ったのは疾風の加護です」
聞いたことも無い単語が飛び出してきて
ウルエの興味は一瞬でミアに向いた。
「なんと、加護を持っていましたか、
ミアさんも文句なしでAですね」
初めて出来た友達二人ともが
Aになってしまい、
早速ウルエだけ外れてしまいそうな不安を
抱きながらウルエは先生の下に向かった。
でも俺は悪い奴じゃないぞ、一応此処の教員だ」
体が半透明でごっつい巨人は驚くことに教員の様だ。
驚くなって言われも驚かない方が無理だろう。
幽霊が教員なんて見かけで人を判断してはいけない
というのが良くわかる。
「ところで、お前らは新入生だろ?
なんでこんなところにいるんだ?」
「っ!」
「えっと――」
未だに幽霊教員に驚き声を出せない二人を見て
ウルエは率先して先生に事情を説明した。
「おっお、なるほどな、
しかしお前があのフェルの弟か……
さぞかしお前も馬鹿げた力を持ってるんだろうな」
事情を聞いた先生はそんなことを言ってきた。
まぁ、そう思われるのも仕方がない事だろう。
魔王と大魔王の娘のお姉ちゃんは間違いなく最強。
そしてその弟も最強と思われるだろう。
だが――
「残念ながら本当の姉弟ではないんです……」
隠すようなことでもないと思ったウルエは
そう暴露すると皆が驚き一瞬だけ凍り付いた。
「えぇ、そうなのかよ……」
「私もびっくり……」
「フェルとそっくりの白髪なのに
本当の姉弟ではないというのか……興味深い」
確かにこの先生の言う通り、
ウルエの髪の色は真っ白だ。
血も繋がっていなければ、無論遺伝でもない。
初めに鏡を見たときは自分でも驚いたし不思議だった。
だが、その原因は何となくだが予想出来ている。
恐らく、命の恩人である彼女の影響だろう。
彼女も真っ白の髪であり、彼女に助けられた際に
何だかの影響を受けたのだろう。
「たまたまです」
流石に彼女の事まで教える訳には行かない。
エミが言うには彼女は『心の無い殺人鬼』なのだから、
もし教員がその事をしっていれば
ウルエの平和が間違いなく崩れ果てるだろう。
「おっお、そうか。
まぁ良い、お前らの事情はよく分かった。
今からアヌブを呼んで来るから
お前らは先に戻るんだ」
(さっきから気になってるんだけどその、おっお、って何なのだろうか、
口癖なのだろうか、面白い。おっお」
「いや、実は俺達迷子なんです、
できれば道案内してくれれば助かるなって」
(ゲウヌってちゃんと喋れたのか、驚き)
「おっお、そうなのか、
任しとけ俺が一瞬で転移させてやるから」
「え!?」
「おっお、行くぞ!」
一瞬で目の前が歪み、
気が付けば室内グラウンドに立っていた。
クラスメイト達の目線が杭付けになり、
ものすごく気まずい。
ウルエは適当に苦笑いをして
先生が戻って来るのを待った。
直ぐにクラスメイト達の目線は四年生の方を向いたが、
そわそわとしていて意識は完全にウルエ達三人、
主にウルエ一人に向けられている。
初日から色々と悪目立ちし過ぎてしまい、
これからの学園生活が思いやられる。
重度のブラコンの姉とシスコンのウルエと言う感じで
落ち着いてくれるのが一番良いのだが、
目付けられて体育館裏とかに連れていかれて
ボコボコにされたり……考えただけで身震いする。
そうなら無い様にと心の中で強く願っていると、
先生が室内グラウンドに入ってきた。
一瞬アヌブ先生が帰って来てくれたのかと思ったが、
室内グラウンドに入ってきたのは、
スキンヘッドでは無く髪が確りと生えている方だった。
サラサラと揺れる肩に掛からないギリギリの長さの
目に優しいクリーム色の髪の毛。
優しい目つきで顔立ちもスッキリとしている。
「皆さんこんにちは、アヌブさんに代わりまして、
僕、アル=コーデヌアが君たちのクラスの担任になりました。
どうぞ、よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げながら挨拶するアル先生を見て、
ウルエは心の中でガッツポーズをした。
熱血アヌブ先生とは違い爽やかイケメン先生が担任になり、
他のクラスメイト達の顔も笑顔になり嬉しそうだ。
「先生、アヌブ先生はどうしたんですか?」
クラスメイトの一人がそう質問した。
実のところウルエも気になっていた事だ。
先ほどの巨人の幽霊教員がアヌブ先生の事を呼びに行く
と言っていたが、実際に来たのは全くの別人。
「アヌブさんはどうしても外せない急用が
出来てしまったらしく長期休暇を取られました。
こっそりと聞いたのですが新たな命が生まれるそうですよ」
「そうなんですか、おめでたいですね」
「はい、そうですね」
アル先生はそう言っていたが、
その目線は確りとウルエの事を捉えており、
ニコリと笑顔を向けてきた。
優しい笑顔だが逆にその優しさがウルエには怖く、
思わず一歩後退った。
「どうした、ウルエ」
「あ、いや、何でもないよ」
「もしかして疲れちゃった?」
「いや、大丈夫だよ」
こんな小さな事でも心配して
声を掛けてくれる友達を二人を持てて
改めてウルエは幸せだなと認識した。
「さて、四年生の邪魔にならない様に
僕たちも始めましょうか」
四年生の邪魔にならない様に
室内グラウンドの端の方に行き
先生はこれからやる事の内容を教えてくれた。
一番自分が得意な魔法を使い、
先生にそれを評価してもらうという
実にシンプルで簡単なものだった。
「では、一番初めにやりたい方はいますか?」
「はい!」
物凄く綺麗に手をズバっと天に向けたのは
腰まである綺麗な黒髪、眼鏡を掛けていて
物凄く真面目そうで委員長って感じの子だ。
「髪邪魔じゃないのかな……」
「こらこら、ウルエ。
女にとって髪の毛は命みたいなものなのよ」
「そうなんだ」
言葉が漏れ出してしまい、
ミアがそれに反応し答えてくれた。
「まず自己紹介してくれるかな?」
「はい、私の名前はアンジェ=ルマヌエ、
クラスメイト全員と仲良くして良ければ良いと思ってます」
「アンジェさん、一番得意な魔法を使ってみてください」
「はい!」
委員長さんはすこし距離を取り、
誰もいない方向に手のひらを向けた。
「―――、―――!!」
何を言っているのか分からないが、
手のひらからは巨大な炎の塊が飛び出し、
火花を散らしながら室内グラウンドの壁に激突し、
壁に吸収される様に消えていった。
「凄いですね、かなりの威力を持ったファイアですね
これならAです」
「ありがとうございます!」
(流石、委員長候補だ。ファイア、この魔法は始めた見た。
似た魔法ならお義父さんたちから教わったが、
やはりファイアの方がカッコいい。
何時かは自分で使ってみたいものだ)
「君はBだね」
それから次々とクラスメイト達が
率先して手を挙げ次々とクラスが分けられていった。
主にBとCに分けられる人が多い。
Aは、ほんの数人だ。
ちなみにまだDの人は誰一人もいない。
見てるだけで様々な魔法を知る事が出来て
ウルエは正直に言って学園に来て満足している。
魔王城の中に引き籠っていては
絶対に見ることの出来なかったであろう
魔法が沢山間近で見る事が出来て、
振動などを実際に肌で感じることが出来る。
唯一気掛かりな事がある。
それは皆魔法を使う時に
『――!』とか『――、――!』
などウルエには理解出来ない言語を口にするのだ。
一度お義母さんもその言語を口にした事があったが、
それから一度も使わなかった為、
一体何の言語なのか聞きそびれてしまった。
周りを見るに、
皆この謎の言語の事は理解できているらしい。
誰一人として不思議がっている様な表情は浮かべておらず、
皆興味深々で楽しそうに他の人の魔法を見ていた。
少し自分が遅れているのでは無いかと
不安になったが、魔法を使う際に問題は無いので
そこまでは困らないだろうと自分に言い聞かせた。
もし、魔法を使う際の伝統的な儀式だとしても、
田舎に住んでいて知らなかったとか言って
色々と言い訳出来る。
「次は誰かな?」
「それじゃ、俺が行こうかなっと」
そんな事を考えている内に
ゲウヌが手を挙げた。
先ほども言っていたが余程自信があるのだろう、
物凄いどや顔をしながら先生の下へ向かった。
「ゲウヌ=ポッポリだ。
絶賛彼女募集中だぜ!」
「……はい、ゲウヌくん、
早速得意な魔法を見せてくれるかな?」
「おう」
流石はゲウヌだ。
皆の前で何の恥じらいも無く
あんな事を言ってしまうなんて。
しかも先生にも若干引かれているのに
全然気にしてない様だ。
距離を取ったゲウヌは目を瞑り、
聞き取れない程小さな声で何かを呟いた。
すると、ゲウヌの体が光に包まれ、
光が消滅したと思えば、次はゲウヌの体がふわりと浮いていた。
「おぉ、凄いですね、これなら――」
「おっと、先生、俺が得意なのはこれからだぜ」
そういうと、ゲウヌの体はどんどん上昇していき、
凄い高さまで行くと気持ちよさそうに
空中を泳ぐように移動し始めた。
「なんと、浮遊ではなく飛行でしたか、
これなら文句なしのAですね」
空中でどや顔をしながら
此方を見てくるゲウヌ、
物凄くウザいが憎めない。
地上に降り立ち、
ウルエのところまで来ると
「余裕だったぜ、へっへ」
と言ってきた。
物凄くウザい……だけど憎めない。
ぐぬぬ
「いてっ!」
そんなことを思っていると、
ミアが気持ちが良いほどのチョップとかましてくれた。
相当痛かったのだろうゲウヌはのたうち回っている。
「全く、ウザいったらありゃしないわね」
「ははは」
女子とは思えないチョップと
遠慮の無さに思わず苦笑い。
「ウルエ、次、私行こうと思うんだけど
先に行きたい?」
「いや、いいよ。いってらっしゃい」
実は残りはミアとウルエしかいなく、
何方かが最後になるしかないのだ。
本当は一番最後なんて嫌だけど、
此処は少しでも男らしく強がる。
「次、私行きます」
「はい」
「私はミア=フェウリ、
好きなの子は可愛い子、嫌いな子はチャラ男」
「そうなんですか、先生と少し違いますね。
では、得意な魔法をお願いします」
距離を取ったかと思うと、
ミアは他の誰よりも遠くに行った。
ウルエを含めみんながその行動を不思議に思っていると。
ミアが突然此方に向かって手を振り出した。
そして、手を下ろすと同時に、
ミアの体が疾風の如く、
物凄いスピードで先生の前まで移動した。
あまりの速さに先生の髪がぼさぼさになり、
目をまん丸にしていた。
「す、凄いですね、今のは身体強化ですか?」
「いいえ、違います。
私が使ったのは疾風の加護です」
聞いたことも無い単語が飛び出してきて
ウルエの興味は一瞬でミアに向いた。
「なんと、加護を持っていましたか、
ミアさんも文句なしでAですね」
初めて出来た友達二人ともが
Aになってしまい、
早速ウルエだけ外れてしまいそうな不安を
抱きながらウルエは先生の下に向かった。
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
主人公に殺されるゲームの中ボスに転生した僕は主人公とは関わらず、自身の闇落ちフラグは叩き折って平穏に勝ち組貴族ライフを満喫したいと思います
リヒト
ファンタジー
不幸な事故の結果、死んでしまった少年、秋谷和人が転生したのは闇落ちし、ゲームの中ボスとして主人公の前に立ちふさがる貴族の子であるアレス・フォーエンス!?
「いや、本来あるべき未来のために死ぬとかごめんだから」
ゲームの中ボスであり、最終的には主人公によって殺されてしまうキャラに生まれ変わった彼であるが、ゲームのストーリーにおける闇落ちの運命を受け入れず、たとえ本来あるべき未来を捻じ曲げてても自身の未来を変えることを決意する。
何の対策もしなければ闇落ちし、主人公に殺されるという未来が待ち受けているようなキャラではあるが、それさえなければ生まれながらの勝ち組たる権力者にして金持ちたる貴族の子である。
生まれながらにして自分の人生が苦労なく楽しく暮らせることが確定している転生先である。なんとしてでも自身の闇落ちをフラグを折るしかないだろう。
果たしてアレスは自身の闇落ちフラグを折り、自身の未来を変えることが出来るのか!?
「欲張らず、謙虚に……だが、平穏で楽しい最高の暮らしを!」
そして、アレスは自身の望む平穏ライフを手にすることが出来るのか!?
自身の未来を変えようと奮起する少年の異世界転生譚が今始まる!
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