異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト

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二十五話 【クラスアップ】

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「今日の授業は午前中に基礎を学んでもらい、
 午後には早速ダンジョンに潜ってもらおうと思っています」

 てっきり座学系がメインだと思っていたウルエは
 朝一に担任の口からそう発せられて驚いていた。
 座学で学ぶこともあるが、
 体を動かして実際にやってみた方が早いし楽。
 との言うのがこの学園の方針何だが、
 そんな事興味無いのが大半なので知っている者は少ない。

 午前中に基礎を学んでもらうと言うのは
 ウルエにとっては物凄く都合の良い事だった。
 上手い事基礎中の基礎の詠唱も教えてもらおうと言う考えだ。
 
「ちなみに今回は昨日分けたクラスは関係なしでやろうと思いますが
 午後のダンジョンでは昨日のクラス分け通りに別れてもらい
 グループを構成して潜ってもらう予定です」

(昨日のあんな目にあってるから
 あまりダンジョンには行きたくないんだけどなぁ)

 幾らフェルが問題を解決してくれたとはいえ、
 初めてのダンジョンが異常だった為、抵抗感はある。
 何事も初めての体験という物は大切なのだ。
 
 朝のホームルームが終わり早速、
 昨日と同じく室内グラウンドへと向かう。
 道中先輩に絡まれると言った展開は起きずに
 何事も無く無事グラウンドへ辿り着いた。

「基礎か、つまんねぇなぁ」

「そう?すっごく楽しみだけどな~」

 ゲウヌは頭の後ろで手を組み気怠そうに言ったが、
 ウルエにとっては全てが新鮮な事なので
 雑学以外は全てが楽しみなのだ。

「だって基礎だぞ?
 そんな面倒な事なんかよりドカーンと
 魔法をぶっ放した方が楽しいだろ」

「まぁ、そうだけど……基礎も大切だよ?」

「うん、うん、ウルエの言う通りよ」

 確かに自由に魔法をぶっ放した方が楽しいが、
 それは基礎が出来て居なければ危険なのだ。
 幾ら魔法が使えようが確りと理解し操作できなければ行けない。
 無知なウルエでもそれ位のことは分かっている。

「まぁ、授業だから真面目に受けるけどよ……」

「そっか、良かった」

 そんな会話をしているとあっと言う間に休み時間は終わり、
 授業が始まってしまった。
 
「基礎と言っても皆さんは優秀なのでまずは初歩的な、
 ファイアと言う魔法の詠唱を短縮からやりましょう」

(はーい、先生!短縮云々の以前に詠唱の事を教えて欲しいです)

 と心の中で思っているウルエだが、
 流石に皆が居る前でそんな事をいってしまっては、
 確実に浮き馬鹿にされそうな気がし心の中で留めていた。
 
「では、まずはお手本から」

 そう言って先生がやったのは
 ウルエには聞き取れない詠唱を少し呟き、
 小さな炎を掌に出して見せた。

「では皆さんもやってみてください
 一人一人私が回って観ますね」

 そう言って先生は生徒一人一人の前に立って
 詠唱を短縮できるまでマンツーマンでみっちり教えていた。
 そんな光景を見てウルエは小さな溜息を吐いた。

「どうしたんだウルエ、――っと、出来た出来た」

「詠唱出来ないからさ、短縮もなんも出来ないんだよね……」

 溜息に気が付いてウルエに声を掛けつつも
 詠唱を短縮して掌に炎を出すゲウヌ。
 
「ウルエ、前向きに考えるのよ、
 無詠唱を見せつけたらきっとAになれる――とかね?」

「前向きに……」

 確かに詠唱をしないで魔法を発動するという事は
 先生でも難しくそれが出来るのはごく一部に限られる。
 その一部がウルエなのだとしたら、それを見せつけられた先生は
 間違いなくA-からAに上げる、上げざる得なくなるだろう。

 だが、ウルエにとっては詠唱などそもそも必要ないと思って
 今まで生きて来ていた為、無詠唱の凄さが分かっておらず
 それだけでAになれるのかと疑問を抱いていた。

「まぁ、ウルエなら大丈夫よ!それじゃ、次私だから」

「うん、頑張ってね」

「おう、いってこーい」

 ミアの番が終われば次はウルエの番だ。
 若干緊張しつつもミアの事を見守っていたが、
 何の苦戦もせずに問題無く詠唱を短縮出来ており
 先生も満面の笑みだ。

「次はウルエくんですね」

「頑張ってウルエ!」

「お前なら行けるぞ!」

 二人の応援の声が聞こえ自信が沸いてくる。
 ウルエはもう仕方が無いと割り切り
 詠唱?なにそれ?と言った感じに
 ファイアと言う魔法を頭一杯にイメージして具現化した。

 ボウッと掌に炎が現れ、成功したことに一安心すると共に、
 恐る恐る先生の顔を見てみると、
 案の定ぽかんと口を開けており唖然としていた。

「さ、流石ウルエくんですね……
 これはクラスを上げとかないと行けませんね」

「やったなウルエ!」「ウルエ!!」

「う、うん」

 何だかあっさりとクラスが上がってしまい、
 拍子抜けしつつも無詠唱に付いて
 あまり言われなかった事に安心して取り敢えず
 喜んでおくことにした。
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