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五十四点五話 【冒険者ギルド】
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リーゼイ王国の商店街から少し離れた位置に石煉瓦造りの立派な建物があり、
看板には冒険者ギルドと書かれている。
冒険者、それは依頼を出せば報酬次第でどんな魔物でも退治してくれ、
時には掃除などの雑用もやったくれる者達の事だ。
そんな冒険者が集まっているのが冒険者ギルドだ。
ギルドの中には掲示板がありそこに様々な依頼が張り出され、
その紙を持ってカウンターに持っていく事で依頼が受けれる。
簡易的な酒場の様な場所にもなっており、朝から晩まで必ず誰かしら
飲んだり食ったりしている。
冒険者にはランクと言うものがあり、学園と似たような制度で
DからSまでのランクで活躍すればするほどランクがSに近づいていくというわけだ。
冒険者ギルドにSランクであるバロンが足を踏み入れた。
彼がギルド内に現れると皆、彼に向かって挨拶をする。
それほどSランクと言う存在は特別なのだ。
彼は軽く手を振り、カウンターへと向かう。
今回彼が冒険者ギルドにやってきたのは依頼を受ける為ではない。
冒険者ギルドの主、ギルドマスターに呼ばれた為やってきているのだ。
カウンターに行き、そのことを伝えると直ぐにカウンターの中に通され
奥にある部屋へと案内される。
「マスターはこの部屋の中で待っているので、どうぞお入りください」
「ああ、ありがとう」
「いえ!当然の事をしたまでです!」
そう言って受付人がカウンターに戻っていくのを確認してバロンは扉を開ける。
すると彼の目の前にはソファに腰掛ける一人の長い髭を生やしたお爺さんがいた。
彼の名前はマコエイこの冒険者ギルドのマスターだ。
「すまないね、わざわざ来てもらって。そこに腰を下ろしてくれ」
「分かりました」
バロンは言われたとおりにマスターの向かいにあるソファに腰を下ろす。
沈黙が流れるが互いに緊張はしていなかった。
それもそのはずだ、この二人は幾つもの修羅場を生き抜いてきた
周りからは勇者と呼ばれる程の存在なのだから。
「それで、今回君を呼んだ理由は、戦争についてだ」
「戦争ですか、例の竜人族の事ですよね」
「うむ、その事なんだが、戦争が起きると確実に此処の冒険者たちは
戦地へ行くことになるだろう。そこで、提案なんだが……」
例え相手がどの種族だろうと国を護る為に冒険者たちは戦場へとかりだされる。
だが、戦場に向かって絶対戦うという訳では無い。
様子を伺い自国に被害が及ばないと判断した場合は何もせずに引き返すことだってある。
「なんですか?」
「君程腕の立つ冒険者は数少ない。だから君にはギルドマスターの権限を使い
此処に残ってもらいたいと考えているんだ」
ギルドマスターとして彼の事を死なせるわけにはいかないのだ。
バロンほどの実力者を失うのは惜しい。
ランクが高ければ高い程、最前線に行く羽目になり、
Sランクのバロンは当然最前線に行くことになっている。
「マスター、それは出来ませんね」
「そうか……理由を聞いても?」
「はい、私が冒険者になった理由は誰かの力になりたいからです。
誰かの力になってお礼を言われる、それが私が冒険者を続けている理由です。
だから、今回も最前線で戦い皆から感謝されたいんです。
それに、この国には学園もあるでしょう?
あそこには沢山の未来の英雄たちがいるんです、私はそれを護らなければ、
いや護ってやりたいんですよ」
バロンは自分が冒険者を続けているやりがいを話、
今回戦う理由も話した。
それを聞いたマスターは頭を抱え悩んだが、
彼が一度決めた事を曲げるところを見たことはないマスターは
バロンの事を諦めざる得なかった。
「わかった、だが、無理はするなよ」
「はい、絶対に生きて帰ってきますよ
彼が冒険者になるとしたら私は手助けするという約束もあるのでね
では、私は用があるのでこれで失礼します」
バロンはある少年の事を脳裏に浮かべ、冒険者ギルドを後にした。
彼は生まれてから一度も約束を破るということをしたことは無かった。
それかこれからも変わる事はないだろう――
看板には冒険者ギルドと書かれている。
冒険者、それは依頼を出せば報酬次第でどんな魔物でも退治してくれ、
時には掃除などの雑用もやったくれる者達の事だ。
そんな冒険者が集まっているのが冒険者ギルドだ。
ギルドの中には掲示板がありそこに様々な依頼が張り出され、
その紙を持ってカウンターに持っていく事で依頼が受けれる。
簡易的な酒場の様な場所にもなっており、朝から晩まで必ず誰かしら
飲んだり食ったりしている。
冒険者にはランクと言うものがあり、学園と似たような制度で
DからSまでのランクで活躍すればするほどランクがSに近づいていくというわけだ。
冒険者ギルドにSランクであるバロンが足を踏み入れた。
彼がギルド内に現れると皆、彼に向かって挨拶をする。
それほどSランクと言う存在は特別なのだ。
彼は軽く手を振り、カウンターへと向かう。
今回彼が冒険者ギルドにやってきたのは依頼を受ける為ではない。
冒険者ギルドの主、ギルドマスターに呼ばれた為やってきているのだ。
カウンターに行き、そのことを伝えると直ぐにカウンターの中に通され
奥にある部屋へと案内される。
「マスターはこの部屋の中で待っているので、どうぞお入りください」
「ああ、ありがとう」
「いえ!当然の事をしたまでです!」
そう言って受付人がカウンターに戻っていくのを確認してバロンは扉を開ける。
すると彼の目の前にはソファに腰掛ける一人の長い髭を生やしたお爺さんがいた。
彼の名前はマコエイこの冒険者ギルドのマスターだ。
「すまないね、わざわざ来てもらって。そこに腰を下ろしてくれ」
「分かりました」
バロンは言われたとおりにマスターの向かいにあるソファに腰を下ろす。
沈黙が流れるが互いに緊張はしていなかった。
それもそのはずだ、この二人は幾つもの修羅場を生き抜いてきた
周りからは勇者と呼ばれる程の存在なのだから。
「それで、今回君を呼んだ理由は、戦争についてだ」
「戦争ですか、例の竜人族の事ですよね」
「うむ、その事なんだが、戦争が起きると確実に此処の冒険者たちは
戦地へ行くことになるだろう。そこで、提案なんだが……」
例え相手がどの種族だろうと国を護る為に冒険者たちは戦場へとかりだされる。
だが、戦場に向かって絶対戦うという訳では無い。
様子を伺い自国に被害が及ばないと判断した場合は何もせずに引き返すことだってある。
「なんですか?」
「君程腕の立つ冒険者は数少ない。だから君にはギルドマスターの権限を使い
此処に残ってもらいたいと考えているんだ」
ギルドマスターとして彼の事を死なせるわけにはいかないのだ。
バロンほどの実力者を失うのは惜しい。
ランクが高ければ高い程、最前線に行く羽目になり、
Sランクのバロンは当然最前線に行くことになっている。
「マスター、それは出来ませんね」
「そうか……理由を聞いても?」
「はい、私が冒険者になった理由は誰かの力になりたいからです。
誰かの力になってお礼を言われる、それが私が冒険者を続けている理由です。
だから、今回も最前線で戦い皆から感謝されたいんです。
それに、この国には学園もあるでしょう?
あそこには沢山の未来の英雄たちがいるんです、私はそれを護らなければ、
いや護ってやりたいんですよ」
バロンは自分が冒険者を続けているやりがいを話、
今回戦う理由も話した。
それを聞いたマスターは頭を抱え悩んだが、
彼が一度決めた事を曲げるところを見たことはないマスターは
バロンの事を諦めざる得なかった。
「わかった、だが、無理はするなよ」
「はい、絶対に生きて帰ってきますよ
彼が冒険者になるとしたら私は手助けするという約束もあるのでね
では、私は用があるのでこれで失礼します」
バロンはある少年の事を脳裏に浮かべ、冒険者ギルドを後にした。
彼は生まれてから一度も約束を破るということをしたことは無かった。
それかこれからも変わる事はないだろう――
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