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六十九話 【話し合いと酒場】
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「ウルエ、今日の予定は?」
リグロに名前を与えた後フェルはウルエに予定を尋ねた。
ウルエは竜人族の縄を解きながら今日何か予定があったか思い出す。
ちなみに、縄を解いていると言ってもまだ完全に信用は出来ないので、
フェルがリグロに拘束魔法を掛けている。
流石に長時間縄で縛られているのは辛いだろうというウルエの思いやりだ。
「ん~特にないかな……あっ!デヌ爺ちゃんに話を聞くんだった!!」
そう言えば、昨日そんな約束をしていたのを思い出したのだ。
まさか戦争が一日で終わるとは思っても居なかったが、
現に地上には悪魔たちが何時も通りに暮らしており、戦争に行ってきたなどと言っても
誰も信じない程に平和な日常が広がっている。
「そう、そんな約束していたのね……」
「あっ……」
うっかり言ってしまったが、この約束はフェルがまだ寝ている時間帯に
こっそりとしたものだったと言う事を思い出し、もう手遅れだが口を手でふさぐ素振りを見せた。
だが、今日のフェルはそんな事は大して気に留める事はなかった。
「まぁ、いいわ。ウルエ、今日はちょっとお姉ちゃんこの下等種族と話し合いをしたいの。
だからね、寂しいかもしれないけど今日は一人で地上に行ってちょうだいね。
ああ!でもね、話し合いが終わったら直ぐにそっちに向かうから安心してね!!」
「話し合い……うん、わかった!」
果たしてそれは本当に話し合いと言うのだろうか。
暴力という名の話し合いとかだったらと想像してしまうウルエだった。
そんなウルエの想像と現実は違い、フェルは本当に話し合いをしようとしているのだ。
この先、本当にリグロが護衛をしてくれるのか、覚悟はあるのか。
その他にも様々な事を話し合うつもりだ。
「じゃあ、行って来るね!」
「うん、いってらっしゃい!!」
ウルエはリグロが無事でいますようにと祈りを捧げて地上へと向かった。
二人っきりになった部屋では沈黙が流れる。
フェルはウルエがちゃんと行ったのを確認してから口を開き始めた。
「単刀直入に聞くわ、お前は何の為に生きる?」
フェルはその質問をされたら何の躊躇いも無く『ウルエの為に』と答える。
リグロにそんな質問をしたのは、『ウルエの為に』とまでは行かなくとも
それと同等位の気持ちを持っていなければ
ウルエの護衛など勤まらない、いや、させたくないと言う気持ちの現れだ。
「何のためですか……そんな事考えた事無かったですね」
リグロは生まれてから一度も何のために生きているのかなど考えた事も無かった。
そもそも考えた所で何も思いつかなかっただろう。
家族も仲間も居ない竜人族は只々漠然と生き、そのうち死ぬ。
勿論、リグロもそうだった――だが、
「はぁ、やっぱりお前には――」
「今は、少しでもウルエの役に立ちたいって思う私がいますね」
リグロと言う名前を与えてくれ、仲間と呼んでくれた少年の事を彼は
少しでも護ってやりたい、共に歩んでみたい、そんな気持ちが薄っすらと現れていた。
まだもやもやとしている感情だがそれがはっきりと表れる日はそう遠くはないだろう。
「そう……だけどその程度では私はお前を認めないわ。
今すぐにと言うのは無理だが、そのうちお前の覚悟を見せてもらうわ」
「はい」
言葉だけではなく行動でも覚悟を示してもらわなければ信用は出来ない。
「そもそも、お前は護衛する気はあるのか?」
大前提を聞くのを忘れていたフェルは少し失敗したと思ったが、
平然を装って堂々と威圧しながらそう質問した。
「本当はもう存在しないはずの私がいるのはウルエとフェル様のお蔭です。
ならば、次は私の番なのでしょうね。まだ気持ちがもやもやしていますが、
この気持ちがウルエの言う仲間という事なのでしょうか。
良く分かりませんが、この感情を確かめる為にも私はお二人に一生を捧げても良いと思っています」
リグロの心の中で渦巻いている未知の感情を確かめる為ならば
二人に自分の一生を捧げる覚悟はできている。
「護衛でも家事でも何でも、それを望まれるのならば私は全力で応えます」
「……その言葉、少しは信じてみるわ。取り敢えず、当分は雑用をやりなさい」
リグロの言葉に多少心が動かされたフェルは取り敢えず雑用を任せてみることにした。
動かされたと言っても一ミリにも行かない程だ。
雑用と言ってもそれも大切なことだ。
雑用すらも出来ない様ならば護衛など任せられるはずがない。
「ちなみに、ウルエの身近は私がやるから手を出さないで」
「はい、わかりました」
この姉、ちゃっかりと自分の楽しみ――仕事を取られない様に釘を刺している。
「じゃあ、早速、この部屋の掃除を頼むわ。
私はこれからウルエの下に向かうから、
分かっていると思うけど変な事をしたらその頭破裂するわよ?」
これは脅しでは無く本当の事なのだ。
フェルがリグロに掛けた魔法は只の拘束魔法ではなく、
敵対的な行為を取ったら即頭が吹き飛ぶと言う慈悲のかけらもない魔法だ。
「はい」
リグロはこの場から逃げようなど思っても居ないため、
素直に短く返事をして頷いた。
一方のウルエはと言うと、地上に出てデヌ爺ちゃんを探しに外に出ていた。
昨日は外で出会ったから今日も外にいるのではないかと言う事だ。
普通魔王城の中を探したり誰かに行方を聞くべきなのだろうが、
ウルエはアホなのでそんな事思いつきもしなかった。
「ど~こ~だ~」
バラの魔王様に軽く頭を下げて周囲を見渡す。
下級悪魔が彼方此方に見えるがデヌ爺ちゃんの姿は見えない。
「ウルエ、どうしたのですか?」
下級悪魔の一人が困っているウルエを見て声を掛けた。
ちなみに、悪魔たちは階級に関係なくウルエの事を敬称を付けずに呼ぶ。
それはウルエがそうするように皆に伝えているからだ。
出来るだけ皆仲良く平等に、それがウルエの考えだ。
「デヌ爺ちゃん探しているんだけど、見てない?」
「デヌ様ですか、確かベアデ様達と朝から騒いでいましたね。
多分ですがまだ酒場にいると思いますよ」
「酒場!わかった!ありがとね!!」
(朝から酒場でなにしてるんだろう……あそこには行ったこと無かったし丁度良い!!)
この魔王城には酒場もあるのだが、年齢が年齢の為ウルエは一度も訪れた事が無い。
場所は王座の間の隣と言う何とも言えない場所にあるのだ。
何時も王座の間が広いからと言って宴会やら祝杯やらをあげる為、
酒場が近くにあると便利、という理由でつくられたのだ。
ちなみに、ウルエとフェルの為だけにジュースやお菓子、
子供向けの料理も用意されているのだが、
誰もそのことを伝えていないため二人はそのことを知らず、
只々酒臭い大人が行く場所と言う認識しかないのだ。
ウルエは下級悪魔に元気よくお礼を言って酒場へと向かう。
重たい扉を頑張って開くと酒のにおいがぷんぷんと漂い、
一瞬だけくらっとなってしまったウルエだったが、
プルプルと頭を左右に振って意識を保ち酒場へと足を踏み入れていった。
リグロに名前を与えた後フェルはウルエに予定を尋ねた。
ウルエは竜人族の縄を解きながら今日何か予定があったか思い出す。
ちなみに、縄を解いていると言ってもまだ完全に信用は出来ないので、
フェルがリグロに拘束魔法を掛けている。
流石に長時間縄で縛られているのは辛いだろうというウルエの思いやりだ。
「ん~特にないかな……あっ!デヌ爺ちゃんに話を聞くんだった!!」
そう言えば、昨日そんな約束をしていたのを思い出したのだ。
まさか戦争が一日で終わるとは思っても居なかったが、
現に地上には悪魔たちが何時も通りに暮らしており、戦争に行ってきたなどと言っても
誰も信じない程に平和な日常が広がっている。
「そう、そんな約束していたのね……」
「あっ……」
うっかり言ってしまったが、この約束はフェルがまだ寝ている時間帯に
こっそりとしたものだったと言う事を思い出し、もう手遅れだが口を手でふさぐ素振りを見せた。
だが、今日のフェルはそんな事は大して気に留める事はなかった。
「まぁ、いいわ。ウルエ、今日はちょっとお姉ちゃんこの下等種族と話し合いをしたいの。
だからね、寂しいかもしれないけど今日は一人で地上に行ってちょうだいね。
ああ!でもね、話し合いが終わったら直ぐにそっちに向かうから安心してね!!」
「話し合い……うん、わかった!」
果たしてそれは本当に話し合いと言うのだろうか。
暴力という名の話し合いとかだったらと想像してしまうウルエだった。
そんなウルエの想像と現実は違い、フェルは本当に話し合いをしようとしているのだ。
この先、本当にリグロが護衛をしてくれるのか、覚悟はあるのか。
その他にも様々な事を話し合うつもりだ。
「じゃあ、行って来るね!」
「うん、いってらっしゃい!!」
ウルエはリグロが無事でいますようにと祈りを捧げて地上へと向かった。
二人っきりになった部屋では沈黙が流れる。
フェルはウルエがちゃんと行ったのを確認してから口を開き始めた。
「単刀直入に聞くわ、お前は何の為に生きる?」
フェルはその質問をされたら何の躊躇いも無く『ウルエの為に』と答える。
リグロにそんな質問をしたのは、『ウルエの為に』とまでは行かなくとも
それと同等位の気持ちを持っていなければ
ウルエの護衛など勤まらない、いや、させたくないと言う気持ちの現れだ。
「何のためですか……そんな事考えた事無かったですね」
リグロは生まれてから一度も何のために生きているのかなど考えた事も無かった。
そもそも考えた所で何も思いつかなかっただろう。
家族も仲間も居ない竜人族は只々漠然と生き、そのうち死ぬ。
勿論、リグロもそうだった――だが、
「はぁ、やっぱりお前には――」
「今は、少しでもウルエの役に立ちたいって思う私がいますね」
リグロと言う名前を与えてくれ、仲間と呼んでくれた少年の事を彼は
少しでも護ってやりたい、共に歩んでみたい、そんな気持ちが薄っすらと現れていた。
まだもやもやとしている感情だがそれがはっきりと表れる日はそう遠くはないだろう。
「そう……だけどその程度では私はお前を認めないわ。
今すぐにと言うのは無理だが、そのうちお前の覚悟を見せてもらうわ」
「はい」
言葉だけではなく行動でも覚悟を示してもらわなければ信用は出来ない。
「そもそも、お前は護衛する気はあるのか?」
大前提を聞くのを忘れていたフェルは少し失敗したと思ったが、
平然を装って堂々と威圧しながらそう質問した。
「本当はもう存在しないはずの私がいるのはウルエとフェル様のお蔭です。
ならば、次は私の番なのでしょうね。まだ気持ちがもやもやしていますが、
この気持ちがウルエの言う仲間という事なのでしょうか。
良く分かりませんが、この感情を確かめる為にも私はお二人に一生を捧げても良いと思っています」
リグロの心の中で渦巻いている未知の感情を確かめる為ならば
二人に自分の一生を捧げる覚悟はできている。
「護衛でも家事でも何でも、それを望まれるのならば私は全力で応えます」
「……その言葉、少しは信じてみるわ。取り敢えず、当分は雑用をやりなさい」
リグロの言葉に多少心が動かされたフェルは取り敢えず雑用を任せてみることにした。
動かされたと言っても一ミリにも行かない程だ。
雑用と言ってもそれも大切なことだ。
雑用すらも出来ない様ならば護衛など任せられるはずがない。
「ちなみに、ウルエの身近は私がやるから手を出さないで」
「はい、わかりました」
この姉、ちゃっかりと自分の楽しみ――仕事を取られない様に釘を刺している。
「じゃあ、早速、この部屋の掃除を頼むわ。
私はこれからウルエの下に向かうから、
分かっていると思うけど変な事をしたらその頭破裂するわよ?」
これは脅しでは無く本当の事なのだ。
フェルがリグロに掛けた魔法は只の拘束魔法ではなく、
敵対的な行為を取ったら即頭が吹き飛ぶと言う慈悲のかけらもない魔法だ。
「はい」
リグロはこの場から逃げようなど思っても居ないため、
素直に短く返事をして頷いた。
一方のウルエはと言うと、地上に出てデヌ爺ちゃんを探しに外に出ていた。
昨日は外で出会ったから今日も外にいるのではないかと言う事だ。
普通魔王城の中を探したり誰かに行方を聞くべきなのだろうが、
ウルエはアホなのでそんな事思いつきもしなかった。
「ど~こ~だ~」
バラの魔王様に軽く頭を下げて周囲を見渡す。
下級悪魔が彼方此方に見えるがデヌ爺ちゃんの姿は見えない。
「ウルエ、どうしたのですか?」
下級悪魔の一人が困っているウルエを見て声を掛けた。
ちなみに、悪魔たちは階級に関係なくウルエの事を敬称を付けずに呼ぶ。
それはウルエがそうするように皆に伝えているからだ。
出来るだけ皆仲良く平等に、それがウルエの考えだ。
「デヌ爺ちゃん探しているんだけど、見てない?」
「デヌ様ですか、確かベアデ様達と朝から騒いでいましたね。
多分ですがまだ酒場にいると思いますよ」
「酒場!わかった!ありがとね!!」
(朝から酒場でなにしてるんだろう……あそこには行ったこと無かったし丁度良い!!)
この魔王城には酒場もあるのだが、年齢が年齢の為ウルエは一度も訪れた事が無い。
場所は王座の間の隣と言う何とも言えない場所にあるのだ。
何時も王座の間が広いからと言って宴会やら祝杯やらをあげる為、
酒場が近くにあると便利、という理由でつくられたのだ。
ちなみに、ウルエとフェルの為だけにジュースやお菓子、
子供向けの料理も用意されているのだが、
誰もそのことを伝えていないため二人はそのことを知らず、
只々酒臭い大人が行く場所と言う認識しかないのだ。
ウルエは下級悪魔に元気よくお礼を言って酒場へと向かう。
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