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嚆矢濫觴
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25.これぞ自問自答
「改めて、俺は槻木 将輝。将輝で呼んでくれ」
「俺は真白 熊重、俺も熊重で呼んでくれて構わない、よろしくな。」
「よろしく、俺は日野 優。俺も優で構わないです、2人もカフに誘われてここに来たんですか?」
「あぁ、そうだが。別世界の自分なんだから敬語は辞めてくれよ優」
「あ~ありがと、でも敬語は癖になってるから出来れば敬語の方が話しやすいんだ。たまにタメ口も出るから完全に敬語って訳でも無いんだけどね」
「なるほどな、それより俺は優の後ろに侍らせてる美女達が気になるぞ。優はハーレム好きな、いかにもって感じのなろう系主人公だな?」
「えっいやぁ、俺はあんまりなろう系主人公好きじゃないけど何時の間にかこうなってたって言うか…はは。」
「そうは見えないけどなぁ?ははっ冗談だ。所で優は何のラノベが1番好きだ?まさかラノベ読んでないって事は無いよな?」
「俺も一応ラノベは読んでたけど何が1番って言われると少し悩むな…どうして急に?」
「俺達はどうやら違ったラノベで人生観が変わったというか、好きなラノベによって性格が違うらしい。ちなみに俺は『トートケーニヒ』がバイブルだ!」
「へぇ~そうなんだ、トートケーニヒは俺も好き。異世界系のダークファンタジー代表と言っても過言じゃないよな!主人公が人外で決して人間の味方じゃない所や、周りの仲間達が優秀過ぎて内心焦ってるのも面白いよな。漫画やアニメにもなってたし、そういえば映画にもなるんだったよなぁ。」
「そうなんだよ!あの味方には甘く、敵には無慈悲な所とか自分が思ってもないような自体に内心焦ってても運良くチャンスにする所が好きで、特にあの圧倒的な軍事力で蹂躙するのは堪らない…」
「確かに分かる、熊重は何のラノベが好きなの?」
「俺は『召喚されし戦闘狂』だな。」
「あ~懐かしい!トートケーニヒ程認知されてないし、なんなら結構マイナーだけど確かにあれは面白かったな。主人公の思考は絶対に善では無いけど悪と言いきれないし、主人公が関わった全てに良い意味でも悪い意味でも多大な影響を与えてる所とか人の扱いが上手い所や、なんといっても全ての武術に長けてる所がカッコイイよな。」
「その通り、自分のしっかりした芯のある価値観があるが他人の価値観を否定しなかったり、それでいて価値観を突き通すには殺し合いしか無く、命の奪い合いをあそこまで美しく且つ儚くそれでいて心が滾るものと教えてくれたラノベはあの本しか無かった…」
2人の語るラノベは俺の世界にもある本でどちらも内容は俺の知っている通りなようだ。
「それで優はどうしてここに?」
「俺の奴隷達を養う為というか、そんな感じかな。」
「あーなるほど、確かに俺達のいた所でその数の奴隷を養うのは無理だな。」
「そうなんだよ、将輝と熊重は?」
「俺はトートケーニヒみたいな事がしたいからだな!」
「俺も召喚されし戦闘狂に感化されて、儚くも美しい命の奪い合いがしたいからな。」
「トートケーニヒと召喚されし戦闘狂みたいな事って小説通りの事をするの?」
「全く同じという訳じゃないけどな、俺はもうしたい事をしたし更なる強さを求めてカフに連れてきてもらったんだが…そうだ、見てみるか?」
そう言って将輝は何かの道具を取り出した。
「これは?」
「記録保存の魔道具だよ、まぁ見てみろ。」
「これは…」
そこに映し出された映像は
✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂
26.将輝の世界
「あーあー、初めまして俺は今日より魔王国の王になるゼロストロだ。今全世界の電波をジャックさせてもらった、俺はここより全人類に宣戦布告を行う!」
「な、なんだこれは!?おい!一体どうなってる!」
「全世界の電波をジャック?こいつは何を言っている。」
「声だけでは判断しかねるが、若造の様だな。新手のテロか?この放送元を特定しろ」
「何これ?何かのイベント?」
「全世界の電波をジャック(笑)言語の壁はどうするんだよこいつ(笑)」
「あれ自作の仮面か?(笑)厨二病キター!」
「おぉ、いかにもな反応で面白な。俺は今南緯37.5794130, 西経139.3945310に隆起させた大陸から放送している、今から1ヶ月後に日本・アメリカ・ロシア・中国・イギリスに一斉攻撃を仕掛けます。それまでに各自戦闘準備をしていて下さい、それでは1ヶ月後楽しみにしています。」
プツッ
「はぁ~緊張したぁ、これで大丈夫かなカフ?」
「あぁ、翻訳魔法はちゃんと機能していたし、ちゃんと伝わったはずだよ。その証拠にほら」
「中国からミサイルが飛来!迎撃を開始します!」
「ははは!あの国は流石だな、行動力は1番だ。宣戦布告した国にいきなりミサイルは正解と言えば正解だよな」
「そうだね、まぁあんな物脅威でも何でもないけど。」
複数の飛竜が飛び立ちミサイルを撃ち落とす。
「これで少しは警戒してくれるかな?してくれないと困るけど。」
緊急国際会議にて
「今日集まってもらったのは他でもない昨日突如現れた魔王国を名乗るテロ集団による宣戦布告についてだ。」
「なんなのだあれは!我々のミサイルがいとも簡単に撃ち落とされたぞ!」
「それにあの生物…空想上の伝説にあるドラゴンではないか?」
「馬鹿馬鹿しい、そんな物いるはずがなかろう。」
「ではあれは一体?」
「そんな事よりもあの敵性国家にどの様な対処をするべきか。」
「あのテロ集団を国と認めるのか!?」
「いや、そうではないが…」
「そこら辺にして下さい、今は我らが一丸となってあのテロ集団を打ち倒す方法を探すのが目的です。」
「1ヶ月も待たずに各国で軍隊を集結させて攻めればいいでしょう。」
「「「異議なし。」」」
「少しよろしいでしょうか、我ら日本の自衛隊はあくまで自衛目的で存在していますのでこちらから攻撃を仕掛けるのは…」
「これだから日本は!お前らの国も狙われているんだぞ!」
「承知しています、ですのでまずは我らが交渉に出てもよろしいでしょうか?」
「交渉?なにを交渉しようと言うのだ。」
「使者を送り出し相手の求めている物を探しつつ相手の油断を誘います、上手くいけば丸め込む事が出来るかもしれません。そうでなくともこちらが攻撃する口実が欲しいのです」
「ふむ、まぁ我らに害はないから好きにするといい。だが使者が人質に取られたとしても遠慮なく攻撃させてもらうぞ?」
「覚悟の上です。」
「では各国戦争の準備、そして日本は仮称魔王国に使者を送り出し交渉するように。次に計画の詳細を…」
国際会議の一部始終を傍観し終えて俺は笑い出す。
「はははっ!いいねいいね!各国はやる気満々だ、日本は流石平和主義というかなんというか…うーん、どうしようか。」
「日本を最後に攻める計画だったけど最初に攻める?」
「いや…俺の母国だからな、最後にするけど…そうだ!交渉で日本だけは攻撃しない様に纏めるか!そしたら各国から日本が非難されるだろうなぁ」
「将輝…君は母国が好きなのか嫌いなのかどっちなんだい。」
「え?好きでも嫌いでもないぞ、日本人は愛国心とか薄いからな。まぁ人によるだろうけど」
「ふぅん、とりあえず侵略する軍は俺が生み出した魔獣達でいいね?各指揮は指揮特化のゴーレムに任せて。」
「おう、それでお願い。すまんな何もかもカフに頼ってしまって」
「いいよ、俺は面白い事が見たいし。軍事力は有り余ってるからね」
「俺が見たカフの軍団が全体の数%て聞いた時は流石に引いたわ、ほんとカフは何でもありだよな。」
「ははっ何でもありではないけど、自分でも自己複製は有能だなと思うよ。おかげで次元渡りや星渡りが出来て幾らでも軍事力を増やす事が出来たからね」
今回使うカフの軍団の空きも量産しているカフの複製達によってあっという間に補充された、なんなら毎秒何処かの次元や星で軍事拡大しているらしい。どうやって維持しているんだか
「でも、もっと危機感を持ってほしいから各国にそれぞれ魔物を解き放とうか。そうだなぁ…日本にはリッチ小隊を、アメリカには死を運ぶ猟犬を各州バラバラに5体、中国には諸侯の屍を1体、ロシアには冷気の翼竜を中隊、イギリスには山羊頭巨人を5小隊。首都を含む地域に配置してくれ、好きな様に暴れてくれて構わないという旨を伝えて。」
「ふむふむ、了解。比較的弱めな戦力をバラバラに配置するんだね?」
「あぁ、あくまで危機感を持ってほしいだけだから下の上くらいで構わない。だがまぁ、異世界の凶暴な魔物に慣れてないこの世界の国には丁度良いだろ。」
「ならデス・ハウンドは不味くない?あいつら肉体にも魂にも攻撃してくるから生身の人間には天敵だろうし、物理攻撃があんまり効果無いよ。」
「あぁ、デス・ハウンドはちょっとしたパロディというか『トートケーニヒ』で出てくる、そこまで強くないモンスターがたった数体で廃都市にした物語をオマージュしたんだよ。ははっ楽しみだなぁ、まぁ爆炎とかはちゃんと効くし、もしかしたらミサイルの絨毯爆撃で倒せるかもな。」
「あの国に同情するよ…」
そう言いながらもカフは各連絡係に今伝えた魔物を各国へ解き放つ様伝えていた。
イギリスにて
「ば、化け物だぁ!」
「なんだあれ!なんなんだあれ!?」
「やっ山羊の顔した巨人!?」
「いや!助けてぐぼぇ!」グチャ…パキッ…
「「「メ゛ェ゛ェ゛エ゛!゛!゛!゛」」」
ロシアにて
「ドラゴンだと!?」
「はっ!モスクワ上空にて数体のドラゴンらしき生物が飛翔しており、国民や建築物にも被害が出ております!」
「一刻も早くそのドラゴンを撃ち落とすのだ!重火器の無制限使用を許可する!!」
「はっ!!」
「くそっ!あのテロ集団によるものか…?1ヶ月も待たずに攻撃してきてるではないか!!」
中国にて
「お父さんやめて!痛い!いだい!!い゛た゛い゛!!!」
「あなたやめて!我が子を食べないで!!」
「ウ゛カ゛ァ゛ァ゛ァ゛!゛」
「誰か助けてー!」
「こいつらに噛まれるとゾンビになっちまうぞ!」
「頭を潰しても動いてくる!どうにかしてくれぇぇぇ!」
「くくく、さぁ我が子らよ。もっと喰いもっと増えよ!あぁ、この様な褒美を下賜して下さったカフ様に更なる忠誠を!!カフ様に喜んでもらえる様もっと我が子らを増やさなくては…!」
アメリカにて
「タイムズスクエア陥落!生存者がいる確率は絶望的かと!」
「くそ!やりやがったな糞犬め!これ以上被害を拡大させない為にも全軍をもってあの化け物を必殺するのだ!!」
「ワシントンにも同種と思われる化け物が出現!被害が加速度的に上がっています!」
「なんだと!?こんな化け物を2体も相手してられんぞ!!」
「ひっ!に、2体所ではありません…アラスカやテキサス、ラスベガスにも出現したとの報告が…!」
「なんだそれは…ははは、ただでさえ並の銃器が効かず、どれだけ防御を固めていても外傷を与えずに人を殺せる化け物なのにそれが5体…?我々は神の怒りを目の当たりしているのか?」
日本にて
「皆さん!速やかに避難してください!!」
「おい!早く退けよ!」
「ママァ!ママァ!!」
「もうすぐそこまで来ているぞぉ!」
ズガァン!バゴォン!ズガガガガ!
「物理障壁、そんな物じゃ我らの守りは切り抜けられんぞ。火球」
「「「火球」」」
「てっ撤退撤退!一時撤退する!ビルが崩れるぞぉぉぉ!!」
ズズゥゥゥン…
魔王国玉座にて
「ははははは!見ろよ、各国どこも手に追えてないぜ!あっ中国なんて混乱に乗じて内乱まで起こしてるし!面白すぎだろ」
「これは予想以上に効果覿面だね。」
「ははは、はぁ…そうだな。このままどこかの国が滅んでしまいそうな勢いだけど目的は滅ぼす事じゃないからな、1週間後にまだ魔物達が生きてたら呼び戻すか。」
「1週間も放置するんだ…この世界の人達は可哀想だね。」
それから1週間
「世界各国で突如発生した災害級モンスター事変から1週間が経ちました。大暴れしていたモンスターは唐突に消え、しかし決して消えない傷跡だけが世界各地に残されました。各国の首相はこれを大虐殺テロ集団“魔王国"によるものだと声明を出し、テロ集団による虐殺を止める対策に追われています。果たして我々に安寧は訪れるのでしょうか?次のニュースです…」
ぷちっ
「これで世界中の人達は危機感を持っただろうな、日本のリッチとロシアのコールド・ワイバーン、イギリスのフォモール、アメリカのデス・ハウンドの1体は撃破されたが残りは案の定手に負えなかったみたいだな。」
「エミネント・キョンシーの眷族無限感染増殖は時間が経つほどに手が負えなくなるからね、デス・ハウンドの方は1体倒すのに軍の殆どの力を割いちゃったみたいで残りの4体はほぼ放置状態だったよ。」
「おかげで今回の襲撃で出した魔物達は伝説として語り継がれるんだろうな、ははっあいつらが俺らの中で下から数える方が早い弱さだと知ったらどんな顔するんだろうな!」
「さぁね、少なくとも青ざめたりはするんじゃないかな。それよりも後2週間もしない内に日本から使節団が来るんだから会談に向けて計画を立てようよ。」
「対面で話し合うのは苦手だけど、やるしかないか…」
日本の使節団に向けての打ち合わせが始まる。
全世界緊急首脳会議にて
「この会議で集まってもらったのは魔王国から指名された各国の首相だけで無く、全世界の国々で様々な分野の専門家達も招待させて頂いた。奴らが全人類を滅ぼす可能性が高いからだ、まぁ参加しに来ていない国もあるが…我々は今こそ手を取り合わなければいけない!どうか皆の意見を聞かせて欲しい。」
「意見も何も今すぐ核を撃ち込むべきだ!幸いあのテロ集団の本拠地は他国と距離が空いている孤島だ!!あいつらにこれ以上好き勝手させてたまるものか!」
「そーだ!そーだ!」
多数の同意した声が怒りとも焦りとも似つかない声で上げられる。
「しかし、あそこに核を打つとなると今後太平洋の魚が汚染されてしまう可能性が…」
「今そんな事言っている場合か!」
「あんな化け物共を生かしている方が問題だ!」
「むしろ何故核を打たないんだ!」
「静粛に!…確かに核を打つのは名案かもしれませんが、もし相手に核が効かなければ我々だけが被害を受けます。それをお考えで?」
「か、核が効かない生物などいるもんか!それに対応する事など…」
「中国が放ったミサイルがいとも容易く撃墜されたのをお忘れですか?」
「ぐぅ…なっならばどうすれば良いのだ!!」
「それを決める会議なのです。」
「失礼します、我々日本は1週間後に魔王国と呼ばれる孤島に自衛隊と使節団を派遣する予定です、無駄死にするかもしれませんが使節団達は既に覚悟が決まっている為彼らを囮にしてもらっても結構です。」
「日本人特有の犠牲精神ですか…語り継がれてきたいつぞやの特攻隊を彷彿させますな。」
「かけがえの無いものを守る為です。」
「日本の覚悟は分かりました、後は我々の覚悟を決めるときです。日本、ロシア、イギリス、それにアメリカが倒したモンスター達を解剖し情報を共有、必要な資材も惜しみなく提供し合い奴らに有効な武器を製造したいと思いますがどうでしょう?」
「良い案だと思うが、それについて問題が。」
「どうしましたアレクサンドル大統領。」
「我々が倒したドラゴンだが、回収から2日で跡形も無く消えてしまったのだ。」
「な!?それはどういう意味ですか!他国に奪われたという事ですか!?」
「いや、文字通り消えてしまったんだよ。厳重に保管しておいたはずだが…研究の為に死骸に触れていた者によると死体は黒い煙を出しながら蒸発していき、遂には骨すら残さず消えてしまったそうだ。まるでこちらに研究させないかの様に」
「そんな…それでは我々が倒した山羊頭共も…」
敵の余りの用意周到さに誰もが沈黙してしまう。
「…しかしまだ負けた訳ではない。」
「そうだ…!重火器が効いているなら希望はまだある!!」
「超超超上空からの水素爆弾の投下はどうだ?」
「なら全方位からの波状攻撃なども…」
絶望の中から僅かな希望を見つけようと人々は丸々1日必死に意見を挙げて話し合う、それを傍観している者がいるとも知らずに…。
「改めて、俺は槻木 将輝。将輝で呼んでくれ」
「俺は真白 熊重、俺も熊重で呼んでくれて構わない、よろしくな。」
「よろしく、俺は日野 優。俺も優で構わないです、2人もカフに誘われてここに来たんですか?」
「あぁ、そうだが。別世界の自分なんだから敬語は辞めてくれよ優」
「あ~ありがと、でも敬語は癖になってるから出来れば敬語の方が話しやすいんだ。たまにタメ口も出るから完全に敬語って訳でも無いんだけどね」
「なるほどな、それより俺は優の後ろに侍らせてる美女達が気になるぞ。優はハーレム好きな、いかにもって感じのなろう系主人公だな?」
「えっいやぁ、俺はあんまりなろう系主人公好きじゃないけど何時の間にかこうなってたって言うか…はは。」
「そうは見えないけどなぁ?ははっ冗談だ。所で優は何のラノベが1番好きだ?まさかラノベ読んでないって事は無いよな?」
「俺も一応ラノベは読んでたけど何が1番って言われると少し悩むな…どうして急に?」
「俺達はどうやら違ったラノベで人生観が変わったというか、好きなラノベによって性格が違うらしい。ちなみに俺は『トートケーニヒ』がバイブルだ!」
「へぇ~そうなんだ、トートケーニヒは俺も好き。異世界系のダークファンタジー代表と言っても過言じゃないよな!主人公が人外で決して人間の味方じゃない所や、周りの仲間達が優秀過ぎて内心焦ってるのも面白いよな。漫画やアニメにもなってたし、そういえば映画にもなるんだったよなぁ。」
「そうなんだよ!あの味方には甘く、敵には無慈悲な所とか自分が思ってもないような自体に内心焦ってても運良くチャンスにする所が好きで、特にあの圧倒的な軍事力で蹂躙するのは堪らない…」
「確かに分かる、熊重は何のラノベが好きなの?」
「俺は『召喚されし戦闘狂』だな。」
「あ~懐かしい!トートケーニヒ程認知されてないし、なんなら結構マイナーだけど確かにあれは面白かったな。主人公の思考は絶対に善では無いけど悪と言いきれないし、主人公が関わった全てに良い意味でも悪い意味でも多大な影響を与えてる所とか人の扱いが上手い所や、なんといっても全ての武術に長けてる所がカッコイイよな。」
「その通り、自分のしっかりした芯のある価値観があるが他人の価値観を否定しなかったり、それでいて価値観を突き通すには殺し合いしか無く、命の奪い合いをあそこまで美しく且つ儚くそれでいて心が滾るものと教えてくれたラノベはあの本しか無かった…」
2人の語るラノベは俺の世界にもある本でどちらも内容は俺の知っている通りなようだ。
「それで優はどうしてここに?」
「俺の奴隷達を養う為というか、そんな感じかな。」
「あーなるほど、確かに俺達のいた所でその数の奴隷を養うのは無理だな。」
「そうなんだよ、将輝と熊重は?」
「俺はトートケーニヒみたいな事がしたいからだな!」
「俺も召喚されし戦闘狂に感化されて、儚くも美しい命の奪い合いがしたいからな。」
「トートケーニヒと召喚されし戦闘狂みたいな事って小説通りの事をするの?」
「全く同じという訳じゃないけどな、俺はもうしたい事をしたし更なる強さを求めてカフに連れてきてもらったんだが…そうだ、見てみるか?」
そう言って将輝は何かの道具を取り出した。
「これは?」
「記録保存の魔道具だよ、まぁ見てみろ。」
「これは…」
そこに映し出された映像は
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26.将輝の世界
「あーあー、初めまして俺は今日より魔王国の王になるゼロストロだ。今全世界の電波をジャックさせてもらった、俺はここより全人類に宣戦布告を行う!」
「な、なんだこれは!?おい!一体どうなってる!」
「全世界の電波をジャック?こいつは何を言っている。」
「声だけでは判断しかねるが、若造の様だな。新手のテロか?この放送元を特定しろ」
「何これ?何かのイベント?」
「全世界の電波をジャック(笑)言語の壁はどうするんだよこいつ(笑)」
「あれ自作の仮面か?(笑)厨二病キター!」
「おぉ、いかにもな反応で面白な。俺は今南緯37.5794130, 西経139.3945310に隆起させた大陸から放送している、今から1ヶ月後に日本・アメリカ・ロシア・中国・イギリスに一斉攻撃を仕掛けます。それまでに各自戦闘準備をしていて下さい、それでは1ヶ月後楽しみにしています。」
プツッ
「はぁ~緊張したぁ、これで大丈夫かなカフ?」
「あぁ、翻訳魔法はちゃんと機能していたし、ちゃんと伝わったはずだよ。その証拠にほら」
「中国からミサイルが飛来!迎撃を開始します!」
「ははは!あの国は流石だな、行動力は1番だ。宣戦布告した国にいきなりミサイルは正解と言えば正解だよな」
「そうだね、まぁあんな物脅威でも何でもないけど。」
複数の飛竜が飛び立ちミサイルを撃ち落とす。
「これで少しは警戒してくれるかな?してくれないと困るけど。」
緊急国際会議にて
「今日集まってもらったのは他でもない昨日突如現れた魔王国を名乗るテロ集団による宣戦布告についてだ。」
「なんなのだあれは!我々のミサイルがいとも簡単に撃ち落とされたぞ!」
「それにあの生物…空想上の伝説にあるドラゴンではないか?」
「馬鹿馬鹿しい、そんな物いるはずがなかろう。」
「ではあれは一体?」
「そんな事よりもあの敵性国家にどの様な対処をするべきか。」
「あのテロ集団を国と認めるのか!?」
「いや、そうではないが…」
「そこら辺にして下さい、今は我らが一丸となってあのテロ集団を打ち倒す方法を探すのが目的です。」
「1ヶ月も待たずに各国で軍隊を集結させて攻めればいいでしょう。」
「「「異議なし。」」」
「少しよろしいでしょうか、我ら日本の自衛隊はあくまで自衛目的で存在していますのでこちらから攻撃を仕掛けるのは…」
「これだから日本は!お前らの国も狙われているんだぞ!」
「承知しています、ですのでまずは我らが交渉に出てもよろしいでしょうか?」
「交渉?なにを交渉しようと言うのだ。」
「使者を送り出し相手の求めている物を探しつつ相手の油断を誘います、上手くいけば丸め込む事が出来るかもしれません。そうでなくともこちらが攻撃する口実が欲しいのです」
「ふむ、まぁ我らに害はないから好きにするといい。だが使者が人質に取られたとしても遠慮なく攻撃させてもらうぞ?」
「覚悟の上です。」
「では各国戦争の準備、そして日本は仮称魔王国に使者を送り出し交渉するように。次に計画の詳細を…」
国際会議の一部始終を傍観し終えて俺は笑い出す。
「はははっ!いいねいいね!各国はやる気満々だ、日本は流石平和主義というかなんというか…うーん、どうしようか。」
「日本を最後に攻める計画だったけど最初に攻める?」
「いや…俺の母国だからな、最後にするけど…そうだ!交渉で日本だけは攻撃しない様に纏めるか!そしたら各国から日本が非難されるだろうなぁ」
「将輝…君は母国が好きなのか嫌いなのかどっちなんだい。」
「え?好きでも嫌いでもないぞ、日本人は愛国心とか薄いからな。まぁ人によるだろうけど」
「ふぅん、とりあえず侵略する軍は俺が生み出した魔獣達でいいね?各指揮は指揮特化のゴーレムに任せて。」
「おう、それでお願い。すまんな何もかもカフに頼ってしまって」
「いいよ、俺は面白い事が見たいし。軍事力は有り余ってるからね」
「俺が見たカフの軍団が全体の数%て聞いた時は流石に引いたわ、ほんとカフは何でもありだよな。」
「ははっ何でもありではないけど、自分でも自己複製は有能だなと思うよ。おかげで次元渡りや星渡りが出来て幾らでも軍事力を増やす事が出来たからね」
今回使うカフの軍団の空きも量産しているカフの複製達によってあっという間に補充された、なんなら毎秒何処かの次元や星で軍事拡大しているらしい。どうやって維持しているんだか
「でも、もっと危機感を持ってほしいから各国にそれぞれ魔物を解き放とうか。そうだなぁ…日本にはリッチ小隊を、アメリカには死を運ぶ猟犬を各州バラバラに5体、中国には諸侯の屍を1体、ロシアには冷気の翼竜を中隊、イギリスには山羊頭巨人を5小隊。首都を含む地域に配置してくれ、好きな様に暴れてくれて構わないという旨を伝えて。」
「ふむふむ、了解。比較的弱めな戦力をバラバラに配置するんだね?」
「あぁ、あくまで危機感を持ってほしいだけだから下の上くらいで構わない。だがまぁ、異世界の凶暴な魔物に慣れてないこの世界の国には丁度良いだろ。」
「ならデス・ハウンドは不味くない?あいつら肉体にも魂にも攻撃してくるから生身の人間には天敵だろうし、物理攻撃があんまり効果無いよ。」
「あぁ、デス・ハウンドはちょっとしたパロディというか『トートケーニヒ』で出てくる、そこまで強くないモンスターがたった数体で廃都市にした物語をオマージュしたんだよ。ははっ楽しみだなぁ、まぁ爆炎とかはちゃんと効くし、もしかしたらミサイルの絨毯爆撃で倒せるかもな。」
「あの国に同情するよ…」
そう言いながらもカフは各連絡係に今伝えた魔物を各国へ解き放つ様伝えていた。
イギリスにて
「ば、化け物だぁ!」
「なんだあれ!なんなんだあれ!?」
「やっ山羊の顔した巨人!?」
「いや!助けてぐぼぇ!」グチャ…パキッ…
「「「メ゛ェ゛ェ゛エ゛!゛!゛!゛」」」
ロシアにて
「ドラゴンだと!?」
「はっ!モスクワ上空にて数体のドラゴンらしき生物が飛翔しており、国民や建築物にも被害が出ております!」
「一刻も早くそのドラゴンを撃ち落とすのだ!重火器の無制限使用を許可する!!」
「はっ!!」
「くそっ!あのテロ集団によるものか…?1ヶ月も待たずに攻撃してきてるではないか!!」
中国にて
「お父さんやめて!痛い!いだい!!い゛た゛い゛!!!」
「あなたやめて!我が子を食べないで!!」
「ウ゛カ゛ァ゛ァ゛ァ゛!゛」
「誰か助けてー!」
「こいつらに噛まれるとゾンビになっちまうぞ!」
「頭を潰しても動いてくる!どうにかしてくれぇぇぇ!」
「くくく、さぁ我が子らよ。もっと喰いもっと増えよ!あぁ、この様な褒美を下賜して下さったカフ様に更なる忠誠を!!カフ様に喜んでもらえる様もっと我が子らを増やさなくては…!」
アメリカにて
「タイムズスクエア陥落!生存者がいる確率は絶望的かと!」
「くそ!やりやがったな糞犬め!これ以上被害を拡大させない為にも全軍をもってあの化け物を必殺するのだ!!」
「ワシントンにも同種と思われる化け物が出現!被害が加速度的に上がっています!」
「なんだと!?こんな化け物を2体も相手してられんぞ!!」
「ひっ!に、2体所ではありません…アラスカやテキサス、ラスベガスにも出現したとの報告が…!」
「なんだそれは…ははは、ただでさえ並の銃器が効かず、どれだけ防御を固めていても外傷を与えずに人を殺せる化け物なのにそれが5体…?我々は神の怒りを目の当たりしているのか?」
日本にて
「皆さん!速やかに避難してください!!」
「おい!早く退けよ!」
「ママァ!ママァ!!」
「もうすぐそこまで来ているぞぉ!」
ズガァン!バゴォン!ズガガガガ!
「物理障壁、そんな物じゃ我らの守りは切り抜けられんぞ。火球」
「「「火球」」」
「てっ撤退撤退!一時撤退する!ビルが崩れるぞぉぉぉ!!」
ズズゥゥゥン…
魔王国玉座にて
「ははははは!見ろよ、各国どこも手に追えてないぜ!あっ中国なんて混乱に乗じて内乱まで起こしてるし!面白すぎだろ」
「これは予想以上に効果覿面だね。」
「ははは、はぁ…そうだな。このままどこかの国が滅んでしまいそうな勢いだけど目的は滅ぼす事じゃないからな、1週間後にまだ魔物達が生きてたら呼び戻すか。」
「1週間も放置するんだ…この世界の人達は可哀想だね。」
それから1週間
「世界各国で突如発生した災害級モンスター事変から1週間が経ちました。大暴れしていたモンスターは唐突に消え、しかし決して消えない傷跡だけが世界各地に残されました。各国の首相はこれを大虐殺テロ集団“魔王国"によるものだと声明を出し、テロ集団による虐殺を止める対策に追われています。果たして我々に安寧は訪れるのでしょうか?次のニュースです…」
ぷちっ
「これで世界中の人達は危機感を持っただろうな、日本のリッチとロシアのコールド・ワイバーン、イギリスのフォモール、アメリカのデス・ハウンドの1体は撃破されたが残りは案の定手に負えなかったみたいだな。」
「エミネント・キョンシーの眷族無限感染増殖は時間が経つほどに手が負えなくなるからね、デス・ハウンドの方は1体倒すのに軍の殆どの力を割いちゃったみたいで残りの4体はほぼ放置状態だったよ。」
「おかげで今回の襲撃で出した魔物達は伝説として語り継がれるんだろうな、ははっあいつらが俺らの中で下から数える方が早い弱さだと知ったらどんな顔するんだろうな!」
「さぁね、少なくとも青ざめたりはするんじゃないかな。それよりも後2週間もしない内に日本から使節団が来るんだから会談に向けて計画を立てようよ。」
「対面で話し合うのは苦手だけど、やるしかないか…」
日本の使節団に向けての打ち合わせが始まる。
全世界緊急首脳会議にて
「この会議で集まってもらったのは魔王国から指名された各国の首相だけで無く、全世界の国々で様々な分野の専門家達も招待させて頂いた。奴らが全人類を滅ぼす可能性が高いからだ、まぁ参加しに来ていない国もあるが…我々は今こそ手を取り合わなければいけない!どうか皆の意見を聞かせて欲しい。」
「意見も何も今すぐ核を撃ち込むべきだ!幸いあのテロ集団の本拠地は他国と距離が空いている孤島だ!!あいつらにこれ以上好き勝手させてたまるものか!」
「そーだ!そーだ!」
多数の同意した声が怒りとも焦りとも似つかない声で上げられる。
「しかし、あそこに核を打つとなると今後太平洋の魚が汚染されてしまう可能性が…」
「今そんな事言っている場合か!」
「あんな化け物共を生かしている方が問題だ!」
「むしろ何故核を打たないんだ!」
「静粛に!…確かに核を打つのは名案かもしれませんが、もし相手に核が効かなければ我々だけが被害を受けます。それをお考えで?」
「か、核が効かない生物などいるもんか!それに対応する事など…」
「中国が放ったミサイルがいとも容易く撃墜されたのをお忘れですか?」
「ぐぅ…なっならばどうすれば良いのだ!!」
「それを決める会議なのです。」
「失礼します、我々日本は1週間後に魔王国と呼ばれる孤島に自衛隊と使節団を派遣する予定です、無駄死にするかもしれませんが使節団達は既に覚悟が決まっている為彼らを囮にしてもらっても結構です。」
「日本人特有の犠牲精神ですか…語り継がれてきたいつぞやの特攻隊を彷彿させますな。」
「かけがえの無いものを守る為です。」
「日本の覚悟は分かりました、後は我々の覚悟を決めるときです。日本、ロシア、イギリス、それにアメリカが倒したモンスター達を解剖し情報を共有、必要な資材も惜しみなく提供し合い奴らに有効な武器を製造したいと思いますがどうでしょう?」
「良い案だと思うが、それについて問題が。」
「どうしましたアレクサンドル大統領。」
「我々が倒したドラゴンだが、回収から2日で跡形も無く消えてしまったのだ。」
「な!?それはどういう意味ですか!他国に奪われたという事ですか!?」
「いや、文字通り消えてしまったんだよ。厳重に保管しておいたはずだが…研究の為に死骸に触れていた者によると死体は黒い煙を出しながら蒸発していき、遂には骨すら残さず消えてしまったそうだ。まるでこちらに研究させないかの様に」
「そんな…それでは我々が倒した山羊頭共も…」
敵の余りの用意周到さに誰もが沈黙してしまう。
「…しかしまだ負けた訳ではない。」
「そうだ…!重火器が効いているなら希望はまだある!!」
「超超超上空からの水素爆弾の投下はどうだ?」
「なら全方位からの波状攻撃なども…」
絶望の中から僅かな希望を見つけようと人々は丸々1日必死に意見を挙げて話し合う、それを傍観している者がいるとも知らずに…。
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