追放された技術士《エンジニア》は破壊の天才です~仲間の武器は『直して』超強化! 敵の武器は『壊す』けどいいよね?~

いちまる

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雪山と大鋸の騎士

消えたフレイヤ

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 祭りの後には、片付けが待っている。
 ホープ・タウンの平和を祝う宴会も同じで、探索者達が飲んで歌って大騒ぎした後は、エクスペディション・ギルドのスタッフ総出の大掃除が行われていた。
 酒瓶を集め、テーブルを整え、カウンターに書類を並べ直す。陽もすっかり昇ったが、この調子なら昼間には、いつもの集会所としての機能を取り戻すだろう。
 ただ、掃除する面々の中に、二人だけ探索者が混じっていた。

「まったく、どうしてあたしが集会所の掃除なんかしないといけないのよ」

 『クリス・オーダー』のカムナとリゼットだ。
 金と銀の髪をぼさぼさにして、どこか眠たそうな様子で椅子を運んだり、テーブルを拭いたりする二人がどうしてスタッフや受付嬢と一緒に掃除をしているのかというと、昨日の夜からの大喧嘩が原因だ。

「当然ですわ。そこのテーブルと椅子、ついでにカウンターの一部も、全部貴女が壊したのですもの。むしろ、わたくしが手伝わされているのに納得いきませんわ」
「当たり前でしょ。あそこのシャンデリアを落として、窓をぶち破ったのはあんたじゃない」

 実はこの二人、クリスに叱られてなお、口喧嘩や取っ組み合いをやめなかったのだ。それこそクリスが呆れても、周りが止めても、眠気が勝るまで喧嘩がたびたび発生した。
 その結果、彼女達は本部の一部を見事に壊してしまった。ローズマリー本部長が二人に怒らないはずがなく、宿や自宅に帰っていった探索者達の中で彼女達だけを残して、こうして掃除を手伝わせていた。
 ただ、この二人を残してしまったのは、あまり良くない判断だ。

「ちぇっ、負け犬幽霊のやっかみでクリスに怒られるし、掃除までさせられるし、ほんとーに最悪よ。あんたが大人しく負けを認めてれば、こうはならなかったわよ」

 なんせ、カムナのどのセリフがリゼットの琴線に触れるか、まるで分らないのだから。

「はあぁ~? わたくしが、いつ、脳みそ筋肉チビに負けたですってぇ~?」
「いつどころか毎回負けてるでしょ、エセお嬢様! というか、チビって言うならあんたの方がチビでしょ! 胸もあたしよりちっさいし!」
「こっちはこれから成長するんですわ!」
「するわけないでしょ、幽霊なんだから!」

 こうなると、昨日の騒動の繰り返しである。
 二人とも掃除用具を投げ飛ばし、それぞれナイフと拳を構える。

「やるかってんですわ!」
「上等よ、表に出なさい!」

 これ以上まだ本部を破壊するつもりか、と思った一同がカムナとリゼットを引き留めようとしたが、幸いにも彼ら、彼女らが慌てる心配はなかった。

「こーら、二人とも! 喧嘩はやめなさぁい!」

 集会所中に響く鋭い声を聞いて、二人はぴたりと手を止めた。
 たった一言でカムナ達を制止したのは、奥のテーブルで家具のカタログに目を通しているローズマリーだ。彼女達が破壊した椅子の代わりを探しているところだったが、二人があまりにもうるさいので、とうとう釘をさすことを決めたのだ。

「ちっとも懲りてないんだから……これ以上ギルドの所有物を壊すなら、クリスちゃんに言いつけてあんた達をバラバラにしてもらうわよぉ。嫌ならさっさと掃除に戻りなさぁい」
「はーい……」
「はーい、ですわ」

 ローズマリーの忠告でも、二人は一応掃除に戻る。だが、本質的にはクリスに何かをされる、ひいてはクリスに嫌われたくないと思うから、掃除をするのである。
 こんな頑固者達に好意を寄せられ、従わせられるクリスという男の度量はいかほどか。

「やれやれ、クリスちゃんの苦労が分かっちゃうわねぇ――」

 改めて彼に同情したローズマリーが、頬杖をついてカタログをめくった。
 ――すると、外がほんの少しだけ騒がしくなった。
 ローズマリーの耳がわずかに動き、掃除をする者達の手が止まった時だった。

「――カムナ、リゼット!」

 集会所の扉を乱暴に開き、クリスが入ってきた。
 いつもの彼らしくない登場に、思わずローズマリーはカタログを閉じて彼に目を向けた。カムナとリゼットを呼んだ彼の顔は、今まで見たこともないほど焦っていた。

「クリス!」
「どうしたのですか、クリス様? そんなに息を荒げて、何が……」

 掃除用具をまたも投げ捨てた二人を見つけたクリスは、どかどかと彼女達に近寄ると、妙にぎらついた目で彼女達に問いかけた。

「フレイヤを! フレイヤを、どこかで見なかったか!?」

 カムナ達は喧嘩をしていたのも忘れ、互いに顔を見合わせた。

「フレイヤ? ううん、あたしは見てないわ。というか、てっきりクリスと一緒にどこかに行ってると思ってたんだけど?」
「わたくしもですわ。そうでなければ、酔ったままどこかで眠りこけているのでは……」

 そう答えると、クリスは物凄い形相で二人の肩を掴んだ。
 普段なら彼に触れられるだけで喜ぶカムナとリゼットだが、今ばかりは違った。あまりに異様な様相を目の当たりにして、顔にわずかな恐れすら浮かべていた。

「違う、そうじゃないんだ! 俺もそう思ったけど違う、フレイヤのいそうなところを探したけど、どこにもいなくて、もうここぐらいしか思い当たらなくて!」

 そんな二人の態度など無視して叫ぶクリスだったが、とうとう横やりが入った。

「落ち着きなさい、クリスちゃん。二人とも、周りの皆も驚いてるわ」

 ローズマリーがいつの間にかクリスの隣に来て、彼の肩を掴んでいたのだ。
 厳めしい声と同じくらい強い力で、彼は肩を握られていた。それが単なる諫めの意味を持つだけでなく、半ば警告を孕んでいると気づけないほど、クリスも間抜けではなかった。
 カムナ達が目を点にしているのも、カウンターで作業に勤しんでいた受付嬢達が怯えた調子でこちらを見ているのも、クリスはやっと察した。それから、自分が乱暴な行いをしたのを恥じるように、二人から手を離した。

「……すみません、本部長。つい、気が動転して……」

 彼は少しだけ俯いてから顔を上げ、複雑な面持ちのまま、右手を突き出した。

「フレイヤがいなくなったんだ。手紙と『グレイヴ』を残して、街から出て行った」

 その手には、くしゃくしゃになった一枚の手紙が握られていた。
 クリスがそう告げると、集会所中に静寂が奔った。
 誰も騒がず、言及もしなかった。フレイヤがいきなり蒸発するような人間ではないと思っていたし、何よりそんな不義理をするような人間ではもっとない。仲間でなくとも、彼女のふるまいを知る者からすれば、到底信じられなかった。
 周囲の人々ですらこうなのだから、カムナとリゼットの反応はもっと大きかった。半ば現実を受け止め切れてすらいない調子で、双方ともに茫然としていた。

「……まさか、嘘でしょ」
「信じられませんわ……宿にも、いませんでしたの?」

 二人の問いに、クリスは首を横に振った。

「宿の部屋に、これと武器アームズが置いてあった。街中聞きまわったけど、誰も見てないらしいし、どこに行ったかまるで見当がつかないんだ」

 ここまで言って、やっと二人の間に、フレイヤの失踪がリアルとして落とし込まれた。信じられない事態ではあるが、まぎれもない真実であるのは、疑いようがなかった。

「……手紙、読ませてちょうだい」

 クリスは小さく頷くと、カムナに手紙を渡した。
 彼から手紙を受け取ったカムナは、静かに折られた紙を開いた。
 中に記されていた文章は達筆で、まぎれもなくフレイヤのそれだった。
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