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雪山と大鋸の騎士
解ける封印
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翌日の明朝、日光が照り返す雪道を進むトロッコがあった。
カタカタと音を鳴らして走るそれに乗っているのは、当然クリス一行だ。
四人で怪物を討伐すると決めた一同は、武器やそれ以外の道具――封印に使うアイテムを複数準備し、トロッコに詰め込んで出発した。山を登るトロッコにはまだ慣れなかったが、移動するにあたり、これ以上に便利なものもないだろう。
事実、一行はヴィノーの街を発ってからすぐに、トロッコの終着点に辿り着いた。
「……ここだ。ここが、『白氷騎』を封印した洞窟だ」
四人がトロッコを下りた先に鎮座していたのは、暗く湿った洞窟の入口だった。
奥が見えないほど暗く、象がくぐれるほど広い。周囲は雪が積もっているのに、この入り口周りだけが岩肌を露出しているのも、不気味さを一層醸し出していた。
「この奥に、封印された怪物がいるのね?」
「私も直接ここに出向くのは、戻ってきてから初めてだ。だが、それは間違いないだろう」
さらりとカムナの問いに答えたフレイヤは、『グレイヴ』を背負ったまま、洞窟の中に入っていった。躊躇いのない足取りを見て、クリス達も彼女について行った。
洞窟の中は暗かったが、入り口辺りは外から差し込む日光のおかげで視界が保持されていた。クリスももちろん、明かりになるものを持ってきていたが、不意に壁から音がしたかと思うと、奥の通路まで続く壁の松明に、一気に火が灯った。
きっと、フレイヤの存在に火が反応したのだろうとクリスは思った。
「通路の松明も、封印に影響してるのかな?」
「すべて父上の封印の炎で灯されている。見ての通り、相当弱まっているがな」
「あまり悠長にはしていられませんわね……」
言われてみれば確かに、松明の灯りは、足元を見ることすら心もとない。
外よりもずっと冷たい洞窟の道を温め、明るくするほどでもないそれが、持ち主の力の弱化の証であるのは明白だった。
そんな石畳の道を歩き進めるうち、思ったよりも早く、闇が晴れてきた。
「クリス様、あれを!」
足を止めた四人の目に飛び込んできたのは、闘技場の如き広間と、中央に鎮座する氷の結晶。そして、その中にある黒い塊だった。
切り開かれた洞窟の天井、そこから差し込む日光に照らされた氷は、思わず見とれるほどに美しかった。中にいるのが恐るべき怪物でなければ、芸術品とすら認識しただろう。
「こいつが『白氷騎』……!」
誰が説明せずとも、全員が悟った。これこそが、封印された怪物なのだと。
「でかい……魔獣なんてサイズじゃないわね、これ……」
「まだ氷の中にいるうちに破壊しよう。カムナ、フレイヤ、一気に攻撃を――」
早々に攻撃を始めようとしたクリスだったが、そうはいかなかった。
なぜなら、低い唸り声と共に、洞窟の影から氷のオオカミが現れたからだ。
しかもその数は、道中で遭遇した三匹どころではない。どこに隠れていたのかと驚くほどの群れが、結晶を守るかのように、クリス達に牙を剥いて飛びかかってきた。
「やはり使い魔も来たか! 皆、迎撃するぞッ!」
もっとも、これくらいの災難は織り込み済みだ。
フレイヤがいの一番に大鋸に手をかけたが、一行はフレイヤを攻めさせないように囲んだ。そして、クリス達は同時に武器を構え、それぞれと背中合わせになり、敵を迎撃した。
「クリスが発熱機能を追加してくれた、新しいあたしの腕! 『烈火神威拳』なら、使い魔も一撃よ!」
大口を開けて噛みつこうとするオオカミの顔面に、カムナが拳を叩き込むと、使い魔の顔が焼け爛れた。顔が溶けた使い魔はよろよろと倒れ込むと、そのまま地面に消えた。
分厚い上着を脱いだカムナの両腕は、赤く染まっていた。近くにいるだけで火傷してしまいそうなほどの熱を発するこの機能は、クリスが昨夜、バルディに用意してもらった素材だけで追加した、炎熱を発する能力だ。
深紅の拳を振るうカムナと、超高温を持つツール『焔』で敵を斬るクリス。
使い魔の数は多かったが、アタッカーはこの二人で十分だった。
「癪ですけど、カムナとクリス様に攻撃を任せるのが一番ですわね! だったらわたくしは、敵の捕縛に集中しますわ!」
しかもこちらには、武器を破壊する以外での敵の攻撃が一切通じず、透ける鎖で相手の動きを完全に封じるサポーター、リゼットがいるのだ。
彼女は雪道での戦いと同じように、今度は七匹の使い魔を縛り上げた。透過した鎖は、彼女の意志で一度元の姿を取り戻すと、堅固な鉄で敵を雁字搦めにする。
「二人とも、一気にやっちゃってくださいまし!」
リゼットの声とともに、カムナとクリスが一斉に飛び出した。
「オッケー! 燃えろ、あたしの拳ッ!」
「オロックリン流解体術壱式『乙型』――『紅蓮陽炎』ッ!」
燃える剣と拳、二つの攻撃が、使い魔を完全に破壊した。
並び立つ二人の傍で溶け、消滅していくオオカミを見て、フレイヤは感心した。
「使い魔をこうも簡単に撃破するとは……私の出番がないな、これでは」
熱を払うようにツールを振り、クリスは笑顔を見せた。
「フレイヤはこの中で唯一封印術を使えるんだ、無理に前線に出て傷つく必要はないよ。敵は倒すつもりでいるけど、いざという時には君の力が一番頼りになるからね」
優しい言葉が、フレイヤの心臓に刺さった。
「……いざという時には、か」
「……?」
「いいや、何でもない。それよりもまだ敵はいるぞ、油断は――」
三人に話していない決意を再確認したフレイヤの言う通り、使い魔はまだ闇の中からギラリと目を光らせている。うち数匹はもう、一行に狙いを定めている。
本丸を討つべく、雑魚を蹴散らさんともう一度武器を握り締めたクリスだったが、オオカミ達は襲い掛かってこなかった。代わりに、信じられないことが起きた。
『――久しいな、吾輩の眷属を倒す者が現れるとは』
なんと、オオカミのうち一匹が口を開け、声を発したのだ。
しかも自分達にも通じる言葉で、流暢に喋ってみせた。もちろん、会話をしないと確定したわけではなかったが、これまで唸り声しか聞かなかった一同が驚くのは当然だった。
「なッ!?」
「使い魔が喋った!?」
カムナ達どころか、フレイヤも驚愕したが、クリスだけは本質を見抜いていた。
「違う……これが喋ったんじゃない。こいつを介して、奴が喋っているんだ」
クリスはオオカミを見ず、氷の中を見据えた。
美しい結晶の中で、黒い何かが胎動するのに応えるように、使い魔は口を開いた。
『いや、待っておったぞ。随分と暇を持て余していた』
荘厳で、どこか年老いた男を想起させる声。厳粛で、凛と澄んだ声。
「何言ってんの、こいつ……暇って、どういう意味よ……!」
カムナを含め、その声の出所を他の三人が理解すると、フレイヤの目が見開いた。
「……クリス君、私は勘違いをしていた」
「勘違い?」
クリスが問い返すのと同時に、彼女も結晶を睨んだ。
氷の端から、みしり、と嫌な音が響いた。
何が起きているのか、起きようとしているのか――この音だけで、説明は十分だった。
「奴は封印を解きかけているんじゃない――もう、解いているんだッ!」
フレイヤの声と共に、氷に巨大なひびが入った。
そして、凄まじい音と共に、四人の眼前で氷が真っ二つに砕けた。
カタカタと音を鳴らして走るそれに乗っているのは、当然クリス一行だ。
四人で怪物を討伐すると決めた一同は、武器やそれ以外の道具――封印に使うアイテムを複数準備し、トロッコに詰め込んで出発した。山を登るトロッコにはまだ慣れなかったが、移動するにあたり、これ以上に便利なものもないだろう。
事実、一行はヴィノーの街を発ってからすぐに、トロッコの終着点に辿り着いた。
「……ここだ。ここが、『白氷騎』を封印した洞窟だ」
四人がトロッコを下りた先に鎮座していたのは、暗く湿った洞窟の入口だった。
奥が見えないほど暗く、象がくぐれるほど広い。周囲は雪が積もっているのに、この入り口周りだけが岩肌を露出しているのも、不気味さを一層醸し出していた。
「この奥に、封印された怪物がいるのね?」
「私も直接ここに出向くのは、戻ってきてから初めてだ。だが、それは間違いないだろう」
さらりとカムナの問いに答えたフレイヤは、『グレイヴ』を背負ったまま、洞窟の中に入っていった。躊躇いのない足取りを見て、クリス達も彼女について行った。
洞窟の中は暗かったが、入り口辺りは外から差し込む日光のおかげで視界が保持されていた。クリスももちろん、明かりになるものを持ってきていたが、不意に壁から音がしたかと思うと、奥の通路まで続く壁の松明に、一気に火が灯った。
きっと、フレイヤの存在に火が反応したのだろうとクリスは思った。
「通路の松明も、封印に影響してるのかな?」
「すべて父上の封印の炎で灯されている。見ての通り、相当弱まっているがな」
「あまり悠長にはしていられませんわね……」
言われてみれば確かに、松明の灯りは、足元を見ることすら心もとない。
外よりもずっと冷たい洞窟の道を温め、明るくするほどでもないそれが、持ち主の力の弱化の証であるのは明白だった。
そんな石畳の道を歩き進めるうち、思ったよりも早く、闇が晴れてきた。
「クリス様、あれを!」
足を止めた四人の目に飛び込んできたのは、闘技場の如き広間と、中央に鎮座する氷の結晶。そして、その中にある黒い塊だった。
切り開かれた洞窟の天井、そこから差し込む日光に照らされた氷は、思わず見とれるほどに美しかった。中にいるのが恐るべき怪物でなければ、芸術品とすら認識しただろう。
「こいつが『白氷騎』……!」
誰が説明せずとも、全員が悟った。これこそが、封印された怪物なのだと。
「でかい……魔獣なんてサイズじゃないわね、これ……」
「まだ氷の中にいるうちに破壊しよう。カムナ、フレイヤ、一気に攻撃を――」
早々に攻撃を始めようとしたクリスだったが、そうはいかなかった。
なぜなら、低い唸り声と共に、洞窟の影から氷のオオカミが現れたからだ。
しかもその数は、道中で遭遇した三匹どころではない。どこに隠れていたのかと驚くほどの群れが、結晶を守るかのように、クリス達に牙を剥いて飛びかかってきた。
「やはり使い魔も来たか! 皆、迎撃するぞッ!」
もっとも、これくらいの災難は織り込み済みだ。
フレイヤがいの一番に大鋸に手をかけたが、一行はフレイヤを攻めさせないように囲んだ。そして、クリス達は同時に武器を構え、それぞれと背中合わせになり、敵を迎撃した。
「クリスが発熱機能を追加してくれた、新しいあたしの腕! 『烈火神威拳』なら、使い魔も一撃よ!」
大口を開けて噛みつこうとするオオカミの顔面に、カムナが拳を叩き込むと、使い魔の顔が焼け爛れた。顔が溶けた使い魔はよろよろと倒れ込むと、そのまま地面に消えた。
分厚い上着を脱いだカムナの両腕は、赤く染まっていた。近くにいるだけで火傷してしまいそうなほどの熱を発するこの機能は、クリスが昨夜、バルディに用意してもらった素材だけで追加した、炎熱を発する能力だ。
深紅の拳を振るうカムナと、超高温を持つツール『焔』で敵を斬るクリス。
使い魔の数は多かったが、アタッカーはこの二人で十分だった。
「癪ですけど、カムナとクリス様に攻撃を任せるのが一番ですわね! だったらわたくしは、敵の捕縛に集中しますわ!」
しかもこちらには、武器を破壊する以外での敵の攻撃が一切通じず、透ける鎖で相手の動きを完全に封じるサポーター、リゼットがいるのだ。
彼女は雪道での戦いと同じように、今度は七匹の使い魔を縛り上げた。透過した鎖は、彼女の意志で一度元の姿を取り戻すと、堅固な鉄で敵を雁字搦めにする。
「二人とも、一気にやっちゃってくださいまし!」
リゼットの声とともに、カムナとクリスが一斉に飛び出した。
「オッケー! 燃えろ、あたしの拳ッ!」
「オロックリン流解体術壱式『乙型』――『紅蓮陽炎』ッ!」
燃える剣と拳、二つの攻撃が、使い魔を完全に破壊した。
並び立つ二人の傍で溶け、消滅していくオオカミを見て、フレイヤは感心した。
「使い魔をこうも簡単に撃破するとは……私の出番がないな、これでは」
熱を払うようにツールを振り、クリスは笑顔を見せた。
「フレイヤはこの中で唯一封印術を使えるんだ、無理に前線に出て傷つく必要はないよ。敵は倒すつもりでいるけど、いざという時には君の力が一番頼りになるからね」
優しい言葉が、フレイヤの心臓に刺さった。
「……いざという時には、か」
「……?」
「いいや、何でもない。それよりもまだ敵はいるぞ、油断は――」
三人に話していない決意を再確認したフレイヤの言う通り、使い魔はまだ闇の中からギラリと目を光らせている。うち数匹はもう、一行に狙いを定めている。
本丸を討つべく、雑魚を蹴散らさんともう一度武器を握り締めたクリスだったが、オオカミ達は襲い掛かってこなかった。代わりに、信じられないことが起きた。
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しかも自分達にも通じる言葉で、流暢に喋ってみせた。もちろん、会話をしないと確定したわけではなかったが、これまで唸り声しか聞かなかった一同が驚くのは当然だった。
「なッ!?」
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クリスはオオカミを見ず、氷の中を見据えた。
美しい結晶の中で、黒い何かが胎動するのに応えるように、使い魔は口を開いた。
『いや、待っておったぞ。随分と暇を持て余していた』
荘厳で、どこか年老いた男を想起させる声。厳粛で、凛と澄んだ声。
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カムナを含め、その声の出所を他の三人が理解すると、フレイヤの目が見開いた。
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クリスが問い返すのと同時に、彼女も結晶を睨んだ。
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