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帝国鉄道と魔獣少女
オール・フォー・ワン!
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「洞窟でマガツは、魔獣を殺して、装甲を食べて回復してたんだ! でも、彼女は食事もしないまま、爆発を防いで、今も俺達と戦ってる! きっと、エネルギーと追加の鋼を補給できないから、触手が細くなってるんだ!」
魔獣の鋼を食する生物など、到底信じられない。帝都で魔獣を研究する学会ですら、知らない新事実だろう。というより、マガツの存在自体が信じられないだろう。
しかし、これは紛れもない事実だ。彼女は装甲を食べて、触手として生やしている。
その供給をしばらく途絶えさせているだけでなく、爆発や戦闘で触手を防御壁として使い、消耗している今、マガツは明確に弱っているのだ。
「つまり、このまま消耗させ続ければ……」
「ああ、反撃の機会はある! そしてマガツが言ってた、首筋に埋め込まれたチップを引き抜けば正気に戻る! 俺達は、そこだけを狙えばいい!」
クリス達の狙いが明確になった一方、マガツは涎を垂らすほどに飢えていた。
「……足りない……鉄が、鋼が……肉が、足りない……!」
触手をせわしなく動かし、彼女は駅の外をぎろりと睨んだ。
「食べ物の匂い……外に、ある……!」
もう、マガツはクリス達を敵として見ていない。即座に仕留められる四人よりも、自分の生命源である魔獣の装甲の補給を最優先としているようだった。
そんな彼女の嗅覚が、駅の外に広がる、無人の市場に気付かないはずがなかった。
「まずい! グルーナの外はエクスペディション・ギルドの支部がある都市だ! 魔獣の装甲を売っている店など、ごまんとあるぞッ!」
「絶対に食事をさせちゃいけない――ここで決着をつける!」
マガツが駅の外に飛び出るよりも早く、クリス達が一斉に駆け出した。
痛みでわずかに出遅れたクリスだが、もう一人でどうにかしようとはしない。
「カムナ、任せた!」
三人の中で最も早いカムナに、彼は託した。
全幅の信頼をぶつけた声を、カムナが聞き逃すはずがなかった。
「――ま、任せられたわ! ふふ、ふふふっ!」
にやにやと喜びを抑えられないカムナが飛び出して、マガツに殴りかかった。
「カムナオイノカミ様を無視してんじゃないわよ、このうねうねキモ女ァッ!」
機関銃を取り外した腕は、既に手首から上がアンカーとなった『射出錨腕』に変わっていた。しかし、カムナはそれを射出するつもりはなかったし、もっとシンプルな有効打を、本能的に思いついていた。
カムナは碇の拳で、マガツを思い切り殴りつけた。
マガツは当然触手で防御するが、今度は左手でパンチを叩き込む。
「でりゃりゃりゃりゃあぁーッ!」
防がれようが関係ない。そうなれば、反対の腕で殴りつけてやるだけである。
右手の次は左手。左手の次は右手。触手二本で防ぐのがやっとの、凄まじい攻撃だ。
「な……ありえない、私より早い……!?」
鬼気迫るラッシュ攻撃を超高速で叩き込まれ、思わずマガツは足を止めた。
「おっと、私達がいるのを忘れてもらっては困るなっ!」
「貴女が驚いた透明マジック、今度は別の形でお見せしてやりましてよ!」
こうなれば、フレイヤとリゼットも本領が発揮できるというものだ。
フレイヤは『グレイヴ』で触手を斬りつけたかと思うと、そのまま触手を地面に叩きつけて固定した。リゼットは体を透かして触手を掴み、駅の床に突っ込み、元に戻して見せた。複雑に埋められた触手は、もぞもぞと先端を動かすだけだ。
これで合わせて、四本すべての触手が封じられた。
(大鋸で触手を無理矢理抑えつけて、幽体化をわざと解除して地面に触手を埋め込んだ! 抜きだすことも伸ばすこともできないのは、弱体化した証だ!)
敵の無力化を確信して回り込むクリスだが、マガツもまだ、諦めたわけではない。
「舐めるな……私を、マガツヒノカミを……!」
カムナのラッシュから一本の触手をすり抜けさせたマガツは、狂ったようにそれを振り回した。子供の駄々のような攻撃だが、殺傷力は御墨付だ。
「うそ、これでもまだ動くわけ!?」
「クリス君、長くは抑えられないッ! 一撃で決めてくれッ!」
「分かった!」
だとしても、クリスが足を止める理由にはならない。
マガツの背中に回った彼は、大きく跳び上がった。
空中のクリスを最も危険だと判断したらしいマガツの触手は、彼を貫くべく、とんでもない速さで発射された。
だが、クリスは避けなかった。
脇腹を貫かれても、握りしめたツールが狙いを定めていたからだ。
(狙うなら今しかない! 甲でも乙でもない――一点集中、新技でッ!)
噴き出す血。漏れ出す肉。それでも、クリスの瞳は揺るがない。
マガツの首の裏に見える、芋虫のような部品。砕くのは、ただこれだけ。
弓矢の如く引き絞られたクリスの腕が、目にも留まらぬ速さで放たれ――。
「オロックリン流解体術壱式『丙型』――『鋼穿』ッ!」
マガツの首裏に、突き刺さった。
そして、彼女を支配するパーツだけを、見事、粉々に砕いてみせたのだ。
「馬鹿、な……?」
かっと目を見開くマガツは、掠れた声を発するのと同時に、触手の動きを止めた。
「『焔』のグリップ越しにも分かるよ、この小さな部品が信じられないほど硬くて、普通の解体術なんて通じないってことは……でも、『丙型』には関係ない。抉り抜く力で、この技に勝る力は存在しない!」
ぐらりと地面に倒れ込んだクリスの前で、マガツもよろめいた。
「……ま……がつ、は……」
そして、ばたりとうつ伏せに倒れ、ピクリとも動かなくなった。
「マガツ!」
自分の傷も忘れて、クリスはマガツを抱きかかえた。
もしかすると死んでしまったのではないかと思ったが、彼女は小刻みながらも呼吸をしていた。多くの生き物でそうなのだから、きっとまだ、マガツは生きていると思っていいだろう。
大きく安堵の息を吐くクリスの傍に、彼の仲間達が駆け寄ってきた。
「ふう……やっと、こいつを静かにさせられたわね」
「カムナ、皆……本当に、本当にありがとう」
「お礼なんていいわよ。主人を助けるのに、理由なんていらないでしょ?」
胸を張って、カムナは笑った。
「だって……あたしはあんたの武器、なんだから!」
彼女の笑顔を見て、クリスも力なく笑った。
安堵か、あるいは痛みが喜びを阻んだのか、それは彼にしか分からない。
――いいや、きっとマイナスの意味ではない。
「なーにをカッコつけてやがりますの、この勘違いおバカムナ!」
「マガツとやらも連れてゆく必要がありそうだなっ! 色々と聞いておかなければならないこともあるが、ひとまずは一緒に帰るとしよう、クリス君!」
フレイヤ達にも囲まれ、彼はゆっくりと立ち上がった。
「うん……帰ろう、一緒に」
大きく頷いたクリスと、マガツが担ぎ上げられ、こうして四人は駅を後にした。
誰もがマガツのことと、クリスのみを案じるばかりだった。
燃え盛り、崩れ落ちる駅の責任の所在など、ちっとも考えないまま――。
魔獣の鋼を食する生物など、到底信じられない。帝都で魔獣を研究する学会ですら、知らない新事実だろう。というより、マガツの存在自体が信じられないだろう。
しかし、これは紛れもない事実だ。彼女は装甲を食べて、触手として生やしている。
その供給をしばらく途絶えさせているだけでなく、爆発や戦闘で触手を防御壁として使い、消耗している今、マガツは明確に弱っているのだ。
「つまり、このまま消耗させ続ければ……」
「ああ、反撃の機会はある! そしてマガツが言ってた、首筋に埋め込まれたチップを引き抜けば正気に戻る! 俺達は、そこだけを狙えばいい!」
クリス達の狙いが明確になった一方、マガツは涎を垂らすほどに飢えていた。
「……足りない……鉄が、鋼が……肉が、足りない……!」
触手をせわしなく動かし、彼女は駅の外をぎろりと睨んだ。
「食べ物の匂い……外に、ある……!」
もう、マガツはクリス達を敵として見ていない。即座に仕留められる四人よりも、自分の生命源である魔獣の装甲の補給を最優先としているようだった。
そんな彼女の嗅覚が、駅の外に広がる、無人の市場に気付かないはずがなかった。
「まずい! グルーナの外はエクスペディション・ギルドの支部がある都市だ! 魔獣の装甲を売っている店など、ごまんとあるぞッ!」
「絶対に食事をさせちゃいけない――ここで決着をつける!」
マガツが駅の外に飛び出るよりも早く、クリス達が一斉に駆け出した。
痛みでわずかに出遅れたクリスだが、もう一人でどうにかしようとはしない。
「カムナ、任せた!」
三人の中で最も早いカムナに、彼は託した。
全幅の信頼をぶつけた声を、カムナが聞き逃すはずがなかった。
「――ま、任せられたわ! ふふ、ふふふっ!」
にやにやと喜びを抑えられないカムナが飛び出して、マガツに殴りかかった。
「カムナオイノカミ様を無視してんじゃないわよ、このうねうねキモ女ァッ!」
機関銃を取り外した腕は、既に手首から上がアンカーとなった『射出錨腕』に変わっていた。しかし、カムナはそれを射出するつもりはなかったし、もっとシンプルな有効打を、本能的に思いついていた。
カムナは碇の拳で、マガツを思い切り殴りつけた。
マガツは当然触手で防御するが、今度は左手でパンチを叩き込む。
「でりゃりゃりゃりゃあぁーッ!」
防がれようが関係ない。そうなれば、反対の腕で殴りつけてやるだけである。
右手の次は左手。左手の次は右手。触手二本で防ぐのがやっとの、凄まじい攻撃だ。
「な……ありえない、私より早い……!?」
鬼気迫るラッシュ攻撃を超高速で叩き込まれ、思わずマガツは足を止めた。
「おっと、私達がいるのを忘れてもらっては困るなっ!」
「貴女が驚いた透明マジック、今度は別の形でお見せしてやりましてよ!」
こうなれば、フレイヤとリゼットも本領が発揮できるというものだ。
フレイヤは『グレイヴ』で触手を斬りつけたかと思うと、そのまま触手を地面に叩きつけて固定した。リゼットは体を透かして触手を掴み、駅の床に突っ込み、元に戻して見せた。複雑に埋められた触手は、もぞもぞと先端を動かすだけだ。
これで合わせて、四本すべての触手が封じられた。
(大鋸で触手を無理矢理抑えつけて、幽体化をわざと解除して地面に触手を埋め込んだ! 抜きだすことも伸ばすこともできないのは、弱体化した証だ!)
敵の無力化を確信して回り込むクリスだが、マガツもまだ、諦めたわけではない。
「舐めるな……私を、マガツヒノカミを……!」
カムナのラッシュから一本の触手をすり抜けさせたマガツは、狂ったようにそれを振り回した。子供の駄々のような攻撃だが、殺傷力は御墨付だ。
「うそ、これでもまだ動くわけ!?」
「クリス君、長くは抑えられないッ! 一撃で決めてくれッ!」
「分かった!」
だとしても、クリスが足を止める理由にはならない。
マガツの背中に回った彼は、大きく跳び上がった。
空中のクリスを最も危険だと判断したらしいマガツの触手は、彼を貫くべく、とんでもない速さで発射された。
だが、クリスは避けなかった。
脇腹を貫かれても、握りしめたツールが狙いを定めていたからだ。
(狙うなら今しかない! 甲でも乙でもない――一点集中、新技でッ!)
噴き出す血。漏れ出す肉。それでも、クリスの瞳は揺るがない。
マガツの首の裏に見える、芋虫のような部品。砕くのは、ただこれだけ。
弓矢の如く引き絞られたクリスの腕が、目にも留まらぬ速さで放たれ――。
「オロックリン流解体術壱式『丙型』――『鋼穿』ッ!」
マガツの首裏に、突き刺さった。
そして、彼女を支配するパーツだけを、見事、粉々に砕いてみせたのだ。
「馬鹿、な……?」
かっと目を見開くマガツは、掠れた声を発するのと同時に、触手の動きを止めた。
「『焔』のグリップ越しにも分かるよ、この小さな部品が信じられないほど硬くて、普通の解体術なんて通じないってことは……でも、『丙型』には関係ない。抉り抜く力で、この技に勝る力は存在しない!」
ぐらりと地面に倒れ込んだクリスの前で、マガツもよろめいた。
「……ま……がつ、は……」
そして、ばたりとうつ伏せに倒れ、ピクリとも動かなくなった。
「マガツ!」
自分の傷も忘れて、クリスはマガツを抱きかかえた。
もしかすると死んでしまったのではないかと思ったが、彼女は小刻みながらも呼吸をしていた。多くの生き物でそうなのだから、きっとまだ、マガツは生きていると思っていいだろう。
大きく安堵の息を吐くクリスの傍に、彼の仲間達が駆け寄ってきた。
「ふう……やっと、こいつを静かにさせられたわね」
「カムナ、皆……本当に、本当にありがとう」
「お礼なんていいわよ。主人を助けるのに、理由なんていらないでしょ?」
胸を張って、カムナは笑った。
「だって……あたしはあんたの武器、なんだから!」
彼女の笑顔を見て、クリスも力なく笑った。
安堵か、あるいは痛みが喜びを阻んだのか、それは彼にしか分からない。
――いいや、きっとマイナスの意味ではない。
「なーにをカッコつけてやがりますの、この勘違いおバカムナ!」
「マガツとやらも連れてゆく必要がありそうだなっ! 色々と聞いておかなければならないこともあるが、ひとまずは一緒に帰るとしよう、クリス君!」
フレイヤ達にも囲まれ、彼はゆっくりと立ち上がった。
「うん……帰ろう、一緒に」
大きく頷いたクリスと、マガツが担ぎ上げられ、こうして四人は駅を後にした。
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