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奴隷商人、マッコイ
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ブリーウッズの森を向けて平原を歩き、カンタヴェールまで戻ってくるのにそう時間はかからなかった。
距離も離れていないし、なによりキャロルとの話が、時間を忘れるくらい楽しかった。
「じゃあ、お兄さんがいた世界にはドラゴンはいないんですか?」
「ああ。絵本とか小説とかでしか見られない、想像上の生き物だ」
俺がいた世界と異世界の違いは、特に盛り上がる。
あっちの世界で見つかれば大騒ぎになるドラゴンは、異世界ではちゃんと存在が認識されてるらしい。
それでも、かなり珍しい生き物みたいだけどな。
「私は一度だけ、王都の博物館で骨を見たことがあるんですけど、すごいですよ! うちの家ほども大きくて、牙も生えてて……魔物というより、伝説の聖獣みたいでした!」
「ほー、王都に行ったことがあるんだな」
「王都にある『魔道具専門学校』に通いたくて、こっそりオープンキャンパスに応募したんです。お父さんと大喧嘩して、ひとりで何日もかけて王都に行っちゃいました」
ついでにキャロルって、けっこうアクティブなんだな。
初めて出会った時のおどおどした態度が、今じゃウソみたいだ。
「来年には入学できる年になるので、今度こそお父さんを……あれ?」
話に花を咲かせて帰ってきた俺達を迎えてくれたのは、いつもの雰囲気じゃなかった。
家の外に出て誰もが話し合い、丘の上の方をじっと見つめてる。
住民と同じように『双角屋』の前で頭を掻くブランドンさんを見つけて、俺とキャロルは顔を見合わせてから駆け寄った。
「何かあったんですか、ブランドンさん?」
俺達を見る彼の目は、いつもよりけだるげだ。
「おう、イオリか。お前さんとキャロルが魔物退治に行ってる間に……おお、こいつが噂のブラックレオンか!」
でも、後ろにいる狼が背負っている魔物の亡骸を見て、少しだけ顔が明るくなった。
「しかもそこの豚、キノコを集めてるじゃねえか! いやあ、本当に助かる……」
「お父さん。お兄さんは、何があったのかって気にしてるよ」
キャロルに注意されて、ブランドンさんは話がそれているのに気づいたみたい。
俺も今のうちにと、狼に命令して物置の方に向かわせる。
「おっと、そうだった。ふたりが町を出てる間に、マッコイの野郎が来たんだ」
彼の話を聞いて、キャロルの顔もわずかに陰った。
「マッコイって……あの、奴隷商人だよね」
俺は理由が分からなかったけど、彼女が不穏な言葉を口にして、やっと町に蔓延する嫌な雰囲気の原因を察した。
「奴隷? この世界には、奴隷がいるんですか?」
「イオリの世界にゃあいねえのか?」
「いるといえばいるんですけど……もう、何百年も前の話だと思います。普通に生活してれば、まず見かけないですよ」
「そうか、そっちの方がずっといいぜ。こっちの世界の金持ち連中はクソだからな」
顎をさするブランドンさんの言い分は、苛立ちに満ちていた。
俺だって、いい気分じゃない。
鞭を打たれて、なんだか知らない円柱をひたすらぐるぐると回す仕事を繰り返す奴隷のイメージと違って、本来の奴隷はそれなりに手厚い保護を受けている。
俺が複雑な顔をしてるのは、グラント親子の反応からして、こっちの世界はそうじゃないと勘付いてしまったからだ。
「王都ロンディニアでは、奴隷を持つことは禁止されてます。ただ、一部の貴族や富豪が買っていて、国の有力者も……だから、皆見て見ぬふりをしてるんです」
法で守られない奴隷か。
だったらなおさら、ひどい扱いだろうな。
「で、そのマッコイって奴隷商人が、どうしてわざわざカンタヴェールに?」
「よその国から王都に行く途中に立ち寄るんだ。俺っち達庶民に嫌味を言うためにな」
まさかの理由に、俺は目を丸くする。
「……それだけ?」
「それだけです。あの人にとって、人を見下すことほど楽しい遊びはないんです」
「ワガママで身勝手で、そのくせ貴族や、そいつらに顔の利く転移者とのパイプが太いから誰も注意できねえ……絵にかいたような、最低最悪のクソヤローだぜ」
そりゃあ、マッコイとかいう奴隷商人が来ただけで、カンタヴェールの皆が嫌がるわけだ。
「ま、珍しい奴隷が手に入ったとかで、上機嫌なのが不幸中の幸いだな」
「珍しい、奴隷……?」
ブランドンさんがため息をつくと、丘の上から耳障りな声が聞こえてきた。
「――ふぅ~、相変わらずこの町のコーヒーはぬるくてマズいのぅ~!」
馬車を御者に曳かせて、後ろでふんぞり返っている男は、絶対にマッコイだ。
賭けてもいい――でっぷりと肥えた体に禿げた頭、茶色の分厚いひげ、金銀の装飾を全身に纏わせたさまが嫌味な奴隷商人じゃないなんて、あり得ないだろ。
「……あれが、マッコイですね」
「そうだ。馬車を2台、護衛まで連れてふんぞり返る、豚みたいなヤローだ」
屈強な男を何人も同伴させたマッコイは、町の人々の不愉快さを代弁する視線をぶつけられても、まるで気にしちゃいない。
「どかんか亜人。大貴族お抱えである商人のわしに対して、図が高いぞ」
それどころか、俺達の前まで来て、葉巻を吸いながらこう言い放つ始末だ。
俺の悪口なら笑って受け流すが、ブランドンさんやキャロルをバカにしているなら、狼の餌食にしてやる。
「なんだって……むぐっ」
だけど、狼に命令するよりも先に、ブランドンさんが俺を引き寄せた。
彼がマッコイと目を合わせないようにすると、向こうも興味をなくしたみたいだ。
「はあ、まったく、田舎者はいつまで経っても礼儀を覚えんな……」
そうしてガラガラと、馬車が俺達の前を通り過ぎてゆく。
マッコイの乗る馬車の後ろをついていくのは、きっと奴隷を乗せた馬車だ。
(気にしない方がいいです、お兄さん。今だけ我慢すれば、しばらくは来ませんから)
(ごめん、ついカッとなって――)
俺にこっそりと耳打ちするキャロルに謝っていると、ふと、馬車の中が見えた。
逃げられないようにはめ込まれた鉄格子の隙間から目に飛び込んできたのは、白い髪とやつれた顔。
明らかに、自分の意図しない形で売られた女の子だ。
これがただの奴隷なら、かわいそうだと思うだけだった。
「――銀城さん?」
中にいるのが、俺のクラスメート。
唯一俺を守ってくれたクラスの人気者――銀城カノンじゃなければ、だが。
距離も離れていないし、なによりキャロルとの話が、時間を忘れるくらい楽しかった。
「じゃあ、お兄さんがいた世界にはドラゴンはいないんですか?」
「ああ。絵本とか小説とかでしか見られない、想像上の生き物だ」
俺がいた世界と異世界の違いは、特に盛り上がる。
あっちの世界で見つかれば大騒ぎになるドラゴンは、異世界ではちゃんと存在が認識されてるらしい。
それでも、かなり珍しい生き物みたいだけどな。
「私は一度だけ、王都の博物館で骨を見たことがあるんですけど、すごいですよ! うちの家ほども大きくて、牙も生えてて……魔物というより、伝説の聖獣みたいでした!」
「ほー、王都に行ったことがあるんだな」
「王都にある『魔道具専門学校』に通いたくて、こっそりオープンキャンパスに応募したんです。お父さんと大喧嘩して、ひとりで何日もかけて王都に行っちゃいました」
ついでにキャロルって、けっこうアクティブなんだな。
初めて出会った時のおどおどした態度が、今じゃウソみたいだ。
「来年には入学できる年になるので、今度こそお父さんを……あれ?」
話に花を咲かせて帰ってきた俺達を迎えてくれたのは、いつもの雰囲気じゃなかった。
家の外に出て誰もが話し合い、丘の上の方をじっと見つめてる。
住民と同じように『双角屋』の前で頭を掻くブランドンさんを見つけて、俺とキャロルは顔を見合わせてから駆け寄った。
「何かあったんですか、ブランドンさん?」
俺達を見る彼の目は、いつもよりけだるげだ。
「おう、イオリか。お前さんとキャロルが魔物退治に行ってる間に……おお、こいつが噂のブラックレオンか!」
でも、後ろにいる狼が背負っている魔物の亡骸を見て、少しだけ顔が明るくなった。
「しかもそこの豚、キノコを集めてるじゃねえか! いやあ、本当に助かる……」
「お父さん。お兄さんは、何があったのかって気にしてるよ」
キャロルに注意されて、ブランドンさんは話がそれているのに気づいたみたい。
俺も今のうちにと、狼に命令して物置の方に向かわせる。
「おっと、そうだった。ふたりが町を出てる間に、マッコイの野郎が来たんだ」
彼の話を聞いて、キャロルの顔もわずかに陰った。
「マッコイって……あの、奴隷商人だよね」
俺は理由が分からなかったけど、彼女が不穏な言葉を口にして、やっと町に蔓延する嫌な雰囲気の原因を察した。
「奴隷? この世界には、奴隷がいるんですか?」
「イオリの世界にゃあいねえのか?」
「いるといえばいるんですけど……もう、何百年も前の話だと思います。普通に生活してれば、まず見かけないですよ」
「そうか、そっちの方がずっといいぜ。こっちの世界の金持ち連中はクソだからな」
顎をさするブランドンさんの言い分は、苛立ちに満ちていた。
俺だって、いい気分じゃない。
鞭を打たれて、なんだか知らない円柱をひたすらぐるぐると回す仕事を繰り返す奴隷のイメージと違って、本来の奴隷はそれなりに手厚い保護を受けている。
俺が複雑な顔をしてるのは、グラント親子の反応からして、こっちの世界はそうじゃないと勘付いてしまったからだ。
「王都ロンディニアでは、奴隷を持つことは禁止されてます。ただ、一部の貴族や富豪が買っていて、国の有力者も……だから、皆見て見ぬふりをしてるんです」
法で守られない奴隷か。
だったらなおさら、ひどい扱いだろうな。
「で、そのマッコイって奴隷商人が、どうしてわざわざカンタヴェールに?」
「よその国から王都に行く途中に立ち寄るんだ。俺っち達庶民に嫌味を言うためにな」
まさかの理由に、俺は目を丸くする。
「……それだけ?」
「それだけです。あの人にとって、人を見下すことほど楽しい遊びはないんです」
「ワガママで身勝手で、そのくせ貴族や、そいつらに顔の利く転移者とのパイプが太いから誰も注意できねえ……絵にかいたような、最低最悪のクソヤローだぜ」
そりゃあ、マッコイとかいう奴隷商人が来ただけで、カンタヴェールの皆が嫌がるわけだ。
「ま、珍しい奴隷が手に入ったとかで、上機嫌なのが不幸中の幸いだな」
「珍しい、奴隷……?」
ブランドンさんがため息をつくと、丘の上から耳障りな声が聞こえてきた。
「――ふぅ~、相変わらずこの町のコーヒーはぬるくてマズいのぅ~!」
馬車を御者に曳かせて、後ろでふんぞり返っている男は、絶対にマッコイだ。
賭けてもいい――でっぷりと肥えた体に禿げた頭、茶色の分厚いひげ、金銀の装飾を全身に纏わせたさまが嫌味な奴隷商人じゃないなんて、あり得ないだろ。
「……あれが、マッコイですね」
「そうだ。馬車を2台、護衛まで連れてふんぞり返る、豚みたいなヤローだ」
屈強な男を何人も同伴させたマッコイは、町の人々の不愉快さを代弁する視線をぶつけられても、まるで気にしちゃいない。
「どかんか亜人。大貴族お抱えである商人のわしに対して、図が高いぞ」
それどころか、俺達の前まで来て、葉巻を吸いながらこう言い放つ始末だ。
俺の悪口なら笑って受け流すが、ブランドンさんやキャロルをバカにしているなら、狼の餌食にしてやる。
「なんだって……むぐっ」
だけど、狼に命令するよりも先に、ブランドンさんが俺を引き寄せた。
彼がマッコイと目を合わせないようにすると、向こうも興味をなくしたみたいだ。
「はあ、まったく、田舎者はいつまで経っても礼儀を覚えんな……」
そうしてガラガラと、馬車が俺達の前を通り過ぎてゆく。
マッコイの乗る馬車の後ろをついていくのは、きっと奴隷を乗せた馬車だ。
(気にしない方がいいです、お兄さん。今だけ我慢すれば、しばらくは来ませんから)
(ごめん、ついカッとなって――)
俺にこっそりと耳打ちするキャロルに謝っていると、ふと、馬車の中が見えた。
逃げられないようにはめ込まれた鉄格子の隙間から目に飛び込んできたのは、白い髪とやつれた顔。
明らかに、自分の意図しない形で売られた女の子だ。
これがただの奴隷なら、かわいそうだと思うだけだった。
「――銀城さん?」
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