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街中にて
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響が全てを語った後も、彼女に対する凌の態度は変わらなかった。
以前と同じように優しくて、変に気遣ってくることもない。
ただ、あれ以来、時々考え込んでいる様子を見かけるようになったような気がする。
こうやって隣を歩いている今も、凌はどこか気もそぞろだった。響のバイトの合間に昼食を一緒に摂ろうと言ってきたのは、彼の方なのに。
小さくため息をついて、それでも響はいつものように振る舞おうとする。
「――そう思いませんか、リョウさん?」
つらつらと喋り倒した末に、響は凌を見上げて問いかけた。
まただ。また、正面に目を向けたまま歩く彼からの反応がない。
響はムッと口を捻じ曲げた。立ち止まり、彼の手を掴んでグッと引く。
「! 何だ?」
ハタと我に返ったという風情で振り返った凌は、響の表情に目を止め眉をひそめた。
「最近、リョウさん上の空です。わたしの声、聞こえてないでしょう?」
彼を睨み付けながらの響の糾弾に、凌は微かに目を見開く。
「ああ……悪い」
バツが悪そうに彼はそう言ったけれど、それは何に対する謝罪なのか。
「言葉だけのごめんなさいはイヤです」
「悪い」
同じ言葉を繰り返す凌に、響は眉間に皺を寄せる。
「……わたしがお話ししたことのせいですか?」
「え?」
「わたしの両親のこととか、記憶のこととか。あれからずっと、リョウさんこんな感じです」
つい、沈んだ口調になって視線を下げてしまった響の頬に、大きな手が触れた。
「響」
名を呼ばれ、そっと顔を上げさせられて、響は彼と目を合わせる。
「お前の話が関係あると言えばあるが、そのことそのものを考えていたわけじゃない」
曖昧な言い方をする凌の台詞は、要領を得ない。首をかしげた響に、彼は浅く微笑んだ。
「俺の中の問題なんだよ。悪かった。ちゃんと話を聞くから。で、何て言ったんだ?」
彼のその言い方が何となく幼い子どもをあやすようなものの気がして、響は一度は消した眉間の皺をまた深くした。
「リョウさんって、やっぱりわたしのことを子ども扱いしてる気がするんですけど」
「子ども扱い?」
「してるでしょ?」
否定は返ってこなかった。
「リョウさん……?」
睨み付けながら低い声で名を呼ぶと、彼は真顔で見下ろしてくる。と思ったら、不意にニッと唇を歪めた。
「わたしをからかったんですか!?」
「悪い」
片手で口元を覆っているけれど、目を見たら一目瞭然だ。
凌が笑うところなんてそうそう見られるものではないけれど、そのネタが自分なのは業腹だ。
ペイッと手を振り払ってさっさと歩き出したけれども、身長差が三十センチ以上あるのだから、歩幅の差は歴然としている。いくら凌の脚が悪くても、彼女についてくるのに苦労することはない。
そもそも、普段から響に合わせてくれているのは彼の方なのだ。
「待てよ」
言いながら凌は響の手首を掴んで、彼女を引き寄せた。
彼が目を合わせたがっていることは判ったけれど、響は意固地に顔をうつむける。
こうやって過剰に反応してしまうところが子どもっぽいのだという自覚は、響にもある。けれども、やっぱり気になってしまうのだ。
十歳でこの世に生まれたような状態で、それから同年代の子らに追いつく為に、響は随分と努力した。小学校は結局通えず、ようやく『普通』の生活に混じることができたのは中学校に入ってからだ。
それでもしばしば友人たちからは幼さを指摘されて、その度に響は消えた十年のことを気にせずにはいられなかった。
響を振り向かせた凌は、その表情に怒り以外のものを見つけたようだ。顎に手を添えて上向かせると、視線を逸らしている彼女の顔を見つめ、ふと真面目な顔になる。
「悪かった。本当に、子ども扱いはしていないから」
低い声で、彼は言った。
普通は、響のこんな態度をただ「拗ねた」とだけ受け取るだろう。
けれども、凌は違う。
彼は、響の奥に潜む不安や劣等感にも気付いてくれる。
ふと響は、凌がこんなにも敏感に人の気持ちを汲み取れるのは、彼自身、辛い目に遭ってきたからなのだろうかと思う。もしもそうならば、彼女は彼の優しさに少しの悲しさを覚えた。
「響?」
彼女の名を呼ぶその声は、穏やかで優しい。頬を撫でるような心地良さに、響の目の奥がジンと疼く。
「いいですよ。別に、怒ってません」
そう言って響が顎を上げると、凌はふと目元を和らげて、彼女の髪をクシャリとかき混ぜた。
それはやっぱり子ども扱いのようだったけれども、彼が彼女のことを大事に想ってくれていることは、問わずとも知れた。
もしかして、と響は思う。
もしかして、凌が知っている『誰かを大事だと想う気持ちを表す方法』は、こういう形だけなのではないだろうか。
多分、彼が今まで一番大事に想ったのは、彼の妹のはず。だから、大事に想っている響を、妹と同じように扱っている。
(それとも――やっぱり、妹さんと重ねてる?)
響は不意に頭の中をよぎったその考えに、慌てて首を振る。
もしもそうだとしても、それは些細なことだ。凌が響を大事にしてくれていることに変わりはないし、彼女自身もそう思っている。
にも拘らず、その考えが頭をかすめた瞬間、突然足元の床が抜けたようなぞっとする感覚を彼女に引き起こさせた。
「どうした?」
唐突に身体を震わせた響に、凌が案じる色を浮かべた視線を向ける。彼女は笑みを作ってかぶりを振った。
「何でも、ないです」
小さく首をかしげた響を、凌が微かに細めた目で探るように見つめる。
何かを言おうとして、彼が口を開きかけた時だった。
「よう、凌、何してんだ?」
背後からかけられた声に、なんだかすごくイヤそうに、凌が眉をしかめる。
二人揃って振り返った先にいたのは、ニコニコと機嫌良さそうに笑っている男性だった。短く刈り込んだ白髪混じりの頭が老けて見えるけれど、実際は四十歳には届いていないだろう。
響はその男性を見て、凌を見上げて、また男性を見た。
凌は渋い顔で唇を引き結んでいる。
渋い顔だけれども、その表情にあるのは不機嫌や不愉快とは違う。どちらかというと困惑に近いようで、この男性のことを嫌っているわけではないらしい。
男性は、響を見ると更に笑みを深くした。
「やあ、君が例の子か。僕は福井銀次《ふくい ぎんじ》だよ、初めまして。凌とは十年来の知り合いなんだ」
「あ……藤野響です」
『例の子』というフレーズが引っかかったけれども、取り敢えず彼女は名乗ってペコリと頭を下げた。その様子に、彼の目は糸のようになる。
「響ちゃんか、可愛いねえ。デート?」
「え……えぇっと……ちょっと、お昼を食べに……」
「お、いいねぇ。おじさんも行っていいかな」
「おい、福井さん」
「ね、イイだろ、響ちゃん?」
ソフトな口調で、意外に押しが強い。凌を完全に無視してグイグイと響に食い込んでくる。
響はそんな彼に面食らいながら、返事に迷った。
凌の友人とは、以前にコンビニでも顔を合わせたことがある。あの時の人は、何となく見られていると不安になった。でも、同じように親しげにされても、今目の前にいるこの人からはそれが感じられない。
(――別に、昼食を一緒にするくらいは、良いんじゃないかな?)
「……はい……」
凌の意見を訊いてから――と続けようと彼の方を見ようとしたら、すかさず銀次の声が割り込んだ。
「よし、行こうか。おじさんがおごってあげるよ」
言うなり、彼女の背中に手を置いて歩き出す。珍しく慌てたような凌の声が背後で上がった。
「ちょ、福井さん!」
「いいよ、お前が来ないなら僕と響ちゃんと二人きりでご飯に行っちゃうから」
凌の方を見もせずに銀次は飄々とそう言って、立ち止まることなく歩き続けた。
響が肩越しに振り返ってみると、凌は憮然とした顔をしながらついてくる。
横の銀次に目を戻すと、いたずらっぽい笑顔を浮かべた彼が器用にウインクを返してくる。
――いつも余裕綽々な凌があまり見せたことのないそんな顔に、響はこっそりと笑いをかみ殺した。
以前と同じように優しくて、変に気遣ってくることもない。
ただ、あれ以来、時々考え込んでいる様子を見かけるようになったような気がする。
こうやって隣を歩いている今も、凌はどこか気もそぞろだった。響のバイトの合間に昼食を一緒に摂ろうと言ってきたのは、彼の方なのに。
小さくため息をついて、それでも響はいつものように振る舞おうとする。
「――そう思いませんか、リョウさん?」
つらつらと喋り倒した末に、響は凌を見上げて問いかけた。
まただ。また、正面に目を向けたまま歩く彼からの反応がない。
響はムッと口を捻じ曲げた。立ち止まり、彼の手を掴んでグッと引く。
「! 何だ?」
ハタと我に返ったという風情で振り返った凌は、響の表情に目を止め眉をひそめた。
「最近、リョウさん上の空です。わたしの声、聞こえてないでしょう?」
彼を睨み付けながらの響の糾弾に、凌は微かに目を見開く。
「ああ……悪い」
バツが悪そうに彼はそう言ったけれど、それは何に対する謝罪なのか。
「言葉だけのごめんなさいはイヤです」
「悪い」
同じ言葉を繰り返す凌に、響は眉間に皺を寄せる。
「……わたしがお話ししたことのせいですか?」
「え?」
「わたしの両親のこととか、記憶のこととか。あれからずっと、リョウさんこんな感じです」
つい、沈んだ口調になって視線を下げてしまった響の頬に、大きな手が触れた。
「響」
名を呼ばれ、そっと顔を上げさせられて、響は彼と目を合わせる。
「お前の話が関係あると言えばあるが、そのことそのものを考えていたわけじゃない」
曖昧な言い方をする凌の台詞は、要領を得ない。首をかしげた響に、彼は浅く微笑んだ。
「俺の中の問題なんだよ。悪かった。ちゃんと話を聞くから。で、何て言ったんだ?」
彼のその言い方が何となく幼い子どもをあやすようなものの気がして、響は一度は消した眉間の皺をまた深くした。
「リョウさんって、やっぱりわたしのことを子ども扱いしてる気がするんですけど」
「子ども扱い?」
「してるでしょ?」
否定は返ってこなかった。
「リョウさん……?」
睨み付けながら低い声で名を呼ぶと、彼は真顔で見下ろしてくる。と思ったら、不意にニッと唇を歪めた。
「わたしをからかったんですか!?」
「悪い」
片手で口元を覆っているけれど、目を見たら一目瞭然だ。
凌が笑うところなんてそうそう見られるものではないけれど、そのネタが自分なのは業腹だ。
ペイッと手を振り払ってさっさと歩き出したけれども、身長差が三十センチ以上あるのだから、歩幅の差は歴然としている。いくら凌の脚が悪くても、彼女についてくるのに苦労することはない。
そもそも、普段から響に合わせてくれているのは彼の方なのだ。
「待てよ」
言いながら凌は響の手首を掴んで、彼女を引き寄せた。
彼が目を合わせたがっていることは判ったけれど、響は意固地に顔をうつむける。
こうやって過剰に反応してしまうところが子どもっぽいのだという自覚は、響にもある。けれども、やっぱり気になってしまうのだ。
十歳でこの世に生まれたような状態で、それから同年代の子らに追いつく為に、響は随分と努力した。小学校は結局通えず、ようやく『普通』の生活に混じることができたのは中学校に入ってからだ。
それでもしばしば友人たちからは幼さを指摘されて、その度に響は消えた十年のことを気にせずにはいられなかった。
響を振り向かせた凌は、その表情に怒り以外のものを見つけたようだ。顎に手を添えて上向かせると、視線を逸らしている彼女の顔を見つめ、ふと真面目な顔になる。
「悪かった。本当に、子ども扱いはしていないから」
低い声で、彼は言った。
普通は、響のこんな態度をただ「拗ねた」とだけ受け取るだろう。
けれども、凌は違う。
彼は、響の奥に潜む不安や劣等感にも気付いてくれる。
ふと響は、凌がこんなにも敏感に人の気持ちを汲み取れるのは、彼自身、辛い目に遭ってきたからなのだろうかと思う。もしもそうならば、彼女は彼の優しさに少しの悲しさを覚えた。
「響?」
彼女の名を呼ぶその声は、穏やかで優しい。頬を撫でるような心地良さに、響の目の奥がジンと疼く。
「いいですよ。別に、怒ってません」
そう言って響が顎を上げると、凌はふと目元を和らげて、彼女の髪をクシャリとかき混ぜた。
それはやっぱり子ども扱いのようだったけれども、彼が彼女のことを大事に想ってくれていることは、問わずとも知れた。
もしかして、と響は思う。
もしかして、凌が知っている『誰かを大事だと想う気持ちを表す方法』は、こういう形だけなのではないだろうか。
多分、彼が今まで一番大事に想ったのは、彼の妹のはず。だから、大事に想っている響を、妹と同じように扱っている。
(それとも――やっぱり、妹さんと重ねてる?)
響は不意に頭の中をよぎったその考えに、慌てて首を振る。
もしもそうだとしても、それは些細なことだ。凌が響を大事にしてくれていることに変わりはないし、彼女自身もそう思っている。
にも拘らず、その考えが頭をかすめた瞬間、突然足元の床が抜けたようなぞっとする感覚を彼女に引き起こさせた。
「どうした?」
唐突に身体を震わせた響に、凌が案じる色を浮かべた視線を向ける。彼女は笑みを作ってかぶりを振った。
「何でも、ないです」
小さく首をかしげた響を、凌が微かに細めた目で探るように見つめる。
何かを言おうとして、彼が口を開きかけた時だった。
「よう、凌、何してんだ?」
背後からかけられた声に、なんだかすごくイヤそうに、凌が眉をしかめる。
二人揃って振り返った先にいたのは、ニコニコと機嫌良さそうに笑っている男性だった。短く刈り込んだ白髪混じりの頭が老けて見えるけれど、実際は四十歳には届いていないだろう。
響はその男性を見て、凌を見上げて、また男性を見た。
凌は渋い顔で唇を引き結んでいる。
渋い顔だけれども、その表情にあるのは不機嫌や不愉快とは違う。どちらかというと困惑に近いようで、この男性のことを嫌っているわけではないらしい。
男性は、響を見ると更に笑みを深くした。
「やあ、君が例の子か。僕は福井銀次《ふくい ぎんじ》だよ、初めまして。凌とは十年来の知り合いなんだ」
「あ……藤野響です」
『例の子』というフレーズが引っかかったけれども、取り敢えず彼女は名乗ってペコリと頭を下げた。その様子に、彼の目は糸のようになる。
「響ちゃんか、可愛いねえ。デート?」
「え……えぇっと……ちょっと、お昼を食べに……」
「お、いいねぇ。おじさんも行っていいかな」
「おい、福井さん」
「ね、イイだろ、響ちゃん?」
ソフトな口調で、意外に押しが強い。凌を完全に無視してグイグイと響に食い込んでくる。
響はそんな彼に面食らいながら、返事に迷った。
凌の友人とは、以前にコンビニでも顔を合わせたことがある。あの時の人は、何となく見られていると不安になった。でも、同じように親しげにされても、今目の前にいるこの人からはそれが感じられない。
(――別に、昼食を一緒にするくらいは、良いんじゃないかな?)
「……はい……」
凌の意見を訊いてから――と続けようと彼の方を見ようとしたら、すかさず銀次の声が割り込んだ。
「よし、行こうか。おじさんがおごってあげるよ」
言うなり、彼女の背中に手を置いて歩き出す。珍しく慌てたような凌の声が背後で上がった。
「ちょ、福井さん!」
「いいよ、お前が来ないなら僕と響ちゃんと二人きりでご飯に行っちゃうから」
凌の方を見もせずに銀次は飄々とそう言って、立ち止まることなく歩き続けた。
響が肩越しに振り返ってみると、凌は憮然とした顔をしながらついてくる。
横の銀次に目を戻すと、いたずらっぽい笑顔を浮かべた彼が器用にウインクを返してくる。
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