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第二部:らいおんはうさぎにこがれる
特別な存在
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「またいるんですか」
宇佐美家のリビングのソファにいる司に向けて、そんな声が投げられた。肩越しに振り返った彼の目に、制服姿の空が入る。司も三年間着ていた馴染みのあるブレザーだ。
リビングにいるのは司一人だ。花はキッチンで夕食の支度をしている。
彼女を送るようになって、バイトまでの時間がある時には宇佐美家で夕食をもらうようになった。
手間と時間を取らせてしまっているのだからと最初に花から食事を摂っていくようにと言われたとき、司は断ろうとしたのだ。だが、空や花の両親が帰るまで数時間あると聞いて考えを変えた。たとえ一時間かそこらでも、彼女を独りきりにするのは嫌だったからだ。
「悪いな」
答えた司に、空が肩をすくめる。
「別に、謝らなくても。こっちが頼んだことなんですから」
そう言いながら、空はソファの一つに腰を下ろし、太腿に膝をのせて司の方に身を乗り出してきた。そうやって彼との距離を詰め、ひそめた声で言う。
「アイツが出てから、もう一ヶ月になるんですよね」
アイツ、というところは吐き捨てるような口調だが、司もその心境は良く解かる。
「今のところ、大学や帰り道では何も変わった様子はないな」
「うちでも、ですよ」
空は言い、ため息をこぼす。
「何もないのが一番なんですけどね、今後も何もないままとは思えないのが実際のところで。どこぞの国みたいに、GPSでも着けてくれてたら良かったのに。こちらから情報が欲しいと言っても、人権の問題だとか何とかで、今のアイツの住所も教えてくれないんですよね。まったく、加害者よりも被害者を守って欲しいものですよ」
いつもの柔和な顔を険しくさせている空に、司も渋面で頷く。
「まったくだな」
言いながら、司は拳を固めた。
あの男の居場所がわかっていたら、いっそ乗り込んで花には近づくなと脅しつけてやりたいところだ。
そんな物騒なことを考えている司の前で、空は膝に両手を置いて頭を下げた。
「なので申し訳ないですが、取り敢えずあと少し、僕の受験が終わるまではお願いします」
花によく似た柔らかそうなくせ毛を見つめ、司はかぶりを振る。
「いや……俺もやりたくてやっていることだ」
花を案じる想いは司も空も同じ。公然と彼女を守れるなら、むしろ願ったり叶ったりというところだ。
本心からそう答えた司を、空はジッと見つめてきた。
「何だ?」
「いえ。僕が大学に受かればあなたの手を煩わせることはなくなりますよ」
妙に探るような試すような言い方だった。
「別に構わない」
むしろ、させて欲しいとこちらから頼みたいくらいなのだ。
司が肩をすくめると、空は軽く首をかしげて見返してきた。そんな仕草をすると、やっぱり花によく似ているなと改めて思う。
空はもの問いたげな眼差しのまま、ポツリと呟く。
「獅子王さんは、本当に姉のことを大事に想ってくれているんですよね……」
それは、訊ねるというよりも、確かめるような口調だった。
そして司としても訊かれるまでもないことで。
言わずもがな、だ。
だが、その台詞に司が応える前に、パタパタと軽い足音が聞こえてきた。
「あれ、空くん、着替えてこなくていいの?」
リビングに顔を出した花が、制服のまま座る空を見て目を丸くする。
「このままでいいや。夕飯、できたんでしょ?」
「うん」
花はコクリと頷き、空から司に眼を移した。
「獅子王くん、どうぞ。バイト、八時からだよね?」
「ああ」
「今日は体力使うお仕事って言ってたから、お肉メインにしたよ」
そう言って、花は身を翻してキッチンへと戻っていった。司と空は彼女を追って立ち上がる。
ダイニングのテーブルに並べられたメインのメニューは生姜焼きだ。それに、野菜炒め。大皿に山と盛られているのは司のためだろう。飯茶碗も彼には小どんぶりが用意されている。
司が椅子の一つに腰を下ろすと、さっそくこんもりと盛られた飯が差し出された。
「どうぞ」
「ありがとう」
どんぶりを受け取るなり飯を頬張り始めた司を花は妙に嬉しそうに見ている。
いつもそうだ。
どうやら、司の食べっぷりは宇佐美家の面々とはだいぶ違うらしい。彼が豪快に食べてくれるのが気持ちいいのだと、最初に彼女の料理を平らげた時に言っていた。
「お代わりいる?」
「ああ、頼む」
返したどんぶりにいそいそとまた飯を盛る姉を、空が横目で見遣る。
「姉さんって、ホント、獅子王さんが食べてるとこ見るの好きだよね」
「だって、すごく気持ちよく食べてくれるから」
「それって、獅子王さんだからって訳じゃなく?」
探る眼差しで尋ねた空に、花が首をかしげる。
「獅子王くんだから?」
「うん。獅子王さんのことがそんなに特別なのかなって」
屈託なく放たれたその台詞に、思わず司は手を止めた。
無意識に全身を耳にして花の返事を待つ司の前で、彼女がコクリと頷く。
「うん、そうだね」
司は思わず肩を強張らせたが、続く彼女の言葉で一気に脱力した。
「獅子王くんは友達だもん。もちろん、『特別』だよ」
満面の笑みでの彼女の宣言で司の胸中に溢れたものは何だったのだろう。
(これは落胆、か?)
だが、がっかりするようなことではないではないか。
花にとって、友人という存在はかなり大きなものなのだ。そこに含めてもらえたのなら、喜ばしいことなのだから。
「獅子王くん、どうかした?」
手が止まった司を、花が訝しげに眉をひそめて覗き込んでくる。
「ああ、いや、何も。美味いな、これ」
そう返して、司は大皿の生姜焼きに箸を伸ばす。頬張り、ろくに噛まずに呑み込んだ。
「ホントに? また作るね」
花はそう言い、いかにも嬉しそうにパッと顔をほころばせた。
そんな花の前で、司は黙々と手と口を動かす。
花にとって司は特別な存在だと彼女は言う。
だが、司が彼女を特別に想うほどでは、ない。
きっと、そういう『特別さ』ではないのだ。
内心でため息をついた司は、斜め横から注がれる視線に気づき、そちらに目を向けた。見れば、空が人の悪い笑みを浮かべている。
「残念でしたねぇ、まだまだ道のりは遠そうで」
司と目が合うと、彼は訳知り顔でニヤリと笑ってそう言った。微妙に嬉しそうに見えたのは、多分、司の勘ぐり過ぎではないのだろう。
「……」
司はジロリと空を睨みつけ、ご馳走さまと箸を置いた。
宇佐美家のリビングのソファにいる司に向けて、そんな声が投げられた。肩越しに振り返った彼の目に、制服姿の空が入る。司も三年間着ていた馴染みのあるブレザーだ。
リビングにいるのは司一人だ。花はキッチンで夕食の支度をしている。
彼女を送るようになって、バイトまでの時間がある時には宇佐美家で夕食をもらうようになった。
手間と時間を取らせてしまっているのだからと最初に花から食事を摂っていくようにと言われたとき、司は断ろうとしたのだ。だが、空や花の両親が帰るまで数時間あると聞いて考えを変えた。たとえ一時間かそこらでも、彼女を独りきりにするのは嫌だったからだ。
「悪いな」
答えた司に、空が肩をすくめる。
「別に、謝らなくても。こっちが頼んだことなんですから」
そう言いながら、空はソファの一つに腰を下ろし、太腿に膝をのせて司の方に身を乗り出してきた。そうやって彼との距離を詰め、ひそめた声で言う。
「アイツが出てから、もう一ヶ月になるんですよね」
アイツ、というところは吐き捨てるような口調だが、司もその心境は良く解かる。
「今のところ、大学や帰り道では何も変わった様子はないな」
「うちでも、ですよ」
空は言い、ため息をこぼす。
「何もないのが一番なんですけどね、今後も何もないままとは思えないのが実際のところで。どこぞの国みたいに、GPSでも着けてくれてたら良かったのに。こちらから情報が欲しいと言っても、人権の問題だとか何とかで、今のアイツの住所も教えてくれないんですよね。まったく、加害者よりも被害者を守って欲しいものですよ」
いつもの柔和な顔を険しくさせている空に、司も渋面で頷く。
「まったくだな」
言いながら、司は拳を固めた。
あの男の居場所がわかっていたら、いっそ乗り込んで花には近づくなと脅しつけてやりたいところだ。
そんな物騒なことを考えている司の前で、空は膝に両手を置いて頭を下げた。
「なので申し訳ないですが、取り敢えずあと少し、僕の受験が終わるまではお願いします」
花によく似た柔らかそうなくせ毛を見つめ、司はかぶりを振る。
「いや……俺もやりたくてやっていることだ」
花を案じる想いは司も空も同じ。公然と彼女を守れるなら、むしろ願ったり叶ったりというところだ。
本心からそう答えた司を、空はジッと見つめてきた。
「何だ?」
「いえ。僕が大学に受かればあなたの手を煩わせることはなくなりますよ」
妙に探るような試すような言い方だった。
「別に構わない」
むしろ、させて欲しいとこちらから頼みたいくらいなのだ。
司が肩をすくめると、空は軽く首をかしげて見返してきた。そんな仕草をすると、やっぱり花によく似ているなと改めて思う。
空はもの問いたげな眼差しのまま、ポツリと呟く。
「獅子王さんは、本当に姉のことを大事に想ってくれているんですよね……」
それは、訊ねるというよりも、確かめるような口調だった。
そして司としても訊かれるまでもないことで。
言わずもがな、だ。
だが、その台詞に司が応える前に、パタパタと軽い足音が聞こえてきた。
「あれ、空くん、着替えてこなくていいの?」
リビングに顔を出した花が、制服のまま座る空を見て目を丸くする。
「このままでいいや。夕飯、できたんでしょ?」
「うん」
花はコクリと頷き、空から司に眼を移した。
「獅子王くん、どうぞ。バイト、八時からだよね?」
「ああ」
「今日は体力使うお仕事って言ってたから、お肉メインにしたよ」
そう言って、花は身を翻してキッチンへと戻っていった。司と空は彼女を追って立ち上がる。
ダイニングのテーブルに並べられたメインのメニューは生姜焼きだ。それに、野菜炒め。大皿に山と盛られているのは司のためだろう。飯茶碗も彼には小どんぶりが用意されている。
司が椅子の一つに腰を下ろすと、さっそくこんもりと盛られた飯が差し出された。
「どうぞ」
「ありがとう」
どんぶりを受け取るなり飯を頬張り始めた司を花は妙に嬉しそうに見ている。
いつもそうだ。
どうやら、司の食べっぷりは宇佐美家の面々とはだいぶ違うらしい。彼が豪快に食べてくれるのが気持ちいいのだと、最初に彼女の料理を平らげた時に言っていた。
「お代わりいる?」
「ああ、頼む」
返したどんぶりにいそいそとまた飯を盛る姉を、空が横目で見遣る。
「姉さんって、ホント、獅子王さんが食べてるとこ見るの好きだよね」
「だって、すごく気持ちよく食べてくれるから」
「それって、獅子王さんだからって訳じゃなく?」
探る眼差しで尋ねた空に、花が首をかしげる。
「獅子王くんだから?」
「うん。獅子王さんのことがそんなに特別なのかなって」
屈託なく放たれたその台詞に、思わず司は手を止めた。
無意識に全身を耳にして花の返事を待つ司の前で、彼女がコクリと頷く。
「うん、そうだね」
司は思わず肩を強張らせたが、続く彼女の言葉で一気に脱力した。
「獅子王くんは友達だもん。もちろん、『特別』だよ」
満面の笑みでの彼女の宣言で司の胸中に溢れたものは何だったのだろう。
(これは落胆、か?)
だが、がっかりするようなことではないではないか。
花にとって、友人という存在はかなり大きなものなのだ。そこに含めてもらえたのなら、喜ばしいことなのだから。
「獅子王くん、どうかした?」
手が止まった司を、花が訝しげに眉をひそめて覗き込んでくる。
「ああ、いや、何も。美味いな、これ」
そう返して、司は大皿の生姜焼きに箸を伸ばす。頬張り、ろくに噛まずに呑み込んだ。
「ホントに? また作るね」
花はそう言い、いかにも嬉しそうにパッと顔をほころばせた。
そんな花の前で、司は黙々と手と口を動かす。
花にとって司は特別な存在だと彼女は言う。
だが、司が彼女を特別に想うほどでは、ない。
きっと、そういう『特別さ』ではないのだ。
内心でため息をついた司は、斜め横から注がれる視線に気づき、そちらに目を向けた。見れば、空が人の悪い笑みを浮かべている。
「残念でしたねぇ、まだまだ道のりは遠そうで」
司と目が合うと、彼は訳知り顔でニヤリと笑ってそう言った。微妙に嬉しそうに見えたのは、多分、司の勘ぐり過ぎではないのだろう。
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